○下田敦子君
委員の下田敦子でございます。よろしくお願いいたします。
二〇〇九年問題真っただ中でございます。更なる
雇用開発を考えるときに、今最も人手不足とされておりますのに介護と農業が挙げられているようであります。この介護の問題については、午前中の足立
委員、それから先ほどの古川
委員、そして山本
委員と大変よくお取り上げいただきましたので、途中の
質問は少し省かせていただくかもしれませんので、よろしくお願い申し上げます。
まず、お手元にお届け申し上げております資料一を御覧いただきたいと思います。
雇用誘発係数にかかわる主要産業と
社会保障産業の比較ということの資料がございます。御案内のとおり、介護が第一位でございまして、
経済波及
効果は非常に高いということがなかなかにしみ通っていかない今の御時世でございまして、公共
事業等に比較いたしまして継続性があります。そして、
経済の波及
効果は、第一次、第二次、第三次と、介護保険、かつてのゴールドプランベースで考えた場合でも一中学校学区四億三千万という公共
事業と同等の
経済波及
効果が知られております。
ところが、
改革という名の下に毎年
社会保障費二千二百億円減の政策を出した総理がおります。市場原理主義と申しましょうか、レーガノイズムに倣ったのかサッチャーイズムにのっとったのか分かりませんが、ここ三年、四年間は介護の現場がすっかり崩壊してしまいました。
資料二を御覧いただきたいと思います。
これは介護施設
職員の給与でございます。上の方の全
労働者に比較いたしましても、約年収にして百万以上違います。それから、一番下の段にありますように、社会福祉、介護
事業全体に従事している人を見た場合でもかなりな開きがございます。非常におかしいと思うことと、これは問題を提起していかなきゃならないと思いますが、女性の給与が甚だしく格差があるということであります。している仕事はむしろ女性主流の職域であるにもかかわらずであります。
それから、次の資料三を御覧いただきますと、ここにあります現金給与の額であります。御覧いただきましたとおり、地方と首都圏に格差がございまして、それまではここに書かれておりませんが、同じ医療、福祉の現場におきましても、介護
職員と看護
職員につきましては年収百万以上、あるいはところによっては二百万近く開きがあるということであります。
このことに見てまいりますと、先週、
予算委員会で
質問の場をちょうだいいたしましたが、
質問が終わりましたら、麻生総理が個人的に、これは介護のレベルを上げないと駄目な問題なんですよということをおっしゃっておられまして、いろんな
意味で解釈できますが、確かに歴史が、看護
職員は百年の歴史があります。ところが、我が国はまだ二十年です。イギリスのケアワーカー、デンマークのペターゴ、それからドイツのアルテンプフレーゲリン、これらはすべて大変歴史のある、むしろ看護職の中にあっていながら介護を更に進めて勉強する。言ってみれば、今想定されております専門介護福祉士のレベルが海外で言う専門職にあるということにおいて、なかなかにこの辺が文化としても難しいところかなと思います。我が国の医学部において老年医学部の医局がなかなか増えない、育たない、この辺とも連動する問題かなと思います。
それから、資料五でありますが、介護福祉士の登録者数というのが七十二万九千ということで出ておりますが、午前中に拝見いたしました足立
委員の用意されていた資料は、むしろ、ここには書いてありませんけれども、足立
委員の資料にありますように、ヘルパーの認定資格者が圧倒的に多いという現状が今、私どもの
日本の現状であります。
先般申し上げましたけれども、所管が我が
厚生労働省においては、片方が援護局の所管であり、片方が老健局の所管で、これは歴史的な経緯があって致し方もないのですが、この時期にあってこのことを重大なこととして御
議論願えれば大変幸いであります。様々な混乱ができております。
それから、資料六でございますが、介護福祉士養成施設の定員充足率。ここ三年半の間に充足率が四五・八%に下がってしまいました。非常にそれぞれの養成校においては、廃校に至らざるを得ないとか、それから
職員の辞職を願うとか、そんな、本当に考えてもみない、
厚生労働大臣指定というのがこんなものなのかと思うくらいの
状況が特に関東、関西圏に多うございます。
ですから、免許を持っていながら他の職種に就労しているという数が四十三万人に達しております。この現状をどうとらえるか。そしてなおかつ、非常に必要で、本当に将来ともたくさんに働いてもらわなければならないのにたった三十万人しか従事していないというこの現実をどういうふうに考えていくかであります。
WHOが介護は科学だと、そういうふうに言いました。その地域の介護のインテリジェンスが失われてきつつある、海外の事情に比べてこの辺が、今現在、私どもにおいて大変大きな問題だと思います。
そこで、このたびの、昨年の二次補正、そしてまたこのたびの本予算に関して、この介護にかかわる諸問題の整理整頓、
方向付けは、
舛添大臣始め担当課の皆々様にたくさんの政策をお取りいただきまして、整理整頓していただいているということを多としたいと思います。本当にいろいろ、日夜ありがとうございました。
そこで、まず
職業訓練のことなんでありますが、今回のこの政策の中で大変私はなるほどと思ったものが
一つあります。我が国の
職業訓練とヨーロッパ諸国に比較した場合に欠けているものが
一つございました。それは、我が国の訓練生に
生活費の補助がなかったという問題であります。これを二年前の
予算委員会でも大田
大臣に申し上げたことがありましたが、これがこのたび設けられて、先進諸国のいわゆる
職業訓練に近づいてきたのかなという感じがあります。
後ほどまた個々の面で申し上げますが、IPU会議でスイスに参りました。ちょっと時間がありましたので、スイスのローザンヌに大変古い学校が二、三ございまして、その
一つの学校に
職業訓練校がございます。その訓練のぜいたくさに非常に私は感銘を受けたんですが、訓練生一人、
指導員が一人という
状況で、私どもの訓練の中では考え難いような部分が展開されていたということであります。ですから、そういうことでは大変有り難い前進だなと思います。
そこで、
一つ、ここから
質問させていただきます。
受講生の募集に当たりましてでありますが、
事業決定の時期、これは予算審議の最中でありますから、今回の
事業内容、
離職者への啓発、なかなかにこれはお立場としても、決定しないからにはなかなか
全国的なお知らせ、案内が展開できないのだとは思いますが、非常に手薄だなというのが地方のそれぞれの
ハローワーク、それから様々な県の能力開発課。今までどちらかというとハードな
職業訓練を主にしてきた
関係もありましょう。そういうことで、進んでいないなという感じがございます。
具体的なタイムスケジュールとそれから介護の専門性や多様性を理解した上での受講でなければ、結果として訓練継続及び就労に結び付かないことが危惧されます。ですから、養成校の担当者による説明会実施とか、あるいは
ハローワークへの
関係職員の出向とか、これは早くから私どもは申し上げておったことなんでありますが、そういうことをしなければ、なかなかに、来てはみたけれどもほとんどの
方々が、製造業にタッチしていた方にしてみればなおのこと、ああ、こういうことが勉強の中心なのかと思って、継続就労できないという心配がございます。それをお尋ねしたいと思います。
それから、この
質問での三つ目ですが、
離職者訓練において二年訓練、これは介護福祉士の免許を取るということの目的に三千七百六十人ですね。それからあと、六か月訓練、これヘルパーの一級に相当する方が六千人。それから、即戦力の養成としてヘルパー二級一万四千人という訓練生の見込み数を設けていらっしゃいますが、この根拠は何であるか、またそのカリキュラム、ちょっとカリキュラムはすべておっしゃっていただくことは無理ですので、後ほどちょうだいいたしても結構でございます。
以上三点をお尋ねいたします。