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松あきら君 公明党の
松あきらでございます。
河村官房長官、大変お忙しい中を本当にありがとうございます。
皆様、私が
最後の
質問者でございますので、もうしばらくお付き合いのほど、よろしく
お願い申し上げます。
金融経済の危機にのみ込まれた世界は少しずつ出口に向けて進んでいると思っておりますけれ
ども、同時不況の大きな波はついにアメリカ・ビッグスリーの一角でありました
GMを、昨日、連邦倒産法の適用によりまして
経営破綻へと追い込んだわけでございます。
製造業としては世界
最大の
経営破綻、負債額は千七百二十八億ドル、約十六兆四千百億円だそうでございます。家族で二代、三代と勤務をする従業員は世界で三十二万七千人。高額年金やあるいは医療費全額補助など手厚い待遇が自慢で、創業以来百年余りにわたってアメリカの象徴的な
企業でございました。
このため、
日本では、午前中にも出ましたように百二社が売掛金が回収できない。このうちの年間
売上高が百億円未満の
中小企業が五十二社あるそうでございまして、経産
大臣も、
経営が
悪化した場合、資金繰りの支援をするというふうに表明をなさったわけでございます。
一方、中国では、国内の自動車販売台数は今も伸び続けているというわけでございますので、世界
経済のパラダイムシフトというものは確実に進んでいるなという印象を受けるわけでございます。
その中国ですが、今年三月に、中国商務省がアメリカの飲料大手コカ・コーラによる中国果汁飲料
最大手中国匯源果汁集団、ここに対する二十三億ドル、約二千百八十億円の買収提案を認めないと発表いたしました。コカ・コーラは中国当局の
判断を尊重して買収を断念したんですけれ
ども、これは二〇〇八年に中国が制定をしました
独禁法によって却下された初めての買収計画になったそうであります。
中国商務省は、世界での年間
売上高が百億元以上、約千三百九十億円以上ですね、中国国内での年間
売上高が四億元を超える
企業の商取引すべて
審査をしておりまして、ベルギーの大手ビール会社がアメリカの大手のビール会社を五百二十億ドルで買収して世界
最大規模となったときも、中国のビール会社二社を買収しないという条件付きで承認をしたというふうに言われております。
こうした中国のまるで国がビジネスの
経営主体であるかのような動きについて、専門家は保護主義的であると批判をしておりますし、言葉の定義や明確な基準を求めております。別に専門家じゃなくたって、私だって、まあ本当にこれは大変なことだ、どうするんだろうこれからはと、本当に心配になるわけであります。
アメリカは反トラスト法、
EUは競争法で
独占禁止の
規定を行っておりますが、各々を比較しますと、執行上の相違点は大きいにもかかわらず、実体
規定は収れん傾向にあると言われます。
企業のグローバルな
経済活動を
考えれば、競争
規制当局が国際的に連携をして協調することは十分に
考えられるわけであります。今回の
我が国の
法改正も、そうした世界の流れに
対応するものだと思います。
ところで、午前中、
竹島委員長もおっしゃっておられました。昨年、鉱物資源の大手
企業BHPビリトンが同業者のリオ・ティントを買収する大型提案をしていると。これを私知ったときは大変に驚きました。何しろ、この両社は鉄鉱石
事業では世界二位と三位でございます。ちなみに、一位はヴァーレ社というんですけれ
ども、この三社は実は世界のシェア七五%ぐらい持っているわけですね。この二位と三位が
合併すればどうなるか。買収が実現すれば鉄鉱石の市場は完全に牛耳られてしまうのではないかと私は心配しておりました。もしそうなれば、鉄鉱石の
価格高騰、自動車
産業等、
影響もう計り知れないと思っております。
BHPビリトンは
日本国内に拠点や財産がないので、例えば公取が
幾ら命令を出しても無視し続ける
可能性もあったわけでございます。幸いにというか、公取が初めて行う海外
企業同士のMアンドA計画の被疑
案件は、世界
経済の
悪化によりまして買収は厳しいという
状況になってBHPが断念したことで終わっておりますけれ
ども、もし仮に
状況がまた好転をしてくれば再び株主
最大の利益という、こういう
理由を挙げて買収に乗り出すかもしれないんです。
ちょうど一年前にこういう記事がありました。生き返ったオールド・エコノミーの恐竜、
BHPビリトン社の野望という、こういうことであります。二〇〇八年度、去年ですね、鉄鉱石、原料炭そして発電用
