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古川俊治君 それから、済みません、他党の
先生方もいるんで、iPSというのは実は作るのに遺伝子やウイルスを使うものですから腫瘍化するおそれがあるんですね。
是非この、人クローン胚を用いると、患者さんの細胞とその受精胚の核を取り替えればいいんです。そうすると、ウイルスや遺伝子を使わないものですから、腫瘍化するおそれが
余りないというか、ほとんどないと考えられているんですね。
そうすると、今iPS、日本では進めているんですけれども、これは実際は急性期には使えないんじゃないか。実際の治療として重要な急性期、亜急性期では一年も安全性をチェックしなきゃいけませんので、結局その患者さんそのものの細胞ではなくて、セルのバンクを作っておいて、組織型の合ったES細胞を使ってくるというようなことを日本では想定しているんですけれども、そうすると最終的に拒絶反応の問題というのはやっぱり残ってしまうんですね。
ところが、この人クローン胚を用いた方法は、腫瘍化のおそれなく、本当にその人の細胞が作れるんですよ。そういうメリットがやっぱりあるんですね。アメリカではまだ公的な研究には使えないということは、日本は、これ
規制緩和すればチャンスですから、
是非これは進めていただきたいというように考えています。
私も難病の患者さんの会に行くと、どんな経済的支援よりも、やっぱり根本的な治療ができるのが一番うれしいんですね。そういうふうにおっしゃいますから、これは今までの
規制というものが、今日伺って、突然ひっくり返ると、何の合理的な話もなくてですね、私は本当にずうっと研究現場にいた者として、国はどういうことをお考えになって今までやってきているのかと疑問に思いますので、その点、できるだけ患者さんのことを思ってこれからの
規制を進めていただきたいというふうに考えています。
時間の
関係で、じゃ、次の問題に移りたいと思います。
学校給食のちょっと問題を触れさせていただきますけれども、現在、我が国では生活の様式が変わって、小児の問題というのは、学校給食に関する問題というと肥満なんですね、実を言うと。小児肥満は物すごく増えておりまして、小児科学会においても非常に大きな問題になっています。
実は、動脈硬化というのは既に幼児のころから始まっているんですね。ですから、これはもう生活習慣病が始まってしまっているということでございまして、そのためには成人病予防のための食事、生活指導というものが非常に重要になってくる。給食というのはその中心に位置付けられるべきであるものというふうに考えております。
例えば医学的に申し上げますと、一例を引きますと、三月十六日に大森医師会、蒲田医師会、田園調布医師会のこの三医師会は大田区の教育
委員会に対して、医学的にいわゆる超悪玉と言われているトランス脂肪酸、これの
制限、それから飽和脂肪酸の
制限、コレステロールの少ない食材を選べと、この三点を教育
委員会の方に要望しているというふうに聞いております。
一点だけ私、
是非議論したいと思っていますのは、給食における牛乳の問題なんですね。実を言うと、
先生方も御存じのように給食には毎日牛乳が付くんですよ、二百㏄。毎日飲んでいるんですね、子供たちはお昼に。今まではこれを当然のことと思っていました。ところが、今家庭で多く普及しているのは低脂肪あるいは無脂肪の牛乳であります。カルシウムが強化されています、それもですね。
大体、脂質として学校給食では全体の摂取エネルギーの二五から三〇%と、こうしておりますけれども、その中で飽和脂肪酸の量というのは書いてないんですね、何%というふうには。ところが、WHOの
基準やアメリカの学校給食のガイドラインでは、脂肪酸、脂肪の中には飽和と不飽和があるんですが、この飽和の部分だけについて摂取エネルギーの一〇%未満とちゃんと
規制がされているんですよ。こういうまず取組の違いがある。
文部科学省の学校給食の指針によれば、適用に当たっては、個々の児童生徒の健康及び生活活動の実態並びに地域の実情に十分配慮し弾力的に運用することと書いてあるんですけれども、事実上、栄養面から何の評価も書いてないんですね、ここには。都道府県の学校給食の栄養摂取
基準でも、成人病予防という
観点はほとんどありません。脂肪とコレステロールの
記載はなくて、大体、飽和脂肪酸というのが通常の食事
どおり脂肪分の五〇%ぐらいを占めてしまっているということになるわけですね。そうすると、これWHOやアメリカのガイドラインは満たせなくなってしまうというのが日本の今の
基準なんですよね。
子供でも、コレステロールが高い子供に脂肪総量と飽和脂肪酸とコレステロールを
制限し、不飽和脂肪酸、これは善玉の脂肪酸ですけれども、これを増やす食事指導を行ったところ、身長の伸びや栄養というのは変わらなかったんだけれども、いわゆる悪玉のコレステロールであるLDLというものは下がっていたという報告があるんですね。ちゃんと体質が改善しているんですよ、そういう食事を行えば。
現在、学校給食というのは、卵、肉料理が多くて、考えると、この脂肪酸、脂肪のうち五〇%以上が飽和脂肪酸になるのではないか、そう考えられる。現在の牛乳、これは普通の牛乳であれば当然多くの部分が飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸ほとんどありませんから、牛乳には。それで、ここを低脂肪に変えた方がいいのではないか、あるいは豆乳を加えた方がいいのではないか。ずっと私は思っているんですけれども、これ、どうお考えでしょうか。