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上川委員 公文書の意義につきましては、大変大事な
国民の
共有財産であるという
認識については、今
小渕大臣からのお話のとおりでございます。そのことも含めて、本
法案におきましての目的の規定の中にもしっかりと書き込むべきではないかというような声も実はいただいておるんですけれども、このことにつきましては、私は、
法律の持っている
趣旨に照らして
考えれば、でき得る限り、
最終報告の
趣旨も生かしつつ、また今
大臣が御
指摘いただいたことの大変大事な心髄のところを目的の中にしっかりと書き込んでいくということは大変大事なことではないかというふうに思っております。その点について
指摘をさせていただきたいというふうに思います。
続きまして、第二点でございますが、今も、
行政機関の中でもあらゆる
意思決定がなされ、またそのためのさまざまな
活動の
文書が
作成されているところであります。法制度の改革がなければ
文書管理の改善が図られないという
趣旨のものでは全くないので、今も各省庁あるいは担当のところでしっかりと
文書を残していくということ、これは大変大事なことではないかというふうに私は思っております。
法制度の改正がなければ一歩も進まないという
趣旨のものではなく、それを待たずとも、やるべきことは改善努力を惜しみなくやり続けるということ、この
姿勢が非常に大事ではないかというふうに思っておりまして、その際、さまざまな
文書管理の取り組みには差があるということでありまして、いいモデルもある、いい事例もあるということ、このいい事例をできるだけモデルにしながら、本気で取り組んでいただきたい、こういうことをぜひ強く申し上げたいというふうに思っております。
私は、昨年、
大臣就任早々に、十九の省庁を視察いたしました。一時間の予定というところを大幅に上回って、かなり細かく現場の中を拝見させていただきまして、省庁によっては、ああ、しっかりやっているなというふうに思うところもあれば、ずさんな
管理で、これで仕事がやっていけるのかというような気持ちになるところもございまして、今のこの枠組みの中でも取り組みの実態にはかなりの差があるなという思いでございました。
そのほかには、国立
公文書館はもちろんのこと、地方の
公文書館にも行かせていただきましたし、また、満鉄の
記録を
保存しているアジア経済研究所にも行かせていただきました。また、映像
記録という
意味では、NHKのアーカイブスにも行かせていただきましたし、また、日本銀行の
文書管理、また、アーカイブという形で整備している現場につきましても視察をし、
意見交換をさせていただきました。
こうした各事例の中には学ぶべきことはたくさんあるということであります。しかし、同時に、先ほど申し上げたように、ずさんな
管理で、ある
意味では、適切な
意思決定ができないのではないかと思うような場面も幾つか遭遇し、また、事実、この間の事例の中でも不適切な
文書関連の事例も発生しているところであります。「とわだ」の航海日誌の誤
廃棄の問題、記憶に新しいものでございますが、C型肝炎関連資料の倉庫への放置の問題、また、装備審査
会議の議事録の未
作成の問題、次から次へとこうした
文書の
作成及び
保存、
管理にかかわる問題が発生してきたということも事実であります。
つまり、ずさんな
管理の状況というのは、全体として見れば、すべてではないにしても、大変厳しい状況に置かれているところがあるということ、これはやはり直視していかなければいけないというふうに思っております。と同時に、いい事例のモデルについては、率先してこれを共有化し、また努力をし、改善努力に向けてこうした事例をうまく活用していくということも大事ではないかということは、先ほど申したとおりであります。
そこで、
文書管理の改善努力、
公文書管理担当という形で任命をされてから、全体的に見ると一年と数カ月たっているところでありますが、この間の改善努力は大変私も気になるところでありまして、このことについての取り組みの最近の状況についてお伺いしたいというふうに思います。