○大串
委員 三年がめどというふうにおっしゃいますが、三年がめどということは、実は私たちはもっと前から聞いていました。どういう意味で三年がめどというふうに聞いていたかというと、他の類似の干拓事業等々で環境省さんの方で行われていた、これまでのいわゆる環境アセス法に基づく環境アセスメントだと大体三年かかっていますということだったんです。それをベースに三年がめどというふうに言われるのであれば、今回のケースは明らかに違うんじゃないかというふうに私は思います。
なぜかというと、
一つは、環境アセス法そのものに基づくアセスではないということと、それともう
一つが、この諫早湾干拓事業におけるいろいろな調査研究、これはこれまでもたくさん実は行われていて、ノリ不作等第三者
検討委員会における
検討や、あるいはそれに基づいて実際に短期開門調査な
ども行われています。その知見もたくさんありますし、かつ、これまで農水省におかれても調査研究
予算をたくさんかけられて、この事案に関しての調査研究は行われています。
ですから、おのずと、これまでの環境省における類似新規事案における環境アセスメントが三年かかっていたから三年がめどということとは明らかに事案が違うし、かつ、それを踏まえて、
大臣も総理も三年とは言わずにできるだけ
早期に行いたいというふうに言われたということだと私は思います。
大臣、三年という数字は、
大臣もよくよく役所の方に聞いていただけばわかりますけれ
ども、もともとは環境アセスメント法の類似新規事案で三年と言われただけの話なので、ぜひここはそれにとらわれずに、これはもともとあった事案ですからということを踏まえてやっていただきたい。とても漁民の
方々が三年待てる性質の事案ではありません。
そして、
大臣、この間の参議院の
予算委員会においても、このアセスの内容について
大臣から御
答弁いただいていますのは、このアセスの指針の中でどういう項目をずっとアセスしていくか。これは類似干拓事業等々のアセスの指針を参考にしてつくられているわけですが、その中で新たな項目として、特別の項目として、地域の農業あるいは
漁業あるいは防災にどういう影響を与えるのか、これも検証するということが一項入っています。これはしかるべきことだと私は思いますけれ
ども、それに関して、
大臣、御
答弁の中で、さきの参議院の
予算委員会で、「その影響」、影響というのは農業や
漁業に対する影響ですね、「その影響を極力回避、低減する措置についても併せて
検討するということにしておるわけでございます。」こういうふうに
答弁されています。
私、お尋ねしたいと思います。この間も申し上げましたけれ
ども、環境アセスメントというのは、通常考えれば、ある
一つの固まった事業に対して、これを行った場合にどういう影響が生じるかということを単体で
評価するものではありますけれ
ども、
大臣がこういうふうにお答えになっていらっしゃること、そして指針の中に、先ほど申し上げたように、農業、
漁業、そして防災に関する影響も
検討するということも書かれていることを読み合わせると、アセスの中で、例えば農業への影響ということはつまり代替水源ということになります。あるいは防災、これらの問題について影響を極力回避、低減するというと、例えば代替水源としてはこういうものがありますよ、それも
検討してみるとこうこうこういうプラスマイナス、できることとできないことがありますよ、防災についてもこうこうこういう開門方法であればこうこうこういう防災に関する影響の違いがありますよ、あるいは防災に関してこういうふうな思いがあるということであれば例えば防潮堤をつくるなどのこともあり得ますよというような、私たち、弁護団の
方々も含めて、これまで代替水源やあるいは防災に対する策に関してもいろいろな提言をもう既にやっております。それは既に知見としてこの世の中にあります。
これを踏まえて、アセスの中で、単純に開門をしたときに農業や防災に対してどうなるかということのみならず、その影響、まさに
大臣がこの
答弁でおっしゃっているように影響を低減する。つまり、代替水源のこういうものをとったら、こういうふうな影響を回避、低減することができる、あるいは防災についても、こういうふうな手段をとったら、開門の方法をこうしたら、あるいは追加的なこういう防災策をとったら、防災面でもこのように影響を回避もしくは低減できるという形で、開門をするとするならば、できる限りこういうふうに影響を低減してやることによってこういう答えが出るんですというところまで
議論を進めた上でのアセスを、しかも
早期にやっていただくという理解でいいのかどうか。私はぜひそうしてほしいと思います。
アセスを単にぽんとやって、農業や防災にこういう影響があります、それは後日の
検討ですと言われると、また相当な時間がかかりますので、そうではなくて、せっかくアセスをやるんだったら、アセスの中で代替水源や防災に関する低減措置も含めて
検討して、こうすればこういうふうに低減できるんだということも含めて、ぎりぎりのところまで
検討してやっていただきたいというふうに、しかもそれを
早期にやっていただきたいと思うんですが、
大臣の御所見をいただきたいと思います。