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佐藤(茂)
委員 公明党の
佐藤茂樹でございます。
私も、
葉梨委員と同様、昨日に続きまして野党第一党の
民主党の
委員の皆さんが当
委員会を審議拒否されたことに対しまして、強い憤りを感じるものでございます。
といいますのも、本来、この
委員会では、今かかっております二法案に加えて、
民主党さん
提出の
政治資金規正法も審議をされる予定で協議されていたというようにお聞きをしております。法案
提出者でもあります
民主党の岡田克也幹事長は、与党に早く審議に応じていただきたい、そういう
大口をたたいておられたというようにも私はお聞きをしております。
ところが、審議に入ろうとしたら突然の審議拒否をされる。これはとんでもないことでございまして、みずからの出した法案を審議したくないという、国民にとっては全くわけのわからぬ反応を
民主党さんはされているんだということを私は指摘しておきたいと思います。
仮に、同法の
提案者として、
鳩山代表の問題を追及されるのが嫌だからであるとか、そういう
理由でこの特別
委員会に出てこないとしたら、これは全く
国会を愚弄するものであり、また、この問題に対して本当に国民の疑問にきちっと答えようとしない、そういう
政党が今の
民主党であるということを私は指摘しておきたいと思います。
その上に立ちまして、きょう三十分時間をいただきましたので、
鳩山代表の
偽装献金問題、私は、
疑惑という言葉はもう既に超えて、問題だと思っております。
疑惑、疑いのある段階から、
鳩山代表みずから六月三十日に認められたわけですから、問題である。これを徹底的に今後も時間をかけて追及していきたいと思っております。
あわせて、時間がありましたら、私は実は今回の公選法の一部を改正する
法律案の
提案者なんですけれども、そちらの方ではなくて、
政党助成法の一部を改正する
法律案につきましても、時間の許す限り御
質問をさせていただきたいと思います。
まずは、
鳩山代表の
偽装献金問題でございますけれども、
民主党の
鳩山由紀夫代表は、六月三十日の会見で、二〇〇五年から二〇〇八年までの四年間に少なくとも約九十人から百九十三件、延べ百九十三人ですけれども、総額二千百七十七万円分に上る
収支報告書の
虚偽記載を認められたわけであります。既に死亡した人や一度も
献金したことがない人の
名前を
個人献金者として
政治資金収支報告書に載せていたという大変許しがたい行為を認められたわけであります。
この件に関しての報道の中で、七月一日の読売新聞には見事にポイントがまとめてあるなと思いましたのは、「
鳩山代表の
資金管理団体への寄付を否定した主なケース」ということで、メンバーの声を載せておられるんですね。
例えば、職業、住所ということで、元教師、東京の方ですが、
記載寄附額百十七万円、一言、「亡くなって八年。あり得ない(妻)」。医療
関係者、北海道、
記載寄附額三十万円、一言、「こちらこそ
理由を知りたい(妻)」。元教師、東京、十二万円、「逆に(寄付を)もらいたい」。主婦、東京、十三万円、「冗談じゃない。許せない」。会社経営者、東京、三十四万円、一言、「道義的に疑問を感じる」。元会社員と長男、東京、計二百十五万円、一言、「総理を狙う人のやることか(妻)」というように、一同に憤りに満ちた反応を示されているわけでございます。
この四年間でこれ以外も含めて百九十三件というのは大変多い数でございまして、また、きのう来の
質問でも明らかになっておりますけれども、
収支報告書は
修正されたけれども、それによると、
名前を明示している人、
献金者というのが約八割が
偽装だった、そういう実態であります。
これは単に
修正をすれば済む話ではございません。故人も含め
虚偽の人物の名をかたって
収支報告書を
提出し、国民を欺いていたことが発覚したわけでございます。
政治資金の入りと出を国民に明らかにする、また透明性を高めるという
政治資金の収支
報告制度の信頼性を根本から揺るがす問題であると言わざるを得ません。この
疑惑によって、平たく言うと、
政治資金収支報告書全体の信頼が問われている、多くのまじめに
報告をしている
政治家が同様の
疑惑の目を国民から向けられたら迷惑千万である、私はそういう問題であると思っております。
ですから、与野党を超えて、きょうは共産党さんも社民党さんもおられますけれども、この問題に対して徹底して追及し、明らかにしていくことが我々国民を代表する
国会の使命である、そのように私は考えているわけでございます。
六月三十日の
鳩山氏の会見を拝見いたしまして、私なりに今の段階で率直な
感想として、問題点、疑問点を八点述べさせていただきたいと思います。
まず第一点は、みずからの手で積極的に
疑惑を解明して国民の前に
説明責任を果たそうという姿勢が
鳩山代表にはほとんどない、全くない、そういう点でございます。
二点目に、全容解明にほど遠い
内容の
説明であったということであります。この二点についてはまた後で触れたいと思います。
三点目に、何ゆえこれだけ大がかりの
偽装が行われたのか、
理由や動機について全く不明瞭な
説明しかされておりません。
四点目に、この問題が、企業・団体
献金の問題でなく、みずからの
個人献金に対する
疑惑だという事の本質が全くわかっておられない、支離滅裂な
説明をされていたということです。これは後で触れたいと思います。
五点目に、
鳩山氏
自身が全く関知していなかったのか、納得のいくきちんとした
説明がなされるべきであります。
というのは、例えば二〇〇一年二月に他界されている都内の元高校教諭、これは
