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風間直樹君 それでは、この後の
質問は藤田
委員にまた託したいと存じます。
それでは、残り時間を使いまして、本題であります
防衛省設置法について
防衛省に
お尋ねをいたします。
通告をいろいろしておりますが、時間の関係で二点今日は
お尋ねできればと思います。一点は自衛隊活動に対する公刊資料の不足の問題、それからもう一点が従軍歴史家の派遣と養成にかかわる問題であります。
今回の
防衛省設置法で
防衛省としての機能をより改善、向上すべく様々な工夫がなされているわけでありますが、その中で残念ながら余り考慮されていない視点があると思います。その
一つが自衛隊活動に対する公刊資料の問題であります。
歴史を認識する、あるいは歴史を学ぶことの重要性がよく言われますけれども、過去の歴史を十分に学び評価すると同時に、やはり現在の自衛隊の活動が新しい歴史を創造しているという事実も我々
考えるべきだというふうに思います。特に政治や行政に携わる者といいますのは、自らが行ったことを記録したり、あるいは資料を保管して現在の国民に可能な限りそれを伝え、同時に国民の知る権利を保障して、さらには、直ちに公開できなくても、しかるべきときのために資料を保管し後世の歴史家に判断してもらうことが私は民主主義にとって極めて大事な原点ではないかと
考えているわけであります。
そのために、まず
防衛省・自衛隊が自衛隊の活動を後世に残す
作業を行わなければならないわけでありまして、このことは民主主義国家であれば当然行われていることでもあります。ただ、不思議なことに、自衛隊の海外活動について調べようとしても、せいぜい
防衛白書のコラムにとどまっておりまして、公刊書がないという
現実に突き当たります。太平洋戦争までの旧軍に関していいますと、
防衛研究所の戦史部が戦史叢書、いわゆる公刊戦史を百二巻出しています。しかし、国民が近年における自衛隊の活動を知ろうとしても、
防衛省や自衛隊が責任を持って編さんした刊行物を見付けることができません。
一方、
米軍はこの点が非常に充実しておりまして、各軍種ごとに刊行物が存在すると同時に、
米軍が行う各オペレーションを公刊するために、軍事学や歴史学のアカデミックトレーニングを積んだ軍人やシビリアンが
米軍が行くところに必ず同行しているんですね。私どもも時折、大戦中の
米軍のビデオを見ることがあるんですが、非常に細かく映像が記録されております。だれがこれを撮ったんだろうと調べてみますと、このようなアカデミックトレーニングを積んだ軍人やシビリアンなんです。
やはり、こういう形で
情報を映像なりあるいは文書なりで残しておくということは、私は極めて大事であり、今後の
防衛省・自衛隊にとっての課題でもないかと思われます。
米軍の例をもう
一つ引きますと、例えば陸軍の戦史部、ここが最近発行した書物ですが、二〇〇三年から五年の米陸軍のアフガンにおける作戦に対して、司令官に対するインタビュー、これを始めとして
米軍の目的、政治と軍の調整、オペレーションにおける困難など徹底したオーラルヒストリーを行っております。
こうした活動を是非、
防衛省としても今後取り組んでいただきたいと
考えるんですが、
防衛大臣の御認識をお伺いできますでしょうか。