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2009-02-17 第171回国会 参議院 議院運営委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十一年二月十七日(火曜日)    午後二時三十分開会     ─────────────    委員の異動  二月十六日     辞任         補欠選任      加賀谷 健君     加藤 敏幸君      風間 直樹君     高嶋 良充君      谷岡 郁子君     長谷川憲正君      山本 博司君     山本 香苗君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         西岡 武夫君     理 事                 池口 修次君                 小川 勝也君                 水岡 俊一君                 秋元  司君                 世耕 弘成君                 魚住裕一郎君     委 員                 大島九州男君                 加藤 敏幸君                 川合 孝典君                 高嶋 良充君                 友近 聡朗君                 羽田雄一郎君                 長谷川憲正君                 姫井由美子君                 米長 晴信君                 礒崎 陽輔君                 島尻安伊子君                 西田 昌司君                 長谷川大紋君                 丸川 珠代君                 義家 弘介君                 山本 香苗君                 鰐淵 洋子君    委員以外の議員        議員       仁比 聡平君        議員       渕上 貞雄君         ─────        議長       江田 五月君        副議長      山東 昭子君         ─────    事務局側        事務総長     小幡 幹雄君        事務次長     橋本 雅史君        議事部長     東海林壽秀君        委員部長     諸星 輝道君        記録部長     富山 哲雄君        警務部長     吉岡  拓君        庶務部長     古賀 保之君        管理部長     中村  剛君        国際部長     井高 育央君    参考人        人事官候補者        産経新聞社東京        本社編集局特別        記者       千野 境子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○人事官任命同意に関する件     ─────────────
  2. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。  まず、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  人事官任命同意に関する件のため、本日の委員会参考人として人事官候補者産経新聞社東京本社編集局特別記者千野境子君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) 次に、人事官任命同意に関する件を議題といたします。  候補者から所信を聴取いたします。  千野境子さんにお願いいたします。千野境子さん。
  5. 千野境子

    参考人千野境子君) 千野境子でございます。  本日は、所信を述べる機会をいただきまして厚くお礼申し上げます。どうぞよろしくお願いします。  初めに、国家公務員制度は、我が国行政の円滑な運営確保していく上で基盤となる重要な制度であり、人事院は、公務の民主的かつ能率的な運営国民に保障するという国家公務員法基本理念の下、中立専門機関として、人事行政の公正の確保労働基本権制約代償機能という重要な役割を担っているものと認識しております。  このため、人事官には、国民全体の奉仕者である国家公務員としての強い自覚と高い倫理観が求められるとともに、広く国民各層関係各方面からの御意見伺い、誠実で柔軟かつ公正に職務に当たることが求められているのではないかと考えております。  特に近年、国民公務員に対する目には大変に厳しいものがあります。これまで一貫して新聞報道現場に携わってまいりましたので、私はそのことをより一層感じ、かつ危機感を覚えるものです。なぜなら、国民信頼を得ることなくして、公務員存立基盤もなければ活躍の余地もまたないからです。公務員たるものは、今こそこのような現実を十分に認識し、各人がそれぞれの持ち場において信頼の回復と確保に努めていくことが急務であろうと思っております。  国民本位行政運営を実現するために、国民全体の奉仕者である国家公務員は、公務に対する高い使命感倫理観を持って、一人一人が責任を自覚し、その能力を高めつつ、国民立場に立ち、誇りを持って職務を遂行しなければなりません。現状においてそれらを妨げているものがあるとすればそれは何か、問題の根を改めて真摯に掘り下げることもまた求められていると思います。  現在、行政を取り巻く環境が大きく変化する中で、公務員制度改革重要課題となっております。我が国近代化や戦後復興という大事業は、政治のリーダーシップと勤勉な国民の存在に大きくあずかっていることは言うまでもありませんが、その根幹に政策遂行のための健全なる公務員制度システムが存在したことも決して小さくなかったことは内外の識者が指摘しております。このような歴史にかんがみれば、公務員制度改革我が国の次の飛躍のために必要不可欠なものであることはおのずと了解されるところでありましょう。  グローバリゼーションの荒波の中、少子高齢化人口減少、地方の疲弊など日本は様々な課題に直面しております。議院内閣制の下、国家公務員が適切な役割を果たすこと、国際社会の中で国益を全うし得る高い能力を有する人材を確保、育成すること、能力及び実績に応じた処遇を徹底することなど、今般進められております公務員制度改革が時代の要請に的確に対応した実効性のある改革となるよう、人事院としても適切にまた積極的にその役割を果たしていくことが求められていると考えます。  最後に、私は新聞人として長年内外で多くの現場を取材し、有名無名たくさんの人々との出会いやインタビューを重ね、歴史的瞬間を目撃する機会にも恵まれました。また、外信部長取締役論説委員長として人事管理重要性や大切さを意識しながら仕事してきました。  仮に、人事官に任ぜられました場合には、微力ではございますが、こうした中で得られた知見や経験を踏まえ、とりわけ海外勤務を通して痛感させられた国際的視野重要性に留意しつつ、国民視点を忘れることなく、この重い、かつ私にとっては新しい職務にひたむきに取り組んでまいりたいと存じます。そして、国民の代表である国会での御議論を始めいろいろな御意見に耳を傾けながら、他の人事官と協力し人事院使命達成のため努力をしてまいりたいと存じます。  以上、私の所信を述べさせていただきました。本日はこのような機会を与えていただき、ありがとうございました。  それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
  6. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。  ここで速記を止めてください。    〔速記中止
  7. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) 速記を起こしてください。  これより候補者に対する質疑を行います。  質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。  なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 高嶋良充

