○
小里委員 わかりました。ありがとうございました。
生産費をちゃんと補償しているというお話でございました。
昨年の
議論の中で、
発議者の
試算値、米については少なくとも
生産費すら補償するものとなっていないわけでありまして、これは改めて御確認をいただきたいと思いますし、また、他の
品目につきましても、具体的な
補てん単価というのは出てきていないんですね。当然でありまして、一兆円とか一兆四千億円とか、それとつじつまを合わせようとすると当然出せないわけであります。そこはぜひ、そうおっしゃるんだったら実際の具体的な単価を出していただきたい、そんなふうに思います。
また、補助金をやめて一元化するということは、この前も、
筒井さんでしたか、おっしゃっていました。また、過去から、
農業土木を廃止すると、あたかも公共事業を悪の権化みたいに
ビラ等でも激しくたたいてこられたのは
民主党でありまして、補助金行政を廃止する、この
姿勢というものはやはり昔から
民主党の根底にある、そんなふうに私は思っているわけでございます。
先日、地元の
集落を歩いておりましたら、ある水田地帯で高齢者の皆さんが七、八人で用水路の改修作業をしておられました。そこにおりていきましたところ、長老格の人がおっしゃった。若いやる気のある担い手がいたら、ここから見えるだけの水田をその人一人にやってもらうぐらいがいいんだけれど
もとおっしゃいました。まさに
農業の抱える問題の縮図がそこにあるわけでありまして、担い手がいないから高齢者の皆さんが一生懸命
農地を守っておられる、そんな姿がそこにあったわけでございます。
こういったところにお金をただばらまくというだけでは当然だめであります。まず、地域総参加で
農地や水環境などを守り
農村を活性化させるための地域
政策や効率的な経営を促進するための基盤整備事業、そして
農地を意欲ある担い手に集積するための補助金や税制面での
支援措置も必要であります。あるいは、効率的な経営主体として、また若い担い手の受け皿としての
集落営農も必要でありまして、そして何より確固たる国境措置が必要であることは言うまでもないわけでございます。
いわゆる総合農政でもって
農村の活性化を図り、効率化を図り、その中から足腰の強い経営主体を育成し、そしてまた若者が飛び込んでいこうと思える
農村環境、
農業環境をつくっていく、これが政治の
責任である、そんなふうに思うわけであります。
民主党案は、ちゃんとした処方せんも準備せずに、
高齢農家や
小規模農家をひとりぼっちにするものであります。ただ幾ばくかのお金を渡して、あとは一人で長らえろ、そんなふうに言っているにすぎない、私にはそう思えてならないわけであります。
積算根拠、
財源につきましては、先ほど申し上げたように、次回、しっかりした
数値を示していただきたいと思います。
さらに、
民主党ビラについて
指摘をさせていただきます。
昨年の十一月ころから出回っていると思われますが、この
ビラの中で、さっき申し上げたように、
貿易完全自由化を思わせる記述がございます。しかも、直払いの
対象にしていない
野菜、果実までこの中に入れ込んでおるんですね。そしてまた、減反をやめるとはっきり書いてあります。
生産調整だか
生産数量目標だか、しっかり続けられるという中身になっておるのに
矛盾をするわけであります。また、
日本の食堂に行きますと、農薬入りギョーザとかBSE入り牛丼とか、こんなものばかり食わされる、こんな記述でございまして、非常にえげつない。いたずらに
国民の不安をかき立てる、そんな内容になっておるわけでございます。
あるいは直払い。相変わらず
日本は千九百億ぐらいしかやっていないというような表現でございまして、これも先ほど申し上げたように間違いでございます。
あるいは、
日本の農政が大規模
農家しか
対象としないという記述でございまして、今の
日本の
制度で、経営規模で差別をしている
法案、
制度はほとんどないということを改めて申し上げておきたいと思います。
非常に悪意に満ちた品のない
ビラになっておる、こういうものはもうやめていただきたいな、そんなふうに思っているわけでございます。
もう時間がございません、急ぎます。
以上、
民主党案につきまして限られた時間の中でお
伺いをしてまいりましたが、特に
戸別所得補償部分について
前回までの
審議で浮き彫りになった多くの
問題点、
矛盾点についてはまだまだ
改善が見られないと私は思っております。
担い手不足、
高齢化、
貿易自由化の高まる外圧の中で、歴史的正念場にある
日本の
農業、
農村であります。
もとより
農業、
農村は、
国民の皆様に安心、安全な
食料を提供する、そして豊かな
日本の自然を守り、国土を守り、かけがえのない歴史、伝統文化を守り担ってきたのが
農業、
農村であります。この大事な
農業、
農村をしっかりと未来へつないでいく、これは政治の大きな
責任であるということは言うまでもないわけであります。
そのためには、
農業の将来のあるべき姿を見据えて、まずは地域総参加で
農村の活性化を図り、
農地や
農村環境を守っていこう、その中から担い手を育成して効率的、安定的な
農業経営を確立していこうと、将来への確かなビジョンと道筋を示す必要があるわけでございます。
残念ながら、
民主党の
提案は、ただ
交付金を出すというだけで、あるべき
農業構造についてのビジョンも、そこに行くための道筋も
政策も欠けていると言わざるを得ません。すなわち、
民主党案では、現状の脆弱な
農業構造がそのままとなり、
農業、
農村の展望を開くことはできないと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。ここまでの
議論を踏まえて、
大臣にお
伺いいたします。