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2009-06-09 第171回国会 衆議院 国土交通委員会 第23号
公式Web版
会議録情報
0
平成二十一年六月九日(火曜日) 午前九時
開議
出席委員
委員長
望月
義夫君
理事
奥野
信亮
君
理事
菅原 一秀君
理事
中山 泰秀君
理事
福井
照君
理事
山本 公一君
理事
川内 博史君
理事
後藤 斎君
理事
上田 勇君 赤池
誠章
君 泉原 保二君
稲葉
大和
君 江崎
鐵磨
君
小里
泰弘
君 大塚 高司君 太田 誠一君 岡部 英明君 亀岡 偉民君
木村
勉君 北村 茂男君
佐田玄一郎
君 七条 明君 島村 宜伸君 杉田
元司
君 長島 忠美君
西銘恒三郎
君 原田 憲治君 藤井
勇治
君
藤田
幹雄
君 松本 文明君 盛山 正仁君 吉田六
左エ門
君 若宮 健嗣君 石川 知裕君
石関
貴史
君
小宮山泰子
君 古賀 一成君
高木
義明君 長安 豊君
三日月大造
君 森本 哲生君
鷲尾英一郎
君
高木
陽介君
谷口
和史
君
穀田
恵二
君
下地
幹郎
君 …………………………………
議員
細川
律夫
君
議員
三日月大造
君
議員
穀田
恵二
君
議員
下地
幹郎
君
国土交通大臣
金子 一義君
国土交通
副
大臣
加納 時男君
国土交通大臣政務官
谷口
和史
君
国土交通大臣政務官
西銘恒三郎
君
政府参考人
(
内閣
府
規制改革推進室長
)
私市
光生
君
政府参考人
(
公正取引委員会事務総局経済取引局長
)
舟橋
和幸
君
政府参考人
(
総務省大臣官房審議官
)
宮島
守男
君
政府参考人
(
総務省人事
・
恩給局次長
)
笹島
誉行君
政府参考人
(
厚生労働省大臣官房審議官
)
渡延
忠君
政府参考人
(
経済産業省大臣官房審議官
)
大下
政司
君
政府参考人
(
国土交通省道路局長
)
金井
道夫
君
政府参考人
(
国土交通省自動車交通局長
)
本田
勝君
政府参考人
(
観光庁長官
)
本保
芳明
君
国土交通委員会専門員
石澤 和範君
—————————————
委員
の異動 六月九日
辞任
補欠選任
稲葉
大和
君
木村
勉君
小里
泰弘
君
藤田
幹雄
君
鷲尾英一郎
君
石関
貴史
君
亀井
静香
君
下地
幹郎
君 同日
辞任
補欠選任
木村
勉君
稲葉
大和
君
藤田
幹雄
君
小里
泰弘
君
石関
貴史
君
鷲尾英一郎
君
下地
幹郎
君
亀井
静香
君
—————————————
六月九日
港則法
及び
海上交通安全法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第二六号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
政府参考人出頭要求
に関する件
特定地域
における
一般乗用旅客自動車運送事業
の
適正化
及び
活性化
に関する
特別措置法案
(
内閣提出
第二七号)
道路運送法
の一部を
改正
する
法律案
(
細川律夫
君外四名
提出
、
衆法
第二八号)
特定地域
における
一般乗用旅客自動車運送事業
の
適正化
及び
活性化
に関する
特別措置法案
(
細川律夫
君外四名
提出
、
衆法
第二九号) ————◇—————
望月義夫
1
○
望月委員長
これより
会議
を開きます。
内閣提出
、
特定地域
における
一般乗用旅客自動車運送事業
の
適正化
及び
活性化
に関する
特別措置法案
、
細川律夫
君外四名
提出
、
道路運送法
の一部を
改正
する
法律案
及び
細川律夫
君外四名
提出
、
特定地域
における
一般乗用旅客自動車運送事業
の
適正化
及び
活性化
に関する
特別措置法案
の各案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 各
案審査
のため、本日、
政府参考人
として
国土交通省道路局長金井道夫
君、
自動車交通局長本田勝
君、
観光庁長官本保芳明
君、
内閣
府
規制改革推進室長私市光生
君、
公正取引委員会事務総局経済取引局長舟橋和幸
君、
総務省大臣官房審議官宮島守男
君、
総務省人事
・
恩給局次長笹島誉行
君、
厚生労働省大臣官房審議官渡延忠君
及び
経済産業省大臣官房審議官大下政司
君の
出席
を求め、
説明
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
望月義夫
2
○
望月委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
望月義夫
3
○
望月委員長
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
福井照
君。
福井照
4
○
福井委員
おはようございます。自由民主党の
福井照
でございます。 今回、
閣法
、
タクシー適正化
・
活性化法案
、そして、
衆法
、
道路運送法改正案
、
タクシー適正化
・
活性化法案
を出していただきまして、真摯にこの
委員会
で
議論
を重ねていただきました。そしてまた、
修正
につきましても、本当に真摯に、
与野党
の
先生方
に御
参加
を賜り、御
指導
を賜り、大団円を迎えつつある
状況
にまで御
努力
をいただきましたこと、この席をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げたいと思います。 その
修正協議
の中で
議論
の
焦点
となっているところについて、まず、将来の、
議事録
に残すという
意味
で、これから少し御
紹介
をさせていただきたいと思います。 一番
焦点
となりましたのは、
衆法
で
道路運送法
が
提出
をされました。
閣法
は、
タクシー
の
法律
だけでございます。
衆法提出者
の
皆様方
の思いは、今回、
タクシー適正化法案
だけじゃなくて、
道路運送法
の
根本原則
にまで立ち戻って
修正
を、
改正
をしなければならない。特に、
運賃
の問題について
基本
的な
プリンシプル
を変更しなければならないというのが、
衆法提出者
のお
気持ち
でございました。 一方、
参考人
の
質疑
でもございましたように、まだそこまでは立ち入らない、少し時間をかけて
議論
して、そして、
道路運送法
の
基本原則
を
改正
すべきは
改正
する、
修正
すべきは
修正
するということで考えているんだけれども、今回は、まず第一歩を踏み出すという
意味
で
タクシー
の
適正化法案
を
提出
し、そして、今後とも、
与野党
でも、
政府
の
審議会
でも
議論
を重ねていくということでございました。 もし、この今
焦点
となっております
修正
ができましたら、
前代未聞
、およそ
明治
以来の、日本の法
制度
始まって以来の
修正
になります。といいますのは、もしこの
タクシー適正化法案
の
法律
の中に
道路運送法
の
改正
を盛り込むということになれば、将来、五十年後、百年後、
法律
を勉強している方がずっと勉強して、突然、この
タクシー
の
法律
の中に、
道路運送法
の
基本プリンシプル
を変更する、
改正
する、
修正
するという
条項
が出てきますとびっくりされるわけでございまして、きょうの野党の
先生方
の
質疑
も含めて、この
議事録
を読んで、ああ、そうだったのかというふうに思っていただければ幸いでございます。 といいますのは、
条項
は別としまして、
道路運送法
の中に、
運賃
につきましてはコストと利潤を加えたものを超えないものとするという
プリンシプル
がございますけれども、超えないものとするというふうに上から押さえつけるから、
運転手
さんが困っているんだ、
経営者
が困っているんだということなので、超えないものとするという字がデリートされたら、下から持ち上がる。上から押さえつけるのじゃなくて、下から持ち上がって、すべて適正な
経営状況
になる、そして
運転手
さんの生活も楽になる、そういうことでございまして、我々としても、
参考人質疑
も踏まえて、
与野党
の
質疑
も踏まえて、なるほど、それは傾聴に値するなということで、今、
修正協議
に当たらせていただいているところでございます。 しかし、先ほど言いましたように、
タクシー
の特別な
法律
、
道路運送法
はあまねく
陸上交通
にかかわる
基本
的な考え方を示したもの、その特別な
法律
が
基本
の
法律
を
改正
するということについては、
前代未聞
、
明治
以来、法
制度
始まって以来なので、ここで
時代認識
、なぜそうしなければならないのか、どういう
気持ち
でそうしなければならないのかということについて、ちょっと御
紹介
をさせていただきたいと思います。 まず、どうして
内閣法制局
とか