    高嶋良充君 民主党新緑風会国民新日本高嶋良充でございます。  ただいまは千野候補から見識のある所信を拝聴いたしました。ありがとうございました。時間の関係もございますから、早速質問に入らせていただきたいと思います。  去る二月三日に政府決定をいたしました公務員制度改革工程表に対して、人事院谷総裁公務中立公正性労働基本権制約代償措置というこの人事院の持つ二つの機能が損なわれかねないとして強く批判をされているわけですけれども、千野候補は、この谷総裁の申し述べられている見解と、そして谷総裁政府に対して異を唱える行動に出られたことについてどのような評価をされているか、まずお尋ねをしたいと思います。
  9. 千野境子

    参考人千野境子君) お答えさせていただきます。  工程表に関しまして、四年を向こうとして決定されたことは承知しております。また、労働基本権の問題をめぐって谷総裁懸念を表明したということも承知しております。  人事院役割として、労働基本権問題は大変重要な役割であると、公務員基本権制約されている中での代償機能ということが重要であると承知しております。  甘利大臣谷総裁との意見の違いということに関しましては、私はまだ谷総裁にお会いしたことがございませんので軽々しくコメントすることはできませんけれども、報道を読んでいる限りにおいての感想でございますけれども、中での十分な議論というものをもう少しおやりいただけたらばもっとよかったのではないのかなと、あるいは十分な議論もされていたのかと思いますけれども、議論を尽くして行うことがあってもよかったのではないかと、これはあくまで個人的感想でございます。  以上です。
  10. 高嶋良充

    高嶋良充君 千野さんは、人事院における報道関係出身人事官役割というのは特別にあるというふうに思っておられますか。  なぜこのようなことをお聞きするかというと、谷総裁政府批判をした翌日の二月四日の産経新聞に次のような記事が掲載をされておりました。ちょっと読み上げてみますと、昭和二十八年以降、人事官三人のうち一人は報道機関幹部経験者指定ポストで毎日、朝日、読売、NHK、日経の退職幹部が歴任している、ある閣僚経験者報道機関人事院批判するわけがないと、そういう記事が載っていたわけであります。  これはあたかもマスコミ口封じのために人事官報道関係者から任命しているんだという、そういうふうに取られかねない記事なんですけれども、私は全くそういうことではなくて、政府から独立をした中立公正な第三者機関である人事院にとって、権力に迎合せずに権力を監視してきたそういう報道出身者ジャーナリスト人事官に起用することによってその正義を、その人事官正義国民が期待をしているから報道関係の方から人事官になっていただくんだと、こういうふうに思っているんですけれども、その点も併せて千野さんの御見解をお伺いしたいと思います。
  11. 千野境子

