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国務大臣(
中曽根弘文君) 四月の十六日でございましたけれ
ども、韓国の柳明桓外交通商
部長官と会談をいたしました。
今、シャトル首脳外交と申しまして、昨年から特に
日韓の首脳の会談、交流が深まっているところでありますけれ
ども、今回の外相会談におきましても、
日韓の経済を含むいろいろな問題、またさらには開発分野における
日韓の
協力の
在り方等について
意見交換を行いました。特に、両国の共通の
課題でありますこの
北朝鮮の問題についても重点的に
意見交換を行ったところでございます。
この
北朝鮮の
ミサイル発射への、これへの対応ということにつきましては、私から、今回は非常に日本と韓国とアメリカの
連携、緊密な
連携があって非常に強い
内容を含む
議長声明が採択をされたと、
北朝鮮にはこういう
国際社会の強い
メッセージというものが十分に明確に伝わったと
考えていますと、また、
北朝鮮はこの
議長声明に強く反発をしておりますけれ
ども、我々としては落ち着いて対応する必要があると。そういうようなことを韓国の
外務部長官に私は述べまして、柳明桓外交通商
部長官からも、私のそういうような発言に完全に同意をしますと、今回は
議長声明としては余り前例のないような強いものが採択をされたと、その中で日本の果たした役割にも感謝をする旨の先方からのまた
表明もあったわけでございます。
今後、六
者会合が非常に重要になってくるわけでありますけれ
ども、私と柳長官との間におきましては、六
者会合をとにかく
再開をして、核の問題、また
ミサイルの問題、
拉致の問題を早く
解決しなければならないということでこれはもう当然
一致しているわけでありますが、それにはやはり
中国の役割、六
者会合の
議長国である
中国の役割が非常に大事であるという、そういう共通の認識の下に、今後
議長国である
中国とともに、非核化の検証の具体的な枠組みにこれに早く
合意するということが重要であるということで、今後も引き続いて日本と韓国とまた特にアメリカとも
連携をしていくということで
一致をしたところでございます。
また、
拉致問題につきましては、私から日本としては
拉致問題も前進をさせたいと、韓国の今までの
協力に感謝を申し上げて、そして同時にまた引き続いてよろしくお願いをしたいということをお話をいたしました。柳長官からは、
拉致問題の日本の
立場は十分に
理解をしておりますと、過日も金賢姫氏と飯塚家との会談を韓国
政府のまた御尽力にもよりまして実現したわけでありますけれ
ども、韓国にできるすべての
協力を今後もしていきたいと、
拉致問題は六
者会合の枠組みの中で
解決すべき問題であると、その旨の発言があったわけでございます。
日韓間では、今後ともそういう
北朝鮮の問題を始めといたします様々な
課題についても緊密に
連携を取って、また意思疎通を図って、いわゆる成熟したパートナーシップ
関係、これを発展させていきたいと、そういうふうに
考えています。