○高杉
政府参考人 今先生御
指摘のとおり、国宝、重要文化財の建造物につきまして、その修理に多額の費用を要するというような場合、その国宝、重要文化財の所有者がその負担にたえないという場合につきましては、私
どもでその
事業の経費について補助をするという制度を設けております。
この補助金、これは
事業規模と所有者の財政
状況にもよりますけれ
ども、
事業費の五〇%から最大八五%、これを国が補助しております。通常、これに加えまして、県とか市町村、そこにおきましても補助を行い、所有者の負担を軽減するという場合が多うございます。
現実に、奈良県、奈良市におきましても、そういう制度を持っておるということでございまして、この薬師寺東塔の修理につきましては、国それから奈良県、奈良市、所有者、この四者が一体となって
協力して進めていくものになっていくのではないかと思っております。
具体的に申しますと、薬師寺の東塔、これは薬師寺の今持っております計画によりますと、総額二十一億円ほどかかりまして、
平成二十一年度から三十年までの十年間で実施をするという計画であるというように
承知しております。
具体的な補助金額とかその補助割合というのは、今後正式な補助金の申請を受けたその後に出てくるというものでございますけれ
ども、
平成二十一年度の
政府予算案におきましては、この薬師寺の
事業が、二十一年度は、まず
調査用の足場を組んで建物を実測してはかっていく、そして破損
状況を調べるというようなことで、おおよそ一億一千万ほどの
事業があるのではないかと見込まれております。それに対しまして、私
ども、現在、国庫補助として約七千万円というのを計上しておるということでございます。
また、先生先ほ
どもおっしゃいましたように、やはり文化財、こういうものを修理するということは極めて専門的なものでございまして、その知識とか
工事の質というのを確保するということは大事なことでございます。
特に奈良県におきましては、国宝、重要文化財の件数が多いということから、専門の大工それから文化財の修理技能者というのを県の職員として実は雇用しております。そして、所有者の委託を受けて、奈良県みずからが
工事を受託して行うという体制がとられておると
承知しております。今回の
事業についても同様な形で行われると思っております。
私
ども文化庁といたしましても、これからやはり、薬師寺、貴重な文化財でございます、今後とも適正な
保存修理が行われるよう、指導助言に努めてまいりたいと思っております。