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仙谷委員 結局、苦情の電話がかかってくると、
情報として、つまり、
金融機関がコンプライアンスを守っているか、あるいは
日本版SOXですか、内部統制をちゃんとやっているか、こういうことを検査する、あるいは、ひいてはそのことが
金融機関各社の財務の健全性を担保する、こういう話だろうと思うんですよ、
金融庁のお役目は。それは僕はいけないと言っているわけじゃなくて、だから
消費者行政サービス機関は不必要だという話にはならない。つまり、苦情に対してどう
解決するかという機関は、別の立ち位置で存在しないとできないわけですね。
私は、
与謝野大臣、実は結果オーライなんだけれども、この百五十万件とか、三十二社、千五百件とか、これでもし苦情をというか、知らなくても、実は
保険金が払われていなかった人も相当おると思うんですね。
PIO—NETを見ても、あるいは市町村、都道府県の苦情
相談を見ても、約二割はあるんだけれども、年間百万件としたって二十万件ですよね。それが全部理にかなった苦情であるかどうかは別ですよ。それが全部
金融庁に引き継がれているとかなんとかということは全くない。途中で、苦情をかけてみたけれども、
消費生活センターも間にはもちろん入るような力もないし、入ってもくれないし、助言的なものはいただいたけれども結局あきらめたというのがほとんどだと思うんですね、電話をかけた人も。あるいは、かけない、知らなかった人も膨大に存在するというのを示していると思うんですよ。
我々から見ると、これは唐突でしょう。何でこんなことが急に始まって、こんな百三十五万件とか百五十三万件とか、結果としてはいいことなんだけれども、物すごい唐突なんですよ。ここで、例えば
金融庁が自主的に自主点検をやらせたとか報告徴求を求めていたとか言うけれども、
金融庁の
監督検査のエネルギーも多分相当使っていますよね。これだけの件数を、これがコンプライアンス違反だったのか何か知りませんよ、内部基準に違反していたのか。いずれにしても、ちょっとこれはまずいんじゃないのというところから始まって、さっき
大臣がおっしゃったように、これは明らかに約款違反であるという
指摘までできるようなケースがあって、それを是正させたということだと思うんですよ。
だけれども、ある意味、
消費者問題とか
消費者と売り手というか提供者側の紛争
解決というプロセスから見ると、何か物すごい唐突なんですね。悪く言うと、
金融庁権力が
金融庁権力を背景に、少々のことは目をつぶって金でも払わないと、今度は免許取り消しをするぞとまでも言うぐらいの勢いでもって上からプレッシャーをかけたら、もうどっちでもいいから、とにかくこの際頭を下げておこうみたいな雰囲気でこういうことが行われたのではないかというげすの勘ぐりを私はしかねないです。
つまり、なぜかというと、プロセスがわからないからです。苦情の申し立てがあって、その苦情を聞いて
調査をして、あるいは検査をして、もちろん両方呼んで、この程度でいかがですかというふうな、つまり、あっせんとか仲裁とか調停の機能がどこにもないというのが、こういう突如としての問題。ということは、これは突如ですから、それまでは埋もれておったということですよ。
消費者からいえば、泣き寝入りをしておったということですよ。僕はそうだと思いますね。こんな大量なものが一挙に、この年だけに、たまたま検査を入れてみたらこうなるなんということはあり得ない。
PIO—NETを見ても、生保、損保は現に相当多いですね。例えば二〇〇七年では、生命保険が一万五千三百六十三件、PIO—NET上の苦情というか、これが第九位です。損害保険が六千七百九十五件、これが第二十位です。それから、二十九位に他の
金融機関、
金融関連サービスというのがあります。
必ずしも
金融機関が非難されるべき話ばかりではないと思いますよ。だけれども、少なくとも生保、損保に関してはこういうものがあらわれてきたというのは、これはやはり、本当は隠された、泣き寝入りをしている、あるいは知らないまま、社会保険庁のあの消えた年金記録じゃないけれども、せっかく保険契約は入っているのに、知らないまま、その事由が
発生しているのに
保険金も支払われずに、そういうことが相当あるのではないか。このことが、まさに
消費者事故というか
消費者紛争というか、これを
解決する適切な機関が必要なのではないんでしょうか、こういう話なんですね。今、残念ながら
日本はないんです。
例えば今度の
消費者庁関連
法案でいうと、あえて
消費者庁から、所管、保険業法も外されている。一体全体、これは何なんだ。銀行業法も外されている。この銀行や生命保険という大会社に対する庶民の苦情がどこで扱われたらいいのかということがさっぱりわからない。これは量も多い。
それで、生命身体が危殆に瀕するというふうなことではないかもわからないけれども、しかし、生命保険や損害保険というのは、いざというときのために善意でこつこつ掛けていて、いざということになったら全然
保険金がおりないみたいな話になるわけですから、本人たちにとっては割と重大問題だと思うんですね。
所管が入っていないからできないというふうに僕は直ちには言わないんだけれども、これは所管になっていない。一体全体、
消費者庁あるいは都道府県の
消費生活センターは、この問題に対してどう臨もうとしているのか。何ができるんですか、
野田大臣。