    参考人千野境子君) 私が四十年、新聞界仕事をしてきたことは紛れもない事実でございます。それから、その一方で人事官の三人の構成の中にマスコミの方がいらっしゃるというこれも事実、そのように名簿を見させていただきました。  新聞人としてあるいは報道従事者として、最も大切に思っているものとして新聞倫理綱領というものがございます。この倫理綱領の中で大事な箇条書を申し述べますと、まず自由と責任、それから正確と公正、それから独立と寛容、人権の尊重、品格と節度、このような五つの条件を重視して私自身報道仕事に携わってきたと思っております。  したがいまして、だれかの意のためにするというふうなことが報道人としてあってはならないというふうなことは心に固く刻んで仕事をしてきたつもりです。そのような第三者的なあるいは公正、客観な立場から人事官に携わる、与えられました場合には、そのような立場からかかわりたいと、このように考えております。
  12. 高嶋良充

    高嶋良充君 終わります。
  13. 秋元司

    秋元司君 自由民主党秋元司でございます。  もう時間がないもので、何点か質問をさせていただきますので、端的にお答えいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  今、高嶋委員の方からも、先般この公務員制度改革並びにこの工程表の件について谷総裁そしてまた関係担当大臣とのやり取りの御紹介がありました。これにつきましては、谷総裁とまだお会いしてないのでというお話がございましたので、今後お会いされたときにじっくりいろんなことを話していただきたいと思います。  そういった関連の中で出てきた話として、いわゆる内閣人事行政管理局への権限移管についていろいろと議論があったわけでございますが、谷総裁からは、特に一般職についての勤務云々についてはこれは違憲だという話、そして幹部人事そのものについては違憲じゃないけれども勤務評定云々違憲だという話もありましたし、この辺を客観的にとらえて、違憲だ、違憲じゃないということについて、まず一点目、お伺いしたいと思います。
  14. 千野境子

    参考人千野境子君) 権限移管についてのことでございますけれども、本来これは縦割り行政を排するという趣旨から出てきたものというふうに承知しております。私は、やはり縦割り行政弊害というのは報道人としても痛感してきたところでございますので、この問題をそういう観点からもう一度とらえ直して解決を図っていくということが大事なのではないかと思います。  違憲に関しては、労使関係制度検討委員会が今基本権についての検討をしているところと聞いておりますので、その議論を見守りたいと思います。
  15. 秋元司

    秋元司君 ありがとうございます。  続きまして、先ほど今回の人事官に任命されるに当たりまして、今、千野参考人思いというものをお聞かせいただきました。その中に、公務仕事として、これはしっかり役人の皆さんには働いてもらわなくちゃいけないというお話の中で、高い倫理性とそして誇りを持てるということを言及されました。  その弊害が何であるのかと。本来公務員であるならばそういった理念の下に働いてもらわなくちゃいけないけれども、その理念がなかなか持続できないところに今の国民行政に対する不信があるという、そういった一連の流れのお話であったと思うんですが、千野参考人から見て何が本当に今弊害となっているかと、どのような御感想をお持ちですか。
  16. 千野境子

    参考人千野境子君) 一番痛感いたしますのは、やはり意識改革ということが大切ではないかと思っております。  それから、更に言うならば、やはり公務員はたくさんいるわけですけれども、まず幹部候補公務員が姿勢を正してその範となるということが大切ではないかと思っております。
  17. 秋元司

