○鈴木
陽悦君 久しぶりの質問に立たせていただきます、鈴木
陽悦でございます。
私は、
買物は、
東京にいるときは麹町の
スーパーとかお総菜屋さん、小売店に行ってコミュニケーションを図るのが大好きでございますので、そうした形で利用させていただいております。
それから、
増子さんの質問の中で、
大臣のお口から、新・がんばる
商店街、七十七しかなかったんだという
お話でちょっとびっくりしたんですけれ
ども、実はその中に秋田県の大館市、この
商店街のゼロダテという
取組を取り上げていただきました。このゼロダテというのは、空き
店舗を利用して、首都圏にいる美術関係の学生さん
たちとかそういった若い
皆さんが
シャッターを開けさせて、空き
店舗の中で
自分たちの絵をかいている姿を見てもらおう、それができ上がったらギャラリーをつくって町の
活性化に役立ててもらおう、そんな
取組なんですね。
それがまた弾みになって、今年、実は大館市というところは忠犬ハチ公でおなじみの秋田犬の里なんですが、秋田犬にちなんだハリウッド発の「HACHI」という映画が間もなく公開になります。リチャード・ギアが主演しまして、アメリカ版の「ハチ公物語」、これが公開される。八月八日にこの上映会をやるということを聞いていますけれ
ども、それに合わせて大町
通り、今言った
シャッター街ですけれ
ども、若者
たちが頑張ったゼロダテの
商店街、大町
通りを名前を変えまして、ハチ公
通りというふうに名称も変えていろいろな形でパワーアップを図っていこう、まさにやる気を起こしていこう。
今回の
法案というのもそうしたやる気を喚起するための一助になる
法案であると思っておりますので、いろいろな形で、ちょっと出だし
地元の話を紹介させていただきましたが、質問させていただきたいと思います。
二階
大臣とは、三年前の
中心市街地活性化法案、こちらの審議でいろいろと議論をさせていただきました。今回は、より規模の小さな
商店街にも
活性化の手を差し伸べる、後押ししようという
法案で、これはこれで使い勝手が良ければ非常に有効であるのではないかととらえております。
ただ、
まちづくりに関しましては、今も
お話出ましたが、いろいろと苦労されている
商店街の実態があって、
再生に当たっては国としてもかなりの覚悟が必要であると思います。まさに
商店街の実態を多角的にとらえて、しかも
地域地域の
状況というのはいろいろと千差万別でありますので、
地域特性もしっかりと見極める必要があるのではないかと思います。言うまでもなく、国民の
皆さんからいただいた大事なお金でございますので、これをしっかり有効に使うように、プラン・ドゥー・チェック・アクション、これもしっかりお願いしたいと思います。
出だしちょっと長くなりますが、
地方の
活性化という観点からちょっと歴史を振り返ってみたいと思いますので、ちょっとお聞きください。
これまでの
商店街、
まちづくりの変遷を見ますと、一九五〇年代、これは
百貨店法による商業調整
政策を皮切りに、六〇年代、高度成長期は
商店街振興組合法の制定による
商店街団体
支援が行われて、七〇年代は大規模
小売店舗が台頭して、小売を圧迫して対立が激しくなる。大店法による商業調整
政策で
大型店の
郊外化が進む一方で、
中小小売商業振興法による
商店街振興政策も取られてきた。
しかし、八〇年代のモータリゼーションの発達でライフスタイルが変化して、
中心市街地の衰退が目立ってくる。九〇年代の初期になりますと、いわゆる日米構造協議による大店法の規制緩和によって
大型店の出店に拍車が掛かって、
中心市街地の衰退、空洞化が進んで空き
店舗、
シャッター通りが
地方都市を
中心に広がってくる。このため、
商店街の
振興策だけでなく、
都市政策と合わせた総合的な
対策が必要となります。
いわゆる
まちづくりとして、一九九〇年代後半に
まちづくり三法、これが打ち出されて、
中心市街地活性化法、大規模
小売店舗立地法、改正
都市計画法、次々と施行されてまいります。ところが、衰退は収まるどころか広がる一方で、二〇〇六年、三年前、記憶にも新しい改正
まちづくり三法、新
まちづくり三法というのだそうですが、これが定められました。三年たった現在ですが、去年からおととし、いろいろと金融危機に直面して情勢が大きく変化してしまって、変更を余儀なくされたり達成目標厳しくなっている
地域もあるのではないかと思われます。
ざっと振り返りますと、
まちづくりは、ちょっと例えると農政的な、猫の目農政とよく言われますけれ
ども、ある意味似ておりまして、国の規制と緩和の繰り返し、あの手この手の
支援が繰り返されてきたと思います。厳しい言い方かもしれませんが、際立った得策なかなかなくて、この間、経営者の高齢化も進んで、さらにはモータリゼーションの進展、旧
中心市街地は
時代から取り残されてしまった。
ハンバーガー、ファストフードと言いますが、このファストフードに引っかけてファスト風土化という言葉が最近よく使われるんですよ。風土化の風土は気候風土の風土です。要するに、
郊外にバイパスできますと、そのロードサイドにいろいろな店ができますよね。靴屋さんとか電気屋さん、DIYとかフード店とか、それが北から南、
日本全国、全部ロードサイドほとんど同じ店が並ぶ。これが
地方らしさもない、
特徴もない、これがファスト風土化と呼ばれているゆえんでございます。そうなんですよ。ここで相づちを打ってもしようがないんだけれ
ども。
生活の多様化と利便性と言ってしまえばそれまでなんですけれ
ども、そこにまさに
地方らしさ、
地域らしさ、全く見られない。さらに、ファスト風土化が去ってしまった後は、結構最近はいろいろあちこちで見られるんですが、砂漠化、もうみんな空き
店舗がずらっとそろってしまうという砂漠化の現象も生まれてくるという厳しい
状況が生まれてきております。
昭和四十年ごろ、四十年代、私がちょうど学生
時代ですが、近所の
商店で
買物をする、
商店主とも会う、近所の
皆さんともいろんな触れ合いがある、
買物を通じてかつての
商店街というのはいろんな触れ合いができた。町全体で
生活を共にしている、そんな実感を、学生
時代は本当に懐かしいなという感じがする、今思えば古き良き
時代だったと思います。
ちょっと話長くなりましたが、それはともかくとして、今回の
法案が
提出された背景には、歯止めの掛からないこの
商店街の衰退に何らかの
効果を発揮したい、そういうねらいがあると思いますが、これまで様々商業
政策や
都市政策打ち出してまいりましたが、今
現状で最も大きな課題は何か、何が必要なのか、歴史的な変遷を踏まえて政府の
見解を伺いたいと思います。