鳩山代表の恩師であります。逆に言ったら、
鳩山氏は元教諭の教え子なんです。あるいは小学校時代の元教諭というように、もともと
鳩山代表しか知らなかったような方々の
名前が勝手に使われている。
秘書が面識もないような人物をどうやって選んだのか、
鳩山代表の指示はないのか、そういうことを私は訴えたいんです。
要するに、
秘書や事務所がもともとそういう方々の、
鳩山代表の小学校や高校時代の教師の
名前や住所を知っているとは考えにくいわけでありまして、教師の
名前の利用というのは、やはりどう考えても
鳩山代表の指示と考えるのが自然ではないか、私はそのように思うわけであります。
六点目に、
個人口座を任せた担当
秘書が四年で約二千百万円を不透明に引き出していたことに気づかない金銭感覚のなさ、国民感覚とのずれについても、私は全く理解しがたいものがあります。さらに、
個人の金と
政治資金が長年にわたってごちゃまぜにされていたのに、どのように使われたのか
鳩山氏
本人が関知していなかったということに対して、何とも釈然としない、そういう印象を受けております。
七点目に、いわゆる匿名
献金、すなわちその他の
寄附が極めて巨額な問題について、どういう
内容か、
調査、
説明をしてもらわないといけないと思います。今回の会見でまだ
調査していないと言われている
平成十五年、二〇〇三年は、その他
献金で最も多額でございまして、七千九百七十一万円の巨額に上り、非常に不可解で、どうやってお集めになったのかも含めて明らかにすべきではないか。
例えばこの七千九百七十一万円、これは、高目に見ても一人四万円、そういうふうに想定したとしても、この一年間で二千人の方から
個人献金を集められたということになるんですね。二千人集めようと思うと、一日当たり五人から六人、四万円の
献金を集めないと集まらない、そういう計算になるんです。これは大変な勢いでありまして、そういうことが本当にあり得るのかということについても明らかにすべきだと思います。
八点目に、
鳩山代表が支部代表を務める
民主党北海道第九総支部に、
平成十五年から十九年までの五年間、
選挙区内の道市町議会
議員四十二人から総額約千六百五十万円の
献金があり、しかも、ほとんどが毎年判で押したように、要するに毎年同じ日付、
金額で
献金をされている。それも、判で押したように十二月二十五日の日付になっていること。このいわゆるクリスマス
献金についていまだに全く
説明責任を果たされていない、こういう問題もあります。
この不可解な地方
議員献金については今後もやっていきたいと思いますが、仮に、
鳩山代表から地方
議員に資金が流れ、それを回収し、
寄附金控除を受けているということになればこれは大問題である、そのように言っておきたいと思います。
以上、まだまだ精査できておりませんけれども、現時点での私の感じる問題点、疑問点について挙げさせていただきました。これからまた
調査し、精査する中でこういう疑問点はさらにふえてくる
可能性はあると思いますけれども、
鳩山代表はぜひ疑問点に対して真摯に
お答えをいただきたいし、
政治家たるもの、
疑惑を持たれたらきちっとみずから
説明するというのが
政治家の役割ではないか、私はそういうように思うわけであります。
そこで、疑問の第一に述べさせていただきました、みずからの手で積極的に
疑惑を解明して、国民の前に
説明責任を果たそうという姿勢がないという点について、何点かちょっとお聞きをしたいんです。
鳩山代表は、過去において、
平成十九年、例えば閣僚の事務所問題が相次いで発覚したときに、当時、
鳩山代表は
民主党幹事長でございましたけれども、この
政治資金収支報告書の問題に関して、
政治家が、事務的なミス、職員がやったなどと主張しているのは言い逃れであり、管理団体、
政党支部の代表者は
政治家本人、事務的なミスではない、そういうように管理体制の甘さなどを強烈に批判されていたわけでございます。
ところが、六月三十日の会見では、
鳩山代表は、
弁護士の話ではとか、
内容は
弁護士から御
説明することになりますとか、
秘書が独断でやったことというような、そういう言いわけとしかとれないような会見をされているわけでございまして、詳細になると
弁護士に
説明させ、みずからの
虚偽記載問題であるにもかかわらず、
自分で
説明責任を果たそうという
意思がないのではないか、そういう疑問を持たざるを得ない会見でありました。
それに輪をかけて、これは
鳩山氏
自身だけの問題ではございません、その程度の
説明、また会見であったにもかかわらず、それを支える
民主党の岡田幹事長は、
説明責任は果たされたし、納得できるものだった、そういう発言は一般国民の認識と余りにも乖離があり過ぎるのではないか、私はそのようにお訴えをしておきたいわけでございます。
昭和六十年六月二十五日に議決された
政治倫理綱領の第四項には、「われわれは、
政治倫理に反する事実があるとの
疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて
疑惑を解明し、その
責任を明らかにするよう努めなければならない。」とあります。与野党、
政党を超えて、
国会議員たるもの、この条項を守らなければならないと私は思っております。
そこで、大臣また法案
提出者の代表の方にぜひお聞きをしたいわけですが、六月三十日の
民主党の
鳩山代表の会見の姿勢にみずから
説明責任を果たそうという姿勢を感じられたのか、また、
説明責任を果たしたと考えておられるのか、率直な
感想を
総務大臣並びに法案
提案者の代表にお
伺いをしたいと思います。