政府
とかがこの
道路運送法
まで立ち戻り得なかったのかということにつきましては、これはもう
行政
の常識でございまして、
法治国家
ですから、
法律
で権利を制限されるとか、義務を課せられるとか、罰を与えられるとかいうことですから、およそ
法律
たるものは、システムがかっちりしていて、そして矛盾なく、いかなるクレームにも堅牢なものでなければならないということですから、いわば品格を持って体系的に整備されている。今の
法律
はすべてそうなっているわけですけれども、いわば特別なものから
基本
に戻るということがあれば、それはだから、びっくりするわけでございます。 今回、
与野党
でやはり
修正協議
がなされまして、
消費者庁
の
設置法案
がなされました。今までの
行政
の
のり
を越えて、そして、今までの
国会審議
の結果としての
法案修正
の
のり
を越えて、何とかそこにまで持っていきたいというふうに私
たち
が思っている、この
委員会
全体で思っているということの
歴史認識
を考えてみますと、いろいろあると思いますけれども、
消費者行政
が
消費者庁設置
ということで一歩踏み出した、この
国会
がその
象徴
だったということで、
タクシー
も一歩踏み出すということもあると思います。 それから、
規制緩和
のありとあらゆる分野で
行き過ぎ
を
修正
するということで、
政府系
の銀行も
民営化
を少し見直すとか、あるいは
道路公団
も見直すとか、郵政もいろいろな
議論
がございますけれども、
規制緩和
の
行き過ぎ
を見直すという
象徴
的な
国会
だったということもあろうかと思いますし、それから、
世界同時
大恐慌で、雇用と
賃金
について、その
議論
がフォーカスをされている。そういう
意味
で、
運転手
さんの
賃金
について特に御
議論
があったので、
のり
を越えた
修正
が必要なんだということだと思います。 ちょっと話が飛びますけれども、たまたま五年前の
厚生労働委員会
の
委員
だったときに、まさに、
障害者
の
自立支援法
、議決をしました。
法案
を若干は
修正
したんですけれども、可決するときに、
国会議事堂
を
障害者
の
皆さん方
、
支援者
の
皆さん方
が取り囲むようにして、この
障害者自立支援法
は足らざる
部分
があるということだったんですけれども、ほとんど
閣法
のまま可決をしてしまいまして、今回、大幅な
修正
をいたしました。五年かかったわけでございます。 やはり今回も、
タクシー
の
経営者
の
皆さん方
、
運転手
さんの
皆さん方
、
閣法
のみなら足らざる
部分
があるということで、この二カ月ぐらい大
運動
もしていただきました。当時の
障害者
の
皆さん方
、
支援
していただいている
皆さん方
も、本当に大
運動
をしていただきました。やはり、そういう
国民
の声というのは傾聴しなければならない。何が足らないのか、何が不足しているのかということについて、
国会
として、
ローメーカー
として、真摯に問題を直視しなければならないというのは、
反省点
としてあったと思います。 ですから、その
修正
するまでの五年間、
障害者
の
皆さん方
が、
支援
するお金が少なくて、いわば苦しまれたわけでございまして、そういうこともなく、もし、あのとき、
障害者自立支援法
のあの
国会
で、今回の
国土交通委員会
のように、みずから
国会
で、時間を圧縮して
修正
するということになれば、後々
障害者
の
皆さん方
がお苦しみにならないで済んだということでございます。 今回は、たまたま、本
会議
で
趣旨説明
が行われてから二カ月ありましたので、時間を圧縮して、
政府
がおっしゃるように五年後に見直すんだということではなくて、この
国会
中に、この
委員会
の
審議
の最中に、アプリオリに、五年後の
修正
を少しでもいいから
運賃
に関してはするということを、今、
修正協議
をさせていただいているところでございます。 いろいろな
意味
があると思いますけれども、もっと大きな
意味
は、
規制
と
誘導
というのが
行政
の
ツール
でございますけれども、
誘導
というのは、ほとんど
経済
、
マネーターム
でしか今のところないと思います。例えば、税金を減免するとか
補助金
をふやすとか、あるいは
容積率
、建ぺい率でおまけを与えるとか、そういうことでいろいろな施策を
誘導
するということがございます。一方、
規制
もございますけれども。 今回の
法律
の
修正
、結果としての
意味
は、今までの
行政
の
ツール
を超えて、今までの
行政ツール
というのは、
マネーターム
であり、いわば左の脳、左脳、理屈であり理論にすぎなかったんですけれども、今回は、それだけ、先ほど言いました
障害者自立支援法
のときの
反省
、そして、今回の
経営者
、
運転手
さん、およそ
タクシー
の
サービス
にかかわる全員が
参加
をして私
たち
に訴えていただいた。この心をもって私
たち
が反応しなければならないのは、
右脳
に訴える、
理性
だけじゃなくて
情緒
、感情に訴える、そういう
法律
というのもやはり考えなければならなかったんだということでございます。 プロシア以来の
法治国家
というのは、そういうことを一切無視してあったわけでございますから、
理性
だけじゃなくて、
右脳
に、
情緒
に、つまり
やる気
になってもらう、そういう
法律
もあってもよかったんじゃないか。今からは、そういう
法律体系
というのも考えるべきじゃないか。
前回
、
エクイティー
という言葉を御
紹介
しました。やはり、
時代
が変わる、環境が変わると
物差し
が一個ふえるということの
象徴
でございます。その
エクイティー
というのが、今回の
法律
の、
右脳
に訴える、
やる気
になってもらうという、その
修正協議
が
象徴
なんだということで、今、
議事録
に向かってしゃべっているんですけれども、後世の方、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。 だから、何が問題かというと、今後の課題は、
やる気
になってもらうということなんです。きょうもたくさん傍聴していただきましたけれども、
タクシー
の
業界
の
皆さん
、
経営者
の
皆さん
、そして
運転手
の
皆さん
が、
消費者
に、お客様に、いかに
サービス
を磨いて満足していただいて、そして
社会
に貢献していただくかということが
キー
で、それがなければ今回の
修正協議
は何の
意味
もないわけでございます。というのは、
やる気
になってもらうということが目的だからでございます。 そこで、ちょっと前置きが長くなりましたけれども、第一問で
局長
に質問させていただきますけれども……(発言する者あり)茶々を入れないように。
タクシー
の
消費者支持
、
利用者
に評価される
サービス
、
利用者
をふやす
努力
、そして何よりも
社会
に貢献する
努力
、この
タクシー業界全般
のインセンティブ、
やる気
ですね。
マネーターム
だけじゃなくて、ノン
マネーターム
の
やる気
をいかに
業界
として出していただくかというのは、
局長
はお答えする立場にないんですけれども、それも含めて、
行政
として、
業界自体
として、そして
行政
、
業界
の
連携
として、今後どのようにやっていく
決意
があるか、ちょっとその
決意
を御
紹介
いただきたいと思います。
本田勝
5
○
本田政府参考人
お答え申し上げます。
利用者サービス
の向上という問題に対しては、
タクシー業界
におきましても、これまでさまざまな
対策
を講じてまいりました。また、それに対して、国としても必要な
支援
を行ってまいりましたが、残念ながら、こうした
取り組み
はいまだ
個々
の
事業者
の
方々
の
レベル
にとどまっており、
地域
を支える重要な
公共交通機関
という位置づけの中での
サービスレベル
の問題については十分ではないという
認識
を持っております。
交通政策審議会
の
答申
におきましても、
タクシー事業
をめぐる諸問題の
一つ
として、
利用者サービス
が不十分という指摘がなされております。
答申
で指摘されておりますとおり、
タクシー事業
をめぐる諸問題の
原因
の中で最も
基本
的な
原因
である
タクシー
の
輸送人員
の減少に対処し、需要を拡大していくためには、やはり、
事業者
御自身が、
地域
を支える重要な
公共交通機関
としての自覚のもとに、
利用者
のニーズに合致した
サービス
を提供していただくことが重要であり、これに対して我々も強力な
支援
をしてまいりたい、かように考えております。
福井照
6
○
福井委員
しっかり、
国民総ぐるみ
、
国家総動員体制
でお願いをしたいというふうに思います。 それで、再びまた、
業界
、
業行政
