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大口委員 しっかりと
鳩山代表の事務所でも適正な手続をしていただきたいと思います。
さて、今回、
民主党の役員会で
鳩山代表の
説明を了としたということであるわけですが、七月四日の読売新聞の世論調査では、
鳩山代表は
説明責任を果たしていないという人が七九・七%ですよ。七月六日付の東京新聞の世論調査でも、
鳩山代表の
説明に納得ができないが七八・三%に上っております。そういう点で、私はやはり、この世論調査の結果から見ましても、
説明責任は不十分である、こういうふうに考えるわけでございます。
民主党は、党首が二代続けて偽装献金。前
代表の小沢氏は西松建設からの違法献金で
代表を
辞任し、その裁判では、公共工事の、小沢氏側から天の声が出ていたと指摘され、
鳩山代表は小沢氏に
説明責任を果たすよう促したわけですね。その
鳩山代表本人が弁護士任せで逃げていて、その弁護士もきちっと調査していないために、またその調査結果と違うようなことも報道される。こういうことでございまして、私は、
鳩山代表みずからが
政治倫理審査会で審査を受けるよう強く求めていきたい、こう思う次第でございます。
さて、私も法曹の一人として、今回、この西松建設の問題で
民主党の第三者
委員会の
報告書を見させていただきました。非常にびっくりしたんですね、実際。
政治的影響の大きい事件については、検察の強制捜査や起訴について何らかのチェック機能を設けて検察の
活動を抑制する必要があるということを階
委員もおっしゃっておるわけですね。
そして、第三者
委員会の
報告書では、「議院内閣制のもとでは政府・
与党が一体的であることから、とりわけ野党に対する権限行使について慎重な配慮が要求される」「とりわけ野党に対する権限行使について慎重」。野党とか
与党とか、ないんじゃないですか、こういう法と事実に基づくことについて。だから、この第三者
委員会のメンバー自体の見識を私は疑うわけでございます。
それから、本件西松事件のように「重大な
政治的影響のある事案について、単に犯罪構成要件を充足しうるという見込みだけで逮捕、起訴に踏み切ったとすれば、国家による訴追行為としてはなはだ配慮に欠けたとの謗りを免れないというべきであろう。逮捕・起訴を相当とする現場レベルでの
判断があったとしても、」ここからですよ、「法務行政のトップに立つ法務大臣は、高度の
政治的配慮から指揮権を発動し、検事総長を通じて個別案件における検察官の権限行使を差し止め、あえて
国民の
判断にゆだねるという選択肢もあり得たと考えられる。」こういうことを述べられているわけでございます。
そして、七月七日の衆議院
倫選特でも、六月二十四日の参議院行政
委員会でも、
民主党議員がこの第三者
委員会の見解に基づいて
質問をしておられる。私は、
本当にこういうところが政権をとって大丈夫かな、こう思うわけでございます。心配でございます。
やはり、検察当局の捜査や起訴につきましては、これは捜査の際には、強制捜査については令状主義のもと裁判所がチェックするんです。起訴された事案については、司法の場で有罪、無罪が決せられて、まさに司法の場こそチェックの場なんです。そして、不起訴とされた事件については検察審査会があるわけでございまして、これで公正は十分担保されるというふうに私ども考えているわけでございます。
そういうことで、検察において
法律に基づき有罪判決を獲得する証拠があると
判断した事件については、起訴した場合、起訴しようとする場合に、裁判に先立って、検察の
判断の当否、すなわち刑罰法令の解釈や証拠の有無についてチェックするというのであれば、裁判所が行うことを先取りするということになりますね。そして、検察に対する不当な介入を許すことになって、司法権の独立さえ侵すことになるわけでございます。
そういうことで、私は、
本当に、西松建設の問題でいえば、今、
小沢代表の秘書にかかわる
政治資金規正法違反事件が公判中であります。これは、法務大臣の指揮権を発動して、この公訴を取り消すということも刑事訴訟法二百五十七条でできるんですね。こういうことを
民主党が政権をとったらおやりになるのか。
それから、
鳩山代表が亡くなった方から献金を受け取っていたなどの事実により告発をされたという報道もなされているんです。仮に
民主党が政権をとったら、法務大臣の指揮権を行使して、この事件について捜査をやらせない、あるいは起訴させない、こういうふうに考えておられるのか、極めて私は心配しておるところでございます。
そこで、司法権の独立を担保するために、これと密接不可分の
関係にある準司法機関と言える検察の独立が必要である、こう考えているわけでございますが、このような観点から、検察の
活動を不当に抑制するような指揮権の行使は抑制的であるべきだ。第三者
委員会の
報告について、新聞の記事や、各社軒並み、この指揮権の安易な行使を述べた部分について
批判的でございます。
そこで、果たして学説の中に、重大な
政治的影響力のある事件について、検察当局が犯罪構成要件を充足し得る見込みがあると
判断して逮捕、勾留しようとした場合、法務大臣が指揮権を行使すべきだとするものがあるのか。これらの一般的な感覚からいっても、やはり指揮権の行使については慎重にあるべきだと考えますが、
法務省の見解を問います。