○松野(頼)
委員 あともう
一つ、
大臣は
総務大臣じゃないんですけれども、ぜひ聞いていていただきたいのは、先ほど、こことこことここは旧簡易保険法を廃止するけれども、これ以外の部分の簡易保険法の効力は継承するとなっている、それ以外の部分、要は、簡易保険法の継承されなかった部分の
一つ、旧簡易保険法第一条というのが、もう効力をなくしているんですね。
その第一条というのは、「この
法律は、国民に、簡易に
利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し、もつて国民の経済
生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」こういう簡易保険法の第一条の、要は、「簡易に
利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で」という条文はなくなっちゃったんです。だから、確実な経営でできるだけ安い料金で国民にはもう提供しないんですね。こういうことを削除しているわけです。このことは、僕は、郵政民営化によって大きな国民の利益を毀損したというふうに思っております。
これも
法律でお決めになったことだからということなんでしょうけれども、簡易保険の過去の
契約、何億あるんでしたっけ、何億件ですか、旧
契約。その旧
契約は、こういう目的のために
契約をされていた
人たちなんですね、この目的に守られて。それが、民営化によって、全く違う
法律で、また今まで受けられる
サービスが、売却をされ、非常に下がっているんです。さらにはこの不払いですよ、不払い。その経費まで負担させられるという現実。これはもう一回考えなければいけないと私は
思いますけれども、これは、
総務大臣じゃないので、
内閣の一員として、こういう現実があるということをぜひ御理解いただければありがたいというふうに
思います。
次に、
大臣、もう
一つ金融商品の、市場の話をちょっとしたいと
思います。
大臣、お配りをした資料の五をごらんください。これは、実はきのう
金融庁に出していただいた、五から九までの資料をぜひごらんください。ジャスダック市場に上場している百七十三銘柄の、要は、上場したときの初値と今現在の価格を出した表です。例えば上から四番目の会社、企業名は申しませんけれども、これは、
平成十七年に上場をして、今、初値の何と一・〇九%しかないんです。時価総額は一億二千四百六十万円。時価総額ですよ。例えば二十五番をごらんください。今の時価総額は一億四千五百九十一万三千五百円、これも初値のときの〇・九七%、一%以下になっちゃっているんですね。
これはぞろぞろぞろとたくさんあるんですけれども、要は、証券業協会が運営をしているジャスダック市場で、百七十三銘柄のうちに初値を上回った企業は何と五社しかないんです、〇・二%。逆に、初値の一〇パーセントを切ってしまった銘柄というのが四十四社、二五%。四社に一社は初値の十分の一以下になっているんですね。これは、ほかの新興市場、名古屋とか札幌とかあるんですけれども、もっとひどい状態であります。もっとひどいです。
今、国民の預金が約七百兆以上あると言われています。金融資産千四百兆のうち現金、預金が七百兆ちょっと。この金融商品
取引法で、一年前の
改正のときに私も
質疑に立って、
参考人の
質疑の中でこの話を当時もしました。あのときも、初値を上回っている企業というのは本当に少なかったんです。それは、まず、株式市場で上場をするというのは、これからその会社がスタートをして、市場から
お金を集めて設備投資をしたり
ビジネスを
拡大して、そして売り上げを上げてもっと資産をふやして、株価が上がるという、初値というのはスタートなんですね。
よく株式市場では期待値とかそういうのがあるけれども、実際の株式というものは、本来、初値から徐々に徐々に徐々に徐々に、経営をすることによって上がっていかなければいけないわけです。その初値を上回っているのは何と〇・二%なんですよ。
私は、貯蓄から投資へという理念は応援をしたいと
思います。ただ、応援をするに当たって、例えばこの新興市場を見ていただいても、七百五十兆の国民の現金をこんな市場に入れられますか。こんな状態になっちゃうんですよ。私は、貯蓄から投資へを応援したいからあえて言うんです。もっと市場がきちんと、上場を認めたからには徐々に徐々に、極端に大きくならなくてもいいから、一歩一歩その企業が成長していくような環境をつくらなければ、幾ら貯蓄から投資へと唱えても、こんな状態じゃ怖くてだれも入れないですよ、二五%、四分の一は十分の一以下に下がっちゃうわけですから。
大臣、ぜひ上場
審査の問題を、厳しくし過ぎるのも問題かもしれませんけれども、少なくとも、このジャスダックは証券業協会が運営をしている市場ですから、ここで上場をしたら、それは全部が全部とは言いません、でも、多くの会社はここをきっかけにきちんと成長をしていくような、そして安心して投資ができるような環境をつくらなければ、幾らやっても
お金は回っていかないと私は思うんですけれども、
大臣、感想というか
答弁をいただけないでしょうか。