といいましょうか、
業界そのもの
の
皆さん方
の
自己努力
、
自己再生
へのお
取り組み
が必要だと思いますけれども、
前回
もございました、いわば
秩序
を守らない、ちょっとお行儀の悪い方もいらっしゃるということも現実としてあると思います。 ちょっとまた話がかわりますけれども、
黄金律
というのがございまして、
黄金律
というのは、なんじの欲せざる
ところ人
に施すことなかれというのが
黄金律
、
ゴールデンルール
ということですけれども、それだと
自分
の都合から発想がスタートするので、新しい
黄金律
というのがございます。 新しい
黄金律
というのは、
自分
と
社会
との関係においていわば決まりをするということです。つまり、あなたが
社会
全体からリスペクトされたいと思うぐらい、その程度あるいはそれ以上に、
社会
全体に対してリスペクトしなさいと。だから、あなたは、
社会
に対して、あなたの
自律
を尊重し支持してほしいと願うように、
社会
全体の道徳、
秩序
を尊重し、支持するようにというのが新しい
黄金律
というもので、いわばコミュニタリアンという新しい政治の思想にもつながっているわけです。そちらの方はどうでもいいんですけれども。 つまり、
業界
の方も、何回も言いますけれども、やはり
社会
全体に対していかに貢献するかということが、先ほど言いました、もし
修正協議
が成りましたら、私
たち委員会
の総意として、
タクシー業界
が、私
たち
も、
法律
も
支援
する、
国民
全体も
支援
するけれども、だけれども、
タクシー業界
、そして
運転手
の
皆さん方
、
サービス
を提供するすべての
皆さん方
が、
社会
にいかに貢献するか、
社会
に対していかにリスペクトをささげるかというのが一番
キー
になるわけで、しつこいですけれども、そこが本当に今回の話の
出口
、いかに
業界
の
皆さん方
が頑張るかというのがこれからの
キー
になりますので。 また、
業界自体
あるいは
行政自体
、そして
業界
と
行政
との
連携
について、節度ある対応についてどういうふうに考えているか、
局長
の方から御
説明
をいただきたいと思います。
本田勝
7
○
本田政府参考人
タクシー事業
は、営業である限り、
基本
的には
個々
の
事業者
の
方々
の
経営判断
というものが尊重されると考えております。ただ、今
先生
がおっしゃいましたとおり、その
地域
の全体の
タクシー事業
として、その
地域
の
公共交通
を支える重要な役割を果たしており、かつ、その
地域
の住民を初めとする
利用者
の
方々
からさまざまな
要請
が参っておるわけであります。 ぜひ、
事業者団体
を通ずるなどして、そうした
要請
に対して
タクシー業界一丸
となって対応していただきたい、かように考えておりますし、我々もそれを促して、かつ
支援
してまいりたいと考えております。
福井照
8
○
福井委員
ありがとうございました。
前回
も少し入り口をお伺いしましたけれども、
ガイドライン
についてもう一度、それこそ
議事録
にさん然と輝く御
答弁
をお願いしたいわけです。 我々の方は、最初は、この
ガイドライン
で話の
出口
が定まって、もうそれでオーケーなんだ、すべてこの
ガイドライン
で
業界
の方も御協力をいただく、そして
法律
もそれで満足だということだったんですけれども、先ほどからずっと、るる御
説明
しているとおり、
道路運送法
の
基本プリンシプル
まで立ち戻って
法案修正
をしなければ、やはり
業界
の
皆さん方
の
やる気
も、そして実行も、それぞれの
地域
においてのお話し合いも実効あらしめられないということでございました。 どうして、この
ガイドライン
の中身について
皆さん方
から信用されなかったのか。それは、役所の
ガイドライン
の
議論
の腰が定まっていないからなのか、
行政指導
の峻厳さといいましょうか、今までの、それぞれ
地域地域
の、いわば
運輸行政
の厳しさが足らなかったのか、
業界
みずからの、
自分
の
自律
についての限界がかいま見えるのか。なぜ、この
ガイドライン
でこれだけ信用されないのかということも含めて、もう一度、
ガイドライン
で特に低い
賃金
が生まれないようにこうこうこういうふうにしますということで、
物差し
と、今後の行動はこうしますということで、
局長
の方からもう一度はっきりと明確に御
答弁
いただきたいと思います。
本田勝
9
○
本田政府参考人
運賃審査
に関しての
ガイドライン
、これは
運賃
の
認可
に関する
事務
に携わる
担当者
の
審査
の
業務要領
と考えていただいて結構だと思いますが、大きく
論点
が二点あろうかと存じます。 まず第一、
自動認可運賃
の幅の設定の問題でございます。
現行
では、全国押しなべて、
上限運賃
から一〇%、一割を下回る
運賃
につきましては、不当な
競争
を引き起こすこととなるおそれが全くないという
判断
のもと、個別の
審査
を省略、
自動認可
をしております。しかし、過度の
運賃競争
による
運転者
の
労働条件
の
悪化等
の問題に対処していく上で、この幅を縮小する必要があるのではないかといった
方向
で
検討
を進めていく必要があると今は考えております。 次に、個別に
審査
を行ういわゆる
下限割れ運賃
の
審査
のあり方でございます。 この点については、
現行
では、
原則
として、その
事業者
の
収支率
が一〇〇%以上、すなわち、
収支
が相償えばこれを認めることとしております。しかしながら、この点についても同様に、過度な
運賃競争
への
対策
として、この
基準
だけで足りるのか。例えば、
収支率
は一〇〇%以上であっても、
経営
の
違法性
あるいは
不当性
が認められる場合には、その
運賃
を認めないこととすべきではないか。また、
労働条件
の
悪化
の防止や運行の安全の
確保等
の見地からの新たな
基準
を設ける必要があるのではないか。こういった
方向
で
検討
を進めていく必要があると考えております。 いずれにしましても、
運賃
に関しましては、本
委員会
でさまざまな御
議論
を賜っておりますので、その御
議論
を今後の
ガイドラインづくり
に反映してまいりたい、かように考えております。
福井照
10
○
福井委員
ありがとうございました。 それでは、もう
一つ
の
論点
でございました、
特定地域
とそれ以外の
地域
、
特定地域
以外の
地域
において
タクシー事業
をめぐる問題が生じた場合、もちろん、ゼロじゃないと思います。その場合の
対策
について、やはりきょうの
審議
の中で
政府
として明らかにしていただく必要があると思いますので、
特定地域
以外の
対策
について、
局長
から再度御
答弁
をいただきたいと思います。
本田勝
11
○
本田政府参考人
特定地域
に
指定
されていない
地域
に関しましては、二つの切り口からの
対策
があろうかと思います。 まず第一、
特定地域
に
指定
されるまでには至っていないものの、やはり供給過剰の問題をはらんでいる
地域
、こういった
地域
についてどうするかということでございます。
特定地域
につきましては、本
法案
に基づき、具体的な
指定基準
のもと
指定
してまいりたいと考えておりますし、
交通政策審議会
で指摘されておりますとおり、その際には、特に供給過剰に陥りやすい特性を有している
都市部
の
地域
などを優先することも
検討
する必要があると考えておりますが、こうした本
法案
の
特定地域
の
指定
から外れた
地域
でも、必ずしも何ら問題がないとまでは言い切れず、何らかの
対策
が必要な場合もあり得るかと思っております。 そうした
地域
については、やはり、本
法案
に基づく
特定地域
に準じたような
制度
、こういったものも準備する必要があると考えておりまして、具体的には、現在、まさに
行政運用
の
措置
として導入しております
特定特別監視地域
の
指定制度
が一定の効果をあらわしておりますので、こうした
行政運用
上の
措置
といったものも考える必要があるというのが第一点でございます。 これと同時に、供給過剰問題以外の問題は、これは
特定地域
であるか否かを問わず、
対策
を講ずべき
地域
でございます。具体的には、先ほど申し上げました、
利用者
のニーズに合致した
サービス
をいかに提供していくか、それから、悪質
事業者
をいかに排除していくか、また、過度な
運賃競争
への
対策
といったものは、
特定地域
以外の
地域
においても強力に推進していく必要がある、かように考えております。
福井照
12
○
福井委員
ありがとうございました。 それでは、もう
一つ
、アウトサイダーですね、
前回
も御質問があり、そして野党の
皆さん方
からも御質問があり、何回かお答えしていただいておりますけれども、もう一度、再整理をして最終的な御
