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麻生内閣総理大臣 私は直接藤原
先生の話を聞いたわけじゃないので、ここにある資料をもとにしてしかお答えができませんが。
日本が
貿易立国であったことは間違いないと
思いますが、金融で立国するほど立派な金融をやっていましたかねと、正直、私自身の感じはそんなところです。多分同じような感じを、物づくりで食ってきたので、金融で食ってきたという
意識はほとんどの国民にはないと
思いますけれども。したがって、私は、金融でやってきたんだというところしか書いてありませんので、その前後の脈絡がわからぬからちょっと無責任なことは言えないんですが、まず、そこの点にはちょっと違和感が正直あります。
当面の
対策に関して小手先だけではないということに関しましては、私は、
景気対策、
不況対策は短期的には絶対必要だと思っています。中長期的な
投資とは別に、雇用失業問題がありますので、この目先の
対策をとにかくまずは傍らやりつつ、中期的にということと
二つを、時系列をつくると、分けて考えるところと重なっているところと幾つかあろうと
思いますが、目先はまず
景気対策、多分小手先と言われるかもしれませんけれども、目先の雇用
対策は絶対必要なものだと私自身は
思います。三万人が五万人になったらえらいことになりますので、私どもとしてはそこが一番肝心なところ、全治三年と申し上げている背景がこれです。
中長期的には成長
経済だと
思いますので、その部分に関しましては私どもは、今明らかにエネルギー革命とか言われる時代が来ております。
先生のところも昔のあれがあったのでよく御存じだと
思いますが、時代が変わると、私ども、石炭から石油に変わって、石炭屋は全部食いっぱぐれました。猛烈に記憶にあるところです。私はそのとき経営者をやっていましたので、エネルギー革命というのは恐ろしいことになるというのは自分で実感をしました。
今これが、石油からまた別のものにかわるというのがどれぐらい早く来るのか。みんながガソリンと思っていたけれども、いつの間にか車はすべて電気にかわった、その電気はすべからく日立がつくる原子力発電にかわる、これはあり得ない話じゃありません。
世界の原子力発電というものの三つに
一つは
日本がつくっていると言ってもおかしくない、今ではほとんどつくっていると言ってもおかしくないぐらいだと
思います。この三十年間の間で原子力発電を三十一個もつくっているのは
日本だけだと
思いますので、その
意味では圧倒的な技術の差がある。そこでつくり出す電気が動かす自動車、圧倒的に有利な時代になる、リードし得る
可能性は
日本が一番あるというのも確かだと
思います。低炭素社会と言われておるのが
一つです。
また、百三歳という話は、昔だとええっと言いましたけれども、百歳以上の方というのは、今、万とおられますので。私の近所にもおられます。そういった方というのがえらくふえてくる時代。健康で長寿、全然、植物人間みたいなかわいそうな
状況じゃなくて、だれかが言った、ぴんぴんして元気、いろいろな
表現がありますけれども、元気な方というのは、正直、私が朝散歩しているときに追い抜いていかれる私より高齢者の方がいらっしゃいますので、そういうのを見ていると、やはり元気というのは、これからの
日本にとってすごく大きな要素になるんだと思っております。
そしてやはり、
日本の持っておりますいろいろなこれからの物づくりというものの中には、いわゆるコンテンツと言われる新しいものが今幾つも出てきております。もう漫画なんというのは
日本語じゃなくなって、漫画はフランス語になっているぐらいですから。言葉の字体は完全に変わりました。漫画はフランス語ではベーデーというんですけれども、今、漫画というのは、
日本製のものは全部MANGAとして書きます。これは間違いなくフランスは、国立出版協会でMANGAでちゃんとジャンルを立てましたから、おととしから。こういったことはいっぱいあります。
永田町とか霞が関ではほとんど通じないんです、こういう話は。しかし、これが今、
日本で猛烈な勢いで
外貨を稼いだりしている大きなものの
一つなんです。では、こういったものを我々は、コンテンツを産業と思って通産省がジャンルとして入れているかというと、絶対入れていませんから。
そういった
意味では、新しいものというのを我々が今からやっていくというのは、どの部分が出てくるかというのは、もう七十にも近くなってきたらなかなかイマジネーションがわかぬのです。大畠さんよりもっと若い人
たちなのかもしらぬ、そういった人
たちが新しいものを考える。今そういう時期なのであって、これは、考えようによっては千載一遇の時期かもしらぬと思っているぐらい、今はおもしろい時期になっているというようなことを考える人が、
政治家とかいわゆる経営者とかいうものをやっていくべき時期に来ているんじゃないのかな、私自身はそう思っております。
いずれにしても、今言われましたように、この藤原
先生の
意見の中で、過去十年間の時代のところで新しい金融システムの構築ということに関しては、この方は多分金融に詳しい方なんだと
思いますが、少なくとも昨年の十一月ワシントンで、
日本として、金融工学とか、余りよく我々がついていかない
金融派生商品とか、よくわからぬのがいっぱい出てきましたけれども、それに振り回されて、それをチェックする国際的な機関も、プア・アンド・スタンダーズなんという言葉があって、あれは本当はプアスタンダーズの間違いだったんじゃないかと私はいつもおちょくるやつですけれども、そういったものを含めて、きちんとした国際的な機関というものをつくり上げていかないと、またぞろこういったものにやられるということは断固避けるべし。それが、四月二日にロンドンで話し合われるべき、そこまでに話し合われるべき大事な点だということを申し上げてきました。
この方の話を読まないままで申し上げておりますのでちょっと偏っているかもしれませんけれども、感じたままです。