一般炭の
価格が、資源メジャーによる値上げ攻勢によって急上昇している。それも半端ではない。対前年、鉄鉱石はブラジルのヴァーレ社からのものが六五%アップで決着、
BHPビリトン社とリオ・ティント社には八〇%アップを要求されていたんですね。
それはどういうことかというと、ブラジルに比べてオーストラリア、これ、英国とオーストラリアの
企業です、
日本に近いので運賃差額分をよこせ、信じられないような傲慢なこういう要求をしていたわけでございます。そして、原料炭は三倍、
一般炭は二・三倍といった具合で、鉄鋼、電力、セメント会社を直撃しているという、こういうことなんですね。
これ見ますと、例えば二社でも、鉄鉱石、原料炭、金、銅、ニッケル、ボーキサイト、ダイヤモンドと、もう本当に、まあすべてと言っていいぐらい、まだこのほかにもあるんですけれ
ども、これ握っているわけでございますので、大変なわけであります。これらすべて
事業対象とすると、世界
最大の総合資源会社、例えば
BHPビリトンであるわけでありますけれ
ども、オーストラリア、中南米、アフリカ、インド、そのほか世界二十五か国の百か所で操業を行っているということでございますので、これは大変なことでありました。
しかし、一年たって、今年三月でございます。新日鉄やJFEスチール、この鉄鋼大手各社は大手のBHPから、今年、〇九年ですね、購入する鉄鋼原料用石炭の
価格について一トン当たり百二十八から九ドルで合意した。これは、
経済が悪くなっているので、去年比で約六〇%も下がったという。やっと一息ついているわけでありますけれど、現在、主要原料の鉄鉱石についても
価格交渉が行われているわけであります。
日本は、鉄鋼の主力原材料である鉄鉱石と原料炭についてすべての量を外国からの輸入に頼っているんですね、すべての量であります。全体の六〇%はオーストラリア産で占められておりまして、特にBHPは
日本にとって
最大の調達先であるわけでございまして、やっとここから
質問でございます。
実は、何でこう長々としゃべったかといいますと、私が通告をしておりましたのはほとんどすべて出尽くしたわけでございます。ですから、私は何とか、やはり時間も、もうただ単にやめちゃうというんじゃなくて、やっぱり今大事なことをお話をして皆様に分かっていただくと。ですから、例えば除斥期間を三年から五年に延長することも必要だし、
カルテル、入札
談合といった
違反行為に対しても行政処分に加えて刑事罰がある、これも違反抑制の観点から非常に重要、分かっておりますので、もう聞かないと。すべて省略する。
しかし、先ほど中谷先生も御
質問になった、そして午前中は
塚田先生も御
質問になりました、外国における
外国企業同士の
企業結合に対して、
公正取引委員会が
排除措置命令を出した場合にその
実効性がどう
確保されるかについて、私は残念ながら
竹島委員長のお答えはちょっと明確ではないなというふうに感じました。
例えば、アメリカや
EUなど主要な競争当局が当該
企業結合を問題視しない場合、
日本の
公正取引委員会だけが単独による
排除措置命令によって当該
企業結合を阻止するといった実効的な
対応を本当にできるのかどうか。だって、外国が問題ないですよと言った場合、
日本が駄目だ駄目だ、命令出しますと言ったら、ああ分かりました、じゃ
日本には売りません、外国には売ります、オーケーしてくれた国だけ売りますなんということになったらどうなるのか。本当に実行可能な
対応できるのかどうか、これを
竹島委員長にお
伺いしたい。
そして、私は今さっきもお話しいたしました、鉄鉱石と原料炭のすべての量を輸入している、
日本は資源がないわけでございますので大変でございます。仮に、私は、
BHPビリトン、リオ・ティント、これ、景気が良くなってきたらあり得る話であると思います。こうした国際的な資源メジャーが結び付いて、
日本に大きな
影響を与えるようなもし
企業結合が行われた場合、省庁間の連携というのもこれ当たり前なんです、当たり前。けれ
ども、それだけでは絶対駄目なんです。国際間の、G20とは言いません、G8でもいいです、国際間の連携あるいは協力が絶対に必要だ。やはり何らかの体制の整備をされているのか否か、これはまさに国のかなめである重要なお立場にいらっしゃる官房長官に是非お
伺いしたい。もし体制が整備されていないのだったとしたら、転ばぬ先のつえ、整備をしていただきたいということを申し上げて、私の
質問を終わらせていただきます。
よろしく
お願い申し上げます。