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佐藤正久君 あと、今、
防衛省の方から
お答えがありましたように、
オスロ・
プロセスで認められている範囲の
クラスター弾というのはフランスやドイツは持っているということを私も承知しております。要は、そういう
安全保障上の観点から規制はあるものの、そういう
配慮をした上でこういう形のものは必要だと、これが俗に言う
代替手段の
一つだというふうに認識しています。
日本の場合、現在は、対
着上陸戦等、あるいは敵の空挺攻撃、パラシュート部隊の攻撃等、あるいは離島
防衛との
関係から
クラスター弾は必要だという形で
防衛力を整備していると。一番大事なことは、いかに敵の攻撃から
日本国民を守るかということが一番大事であって、悪いのは侵攻する敵であって、それをいかに有効な手段を使って排除するかということが非常に大事だと思います。
実際に第一線の方で敵の攻撃からいろいろ対処をする
自衛隊員とか警察官の方々あるいは消防隊員の方々、自治体の方々等々も第一線で国民を守るために頑張っているというときに、今の
状況のままだと、周辺諸国は
クラスター弾を持っていると、我々はそれは持っていないと、向こうは散弾銃でこちらはピストルみたいな、例えがいいかどうか分かりませんけれ
ども、そういう状態にあるという中で
代替手段を今、去年からの
補正予算あるいは今年度の予算等でいろいろ整備をしているという
状況だと思います。一番困るのは、
安全保障体制に
能力的に穴が空くというのが一番まずいわけで、それをないような形で
外交努力やあるいは
防衛力という形で埋めていくということが非常に私は大事だと思います。
特に、
日本の場合は海岸線が非常に長くて、
防衛副
大臣の地元の長崎なんかはまさに海岸線が入り組んでいて非常に複雑で、なおかつ離島も多いと。非常に、どちらかというと、西側でいうと第一線的な場所にあります。専守
防衛という範囲内で、攻めてくる敵から
日本国民を守るという観点では、当然拠点破壊という分野とある程度の面の制圧機能というものはやっぱり必要だと私は思います。
実際に、ミリタリー・
バランスによりますと、中国等の上陸用の舟艇、これはこの五年間で結構増えていると。静的な事実としてもこれも認めないわけにはいかないと。例えば、戦車が一度に二十両載ったり兵員が八百名ほど乗るLPDというものを二〇〇八年に
装備をしたり、あるいは戦車が十両載ったり兵員が二百五十名乗るLSTというものについてもこの五年間で八隻増加をして二十七隻持っているとか、あるいは戦車が五両、兵員が百名乗るLSMというものについてはこの五年間で二十五隻増加をして今五十六隻持っている。あるいは兵員百名を輸送するLCMというものについてはこの五年間で二十隻増えている。また、LCU、兵員百五十名程度のものについてはこの五年間で八十五隻増えて百三十隻持っているという静的なミリタリー・
バランス上のデータもありますので、そういうことも踏まえながら、いかに抑止力という観点からも
我が国も適切な
防衛力、
外交力を持っていくかということが大事だと思います。
今お手元の方に資料をお配りしました。
クラスター弾代替のイメージとその影響というものですけれ
ども、上の方で書いてあるのは、今までであれば、全部
クラスター弾を用いて敵を撃破するというもののパターンとして、敵部隊の後続部隊の輸送艦なり、あるいは海岸線に上陸する部隊であり離島に侵攻する部隊、あるいは飛行場等を占領する敵の空挺部隊等々に対してのいろんなことを考え、阻止する観点から
クラスター弾というものも通常弾と併せて使いましょうという発想だったと思います。
下の方の資料二というものを見ていただきたいんですけれ
ども、
着上陸侵攻を考えた場合、もう遠間から考えますと、対海上あるいは水際、陸上という形で
クラスター弾というものを用いて、緑の分野で
能力を持っていた、あるいは離島とか重要施設、空港等の重要施設を守るという観点から制圧戦力として
クラスター弾を持っていたと。
クラスター弾がなくなった場合、一番大きく影響を受けるものとして、水際の対処
能力あるいは離島とか空港等の制圧
能力という部分が不足するというふうに言われると思います。今、
代替手段であるM31、これは単弾頭のものですけれ
ども、これを入れることによって水際対処
能力あるいは拠点制圧
能力という部分を今
補正予算等を使いながらどんどん今補てんをしている。しかしながら、
クラスター弾全部というものに対する
代替能力という点ではまだまだだと思います。
よって、フランスとかドイツ、あるいは
日本の方でそういうものが
開発すれば別ですけれ
ども、そういう認められた範囲内でそれを導入して、
安全保障上の
体制上穴を空けないという発想も大事かなと思います。当然、その新弾については、今回の
クラスター弾の
条約で規制され、又は認められた範囲の新弾という
意味ですけれ
ども、そういうものを使ってやはり離島とかあるいは飛行場に対する
対応というものも必要ではないかなというふうに考えます。
今後、
防衛計画の大綱とか中期
防衛力整備計画の中で冷静な
議論を行っていく必要があるというふうに考えますが、
防衛副
大臣の所見をお伺いしたいと思います。