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丸川珠代君 自由民主党の
丸川珠代でございます。
この
委員会に来まして初めての
質問の機会をちょうだいしまして、ありがとうございます。三十分ほどお付き合いをいただければ幸いでございます。
私自身、これから子供を産んで、今
仕事をしていてこれから子供を産みたいし、
仕事も続けたいしという願いを持っておりますので、同じような気持ちで働いている
女性たちの願いを少しでもかなえたいという気持ちで
質問をさせていただきたいと思います。
少子高齢化によって人口減少が進んでいる我が国においては、
育児や
介護の休暇を充実させるということは、
社会保障を維持する上でも欠かせない政策であると私は思います。中でも、
育児休業・
介護休業制度というのは
女性が働き続けるためになくてはならないものであり、今回はまずこの拡充を図っていただいたことには感謝を申し上げたいと思います。しかしながら、現実に
育児休業を取得してまた職場に復帰することの難しさというのは、いまだに三割程度と低い産前産後の
女性の継続就業率が物語っているのではないかと思います。
私は、
平成五年から十九年まで十四年間会社勤めをしておりました。その間、
平成七年に
育児休業給付が創設されまして、
平成十三年には
育児時間が三歳未満にまで引き上げられ、また残業が制限されと、一歩一歩
企業の
育児支援というのが前進しているその様子をまさに職場にいて、子供を産んで帰ってくる先輩が増えていく、私たちの同期もまた子供を産んで帰ってくるという、その現実を目の当たりにしながら会社員人生というのを過ごしてきましたので、今回もそうした一歩の積み重ねであるというふうに私は
理解をしております。
けれども、働く
女性の率直な実感といたしましては、まだまだ一歩一歩というのが小さいというふうに感じずにはいられません。昨日の六月二十二日の
日本経済新聞の社説におきましても、「チェンジ 少子化」と書いてありましたけれども、今回の法改正をきっかけに働き方を
社会全体で見直していこうというような社説がございましたが、やはり
社会全体を見渡していくと、
子育てをしながら働くことが当たり前だということにはまだまだ遠く及んでいないのではないかなと感じています。
社員千人を上回るような大
企業では
制度の先を行くような
子育てのサービスが整備されておりまして、その恩恵を享受できます。今大きい
企業というのは、少子化の先行きをもう見据えていて、人材確保の策として
女性の継続就業に熱心に取り組んでいます。しかし一方、
中小企業においては、やはり資金繰りあるいは人繰りに余裕がなくて、経営者がよほど強い意思を持って臨んでいなければ
子育て支援にまで手が回っていないというのが
現状でございます。今申し上げた人繰りというのも最終的には資金の問題であるかと私は思います。昨今の長引く経済の停滞であるとかあるいは増加する
社会保険料の負担を受けまして、経営者はただでさえ雇用を減らそうという傾向にございます。
ここで、この今回の改正に従って、所定外
労働の免除や
対象が二人以上で十日になる
介護や看護の休暇というものを義務化して、さらに
育児時間を措置義務とすることは、
企業の負担を増やして、結局それが
女性の雇用を減らす方向に向かったというのでは本末転倒でございます。仮にそういうことが現実になりますと、私は、大
企業で働いて勤めながら
子育てできる人と、
中小企業への雇用に関しても、その入口を狭められてしまう人との差というのは本当に大きくなってしまうと思いまして、この
育児休業あるいは
介護休業というものが大
企業に勤める人だけの特権のようになってしまうことだけは絶対に避けなければいけないと思っております。
是非、そのためにも、
中小企業がこの改正された
制度を導入しやすくなるような
環境の整備に努めていただきたいと思います。
というのは、どれほどすばらしい理念を振りかざしても、結局のところ、非常に余力の乏しい
中小企業といいますのはそろばん勘定が合わなければ実際にはなかなか動いてくれません。仮にもし、雇用に関して言いますと、赤字を出してでも雇用を守っている
企業があるとするならば、それは結果的にその方が
企業価値も含めた全体の
コストに見合うということを経験則を通じて知っているからなんだと思うんです。
育児支援に関してはまだまだそうした経験則を積み重ねている
中小企業というのは多くないと私は思います。ですから、私は、
中小企業でも、少子化という外部不経済を織り込んだ上で、
女性の継続就労が
企業の
コストに見合うと、そう
理解できるような
制度を用意しなければいけないと思いますし、またそこへ導くような動機付けというものももっと強めていかなければならないと思います。
もちろん、
育休切りというような言葉が今ちまたにございますけれども、そういう法令違反をして育休の人を切ってしまうというようなことはもう絶対にあってはならないことですが、これはもうしっかり守ってもらわなければいけない。でも一方で、義務を強めてもその監視をする
制度が整っていなければ
実効性はございませんので、
是非、動機付けというのもうまくバランスを取りながら使っていただきたいと思っております。
とりわけ、
中小企業に対する
インセンティブといたしましては、資金への
援助が非常に経営者にとっては分かりやすく、また効果的であると思われます。実際に、
厚生労働省の方でも
平成二十一年度の予算の中で
事業所内保育所への
助成というものを拡充していただいて、
運営費に関しては十年間の
補助を出していただけるようにもなりましたし、これは、特に
保育所の運営というのが安定しにくい、人数が少ないだけに安定しにくい
中小企業にとっては非常に有り難い
制度であろうかと思います。
しかし、この
助成制度というのは、
一つ一つの個別の案件に該当するかどうかを
企業が確かめて、書類を用意して事務手続をしてということでもらっていかなければなりません。私は、
是非、その煩雑な事務手続をなるべく抑えた上で、
企業の自由な発想において
子育て支援の目的を達成した場合にも受けられるような、例えば金利優遇の
制度であるというようなものを用意していただければ、これは
企業の資金繰りに直結しますし、利用されやすいのではないかと思っております。
そこでまず伺いたいのですが、
現状、公的な金融
機関において
子育てへの支援をしている
企業に対する融資
制度というのはどのようなものがあるんでしょうか。