○市村
委員 そういう議論をしているんじゃないと言っているんです。
だから、なぜあえてここにこだわっているのかというと、その結果、あえて分けた結果、意味がないのに分けた結果、公益社団法人というのができちゃったわけですよ。あえて一般財団、一般社団と分けた結果、公益性を持ったものとしての公益社団という制度ができているんですよ。
公益性を持った社団法人があるのはいいんです、
大臣。ところが、それが今回は、公益社団法人となると、全部、寄附優遇を持つ
団体になっちゃうんですよ。なっちゃうんですよ。でも、社団というと、恐らく一般的に、いろいろ
考えるには、人の集まりと
考えたときに、本当に、それは公益性を持つだけの
団体じゃない。それを結局公益認定等
委員会が判断するんでしょうけれども、でも、やはり介護
団体はではどうするんですかという話ですよ。介護
団体の場合はどっちでもいいとなるんですか。
だから、どっちでもいいならば、そもそも一本化しておいて非営利法人ですと、非営利法人制度をつくって、まさに法務省がパンフレットにうたうように、非営利法人だと。一般財団とか一般社団とか、わかりにくい。一般というような言葉も、これは何だか意味がわからないじゃないですか。
だから、非営利法人、まさにこれがNPOなんです。NPOをどうするかということで、では、そのNPOの中でも公益性が高いNPOには寄附優遇を与えましょう、これが一番素直じゃないですか。一番素直な
考え方ですね。なぜあえて社団、財団と分ける必要があったのかというのは、やはりこれは疑問なんですね。あえて分ける必要はないと私は思います。だって、講学上の議論なんて言っているんだから。だから、そうなると、結局非常におかしな話になってくるわけですよ。社団でも財団でもどっちでもいいし、社団になったら税制優遇
措置もあるという話で。
この間申し上げた、アメリカはちゃんと、社団は、五〇一(C)(3)、すなわち寄附優遇の
団体じゃないんですよ。つまりアソシエーションは違うんですよね。五〇一(C)(3)に属するのは、財団もしくは、百万
団体ありますけれども、多くの場合、ほとんど、約八十五万
団体は公共慈善
団体ですよ。社団じゃありません。だから、公共慈善
団体というと、介護
団体も入ってきますね、素直に入ってきますよね。ああ、なるほど、公共慈善
団体は確かに介護
団体も入るなと、素直に入ってきますよね、素直に。財団、例えばファウンデーション、ファンド、あとはトラスト、これは財団ですよ。これは素直ですよね。素直に、ああ、なるほど、これはファウンデーションですねと。
ところが、日本の場合、この間ありましたように、日本漢字能力検定協会、これは財団なんですよ。何でこれは財団なんですか。アメリカだったら、ああいう組織は、早く株式会社へ移れという指導があるんです。ああいう、もうけるんだったら株式会社へ移ってくださいという指導が入るんですよ。NPOじゃありません、あなたたちはもう既にと。
もしくは、NPOでいたいならば、例えば無料で、内部留保がたくさんあるから無料でやりますとか、本当に廉価でやりますとか、あと、そういう何かファミリー企業はつくらないで、ちゃんと内部留保して、もっと漢字の普及のために何かやりますとか、こうだったらまだNPOでいいですよ。でも、ファミリー企業をつくって、つくりまくって、そこに何十億と入れて、検定料は下げずに、こんなのは当然株式会社へ移ってくれという指導を本来はすべきだったんです。だから、これが財団法人であることも言語道断ですが、これ以上はこの議論はしませんが。
とにかく、一般財団、一般社団と分けていることに余り意味がないのであれば、これはやはり、私がずっと主張しているように、非営利法人とすべきです。そもそも、
内閣官房が最初にこの制度を
考えようとしたときの発想は、一般的な非営利法人制度をつくるという発想だったんです、
大臣、もともとこれは。一般的な非営利法人制度をつくるという発想だったのに、いつの間にか、何か一般社団、一般財団という話に、わけのわからない話になっちゃったんです。私は、せっかく、
内閣官房はいい議論ですねと、一般的な非営利法人制度をつくるというのは大賛成でした。
かつ、私は、そこに一般的かつ包括的と入れた方がいいということで議論をしていました。この議論はきょうはしません。包括的というのは何かというと、例えば学校法人とか社会福祉法人とか、そうしたいわゆる一般的にNPOと言われているものを含めて、すべてを包括的にくくる制度をつくって、その上で、このNPOにはこういう税制優遇
措置を与えましょうという議論を、大きく分ければ公益と共益に分かれますが、では、公益
団体にはこれだけの税制優遇を与えましょう、共益
団体にはこれだけの税制優遇を与えましょうという議論をすべきだということをずっと議論してきたんですね。
ところが、出てきたものは、一般社団、一般財団という制度です。しかし、今聞いていただいたように、財団、社団には余り意味がないんですよ。では、あえて分ける必要はないんですよ。あえて分けた結果、公益社団法人という、何かわけがわからぬ存在が出てきちゃって、しかも、それが特増ですよ。つまり寄附優遇があるという制度になっちゃったということで、これはやはり制度的な欠陥だということを
指摘します。
大臣、せっかく来ていただいていますので、もう細かい議論はしません。なぜ私がこの議論をしているかということを、実はずっと、もう各
