○階
委員 今、非常に大事なお話をいただきました。これは、別に起訴されただけでは有罪という話ではなくて、裁判所の判断を仰ぐ行為にすぎないということでございました。
今ちょうど、小沢代表の秘書の問題、起訴された直後ということでございますけれども、こちらについて、やはり世の中の反応が、起訴されただけであるにもかかわらず、もはやもう有罪である、極悪非道であるかのような報道がされているわけでございます。今の
大臣の答弁というのは、まさに正論でございまして、ぜひそのような考え方を世の中に普及させていかなくてはいけないというふうに思っております。
また、事件の性質につきましても、私、長銀にいたものですから、この秘書の問題の事件を見ましたときに、全く同じ構図というか、かなり似た構図だなと思いました。長銀の事件のときも、これは企業の決算でございますけれども、従来の会計
処理を行っていたものが、ある日突然、これが違法だということで、粉飾決算であるとか違法配当であるというふうに検察から起訴されたわけでございます。
今回は政治資金収支
報告書の話でございますけれども、これも、従来から同じような
処理を行っていたにもかかわらず、ある日突然、これが違法だというふうに検察から言われて起訴された、こういうことで、私は非常に似通った構図にあるかと思っております。
そういう中で、今
大臣が言われたとおり、起訴というのは一つの裁判所のアクションを求める行為なんだという位置づけでお話になられましたけれども、まさしく今回の事件も、この事件、私は有罪ではなく無罪になる可能性が極めて高いと思っておりますけれども、そういう
意味では、起訴というのはあくまで検察の一つの意見、裁判所の判断を求めるための一つのアクションだということを確認させていただきたいと思います。
本題に入ります。
今回、いろいろな
金融機関の資本増強策というのが、
金融機能強化法を皮切りに、
株式取得機構による持ち合い
株式の購入とか、あるいは日銀さんも
株式の購入とか、これは資本増強だけではなく
金融機関のリスク
資産を圧縮するということも含むわけでございますけれども、そういった
金融機関の資本に関する手当てがされているわけでございます。
そして、
金融機能強化法については、昨年
国会で
審議されたときは、これは
金融機関が損をこうむったところの穴埋めという
意味ではなくて、主に中小企業への貸し出しを円滑に行うためにやるんだ、貸し出しにつながるような公的資金の注入なんだという御
説明であったかと思います。
今回、資料一というのをお配りしております。これはこの三月に資本注入されました北洋銀行の
財務数値でございますけれども、北洋銀行の二十一年三月期見込みという、真ん中の縦のところを見ていただきますと、当期純利益が二千四十三億円の
マイナスということで、ちなみに、この内訳の中で有価証券の
関係の損失が二千五百三十一億円というふうに伺っております。これに対して、三月に資本注入が
金融機能強化法に基づいて行われまして、一千億円注入されているということでございます。この結果、自己資本比率としては、注入前の二十年九月期に比べて〇・三八%上がっているということでございます。
ちなみに、その結果、貸し出しはふえたのかどうかというところでございますが、
参考の一番下のところでございますけれども、中小
規模事業者等向け貸出
残高、これが昨年の九月からことしの三月の見込みまで二百三十億円ぐらいしかふえていないというふうになっております。これはまだ資本注入がされたばかりですので、これだけで判断するわけにいかないとは思います。資本参加のときの銀行が出してくる計画を見ますと、三年間の計画というのもありまして、この三年間の計画で見てみますとどうかというと、中小企業向け貸出
残高は三年間の間に約八百億ぐらいふやすという計画が出されています。
そういうことなんですけれども、そもそも、公的資金を注入することによって資本が一千億ふえれば、理論上は、一千億ふやすんだったら、国内基準行は自己資本比率四%ということでございますから、一千億の二十五倍、二兆五千億は貸し出しに回せるというのが理論的な話だと思います。ところが、今申し上げたとおり、三年間を見ても八百億ぐらいしか貸し出しはふえません。これは当初の話と違うのではないかというふうに思うわけでございまして、貸し出しをふやす額がなぜこれだけ少ないのかということを御
説明いただけますでしょうか。