答弁
を。
地域
計画の中身、それぞれの
地域
、イメージ的には、百を超える
地域地域
でステークホルダーにすべて集まっていただいて、そして具体的に、適正な
運賃
で優良な
サービス
をしていただくためにはどうしたらいいかということを話し合っていただくわけですけれども、それに
参加
したくないという人、
参加
しても破る人が出ないように、どうやってこの
地域地域
のお話し合いを穏便にしていただくかということについては、これがそれこそ実行可能性、実現可能性の一番の
キー
だと思いますので、現在のところ、行
政府
としてどういう
対策
を考えていらっしゃるか、御
紹介
いただきたいと思います。
本田勝
13
○
本田政府参考人
御指摘のとおり、本
法案
に基づく協議会の組織、そして、
地域
計画を作成し、かつ実施していく上で、できる限り多くの
事業者
の方がこれに
参加
することが必要であるというふうに考えております。 その
意味
では、まず第一に、各
地域
の
事業者団体
において、その
地域
の
タクシー事業
の
適正化
、
活性化
の必要性等に関する
事業者
の意識の向上に取り組んでいただく必要があると考えております。また、本
法案
に基づく協議会には、直接の当事者である
事業者団体
あるいは
運転者
の
方々
、そして、
運輸行政
担当者
のみならず、
地域
の公共団体あるいは住民の方にも
参加
していただき、その
地域
の
タクシー
をどうしていっていただきたいか、そういったことが広く
議論
されると思います。 したがって、その協議会に
参加
していただくことがやはり
地域
にとって必要だという、これをその
地域
のあらゆる
事業者
の方にも理解していただく必要があると考えておりますし、そうしたことを踏まえて、地方運輸局を通じて、幅広く関係者に
参加
を呼びかけるといった
努力
を重ねてまいりたい、かように考えております。
福井照
14
○
福井委員
ありがとうございました。 では、最後に、今後の具体的な見直し、今から決めるというときに見直しというのも変ですけれども、しかし、今回、冒頭ずっと御
紹介
をさせていただきました、非常に
時代
象徴
的、神が
時代
に織り込んだメタファーがこの
法案
にちりばめられているということでございます。
消費者行政
が確立をしたこの
国会
でもございます。
規制緩和
の
行き過ぎ
を是正する
象徴
的な
国会
でもございました。 特に、この
世界同時
大恐慌で、
タクシー
の
業界
の
皆さん方
が本当に呻吟されているということを目の当たりにして、
タクシー
ほど私
たち
の日常生活に密着した
陸上交通
サービス
はございませんので、この
法案
の一日も早い成立をということで
与野党
一丸となって、それこそ行
政府
みたいに、省庁間協議みたいに徹夜に近い協議もさせていただいて、それを積み重ねて今日まで立ち至ったわけでございますので、まず、スタートをさせていただく、そして、
のり
を越えて
法案
の
修正
も協議をさせていただくということでございます。 今後、それぞれの
地域地域
で協議会が立ち上がっていく、そして、それぞれの
地域
でうまくいく点もあり、うまくいかない点もあり、さまざまだと思いますけれども、そういうことをにらみながら、もちろん我々としても
国土交通委員会
としてウオッチングをしなければなりませんが、行
政府
としてどういう予定でこの見直しあるいはモニタリングをしていく御所存でいらっしゃるのか、最後にお聞かせをいただきたいと思います。
金子一義
15
○金子国務
大臣
与野党
が、徹夜に近い
状況
の中で、ついきのうまで
議論
をしていただきまして、相当詰めた話し合いをされた、大変感謝また評価をさせていただく次第であります。 供給過剰が進行している
地域
について、御指摘のようなさまざまな手法というものを今度の
法案
ではまず施行させていただきますが、当然でありますけれども、それが
タクシー
の持つ公共性あるいは
消費者
利便という
意味
できちんと適応しているのかどうか、あるいは供給過剰
地域
の進行に対して適切に働いているのかどうかということは、きめ細かく拝見をさせていただき、また検証もしなければいけないと思っております。同時に、その検証結果を踏まえまして、本
制度
の見直し、また、御
議論
いただいております
道路運送法
に基づく諸
制度
のあり方についても見直しを行っていく必要もあると思っております。
福井照
16
○
福井委員
最後は
大臣
に御
答弁
いただきまして、本当にありがとうございました。 では、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
望月義夫
17
○
望月委員長
次に、
三日月大造
君。
三日月大造
18
○三日月
委員
おはようございます。私も、
タクシー
の
法案
について質問をさせていただきます。 四月二十一日でしたか、衆議院の本
会議
で
趣旨説明
が行われました。私もそのときに質問に立たせていただきましたが、私
たち
民主党としては、昨年から約一年間かけて、この
タクシー
の問題点を改善するために、やはり、法
改正
でもたらされた問題は法
改正
で改めていかなければならないという趣旨のもと、
道路運送法
の問題点を改善する、
改正
するということが必要ではないかという観点に立って
検討
を重ね、一月にビジョンをまとめ、そして、この
国会
にも、他の野党の
皆様方
の賛同も得て、野党共同
提出
で
道路運送法
も
提出
をし、この
国会審議
を行ってきました。 特にこの数カ月は、
タクシー
のことを考えない日はないぐらい
タクシー
のことを考えながら、
皆様方
にいろいろなことを教えていただきながら、この
審議
に臨んでまいりました。 きょうは、三十分という限られた時間ではありますけれども、そんな思いもちょっと込めながら、
審議
に臨ませていただきたいと思います。 私は、
タクシー
という交通機関は非常に可能性のある交通機関だと思っています。これから温暖化が進む、
対策
を講じなければならない、日本は高齢化が進む、
地域
の
公共交通
手段を整え直していかなければならないという
時代
にあって、ドア・ツー・ドアで運べる
タクシー
という交通機関は、私は、これからますます役割が高まってくるし、必要性が見直されてくると。 したがって、この時期に、安易な
競争
を促進することだけでこの
業界
を疲弊させてはならない、
タクシー
でなりわいが成り立つ、また、
地域
の中で
タクシー
という
公共交通機関
がきちんと存続をしていく、この状態をもう一回つくり直していかなければ、これから対処していかなければならない変化に対して、また期待される役割に対して、
タクシー
というものが役割を果たしていけなくなるのではないかという危機感も持ちながら、法
改正
を提案させていただきました。 まず、
大臣
に、
基本
認識
としてお伺いをしたいと思います。 この間、約二カ月間
審議
を行ってきました。
参考人
の
皆様方
からも貴重な御意見をいただいてきました。私
たち
野党の方からも
法案
を
提出
し、
答弁
にも立たせていただきました。この経過を受けられて、
大臣
の問題
認識
はどのように改められたのか。特に、
閣法
としては、
地域
限定、期間限定の特別
措置
法というものを提案されましたけれども、そのものの不足、足らざるところも、私
たち
の方から指摘をさせていただきましたが、この点について
大臣
のお考えなり
基本
認識
がどのように変化をしてきたのかということについて、まずお伺いをしたいと思います。
金子一義
19
○金子国務
大臣
三日月
委員
も、先ほど
福井委員
に申し上げたように、本当に連日のようにこの問題に取り組んでいただいて、また、後藤
委員
も先頭に立って、
与野党
間で大きな、考え方についてはかなり共通の意識を持っていた。それは何かといえば、やはり
一つ
、
タクシー事業
というものを
公共交通機関
としてきちんと位置づけられるようにしよう、その際、構造的に持っている問題、供給過剰、その結果として
運転手
さんの
賃金
の引き下げというこの現象に対して何らか対応していくべきである、ここは共通された
認識
だったと思います。 それに向けて、具体的にどういう
法案
を、あるいはどういう枠組みをつくっていけばいいのかということについて、冒頭に申し上げましたように、
基本
認識
は
与野党
とも共通していたと思いますので、具体的な作業についても
与野党
で取り組んでいただくことができた。これは本当に、
与野党
協議、評価いたします。 過度な
運賃競争
への
対策
に対しての本
委員会
での真摯な御意見、あるいは
法案修正
をめぐりましての
与野党
協議の結果を真摯に受けとめて、そして、