大臣でやってきているんです。でも、
大臣が、申しわけないけれども、ちょっと表現が悪いかもしれないけれども、ころころかわるものですから、全部一からやり直さなくちゃいけないんです、私。とても、これは本当につらいです、はっきり言って。でも、私、もう一回やらせてください。
なぜ私がこのNPOの議論をやっているかというと、今、この国は官製土壌なんです。土が官製なんです。すなわち官僚の、官僚と言いません、官僚と言うと個人を指しますから、官僚機構と言いましょう、官僚機構の問題。個々人はとても優秀で心温かい方がいらっしゃると思います。しかし、これが組織になるとなぜかおかしくなるんですね。これは、多分、
民主党機構の問題もあれば自民党機構の問題もあると思いますから、別に官僚の問題だけじゃありません。なぜか、組織になるとどうしてこうなっちゃうんだなんてことが起こるんですね、これが。なっちゃうんですよ。それぞれはいいんですよ。
だから、この国は官製土壌なんです。だから、その土に例えば種をまいたり木を植えたりすると、官僚の都合のいいものはだんだん育ってくれるんですね。ところが、どうも官僚機構に都合のよくないものはだんだん枯れちゃうんですね。余り影響を与えないうちはかわいがってくれますけれども、余り大きくなり過ぎると摘まれちゃうんですよね。花は摘まれるし、木はもう切り倒されちゃうんですね。結局、何か変わらない。
結局、土台から変えなくちゃいけない、土台から。土壌づくりからしなくちゃいけないんです。私は、官製土壌を民製土壌に変えないかぬと思っているんですね。すなわち、民間のNPOとかがしっかり育つような土づくりをしなくちゃいけない、こういう思いなんです。
結局どうなったか。官製土壌だからどうなるかというと、例えば、なぜそうなったかというのは、多分これは与党の皆さんからすればそうじゃないとおっしゃるかもしれないけれども、やはり政権交代がなかったことによって政治家がちゃんとチェック機能を果たしていないわけですよ。本来であれば、政治家がチェックをしなくちゃいけないんです。チェック機能を果たして、官僚機構の不備をちゃんと
指摘していかなくちゃいけなかったんです。ところが、それができていない。
それで、どうなったか。例えば民法三十四条、この公益法人制度の根幹をなしていたもの。結局、民法三十四条は民法なんだから、民法典に書かれた法人ですから、もともとNPO、民間の組織なんですよ。ですよね。だから、もともと公益法人というのは民間の組織なんです、もともとは。ところが、その公益法人がなぜか官僚組織になっちゃっていますよね。なっていますよね、天下り先に使われて。
それで、結局、この間公益法人改革は、
内閣委員会で議論されずに
行政改革委員会で議論されちゃったんです。でも、よく
考えてください。いや、よく
考えなくても、民法の組織ですから、公益法人というのは。そもそも、これは
行政改革で語られること自体が矛盾しているんです。行革じゃないんですよ。ということは、実態上、民法法人、すなわち民間の組織であったものが行政の組織になっていた。すなわち官製土壌ですから。
民法三十四条は何を書いてあったかというと、主務官庁がいいと言ったらいいというんですよ。この国では、公益活動は、法人格をとってやりたいなら主務官庁の許可を得なさいと書いてあったんです。許可というのは、原則禁止なんです。だから、原則禁止だけれども、主務官庁がいいと言ったらいいといって、結局、主務官庁の都合のいいような公益法人がだらだらあとできて、結局それが天下り先に利用されたということになるわけです。これは官製土壌だからなんです。結局、この官製土壌を変えない限り、今回の新しい新法人制度も、このままいくとまたそういうところに使われますよ。多分使われると僕は思っています。
今、いろいろな問題のある公益法人が
指摘されていますよね。さっきの日本漢字能力検定協会も含めて、たくさん
指摘されています。私は、きょうはそういう議論は本当は余り、むなしいんですね。なぜむなしいかというと、モグラたたきゲームをやらされているからなんです。モグラが出てきて、たたいて、ほら、たたいたぞと言ってこっちは喜んでいるわけですよ。そのうちダミーも出てきて、それでも快感ですよね、たたいているうちは。でも、何にも変わらないんですよ。
私は、このゲームを変えなくちゃいけないと思っています。今は我々もモグラたたきゲームをさせられていますが、我々政治家がやることは、政治家がリーダーシップをとって国づくりゲームをやらなきゃいけないんです、国づくりゲームを。どういう国をつくるのかという国づくりゲームに、ゲームを変えなくちゃならないんです。その国づくりゲームをやろうと思ったら、例えば土壌をどうするか、基盤をどこに持っていくのかという議論を当然しなくちゃいけないわけです。
ですから、私は、この国づくりゲームの中で官製土壌を民製土壌に変える、その民製土壌に変える一番の核は、NPOをちゃんと育てることなんですよ。民間で公の組織であるNPOをしっかりとこの国で育てていく、そのためにどういう制度をつくらないかぬかということをずっとこの
内閣委員会を通して議論させていただいているということを、また改めて御理解いただいた上で、今の私の思いについて、少し
大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。