    秋元司君 最後質問になりますけれども、我々国会の方でも昨年、一昨年とこの公務員制度改革ということを行ってまいりました。そして、天下り、いわゆるわたりの禁止ということも掲げて国会の方でも論議してまいりました。  その中で必ず出てくるのは、この早期勧奨退職の問題と、もう一つ公務員皆さんにやはり成果主義というものを導入することはどうなのかということを議論してきたわけでございますけれども、先ほどの高い倫理観誇りを持てるということの中で、参考人としては公務員における成果主義というものをどのようにとらえられるか、お聞かせいただきたいと思います。
  18. 千野境子

    参考人千野境子君) 早期退職という前段の天下りに関しては、やはり天下りをなくす風土といいますか土壌をつくる、そういうことが大事であると思います。  それから、成果主義ですけれども、やはり一つ能力主義というものは公務員においても導入することは大事なことだというふうに考えております。
  19. 秋元司

    秋元司君 以上です。終わります。
  20. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。御苦労さまでございます。  まず、所信の中にもございましたけれども、人事行政公正性中立性についてお聞きしたいと思っております。  人事官というのは大変重い立場で、こういう所信を述べられて国会同意を得て、内閣で任命して天皇が認証すると。罷免の場合は国会が訴追をして最高裁判所弾劾裁判をするという、裁判官以上の独立性というか、担保されているように承知をしておりますけれども、これは、人事院制度自体はあの占領下の産物とも言えるわけでございます。戦後、戦中の反省を込めて、軍閥だ財閥だ、その中で天皇の官吏から全体の奉仕者に変えていく、その中核的な措置としてこの人事院制度というものがスタートを切ったというふうに承知しておりまして、今労働基本権の抑制の代償措置という言い方もございますが、やはり基本的には、戦前の反省を込めて中立性公正性というのが非常に担保措置としても大事な機関だと、また人事官立場であるというふうに思っておりまして、いま一度、千野さんの人事行政公正性中立性についての御見解をお伺いをしたいと思います。
  21. 千野境子

    参考人千野境子君) 私も今回人事官への打診を受けましたときに、この仕事についていろいろ調べたり資料を拝見したりする中で、今先生がおっしゃいましたようなことも認識いたしまして、非常に重い職業であるということはひしひしと感じております。  したがいまして、現状においてこの職業にもし就くことがありましたらば心して取り組みたいと、やはり公務員中立公正性を守るためには人事院がしっかりした機能を果たしていかなければいけないと、このように考えております。
  22. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 また、所信の中で新聞人としてという、経験を生かしてというお話でございますけれども、人事官三名でございます。一人一人の見識というか、生きてくるといいますか、それが高度に発揮されることが求められるというふうに思っておりますが、先行の高嶋委員からも、その言論人としての見識が非常に今まで人事官の中で生かしてきたというふうに思っておりますが、海外勤務も含めて御自身経験をどのようにこの人事行政上の課題に取り組もうとされているのか、もう少し具体的にお教えいただけますか。
  23. 千野境子

    参考人千野境子君) 私自身報道に携わった人間として一つ基本的なテーマをもし申し上げさせていただけるならば、国際社会における日本というものを一つの重要な自分のモチーフとしてまいりました。国際社会の中で日本が言わば名誉ある役割を果たしていくという、そのためにはどうすればよいかというふうなことも考えてまいりました。  人事官としてこうした経験がどのように生かせるかということに関しましては、現在様々な金融危機、端的に挙げますならば、を取りましても、日本で起きていることは決して国内だけにとどまらない、国境の壁が低くなって国際的なことが直接日本の中の様々な現象に直結しているという、そういう観点があろうかと思います。その場合に私の経験というものが生かすことができるのではないかと、このように考えております。
  24. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 民主党新緑風会国民新日本加藤でございます。  先ほど参考人所信をお伺いをさせていただきました。その中で、特に昨年成立した国家公務員制度改革基本法あるいは今議論されております工程表等におきます協約締結権を付与する職員の範囲の拡大ということが検討課題になっておるわけでございます。いろいろ議論はありますけれども、労働基本権制約代償措置として人事院勧告制度が設けられているという、憲法が認めている基本権を剥奪するといいましょうか制約をする代償行為であるというのがまずその基本であるわけであります。  そういうことの中で、先ほど労働基本権検討委員会議論を見守ると、こういうふうにお話をされたわけであります。しかし問題は、国民に開かれた自律的労使制度措置する、このことと、内閣人事行政管理局の方に、政府自身に、給与見直し企画立案あるいは級別定数内閣に移すと、こういうふうな議論の前後関係において、やはり具体的に労使制度が確立をする前にその各、人事局の方に権限を移譲することが前後した場合に、瞬間的にそれは代償措置を与えてないという状況をつくるのではないかと、こういう議論もあるわけですけれども、本件についての御所見をお伺いしたいと思います。
  25. 千野境子