法律
が成立した場合、それがきちんと実施をされますように全力で取り組んでまいりたいと思っております。
三日月大造
20
○三日月
委員
特に、法
改正
によって弱いところにしわ寄せが行くんだということも、改めてわかりました。例えば、地方とか働く人とか。したがって、私
たち
は、極力、法
改正
の際に、
政府
が正しいんだ、与党が正しいんだということだけではなくて、あらゆる角度から問題点を検証するために、また是正していくために、いわゆる熟議の民主主義ではありませんけれども、あらゆる角度から問題点を検証して法
改正
をしていくことが必要だということも改めてわかりました。 特に、この間の
審議
で、
運賃
・料金について、
政府
の
提出
された特措法では、
運賃
・料金の
対策
がありませんでした。私
たち
は、
運賃
・料金の
認可
基準
を見直すべきだ、
道路運送法
の中で見直すべきだということを提案いたしました。
政府
の方は、
ガイドライン
で対処するんだということをおっしゃいましたが、私
たち
は、法
改正
なき
ガイドライン
は
意味
がないんだということを主張して、この
審議
をずっと続けさせていただいたところなんです。
大臣
にもう一点、これは
答弁
を用意されていると思うんですけれども、特に
運賃
・料金に対する
対策
が不可欠だという私
たち
の提起についてのお考え、どのように改まってきたのかについてお伺いをしたいと思います。
金子一義
21
○金子国務
大臣
今の
運賃
・料金の件について、問題意識として、私自身、この
法案
の中でどういうところで進めていくのかについて、
ガイドライン
、この
ガイドライン
はまだ中身がありません。まだ
法案
の段階では出てきておりません。これだけだとやはりなかなか、残念ですけれども、本当に実効性が上がるのかという
部分
はありました。そういう中で、野党の
細川
代表が
提出
されておられます
法案
というのは、
一つ
の参考としては常に私も頭の中で考えてまいりました。 ただ、そういう中で、本当に実効性が上がっていくもの、
法律
をつくっても実効性が上がりませんと
意味
がありませんから、
法案修正
と同時に、やはりそれを実行できる仕組みというのを一方でつくっていく必要があるなということで、
法案
としても
与野党
で御協議をいただいている、その結果を真摯に受けとめさせていただきたい。 特に
運賃
のポイントについて
法案修正
が行われておるというふうに伺っておりますので、これは評価させていただきたいのと同時に、それがきちんと的確に実施できるように、今度は国交省自動車交通局側の体制もしっかり整備をさせていただきたいと思います。
三日月大造
22
○三日月
委員
今回の法
改正
で私
たち
に求められた対処すべき課題は、供給が過剰になったこの状態を何とか是正しなければならないということと、やはり、さまざまなばらつく
運賃
が出てしまって、働く人
たち
の生活にしわ寄せが行き、結果的に
利用者
の安全を損なってしまっているという、
運賃
・料金に対する問題に手当てを打たなければならないということだったと思います。 それで、特に供給過剰の状態を是正するための
対策
は私は三つあると思っていて、
一つ
は、需要をふやすこと、その供給に見合う需要をふやしていくということと、二つ目は、これ以上供給をふやさないという、入り口を閉めること、さらには、今あるたくさんの供給を減らしていくこと。 この三つの
対策
が必要ではないかと思い、特に、特措法の
修正
項目として、十一条のところに掲げられております特定事業計画、その中にある事業再構築、供給過剰にある状態を受けて、例えば事業の譲渡または譲り受け、法人の合併、分割とあわせて、供給輸送力の減少、すなわち減車ですね。これが提起されていたところに、私
たち
の方から加えて、なかなか、持っている車を減らせと言われてもつらいだろうし、合意が得られないだろうから、休ませる、持っている自動車の使用の停止、いわゆる休車というものを枠組みとして提案させていただきました。 これについて、
政府
の見解を伺いたいと思います。
本田勝
23
○
本田政府参考人
御提案のありました休車という問題についても、その
意味
はあると考えております。 ただ、私どもの提案させていただきました
法案
の三項の中で、「供給輸送力の減少」という言葉がございますけれども、この点について、文理上、言葉の問題として申し上げますと、
道路運送法
に言う供給輸送力の増減という言葉は、事業用自動車の車両数の増減をあらわすものとして、事業計画の変更を伴うものとして扱っております。したがって、事業計画の変更を伴わない、いわゆる紳士協定的な車両の使用停止という状態を、文理上、供給輸送力の減少と呼ぶにはふさわしくないのではないかというふうに考えております。 それから、
事業者
が実際に休車を行っているかどうかというのは、外形上非常に確認が難しくて、今回、認定
制度
を設けるわけですが、認定をした場合にも、認定の実効性が
地域
によっては、
状況
によっては不明確になる、そういう懸念もございます。 ただし、事業計画を変更しないまでも、車の稼働をとめるということは、まさに自主的に供給輸送力を減らすことでありますので、今申し上げました、もしそういった複数
事業者
による休車に関しての計画に実効性があるということであり、かつ、その
地域
によってふさわしい対応であるということであれば、やはりこれもこの
制度
に入れていく必要があると思っております。 そういう
意味
で、十一条三項には、そうした事業再構築を最終的には
国土交通
省令で定めるということにしておりますので、そういった休車の問題については、事業再構築の一例として、本
法案
十一条三項の
国土交通
省令で規定する
方向
で
検討
してまいりたい、かように考えております。
三日月大造
24
○三日月
委員
今の御
答弁
、ちょっと前段の
部分
は私理解できなかったんですけれども、要は、休車についてもこの省令の中で定めて、枠組みとしてとっていくという理解でよろしゅうございますね。 せっかくきょうは公正取引
委員会
にもお越しをいただいております。公正取引
委員会
との関係もこの特措法の中に定められております。 これは十二条ですか。公正取引
委員会
として意見を述べることができる、「述べるものとする。」ということも定められているんですけれども、二つお伺いをいたします。 公正取引
委員会
として、現下の
タクシー
市場をどのように見ていらっしゃるのか。この特措法が提案されてきた、
審議
されてきた経過と背景をどのようなものであったと承知していらっしゃいますか。 また、今回、この十二条の第二項で、「意見を述べるものとする。」とされておりますが、公正取引
委員会
として、どのような観点で意見を述べられることになるのかということについてお伺いをします。
舟橋和幸
25
○
舟橋
政府参考人
二つ、御質問をいただきました。 まず最初の現下の情勢の
認識
でございますけれども、
タクシー事業
につきましては、平成十四年二月、
改正
道路運送法
が施行された、その後、需給調整
規制
の廃止を柱とする
規制緩和
が行われた、そのプラス面とマイナス面、そういう形があろうかと思います。 昨年十二月に
交通政策審議会
の方から
答申
が出ておりますけれども、まず、プラス面といたしまして、私どもとしても、この
規制緩和
後、待ち時間の短縮とか多様な
サービス
の導入、そういった一定の効果がプラス面として出てきているのかなと。 それに対しまして、マイナス面といたしまして、長期的な需要の減少傾向、そういったものがある中で、
地域
によっては、
タクシー
車両が大幅に増加してきている。そのことによった問題として、
一つ
には、
タクシー事業
の収益基盤が
悪化
してきている、それから、
タクシー
運転者
の
労働条件
の
悪化
というものを招いてきている。いろいろな問題が生じてきている、そういう
認識
でおります。 二つ目の御質問でございますけれども、今回の特別
措置
法、私ども、意見を申し述べる、そういう機会が与えられておるわけでございます。
先生
御指摘のとおり、特措法十二条の二項にそういう規定がございまして、
国土交通大臣
から送付を受けた共同事業再構築に係る事項が記載されている特定事業計画、これについて意見を申し述べるわけでございますけれども、こういう
タクシー事業
者による共同事業再構築は、
タクシー事業
の
適正化
とか
活性化
を推進するための
措置
、そういう位置づけと考えております。 私ども公正取引
委員会
としましては、この
タクシー事業
者による共同事業再構築が独禁法の枠内で行われ、
タクシー事業
者間の
競争
を制限することがないようにまず行われていく、それによって
消費者
や
タクシー事業
