○渡辺秀央君
大臣、御苦労さまでございます。
この国会の重要
法案の
一つである
産活法、いよいよ採決の目前でありますし、基本的にまず私はこの
法案に対して賛意を表したいというふうに思います。
格段今までの御
議論あるいは
参考人の
意見もずっとお聞きしてまいりまして、
法律というのはそのときにおける
対応をどうするかということであって、時代が変わればまた
法律を見直すのはこれは当然のことであって、むしろその方が健全なわけでありまして、初めからどんな時代にも
対応できる
法律なんというのはあり得るわけがない。特に、後ほど申し上げますけれども、自由主義
経済社会というのが
我が国の国是であるということを
考えていけば当然なことであります。各同僚
議員からもすばらしい
質疑がなされてきておりますから、私は同じ角度から、この
法案の中身というよりも少し切り口を変えて今日は後で
大臣のお
考えを、私の
意見を述べた後、お聞きいたします。事務当局と少し
意見交換をしておきたい。
これは、こういう時代というのは百年に一回というけれども、百年に一回あってはならない経験なわけです。こういう時代における共有する価値観あるいはまた
認識、あるいは使命感というようなものを与野党問わず、あるいはまた国権の最高機関である国政のこの構成員である我々と、あるいは官僚としての、
業務執行をやっていく事務当局とのそういう共通のベースの中で特に自由主義
経済が守られていかなきゃいかぬと。中で、更なるこの国民生活を発展させていく、あるいはまた
経済力を培養していくということがなされていくべきが本当だろうというふうに思いますので、少し基本的なまず私の意思を、この
法案に賛成であるということを表明しておきながら、少し切り口を変えて御質問をさせていただき、
意見を述べたいというふうに思います。ちょっと時間が、四十分もちょうだいしているようでありますが、なかなか、
考えてみると、あれも言いたいこれも言いたいということであります。
冒頭に、まず、私どもが先日、九日に内閣総理
大臣に、官房長官に改革クラブとして追加
経済対策の要望事項を申し上げてまいりました。当然
経済産業大臣にもお知らせが行っていると思いますが、私どもはこういうことを申し上げました。世界的な景気低迷の中、各国の間で芽生え始めた保護主義への回帰を防ぐとともに、国内においては、小泉・竹中路線による市場原理主義によって疲弊した今日の日本
経済を、
政府の積極的な財政出動で責任を持って
景気回復を図るべきである。
雇用を始めとするセーフティーネットの充実はもとより、景気の下支えや需要創出、環境対策、地域振興への取組が求められているとともに、将来の成長分野を見据えた成長戦略の
構築は喫緊の課題であると。したがって、新成長戦略ということでそれぞれ個別に実は要望申し上げてきたところであります。
すなわち、今までの
議論の中にもございました、この
経済情勢についてのお互い
認識を共通にしたいということと、もう
一つは、いわゆる今まで官は悪だと、そして規制は悪いと、これまでの行き過ぎたこういう自由主義
経済の推進の結果が、そういう
認識の中で行われてきたことが今日のような
経済危機を招いたことの
一つではないかなと。すべてとは言いません。そういうことを反省しながら、官の役割を私は再評価すべきだと
考えながら、したがって事務当局との
意見交換をしておきたいと思います。
三点目は、原子力発電に取り組む
経済産業省の姿勢について
意見をお聞きいたしたいと。私の
考えを申し上げます。
四点目は、今回の
経済危機対策において光ファイバー網の整備の対策をどの程度盛り込んだのかと。これはもう本当に国の資産として、
我が国の資源のない、人材が資源であると言ってきた
我が国においては、まさに物づくりという声が先日以来、声を大にしてあります。
誠に同感の極みでありますが、同時に、それをどう生かすのかということは、やっぱり国民がそれだけの
能力を持ち、
技術を持っているとすれば、大資本だ大
企業だということに頼らずしてもやっていける、そういう
背景というものは何かと。中間による流通を一々通さずに農商一体ということもやってきたわけですが、それらを
考えると、農家のこれからの若い人たちはパソコン
一つで自分の生産物を販売できるというような体制、あるいは世界に対しても市場に対しても挑戦できるというような体制は、やっぱりそういう光ファイバー網あるいはまた高度情報基盤整備ということが必要であろう。そういうことについてちょっと述べてみたい。
五番目は、今回の法
改正について今ほども質問がありましたが、
大臣の並々ならぬ意欲に敬意を表しながらその位置付けをしっかり確保しておきたい。
そして、さらに、エネルギー外交、資源外交について若干
意見をお聞きしたい。
最後に時間がありましたらというか、これ大事なことなんですけれども、今回の景気後退の
影響により、再び
政策金融、今話がありましたが、塚田君から話がありましたが、この
政策金融の役割ということが非常に見直されていかなきゃならない。私も若干あの当時、商工中金の民営化というのは反対はしませんでしたが、実は若干疑問を呈して当時民主党の中で
議論をした一人でありますが、しかし、すべて民営がいいという風潮の中でも、また当時の民主党の党内の空気も民営化ということが推進の大きな力であったので、私どもは反対をせずにこれはいわゆる賛成としてあの