    参考人千野境子君) 谷総裁が示されました懸念というのが今先生がおっしゃる点とかかわっているのではないかというふうに認識いたしております。その級別定数ということに関しましても、実はこの級別定数の問題というのは、新聞記者にとっても、さらには読者にとっても大変難しい問題であるというふうに考えております。いずれにしましても、その級別定数というものが給与決定基準一つとなっているわけでありまして、これはやはり労働基本権にかかわる問題でもあるというふうに認識しております。  そのようなわけでございますので、私としては、それ以上の細部の議論にはまだ人事官になっておりませんので立ち入ることは控えたいと思いますけれども、人事官になった暁には、三人の中の一人という重要な地位でありますので、よく勉強し、かつ子細に検討させていただきたいと、このように考えております。
  26. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 お話としては非常に理解できる対応であると私は思います。  さて、参考人が自らの経験の中で、ジャーナリストとして国民の目線であるとか気持ちを大切にし、それにのっとっていろいろと役目を果たしたいと、こういうふうなことをおっしゃられましたけれども、同時に、それは働く公務員自身国民の一人として生活あるいは家庭、いろいろと背負われておるということを含めて、場面によればそういう皆さん方思いジャーナリストの目ですくい上げるということもあり得るのかどうか、その辺のところをお話しいただきたいと思います。
  27. 千野境子

    参考人千野境子君) 私は初めてこの参考人立場でこれを申してよいのかどうか分かりませんけれども、先ほど衆議院でもこのような立場に臨みまして、そこで申し上げたこと、質問はこういうことでございました。あなたはまず何を一番先にやりたいのかという、このような質問に対して私は、もちろん人事官としての課題に取り組むことはもとよりなのですけれども、まず一人一人たくさんの公務員の方に現場でお会いしたいと、このように申し上げました。先ほどの国民視点ということに関して申し上げれば、公務員もまさに国民の一人でありますから、そのような公務員が何を考えているのか、何を悩んでいるのか、私なりに一生懸命耳を傾けたいと、このように思っております。
  28. 加藤敏幸

    加藤敏幸君 終わります。
  29. 長谷川大紋

    長谷川大紋君 自由民主党長谷川であります。  参考人、御苦労さまでございます。質問が重なりましたので、二点についてお伺いいたします。  第一点。人事官は、官僚、学者、マスコミ出身者から候補者が選ばれるなどが慣例になっております。中立第三者機関としての観点から、この選考基準についてはどのようにお考えですか。
  30. 千野境子

    参考人千野境子君) 恐らく昭和三十七年からずっとこのような構成になっているかと思いますけれども、大学の研究者行政、いずれも重要な立場であると思いますけれども、その一角にマスコミというふうな人々が選ばれたということに関しては、先ほどと若干重なるかと思いますけれども、報道という公正、客観的な立場あるいは第三者的に物事を俯瞰する立場という、そういう立場中立公正を旨とする人事行政にふさわしいと考えられてきた結果としてこのような人事が続いてきたのかもしれないというふうに考えます。
  31. 長谷川大紋

    長谷川大紋君 もう一点。公務員は、労働基本権が制限され、労働交渉給与決定ができないため、それらの代償措置として人事院勧告公務員の利益を守る役割を担っておるわけでありますが、公務員にも団体交渉権ストライキ権などを与えてもよいのではないかという意見がありますが、これらにつきましてはどのようにお考えでございますか。
  32. 千野境子