者の利益になっていく、それが重要というふうに考えております。かかる観点から、各
地域
いろいろな実情があろうかと思いますが、そういう実情を踏まえつつ、必要に応じて私どもの意見を申し述べてまいりたい、そういうふうに考えております。
三日月大造
26
○三日月
委員
所管される独占禁止法の第一条、目的に、今
答弁
の中でおっしゃった、
競争
を制限しないようにというようなこともありますけれども、「以て、一般
消費者
の利益を確保するとともに、
国民
経済
の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」ということが書かれておりますので、その趣旨に沿った意見を述べていただくようにお願いをしたいと思います。 事実の確認として、
国土交通
省に伺います。 今回、供給過剰の状態と
運賃
の問題に対処しなければならない
一つ
の理由として、
タクシー
の事故がふえているし、減らない、他の事業用自動車に比べて多いという問題がありました。どれぐらいの事故が発生をしているのか。 あわせて伺いますが、私
たち
は、悪質
事業者
を市場から退出させるべきだという観点で、その
一つ
として、
道路運送法
二十九条を
改正
して、事故報告の対象を拡大して、それぞれの
事業者
がどのような事故を起こしているのか、その事故を頻発するような
事業者
については、
タクシー
業から、
タクシー
市場から速やかに退出をしていただくというようなルールも整備していくべきではないかという趣旨の提案をさせていただいておりますけれども、この二点、お伺いをいたします。
本田勝
27
○
本田政府参考人
お答えいたします。
タクシー
の事故の問題でございますが、まず、警察庁の統計に基づきます平成二十年の
タクシー
の交通事故件数は、全国で二万四千三十件でございました。 この
状況
を他のものと比較いたしますと、まず、全自動車事故に比べて、ここ数年の
状況
については、
タクシー
事故の減少の歩みが非常に鈍いという特徴がございます。さらに、数値的に申しましても、同じ走行距離当たりの交通事故件数で見ますと、
タクシー
の場合には、残念ながら、全自動車の平均の約一・八倍という事故発生率になっておる、これがまず現状でございます。 したがって、私どもとしても、事業用自動車、とりわけ
タクシー
については、さまざまな安全
対策
を総合的に講ずる必要があると考えております。 次に、
衆法
で御提案のありました
道路運送法
二十九条に基づく事故報告の拡大の件でございますが、御提案の条文については、もともと、
国土交通
省令であります自動車事故報告規則に基づきまして、現在、死者あるいは重傷者が生じた事故といったものについて
タクシー事業
者から報告を求めております。これについて、御提案の
改正
案で、軽傷といった場合を含めて、人が死傷した場合のすべてを報告の対象とするようなことである場合には、やはり
事業者
に対して過度な負担となる可能性があるということを懸念しております。 ただ、
タクシー
についての安全性の確保、その
対策
が重要であることは、今まさに御
説明
申し上げたとおりでありますので、私どもとしては、
現行
法のもとでも、これまでもやってまいりましたが、必要に応じ
国土交通
省令を
改正
して、報告の範囲、時期を見直してまいりました。 先ほど申しました
タクシー
の実情に照らし、この三月に、私ども、事業用自動車総合安全プラン二〇〇九という総合
対策
をまとめました。その中におきまして、事故報告の速報性、それを拡充すること、それから報告時期の迅速化、こういったことが指摘されておりまして、これに即して、
タクシー
についても、
国土交通
省令で事故報告についての拡充を図ってまいりたい、かように考えております。
三日月大造
28
○三日月
委員
事業者
にとって負担になったとしても、余りに過度な負担はやるべきではないと私は思いますが、しかし、
事業者
にとって少々負担がかかったとしても、他の事業用自動車に比べて走行キロ当たり一・八倍にもなっているわけですから、やはり
利用者
の安全という観点から、事故報告を速やかに行い、かつ対象を拡大して大きな事故を未然に防いでいく、また、そのような事故を繰り返す
事業者
については市場から退出をしていただく、こういう枠組みを整備していくことが必要だと思います。 したがって、省令でやります、省令でやりますと言われると、何か、やってくださるのかどうかなという気にもなるんですけれども、この
国会
でなかなかそのことを確認できなくもなりますから、しっかりと実効性を持って、この事故報告の速報性、また対象拡大ということについても取り組んでいただきたいというふうに思います。 趣旨は理解し合っていると思いますけれども、中身が抜けないように、魂が抜かれないように、しっかりと
行政
としてもやっていただきたいというふうに思います。 厚生労働省に伺います。 今回、事故がふえたことの
一つ
の
原因
として、
タクシー
の
運転者
の労働実態、これが極めて劣悪過ぎるのではないかという問題点があります。労働法制違反、事業用自動車の
運転者
に定められている改善
基準
の告示違反、
運賃
の問題を改善するための私
たち
は
一つ
の根拠にもしていました最賃法違反、また、通達で禁止をされているにもかかわらず横行していると言われている累進歩合制というものについての問題、この四つの実態について、厚生労働省から簡潔に伺います。
渡延忠
29
○
渡延
政府参考人
お答えいたします。 平成十九年に
タクシー
運転者
の労働時間等の改善を重点とした監督
指導
結果を見ますと、監督
指導
件数は七百十二件ありまして、そのうち労働
基準
関係法令の違反件数が六百十一件、率にして八五・八%。それから、改善
基準
告示の違反件数が三百八十四件、率にして五三・九%。それから、累進歩合
制度
について
指導
した件数が八十件、一一・二%でございました。また、平成十九年のハイヤー、
タクシー
業における最低
賃金
法違反は、一七・三%となっておりました。 以上でございます。
三日月大造
30
○三日月
委員
数字で報告されるとさらっとしたものなんですけれども、労働
基準
関係法令違反が八五・八%もあるんです。かつ、
運転者
に定められている改善
基準
告示の違反件数が五三・九%もあり、最賃法違反が一七%を超えている。さらには、
賃金
にしますと他の産業に比べて百六十万円低く、労働時間にすると二百四十時間長い、このような実態があるんです。
国土交通
省に伺います。 この
答申
の中にもありました「違法・不適切な事業運営の横行」の中に、今厚生労働省から指摘のあった最賃法違反だとか不適切な運行管理、名義貸し等々のコンプライアンスの見地から問題のある事例が生じているというふうにまとめられておりますけれども、このような違法、不適切な事業運営が横行している
原因
、これをどのようにとらえていらっしゃるのか。ここの総括なくして今後の
タクシー
行政
の適切化というものはあり得ないと思うんです。悪貨が良貨を駆逐するということを改善していくための
国土交通
省の見解を伺いたいと思います。
本田勝
31
○
本田政府参考人
お答えを申し上げます。 労働関係法令を初めとするこうした違法、不適切な事業運営の横行に関して、その
原因
につきましては、
交通政策審議会
の
答申
でも述べられておりますとおり、そもそも
タクシー
の
輸送人員
が減っている、にもかかわらず
地域
によっては車がふえている、場合によっては
地域
によって過度な
運賃競争
が展開される、さらには、
タクシー
の構造的な要因として、
消費者
がなかなかよい
タクシー
か悪い
タクシー
かを選択できない、あるいは
運転者
の
方々
が歩合制の
賃金
システムの中に入っておられる、そういった要因が複合的に絡んで発生しているというふうに
認識
しております。 いずれにしましても、こうした事態は改善する必要があることは論をまたないことでありまして、そのための
対策
として、
答申
で述べられております、そもそもの
利用者
のニーズに合致した
サービス
の提供、悪質
事業者
等への
対策
、過度な
運賃競争
への
対策
、さらには供給過剰進行
地域
における
対策
、これはやはり総合的に実施していく必要があると考えております。 とりわけ、悪質
事業者
等への
対策
は、違法、不適切な事業運営の排除に直接的な効果がありますので、
利用者
に対して情報提供を充実する、あるいは
事業者団体
による主体的な
取り組み
の強化を図るほか、
運転者
の資質の確保、あるいは
行政
による事後、事前のチェックの強化、こういったものを着実に実施してまいりたいと考えております。
三日月大造
32
○三日月
委員
当然のことながら、景気、
経済
も含めたマクロ的な問題、あわせて、
