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小川(淳)
委員 いいですか、
大臣、今お聞きのとおりで、これをなぜ県は人口一人当たり地域雇用の創出に二千百七十円なのか、私はその積算の根拠をお聞きしました。市町村については資料をつけていませんけれども、千八百四十円なんですね。なぜ県は二千百七十円で、なぜ市町村は千八百四十円なのか。
もっと申し上げます。幾つか丸をつけていますが、
地方再生対策費、これは去年ですか、おととしですか、入ったもので、人口一人当たり千三百円。地域振興費は人口一人当たり六百十四円。何で商工
行政費は人口一人当たり二千百三十円なんですか。なぜ上の、五番目の労働費は人口一人当たり五百四十八円なんですか。これは説明できないでしょう。
つまり、
大臣、これは、特に今回の雇用創出推進枠の五千億は、典型的であります。もともと五千億だから、半分ずつ県と市町村に配ることにしました、ついては人口一人当たりこのぐらいの計算になりますという話です。
私が申し上げたいのは、それでやるならそれでやればいいんです、それでやればいい、
交付税全体は、それでやるということはこういうことです、さっき申し上げました、ことしの実入りは十二兆円しかない、ついてはこれを
都道府県も市町村も、分配の基準にはいろいろあるでしょう、
大臣がおっしゃった事業費補正みたいなことはやらずに人口と面積という本当に基本的な指標で分配すべきだと思いますが、来期の実入りは十二兆円なので、この分でやってもらいますよ、ついてはこういう基準でだれの目から見ても明らかなように配りますというふうにすべきです。
ところが、一方で、ここが問題です、
地方交付税というのは、
地方の財源不足額を埋めるものだ、基準
財政需要額、標準的な
自治体にはこれだけの経費が必要だ、しかし標準的な
自治体にはこれだけの税収しかない、その差額分を埋めるのが
交付税だというもう一方の建前をとっている。だから、来期の実入りが十二兆円しかないのに、四苦八苦して後年度からわけのわからぬ財源まで持ってきて、総額で十五兆円超えているものを確保して、それを大きな顔して配るんでしょう、ことしに限って言えば。しかし、こんな
やり方でこの先やっていけるわけがないことは
大臣もお感じのとおりですし、御担当いただいている皆さんが一番それは感じておられることだと思います。
そこで、
大臣、本当に時間も限られていますから、最後に申し上げたいことを申し上げて御所感をいただきたいんですが、私、
考えたんです、ことしの補正
予算を審議したときにも思いました、なぜ二兆円を来期以降の後年度から持ってくるんだろうと。去年も思いました、なぜ六千億円足りないから後年度から持ってくるんだろうと。
それは、
大臣、仕組みとしては
御存じだと思いますが、
地方交付税を十一月で配り終えるんです、税収が確定する前に。配り終えたら、是が非でもその金額については税収が落ち込んでも確保しようとする。これは逆でしょう。売り上げが落ちたらその範囲でやってくれ、税収が落ちたらやれる範囲でやってくれと言って、初めて
地方財政というのは規律が芽生えるのではありませんか。
私は思ったんですよ、結局これは、
地方交付税だけとは言いません、すべてが成長期の仕組みなんですね。
経済も、人口もふえてくる
時代に、まさかことしの
予算は、来期の
予算は、去年より減ることなんてあり得ない、約束したとおりの額は最後まで配れる、ことしよりも来年はもっといいはずだと。私は、
地方行政に関して言えば、成長期の仕組みをそのまま置いているがために、今のような人口減少、低成長の
時代に入ったら、制度の理念として仕組み
そのものがやっていけない
時代に入っているんだろうと。
これは、実は
地方財政だけではありません。年金制度もそうです。雇用市場、雇用の仕組みもそうです。教育もそうです。恐らく、すべては一九六〇年代にその基本形をなした成長期の仕組みのまま、その継ぎはぎでここまでやってきている。ついにその矛盾は吸収し切れなくなって、ごらんいただいたような
状況に至っているということではないかと思います。
大臣、最後に、こういう
交付税制度
そのものが限界に来ていること、そして、せっかくお配りした資料ですから、もう
一つおめくりをいただきたいと思いますが、
総務省さん作成の、国と
地方の支出のウエートの比較表であります。
日本は、
地方が国の四倍ぐらい支出している計算になるんです。アメリカは、
地方が国の二倍。丸をつけているドイツ、これもやはり
地方が国の四倍ぐらいですね。カナダ、これも
地方が国の四倍ぐらい支出しています。一方で、イギリスは国の方が多いですね。フランスも国と
地方が一対一ぐらい。イタリアもほぼ一対一。
大臣、お気づきだと思いますが、
地方の支出割合が極めて多い三つの国、アメリカ、ドイツ、カナダ、これは連邦制の国であります。国の支出が多いイギリスやフランスは、単一国家で大変中央集権の強い国。
日本は、そういう
意味では極めて異質です。連邦制の国に近いぐらい
地方が役割を果たしている。しかし、今般
議論しました
地方交付税、そのほかにも
補助金、
地方債の同意、こういったことによってその自由度が極めて低い国、ボリュームは大きいけれども極めて自由度が低い国、これが
地方、
日本の特色であります。
交付税は、もう財源保障はできない、これからの
時代、財源保障なんてできない、実入りのある分でやってくれという、規律のある仕組みに変えるべきだと思いますし、この
地方自治体の
財政のウエートを
考えれば、大幅に連邦国家に近いぐらいの分権化を進めなければ、結局、資源配分が最適化されないということだと私は思います、各地域隅々まで。
この二点、
総務大臣の御見識をいただいて、
質疑を終わらせていただきたいと思います。