○衛藤晟一君 一番最初に
大臣に申し上げましたけれ
ども、これ
平成六、七、八年ぐらいに、そのときに、少子高齢社会を乗り切るために社会保障費の上積み、
国庫負担の上積みは試算段階で大体八千億、九千億というオーダーだったんですね。それはちょっとできないというので、大体七千億オーダーぐらいに自民党としてもねらいを定めて、その当時、自社さでしたけれ
ども、そしてやっていこうと。そのころから実は単純
計算によるところの二千億ダウンぐらいをずっとやってきて、結果としては七千億やっぱりずっと増やしてきたんですよ。ちょうどこの二千二百億を改めて決めたころというのは、実はアップ分は七千を切って五、六千台に落ちているんですけれ
ども、単純に二千二百という
数字だけが躍ってきたということでありまして、だから、そんな
意味でも、この西室さんの言ったように単純に二千二百という
数字だけではちゃんと圧縮できないような時代になってきたということだと思うんですね。
ですから、この問題は、
財政の問題と社会保障機能強化という問題はどうバランスを取っていくかということで大変厳しい課題でありますけれ
ども、もう既にそのアップ率が、去年までですよ、今年の場合の補正か何かではちょっとそんな具合には、全く二千二百なんて幾ら言ったって話にならないようなけたで行っていますけれ
ども、アップしていますけれ
ども、実質的には、
平成十九年、二十年というのは五千数百億アップに落ちているんですよ。それにもかかわらず二千二百を単純に続けてきたというところに、非常に機動力を失った
財政対応をしてきたというのが実情だったという具合に思います。
ですから、今私
ども財政再建ということと機能強化ということを考えていくと、単純にこの二千二百という金額で決めてやれるような
状況ではないということだけは改めて確認をさせていただきたいと。十九、二十年はそんな
状態で来ました。実質的にアップ分は五千数百億に両年ともとどまっているんです。七千も行っていないし、もちろん九千も行っていないんですね。そういう
状況でございますので、そこのところを是非御認識いただいて今後取り組んでいただきたいという具合に思っている次第でございます。
民主党さんの
年金に対する案もつい先日報道もされていましたけれ
ども、決まったとは書いてないんで、恐らく、推定記事かどうか分かりませんけれ
ども、今まで言っていたことも総合しますと、
国民年金を含めた
年金制度一元化するんだと。そして、全
国民共通の
所得比例
年金として低
所得者には最低保障
年金を支給するんだと。そしてそれを、基礎
部分に当たるところは全額税方式でやるんだというような形を一応聞いているところでありますけれ
ども、しかし現実的には、この
考え方というのは聞いても実態的によく分からない。
一つの恐らく理論とか
考え方なんでしょうけれ
ども、すべての
年金制度を一元化するといっても、私
ども出しております法案であります共済
年金と
厚生年金の一元化にもまだ応じてくれないというような
状況です。
そしてまた、よく言われております、トーゴーサンピン、クロヨンとか言われておりますけれ
ども、正確な
所得捕捉というのもどうするか、それからそういう中で
保険料の算定をどうするか、これは大変な問題だと思うんですけれ
ども、それから徴収をどうするのか、それからまた、これまで
国民年金の対象であった自営業者の方々については事業主
負担分というのはどうするのかとか、それを入れてこれらの人々には二倍の
負担を求めるのかというようなことが現実的には起こってくるわけですね。それから、
国民年金の方には、御承知のとおり事業主
負担というのはありませんので、これらの方々も
所得比例だけでやるといってもこれをどうするのかとか、様々な問題というのがあるように思います。
だから、
一つの原理的な理念としてというのは分からぬではありませんけれ
ども、そのような原理的な理念というのは恐らく何百も何千もあるんだと思うんですね。しかし、
政策とかいうのはやっぱり、それを現実的な
数字というものを、現実というものを入れて本当にどうしたらいいのかということを考えなければいけないという具合に思うわけでありますけれ
ども、そんな
意味では、さらには、歳入庁構想というのもありますけれ
ども、歳入庁にすれば解決するかのように聞こえますけれ
ども、現実問題としては、
所得税を納めていない方も、先ほどの
お話にもございましたように、
所得税が掛からない方も非常にたくさん現実にあるわけですね。だから、そういうものを一体どうしたらできるんだろうかというのは私
どもとしてもなかなか見えないところ、疑問点でもございます。
また、何よりも、
基礎年金と
所得比例
年金を合わせた
制度全体として
負担と
給付の
水準をどうするのか、また見えないわけであります。
一定の
所得以上の方の最低保障
年金を一部カットするということも言っておられますけれ
ども、具体的にどれぐらいの方々がカットされるのか、とにかく
制度設計をもっと明らかにしてもらいたいと思うのでありますけれ
ども、今分かるだけの中でしましてもよく分からないという
状況でございます。
また、今も申し上げましたように、
一定の
所得以上の人の最低保障
年金についてはカットすると、税収でいえば
投入税額は十三兆ぐらいだという話でございますので、
基礎年金部分を全部入れると今二十三兆ぐらいになりますから、少なくとも四割以上カットしなければいけないということになりますね。そうすると、恐らく中
所得者以上から全部カットするというようなことも起こってくるかもしれません、詳しいことは分かりませんけれ
ども。
今そういう具合に、発表されている段階で想定されるだけでもそういうようなことが言えるわけでありまして、そうしますと、このカットされる中高
所得者ぐらいの方々は現行
制度よりも恐らく
所得代替率が下がってくるんではないのかということが予想されるわけでありまして、もし下がらなければ相当の
財源が必要となってくるだろうという具合に思います。
そのように、どのような形で賄うのか、
消費税の引上げを明確に行うと言うのか、それも先ほどの
議論を聞いていましてもはっきり分かりませんで、行わないのか。しかし、そういう中でも考えなければいけないというような話も出ていますので、もし行うとすれば、いつごろから、そして上げ幅はどの
程度にするのかとか、それらの問題がたくさん起こってくるという具合に思っています。
民主党は現行の
年金制度につきまして確かにいろいろな問題点を指摘される、そのとおりだと思います。御自身のただ改革案については、具体的な
制度設計や
財源の調達方法などをあいまいにしたままでは、なかなかこれではやっぱり無責任ではないのかなという感じを覚えますし、そしてまた
国民に誤解を与えるという具合に思っている次第でございます。
そんな
意味を込めても、民主党案の大まかな問題点や民主党の視点について、私もいろいろ申し上げましたけれ
ども、
大臣もそれについての感想を是非お聞かせいただきたいなと、このように思います。