タクシー
が持っている特有の構造的な問題はあるんですけれども、やはり法を犯して事業を運営するということはあってはならないわけで、ここについての監査や取り締まり、そして改善をやはりきっちりと
行政
としても行っていくという姿勢がなければ、いろいろな
対策
を講じたって結局は
意味
を持たない。結果的に
利用者
の安全を損ない、
タクシー
市場に対する信頼性を損なうということにもなると思いますので、ここの
認識
と
対策
をしっかりと持っていただきたいと思います。 そして、最後に、個人
タクシー
のあり方について伺いたいと思います。 ここの
委員会
でも一部
議論
になりました。ないところとあるところとあるそうですね、個人
タクシー
というのは。しかし、東京では、一番もうかるところにどっと個人
タクシー
が時間帯によってわいて出る、それが供給過剰の状態を引き起こしてしまっているんだというような問題点も指摘をされています。居酒屋
タクシー
という問題もありました。これは、個人
タクシー
の
皆様方
が、すべてではないんでしょうけれども、行っていらっしゃるというような指摘もありました。 個人
タクシー
のあり方について、どのような
認識
を
国土交通
省として持っていらっしゃるのか、これをどのように改善していくべきだ、とらえていくべきだ、位置づけていくべきだというふうにお考えなのか、伺いたいと思います。
本田勝
33
○
本田政府参考人
法人
タクシー
であるか個人
タクシー
であるかを問わず、やはり
タクシー
はその
地域
を支える重要な
公共交通機関
である、あるいはそうあってほしい、こう考えております。 そういう見地から申し上げますと、個人
タクシー
は、そもそも法人
タクシー
とは異なり、運行の管理あるいは整備の管理、それから事故発生時の対応など、すべて
運転者
自身が責任を持たねばならないということで、私どもも厳格な資格要件を設けて対処しております。その
意味
では、本来、優良、優秀な
運転者
の
方々
がそれに従事しておられるわけですので、ぜひ、まず
公共交通機関
であるということを自覚の上で対応していただきたいと思います。 そして、今
先生
が御指摘になっておられますとおり、一方では、事業運営あるいは運行の時間帯等が
運転者
の自由にゆだねられているということに起因して、特定の時間帯のみに
サービス
が偏っている、あるいは居酒屋
タクシー
問題を含め、さまざまな問題が発生しております。 こういった問題に対しては、やはり
公共交通機関
としての役割を果たすという
意味
で、
事業者団体
の主体的な
取り組み
を促しながら、その是正を図っていく必要があると考えております。 また、今回の
法案
におきましても、
特定地域
において
タクシー
の
適正化
、
活性化
を図っていこうという試みの中には、当然、個人
タクシー
においても重要な役割を果たしていただきたい、かように考えております。
三日月大造
34
○三日月
委員
最後に、その個人
タクシー
のあり方も含めて、私
たち
は、法
改正
の中で、
道路運送法
を
改正
して
運転者
登録
制度
を拡大すべきだ、そして、この
タクシー
の資格
制度
のあり方についても、個人
タクシー
も含めてやはり
検討
を行っていくべきではないかという問題意識を提起しておりますけれども、その点についての
政府
の
認識
を伺って、私の質問を終わります。
本田勝
35
○
本田政府参考人
我が国の
タクシー
制度
というのは、
事業者
が運行の適切な管理あるいは従業員としての
運転者
の資質の向上を図る、そういった責務を果たしていただくという前提で、法人
タクシー
制度
というのが一般でございますけれども、こうした中にあっても、なかなか
事業者
の方で
運転者
の方の管理が行き届きにくい、例えば流しが多いような
地域
におきましては、
タクシー
業務
適正化
特別
措置
法に基づいて
運転者
の登録
制度
を実施させていただいて、
運転者
御自身の資質の向上を別の
制度
によって担保していく、こういった道筋がございます。 そして、もともとはこれは東京と大阪で実施してまいりましたが、本
委員会
で御
議論
の上、法
改正
が成立しまして、昨年の六月からは札幌など主な政令
指定
都市まで拡大し、現在、十三
地域
でこういった
制度
が導入されております。 したがって、
運転者
登録
制度
の対象
地域
のさらなる拡大、あるいはその
制度
の拡充という点については、
交通政策審議会
答申
では、この
制度
の
改正
の成果を見ながら対象
地域
のさらなる拡大を
検討
すべきである、こういう御指摘をいただいておりますので、文字どおり、今回の
制度
改正
の成果あるいは各
地域
の
タクシー事業
の実態を見ながら、前向きに、必要な
検討
を行ってまいりたい、かように考えております。
三日月大造
36
○三日月
委員
ありがとうございました。
望月義夫
37
○
望月委員長
次に、川内博史君。
川内博史
38
○川内
委員
川内でございます。おはようございます。
政府
提出
の
特別措置法案
、さらには民主党を初めとする野党
提出
の
タクシー
改革
法案
二
法案
について、
与野党
の協議も、真摯な
議論
の中でそろそろまとまりそうな気配であるというふうに思います。 大きな成果が生まれようとしているわけでございますが、本日の私の質問は、平成十二年五月に成立をし、平成十四年二月に施行された
改正
道路運送法
、いわゆる
規制緩和
、
規制
改革の代表的な
法律
になっているわけでございますけれども、これが、小泉
内閣
のもとで
行政
改革担当
大臣
もお務めになられた金子
国土交通大臣
でいらっしゃいますので、この平成十二年の五月に成立した
改正
道路運送法
のもとになる、平成十一年四月九日、運輸政策
審議会
自動車交通部会が出している報告書には、「
タクシー
の
活性化
と発展を目指して」というタイトルがついております。「
タクシー
の
活性化
と発展を目指して」と。 そもそも、平成十二年の
改正
が
活性化
と発展に資するものであったのか、全く逆ではなかったのかという根本的なところを総括せずして、小手先のびほう策だけで、今の
タクシー
の
業界
、
運転手
さん、あるいはお客様も含めて、改善あるいは前進をしていくことはないのではないかという問題意識で、そもそもどうであったのかというところから
議論
をスタートさせていきたいというふうに思います。 そこで、まず金子
大臣
に総括的に御
答弁
をいただきたいんですけれども、今私が申し上げた、この平成十一年四月九日、運輸政策
審議会
自動車交通部会、「
タクシー
の
活性化
と発展を目指して」と題する
答申
、需給調整
規制
の廃止、
運賃
規制
の廃止が大きな柱として示されて、
改正
道路運送法
に至る。金子
国土交通大臣
にお伺いしますが、ごくごく単純に、これは
タクシー
の
活性化
と発展に資したんですか、この
改正
道路運送法
は。
金子一義
39
○金子国務
大臣
この全体の
規制緩和
というのは、土光臨調以来、ずっと長い間
議論
してまいりました。その後の
規制
改革
会議
でも引き継がれて、これは
タクシー
だけでなくて、いろいろな分野での
規制緩和
議論
があったんだと思います。 今の平成十一年四月の運輸政策
審議会
の「
タクシー
の
活性化
と発展を目指して」という中で、やはり需要が一方で減っておりますけれども、だからこそ、そういう時期に
規制
を緩和して、今までの、完全に需給調整、全部
行政
が、あるいは官僚がすべてをいい悪いという
認可
制、許可というものにかわって、もっと
事業者
の創意工夫を生かしていきたい、そして創意工夫の結果として、当時、
消費者
利便という観点からもう一遍考え直してみようという
議論
の大前提があったと思います。そういう中で行われてきた結果であります。 結果として、
地域
によりましては、なかなか需要が伸びずに、需要が減る中で、一方で供給過剰が起こってしまった。その結果、事業収益の
悪化
、
運転手
さんの給料の低下といったような現象が起こってきている。こういういわば
地域
によるばらつき、ばらつきといいますか、需要が長期的に
地域
によりましては低迷するということ、こういう問題を改めて今回
議論
してみようと。 一方で、先ほど来
答弁
に出ておりますように、
消費者
の利便という点からいって、待ち時間が少なくなった、あるいは利便性が、いろいろな
サービス
の多様化が行われたという
意味
でプラスだったという面もありますので、そういう
意味
で、結果としてマイナスになっている
社会
的な現象、あるいは
タクシー
の公共性というものから考えて好ましくないと思うものはやはり直していこうというのが、今回、新たな提案であります。 そういう