    参考人千野境子君) 現在専門家の方々による検討委員会というのが進められておりますが、私自身考えを率直に申し述べさせていただくとすれば、現時点においてスト権というものは恐らく時期尚早であるのかもしれないというふうなことは思っております。しかし、それも最終的には議論を重ねて、国民議論が必要なのではないでしょうか。そのように考えます。
  33. 長谷川大紋

    長谷川大紋君 ありがとうございました。
  34. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 長谷川が二人続きますけれども、民主党会派に属しております国民新党の長谷川憲正でございます。  千野さんに今日こうしてお会いするに当たりまして、私、ブログなども拝見さしていただきまして、サリサリハロハロ通信というんでしょうか、読ましていただいて大変共感するところが多かったわけであります。  そこで、お尋ねをいたしますが、今回この人事官お話、先ほどもちょっと触れられたかと思いますけれども、お引き受けになられようとした最大の理由といいますか、どういうお気持ちで自分も人事官になってみようと思われたのか、そのことをお尋ね申し上げたいと思います。
  35. 千野境子

    参考人千野境子君) ブログの件に関してありがとうございます。  一言、サリサリハロハロという言葉の解釈をちょっとさせていただきます。これは、私が最初の特派員はマニラでございました。マニラにサリサリハロハロ・ストアという、日本でいえばよろず屋さん、ごちゃ混ぜという意味がサリサリハロハロという意味でございます。  それから、御質問でございますが、私が打診を受けましたときに、本当にこれはまさにサプライズ、想定外ということで、私自身はブログにも書いてありますように生涯一記者ということをモットーとしてまいりました。  最大の気持ちは、実はこれもそのときに思い浮かべました言葉は、国連事務次長でありました明石康さんの言葉でございます。ちょっと時間が長くなって恐縮でございますが、明石康さんが国連事務次長時代、私はニューヨークの特派員でございました。カンボジアPKOというものがつくられまして、一九九二年十二月三十一日の大みそかに、当時のガリ事務総長から明石さんは国連カンボジアPKOの事務総長特別代表というものを突然打診をされたそうでございます。結論として彼は引き受けるわけですが、与えられた仕事にやりがいを感じるタイプなのだというふうに、本も書いてございますけれども、おっしゃっておりました。私はその明石さんの気持ちに大変共感をいたしました。  私自身もこれまでいろいろ、思ってもみなかった外信部長でありますとか論説委員長という仕事のときも思いましたけれども、与えられた仕事にやりがいを見出すタイプ、そこに意義を見出す人間と言ってもよろしいのではないかと思いますので、人事官につきましても、外信部長と比べるのはいささか場違いでございまして不謹慎かもしれませんけれども、基本的にはそのように考えて取り組みたいと、引き受けた理由でございます。
  36. 長谷川憲正

    長谷川憲正君 時間がなくなりましたが、最後に一言だけお尋ねをいたします。  先ほど公務員は高い倫理性誇りを持って仕事をしてほしいということをおっしゃいましたが、全くそのとおりだと思います。しかし、そうした高い倫理性誇りというものを持って仕事をするためには、それにふさわしいやはり処遇といいましょうか、夢と希望の持てる職場でなければならないだろうというふうに思っていまして、優秀な人材を確保するためにどのようにすればいいかお考えかと思いますが、何か聞かせていただけますでしょうか。
  37. 千野境子

    参考人千野境子君) 公務員職業というものが魅力ある職業と思われるような、そのような努力を人事院としても続けていくことが必要なのではないかというふうに考えます。  それから他方、大多数の公務員は私は大変まじめで意欲もあると、このように考えております。一部の不祥事を起こす公務員のために多くの公務員が自信を喪失したり萎縮したりすることがないように、そのような目配りも大切なのではないかと思っております。
  38. 西岡武夫

    委員長西岡武夫君) これにて候補者に対する質疑を終了いたします。  千野境子さんに一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多忙の中を御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時六分散会