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浜田昌良君 政務官時代の成果を挙げていただいてありがとうございます。
FMCTを
政府として初めて提案さしていただいて、やっとそれが始まったと。でも、十二年ぶりですよね。そういう
意味では核についてはもう十二年も待っておられないということですから、新たなプロセスも必要だと思っておりますし、今
外務大臣がおっしゃいました厳しい安全保障の現実を踏まえる必要がある。確かに厳しい状況だと思っています。
中国の脅威もある、
北朝鮮の脅威もある。しかし、どうしても安全保障というものと核軍縮、核廃絶が対立するという発想をそろそろ抜け出さなきゃいけないなと。むしろ、核は使うのは悪であるという核ドクトリンを作ること自体が
日本の安全保障、高まるんだという発想を是非踏み出してほしいなと思います。
次に、じゃ具体的には
日本は何ができるのかというので五つぐらい右に書いてみたんですが、
政府は来年早々、国際軍縮会議を提案されています。これはいいことだと思っています。是非そのときに、いわゆる国だけが集まるんじゃなくて市民が集まるという市民会議もつくってほしいな、併設してほしいなと、そういうのが一つの提案なんですね。
二番目には、そのときに、いわゆるNPTを脱退して新規に
核兵器国となろうとする国はもう人類全体の敵であるということをちゃんとこの会議で、国際会議又は市民会議で採択していただきたい。つまり、
北朝鮮という国というのは、それはもう人類全体としてそういうのは認められないんだということをしっかり
日本が主導すべきじゃないかと。
あわせて、重要なのは、実は、今回も
北朝鮮の核実験があって、与党の調査団が
アメリカに行って感じたんですが、
アメリカではまだ
日本は核軍備をするんじゃないかと思っている人は少なからずおられます。そういうことに対して、そういうことはないということを宣言する上でもこれは非常に重要だと思っておりますので、こういうことがあるんじゃないかと。
三番目には、核廃絶といっても、先ほどのオバマさんの話じゃありませんが、長期のプロセスになりまして、じゃ我々の世代で何ができるのかという、中間目標をどうするのかということなんですが、実はある
外務省の幹部の方からこういう御提案をいただきました。
まず、NPTの国の間において先制不
使用宣言をしてはどうかということなんですね。これは単なる、消極的安全保障というのは
核兵器国が持っていない国に使わないというだけなんですが、それだけじゃなくて、いわゆるP5の国の間でも先制は使わないということを言うという、含んでいるんですね。これによってNPTに入っていることのメリット、今それを抜け出そうとしている
北朝鮮がいるわけですけれ
ども、それにとどまっていれば先制
使用はないんだという一種のメリットがあることを伝える。また、NPTに入っていない三つの国があるわけですね。インド、パキスタン、イスラエルというものに対してもNPTのメリットが発揮させられますし、そういうことを明確にするためにこういうことを宣言を働きかけてはどうかという提言。
四番目には、世界最大の原子力平和利用国として、核関連物質、濃縮、再処理等の核関連技術の拡散防止のために、NPTの追加的保障措置の全面義務化及び昨年三年間延長されました不拡散に関する国連安保理決議一五四〇、これは輸出管理をやっているんですけどね、そういうものの完全実施、なかなか難しいと思いますけど、これに向けて
日本はアウトリーチ会合もたくさんやっていますけど、こういう技術支援をどんどんやりましょうという話。
そして、最後には、これ非常に重要なのは、いわゆる核の傘を含む
アメリカの拡大抑止ですね、これと矛盾しない先制不
使用というものの、この議論をいわゆる
アメリカの同盟国である韓国やオーストラリア、EU各国との共通
認識を議論してはどうかという話なんですね。
これは、いわゆる拡大抑止、エンラージド・デターランスというのはベーシック・デターランスとの対置語ですから、
日本じゃなくて
日本の同盟国に対しても抑止を広げるという話であって、決して別に核以外のものに核を使うという
意味ではないんですね。そういう
意味では、ノー・ファースト・ユースとエンラージド・デターランスは全く矛盾はしないんですよ。核で来た場合には核で対応する、通常兵器の場合は通常兵器で対応するとすれば、これは二つは共存、全く矛盾しないと。
で、これ注目される発言が、核不拡散・核軍縮に関する国際
委員会というのがあるんですが、これエバンスさんが川口さんとともに共同議長をやっているんですけど、五月二十八日の地方紙に、「「核の傘」再考を」という記事が長崎新聞や
中国新聞で載っているんですね。この中で、
日本などが安全保障をゆだねる
アメリカの核の傘は核廃絶、軍縮に向けて障害になっている。今国際の場では、
日本がこの核の傘、通常兵器に対しても核なんだと言っていること自体が世界の核の軍縮にとってもはや障害であるという発言が出始めています。
そういう
意味では、そろそろこういう議論もしなきゃいけないというのが、まあ五項目あるんですが、
大臣にはこの中でも特に二番、三番ですね、
北朝鮮に対するこういう危機がある中で、是非来年早々開かれる会議において、新規
核兵器国になろうとする国はもう人類の敵であるということを高々と宣言していただきたいと。あわせて、そのときにNPT国間における先制不
使用というものも、これは単なるアイデアでなくて、外交的にも私は
意味があると思っておりますので、この二点について、お考えについて御答弁いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。