○
福島委員 一方では、もとに戻したらどうなんだ、こういう意見について私も共感するところが多々あるわけであります。しかし、一方で、果たしてそのような措置を今とった場合に何が起こるのか、これを心配するわけです。今、規制を強化すれば、現在解雇が行われている状況がさらに加速をする。現在、
製造業には約五十万人の派遣労働者の方がおられます。そういった
方々がさらに失業するおそれがあるんじゃないかということが一点。
そしてまた、これからこの
不況を通り抜けて景気回復の局面がやってきます。そのときに、果たして
雇用をふやすことができるかどうか、逆に足かせになる可能性もあるんじゃないか、こういうことが一つはあると
思います。
そこで、やはりもとに戻すべきではないかという
思いを抱きつつ、そうした懸念も十分に考えながら、現に五十万人の人が働いておりますから、その中で最善の策を考える必要がある。
私は、二段階に分けて物を考えた方がいいんじゃないかと
思います。現在これだけ雇いどめが横行しております。その中で、厚労省の調査でも、中途解除が多いんですよ。派遣で五万七千三百人、これは十二月の調査、雇いどめですね。期間満了は二万二千百六十人、中途解除が二万九千四百五十一人。この中途解除の問題。現場の話を聞きますと、中途解除をしても違約金すら払わないような場合がある。違約金すらもらえなければ、派遣元も、労働者の
方々にどう手当てをするか、その資源がない。そういう問題がある。
実は、今厚労
大臣から御
説明いただいたのは、派遣先、派遣元それぞれに、講ずべき措置に関する指針というのがあるんです。その指針には、先ほど
大臣がおっしゃられたような、三十日の保障といったようなことが書いてあるんです。書いてあるんですけれども、それが果たしてきちっと行われているのか、ここのところが問題だ。
ですから、今考えるべきことは、いきなり
製造業の派遣は禁止だといって、いろいろな副作用が出てくる、多分。そういうことはやはり政労使でもう少し
議論をしなきゃいかぬ。
そして、第一番の段階としては、雇いどめの横行、そしてまた労働者がきちっと保護されていない、この問題に対してはきちっと手を入れなきゃいけない。指導だけでは私は足りないんじゃないかという気もいたします。指針というものをきちっと法律に格上げをして、そして、中途契約する場合は、契約期間の賃金、これは契約ですから直接賃金という話になりませんけれども、その保障は派遣先がきちっと保障しますよ、こういうルールをきちっと法律上決めるだけでも違うんじゃないか、こういう
思いがいたします。
そして、それ以上にまた問題なのは、派遣元も
雇用保険にも加入させない、
社会保険にも加入させない。ですから、失業したときに
雇用保険ももらえない。今拡大しますけれども、しかし、入っていなければそもそもできないということになるわけでありまして、ここのところも、きちっと入ってもらわないと困りますよと、このことをどう明確にするか、これがまず第一段階だと私は思うんです。
そして、その次の段階として、これは派遣だけじゃありません、請負もどうするのか、そしてまた
日本の
製造業における人材確保をどうするのか、こういうものも含めて全体として労働法制をどうしていくのかということについて政労使がきちっと
議論して、もちろん与野党含めて
議論をして次の段階を考える、こういう取り組みを進めていく必要があるんじゃないか、このことを申し上げておきたいというふうに思っております。
ということで、時間がありませんので次に行きます。
昨年の暮れに中期プログラムをまとめさせていただきました。中期プログラムは、先ほどから
総理がおっしゃっておられますように、我が国の財政をどうするのか、
社会保障をどうするのか、こういう
意味では基本的な筋道になる話だと
思います。しかし、現場で聞く声というのは二つあります。そんなこと言ったって
政府は無駄遣いをもっと省くのが先じゃないの、もう一つは、仮に増税をするんだったら一体何に使うの、
社会保障の機能強化と言うけれども、一体それは何をしてくれるんだ、こういう話だろうと
思います。
無駄のことだけきょうはお聞きしたいと
思います。
公明党も、税金の無駄遣いをなくさなきゃいかぬということでムダゼロ
対策本部というものをつくりまして、
政府はそれに対して行政支出総点検
会議、これは前
内閣でつくっていただいて、歳出の削減ということについて、無駄の排除ということについて真摯な取り組みをしていただきました。
ここにお示しをしましたのは、二十一年度の
予算でどれだけ無駄の削減の努力というものがこの総点検
会議の
指摘に基づいてなされたか、この数値であります。公益法人向けの支出が三千九百二十八億円、これは
平成十八年度対比でありますけれども、削減。特別会計支出等の見直しは約一兆二千四百億円。行政コストの節減・効率化五百五十七億円の削減、この中には、タクシー代の二十四億円の削減ですとかレクリエーション費の廃止でありますとか、こういうことが盛り込まれているわけであります。しかしながら、なかなかこの数字、メディアで十分取り上げられているわけではないと私は
思います。
オバマ次期大統領は、財政出動をこれから続けなきゃいかぬ、しかし一方では財政規律も大事だ、新しい組織をつくって歳出は点検します、こういうことを先日発言されておりました。我が国においても、これから財政出動しながら景気
対策をやっていく、その中で無駄は徹底して省き続けているんですよということを
国民にどうわかってもらうか、そして、中期プログラムの問題を
国民に理解していただくためには、この無駄を排除し続けているという姿勢がどれだけ
国民にわかるか、この問題だと
思います。
そして、この総点検
会議は来年からは各省におろされます。各省におろされた後、一体どこまでやってもらえるのかという心配があるわけであります。この点について最後に
総理の御見解をお聞きして、終わります。
〔鈴木(恒)
委員長代理退席、
委員長着席〕