法律は通したというようなことをそれぞれ踏まえて、ちょっとこれから、三十五分ぐらい時間ありますか、その間にちょっと私の
意見を申し上げながら、是非
大臣の
考えや事務当局の
考え方を率直に、それは渡辺さん間違っているよということは遠慮なく言ってもらいたいというふうに思います。
私は、まず基本として、国政の乱れということは、これは非常に国権の最高機関を構成している我々としては、やっぱり一人一人責任と使命をもう一回こういうときこそ
考えなきゃならぬときではないかというふうに思うんです。すなわち、原点に立つべきだと。国家とは何だと、それで、国民を代表する我々というのはどういう原点でやるのかと。政党が大事か、国家が大事か、国民が大事かということまで突き詰めて
考えながら
議論をしていくということが、これだけの、大恐慌とは言いませんけれども、世界的な、日本国内だけが独り悪いんじゃないんで、そういうときに我々は、この民主主義、あるいは議会制民主主義、そして自由
経済というのを標榜しながらやっている構成員の一員として、その原点というのをしっかりお互い共有しておかなきゃならぬことではないかなというふうに思いますし、その中でさらにその対処、処理を的確にやっていくべきである、冷静に
判断していくべきであるというふうに思うんです。
国は続くけれども、しかし国家というのは何をやっても大丈夫だということの
考え方だけではなくて、うまくやっていけばいいんでありますけれども、しかし、その当時の世の中の風潮と国民の
考え方に政治は妥協して、そしてそのままその政治の場でそれを無為無策にとらえて執行していくということは、これは政治家ではなくて事務屋であり、ある
意味ではサラリーマンということ、悪いことではないが、言うならお上、あるいは上の人の目くばせを気にしながらやっていくことであって、国民の代表する構成員の一員としての
考え方ではないだろう、こういうときは
議論をそれぞれの場でしっかりやっておくことが大切ではないかなと。その原点をもう一回お互いに、そういうその道義、倫理観というものを
考えながら私は政治をやっていく今非常に大事なときだと、歴史的に。私自身も、約三十年、いや、むしろいろんなこの世界に入ってから五十年近く、とにかくそんな思いで今この時期に対して対処していきたいなと思っているわけであります。
どうぞひとつ、我々は基本的に自由主義、自由
経済主義を標榜している。自由
経済主義なんであって、
計画主義でもなければいわゆる規制社会をつくっていくことでもない。自由
経済主義の中で、より良い国民生活とより良い国家社会、より良い将来に向けた繁栄していく国家の基盤というのをつくっていく、まずこういう
考え方で取り組んでいかなければならないのではないか。規制や制約を
経済活動に、余り、今世界はこういうことが起こってくるとすぐそれを
考えている。まさに自由放任でやっていけばうまくいくという
考え方で、これまで規制緩和が一番大事であると、構造改革が全く金科玉条である、こういうことで言っていた政治が、それは今、小泉・竹中路線を私は批判しましたが、しかし、あるとき、まさにそれは構造改革のやり過ぎである、あるいは規制緩和のやり過ぎであると、こんな無責任な
議論はこれまたないんですね。もう一々名前は言わないし、こういう話をすれば、だれがどう言っているかはお分かりのとおりだ。
だから、是非、規制緩和、
金融の自由化、
経済のグローバル化が推し進められてきているけれども、
我が国でも改革なくして成長なしという構造改革路線の下で、とにかく規制緩和して
政府の関与をなくして市場に任せればすべてがいい、これがグローバル化だと、こんなような
政策が進められた結果、今日のいわゆる拝金主義、あるいは為替、株価、あるいは資源の価格などの変動幅を拡大させた、そして不況を世界中に一斉に広げた、勝ち組、負け組といったような言葉に代表されるようないわゆる格差というのが、日本の国内では地域格差が起こる、世界中で格差が起こってくる、こんなものを招いた結果ではないかなというふうに思って、今の
経済危機に対して私は非常に憂えている一人でもあります。
恐らく、そういうことの危機感あるいはまた現状に対して
考えながら、それぞれ皆さんもこういったことに
対応して日常の御
努力をしておられるとは思いながらも、あえて一言私はその件について申し上げながら、言わばこの今日的な
状況について、この
法律を
改正する、五度目ですか、五回目になりますかな、こういう
改正について、新しい
法律ということよりも、その時代に適応できる
法律があるならばどんどん
改正して、改良して、そしてむしろ、
法律をいっぱい作ることがいいのではないのであって、私はかつて閣僚のときに、
法律を整理しようということを閣議で言ったことがあります。
そういう
意味においては、
法律は作ることが大事ではあるけれども、これは
立法府ではあるが、我々は、しかし
法律を見直して充実させる、適応させていく、時代に、そのことがより使命としてあるのではないかなということを
考えながら、この
法律について、是非、現在の
経済情勢との絡みの中で、大体価値観は同じだろうと思うんですが、
大臣、何か所感があったら、一言で結構ですけれども、お
考えをお示しいただければと思います。