○北川
政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、昭和六十
年度から調査を開始いたしまして、これまで、海底の地形の調査あるいは海底地質についてのサンプリング調査、こういったものを
実施しているところでございます。これまでに幾つかの有望な鉱床の兆候を発見してございます。しかしながら、
世界的にも
開発事例がないということ、
我が国近海においてもまだ採掘が行われたという実績はないという状況でございます。
なぜそのような状況なのかということでございますけれ
ども、
開発する上での課題、これを四点ほど整理して申し上げます。
まず第一に、
資源量評価のための海底地質データがいまだ不十分であるということでございます。
第二に、周辺に貴重な生態系が存在するということでございます。例えばカニですとかエビですとか、こういったところにしかいないような動物がいるというようなことでございまして、どのように
開発すれば
環境保全と両立できるかというような問題でございます。
第三に、水深千メートルというところで、しかも傾いているような斜面でございますので、こういった海底面で鉱石を取り出しまして、それを海上にどうやって運搬するのか、そういったメカニカルな
技術という点もまだ未
開発であるということでございます。
最後になりますが、第四点目は、採掘した熱水鉱床は陸上にあります鉱物とは少し組成が違うようでございまして、その中からどのように金属として抽出するか、こういったところをさらに検討する必要がある。
このような四点の課題があると考えてございます。
いずれにいたしましても、こうした課題を克服して進めていきたいと考えてございますので、
資源探査の
実施、それから、先ほどのエビやカニのような議論でございますが、
環境影響評価をどのようにしていくのか、あるいは採掘、製錬といった
技術の
開発について
計画的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
委員の御
指摘のとおり、
我が国周辺海域に分布する鉱床の
開発が可能となりますれば、供給のほとんどを今海外に依存しておる我々
日本の状況からいたしますと、新たな供給源になりまして、大変
期待されるところでございます。今後とも、海底熱水鉱床の
開発に向けまして、積極的にかつ
計画的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。