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小平委員 長々と答弁、御苦労さまでした。
農業委員会も聞いていますので、しっかりこれについての整理をしてください。
そこで、先ほどの、いわゆる外資系あるいは投資ファンドのことの話があったので、これはきちんと詰めてもらいたいと思うんです。ただ、ちょっと
懸念を表したいことは、先般、新聞にも出ていましたけれども、農水省は、七日に、いわゆる
農地法で義務づけられている
許可を受けずに違反転用した
農地、これについての発表をされましたね。そうでしょう。そのときに、二〇〇八年では八千百九十七件に上る違反転用があったと。三年間でも、年間約八千件が違反転用をしていると。
しかし、問題はその先なんですよ。その違反転用の約九〇%が追認
許可を受けているんですよ。普通なら、違反転用したのなら、そこで罰則はもとに戻すことでしょう。ところが、実際には、しようがないなというので、九〇%は追認
許可を受けている。原状回復が図られるどころか、むしろその違反を追認しているんですよ。この発表を農水省がしているんですね。これは
農業新聞に出ていました。そうでしょう。これは農水省発表なんだから。
こういうことがあるので、今の時点では、今あなたたちには
法改正が至上命題だから言っているけれども、外資系は心配ないですと。宮腰筆頭
理事もこう言ったけれども、今の時点では。しかし、我々は、やはり立法府として将来に向かって責任がありますから、きちんと今ここでもって
議論をして、そこを整理しなきゃなりません。だから言っているんですよ。
これはまだこの後も審議が続くでしょうから、また
議論してください。今のところはそれ以上答えられないでしょう。
そこで、実は、私、過去を振り返って、第百五十一回国会、
平成十三年でした。
農業経営再建特別
措置法案というのを議員立法で私が出したんですよ。これは、当時、
石破さんも農水
委員会におられて御記憶だと思いますが、あのとき、私の法案を廃案にしちゃったんじゃないかな、あなたが与党の
理事で。これは、つるされて、結果的に廃案になってしまったんですよね、自民党の多数によって。
しかし、この趣旨は、
農業者が国の施策に従って規模拡大を行った結果、その負債さらには農産物の異常な急落によって、ダブルパンチで
経営危機に陥った、そういう
農業者に対し、一たん負担を軽くしてあげようと。ですから、国がその
農地を一たん買い入れをして、そして負担を軽くした上で、それを小作として
利用し、力がついた段階でそれを買い戻す、そういう猶予を与えよう、これが趣旨でしたけれども、これは今お話ししましたように、当時、自民党の多数によって、つるされて、廃案になりました。
しかし、その後、私の主張が、提案が大分受け入れられて、いわゆる
農地保有合理化法人の改善がなされて、その方向が大分よくなりましたので、一応、評価はしております。しかし、さらに
農業者の負担を軽減した上で、内地農家に
農地が蓄積される工夫をもっとしていくべきじゃないか、こう今でも私は主張したいと思うんですね。
耕作放棄地の問題は大変大事ですよね。
農業者が耕作できなければ
企業に
参入させればよい、これでは安易過ぎると思うんです。
今回のこの
法改正で結論的に私が言いたいことは、
農地法の一条なんですよ。
農地法の一条がこの
農地法の精神ですよね。第一条では、
農地はその
耕作者みずからが
所有することを最も適当であると認める、これが一番最初のうたい文句なんです。いわゆる
耕作者主義です。これは先人がつくり上げた英知の結果です。それを今回の
法改正では、もうどこを見ても一条の
耕作者主義はなくなっちゃったんですよ。だって、宮腰さん、
改正のどこにも書いてないですよ。
我が国は、戦後の
農地解放によって小作
制度をやめて、いわゆる
耕作者主義にしたわけでしょう、不在地主を否定して。その大事な精神がこの
改正によって損なわれようとしている。私は、ここが一番、今回の
法改正に大きな
懸念を申し上げたい点なんです。
大臣、
農地解放によって小作
制度が廃止されて、この国の
農業の戦後のスタートがありまして、きょうに来た。いろいろな農政の、失敗と言ったらあなたたちは抵抗するでしょう。しかし、外的な、外国からの要因もある、
状況は変化してきた。それで、今そういうふうに持っていこうとしている、
利用権を広げようと。しかし、基本である精神として、
耕作者主義はしっかりとうたい直すべきじゃないですか。これを
大臣に問いたいんですが。
大臣が答えてください、
大臣が。