意味
で、全体としての
規制緩和
という中で、
タクシー
がその
規制緩和
の結果起こってきている問題点を本
委員会
で見直していこうという
意味
で、ある
意味
大変画期的な
法案
といいますか、
議論
を我々はやっているんだと思います。
川内博史
40
○川内
委員
大臣
と私の
認識
は全く逆で、
大臣
は、全体としてはよかったのだ、一部不都合が生じているのでそこを
修正
するのだというお立場のようですが、私は、全体として間違っていたと。一部いいところも、もしかしたらあったかもしれない、しかし、全体としては間違いであるということから
議論
をスタートさせていかなければ、全く、今後の
タクシー
をめぐる、
公共交通機関
として位置づけるわけですから、そういう
タクシー
の
業界
、利用するお客様、あるいは働くドライバーの
皆さん
に対する、また間違った
方向
に行ってしまうのではないかというふうに思いますよ。 では、ちょっと検証していきたいんですけれども、そもそも、需給調整
規制
を廃止すべきである、あるいは
運賃
規制
を廃止すべきであるということを望んだ人はだれですか。
本田勝
41
○
本田政府参考人
背景といたしましては、
タクシー事業
の輸送需要をめぐり、減少が継続し、なかなか増加が見込めない、こういった現象に対して、当時、私どもの前身であります運輸省におきまして、この
タクシー事業
を
活性化
していくためにはどうしたらいいのかと。 当時は、
道路運送法
に基づきまして、需給調整
規制
、具体的には、新規参入に対しての免許制、それから、既存の
事業者
の方の車をふやそうという増車に関しては
認可
制をとっておったわけでありますが、年々
タクシー
需要が減っております中では、新しくその市場に入ろうとする
事業者
の人も入れない、あるいは、既存の
事業者
の人で事業を拡大して展開していこうという場合にも増車が認められないという閉塞感がございました。 そういったことを打開して、意欲と能力のある
事業者
の人に市場に参入していただくとともに、事業を拡大していただく、そういうチャンスを与えよう、これが、その当時運輸省として考えました原点でございます。
川内博史
42
○川内
委員
いやいや、私が聞いているのは、運輸省が考えたことを聞いているんじゃなくて、需給調整
規制
を廃止すべきである、あるいは
運賃
規制
を廃止すべきであるということをだれが望んだんですか、だれが要望したんですかということをお聞きしているわけでございます。
本田勝
43
○
本田政府参考人
その点につきましては、当時の運輸省として、各方面としか申しようがございません。例えば、
利用者
を含めた
消費者
の
方々
から、
タクシー
についてやはりもっと
競争
促進をすべきではないかといった御
議論
、あるいはマスコミの
方々
を通じた御意見、あるいは
政府
のさまざまな機関からの御意見も参考にしながら、運輸省としてそういった方針を策定させていただいたところでございます。
川内博史
44
○川内
委員
この運輸政策
審議会
の前段で、
政府
の
行政
改革
委員会
規制緩和
小
委員会
の中で
議論
をされているわけですけれども、そのときに、需給調整
規制
を廃止すべきである、
運賃
規制
を廃止すべきであるという意見を寄せているのは、経団連あるいは日本商工
会議
所、さらには、個人として数名ですね。
業界
団体あるいは
タクシー
のドライバーさんの集まりである労働組合の
皆さん
、数十の団体はすべて、廃止したら大変なことになるよ、問題が起きるよと、今日の事態を予想して反対の意見を寄せておりますね。 そのことはお認めになりますか。
本田勝
45
○
本田政府参考人
規制緩和
の当初の方針の
議論
からその実施に至るまで、かなり時間がございますので、その折々に触れて、
事業者団体
あるいは
運転者
の
方々
の代表の
方々
の御意見をいただいております。確かに、その当初におきましては、
先生
のおっしゃるとおり、
事業者団体
及び
タクシー
運転者
の労働組合の
方々
からは、非常に否定的、消極的な御意見が多かったのは事実でございます。
川内博史
46
○川内
委員
タクシー
問題については、当事者は、
タクシー事業
者、ドライバーの
皆さん
、そして
消費者
の
皆さん
、
利用者
の
皆さん
、当事者が三者いらっしゃるわけでございます。 まず、
タクシー事業
者について、法
改正
後の
状況
、現状をどう見ていらっしゃるのか、そしてまた、
タクシー事業
者の
皆さん
がこの現状に対してどのような要望を持っていらっしゃるのかということ、これをちょっと
国土交通
省から御
説明
いただきたいというふうに思います。
本田勝
47
○
本田政府参考人
タクシー事業
の
規制緩和
あるいは昨今の輸送需要の低迷といった
状況
に対して、まず、
事業者団体
がどう受けとめてまいったかという点について、私どもに寄せられております要望書等における主なところを御
紹介
したいと思います。 まず、輸送需要が減少する中、
タクシー
車両数が増加し、全国各地で供給過剰となっている、供給過剰の問題でございます。そして、供給過剰による客待ち違法駐車や交通渋滞が引き起こされ、環境にも悪影響を及ぼしている、さらには、
運転者
賃金
の低下等により良質な
運転者
確保が困難な
状況
をも惹起している、こういった現状
認識
が示されておりまして、これに対しての
対策
を早急に講ずるように、そういった強い要望をちょうだいしておるところでございます。
川内博史
48
○川内
委員
現状に対する
タクシー事業
者の
皆さん
の要望を受けて今回の法
改正
が行われるわけですけれども、その現状に対する要望の中に出てくる問題点というのは、平成十二年の法
改正
のときに、法
改正
をしたらこういうふうになってしまいますよ、大変な事態になりますよということを
タクシー事業
者の
皆さん
は予見していましたよね。全く同じことを言っていたでしょう。
本田勝
49
○
本田政府参考人
多くの点について懸念があったという点は事実であろうかと思いますが、一点だけ御
紹介
させていただきますと、最終的に、
道路運送法改正案
を当時の運輸省が取りまとめまして、その骨子案を全国に照会させていただいた段階で、当時の
タクシー事業
者の団体からは、こういう最終的な御意見をちょうだいしております。
一つ
は、その後、
道路運送法
に盛り込まれましたが、緊急調整
措置
の導入、
運賃
認可
制の堅持、それから、事業参入の許可あるいは増車の取り扱いについて、供給過剰による混乱が生じないよう有効な
措置
を講じられたい、具体的にはこんな要望をちょうだいしたところでございます。
川内博史
50
○川内
委員
最後の最後、お上が法
改正
するよと言われたら、それは、いたし方ございませんね、しかし、このぐらいお願いしますわと。それは、
国土交通
省と
国土交通
省に所管される
業界
団体との情報の非対称性と、それこそ言うのではないかというふうに思いますけれども。 では、
タクシー
の
運転手
さん
たち
はどうであったのか。平成十二年の法
改正
後の
状況
、現状をドライバーの
皆さん
はどう見ておられるのか、そしてまた、この現状についてドライバーの
皆さん
はどうしてほしいという要望を持っておられるのかということを
国土交通
省の方から御
説明
いただきたいと思います。
本田勝
51
○
本田政府参考人
タクシー
の
規制緩和
後あるいはその間の需要の低迷、こういったことを受けて、
タクシー
運転者
の団体の
方々
から寄せられた要望書、数々ございますけれども、幾つか御
紹介
したいと思います。 まず、現状
認識
として、供給過剰状態が深刻化している、低価格
競争
が拡大している、
運転者
の
賃金
、
労働条件
が著しく
悪化
している、交通事故が大幅に増加している、名義貸し等の悪質
事業者
が膨張している、こういった現状
認識
が示されました。例えば、要望書をそのまま読ませていただきますと、「今日の事態を引き起こした
規制緩和
政策を根本から見直して、新たな産業ルールを確立することが不可欠です。」こういった御要望をちょうだいしております。
川内博史
52
○川内
委員
その現状に対する
認識
と要望は、特に現状に対する
認識
は、平成十二年の法
改正
をする前に、そんな
規制緩和
をしたら交通事故が物すごくふえるよ、
労働条件
もめちゃめちゃ悪くなるよ、大変な事態に立ち至るよということをドライバーの
皆さん
はおっしゃっていましたよね。
本田勝
53
○
本田政府参考人
規制緩和
の実施以前においても、否定的、消極的な御意見を賜ったのは事実でございます。 先ほど御
紹介
した
事業者団体
と同様に、最終的に、
道路運送法改正案
等を当時の運輸省が骨子案として照会させていただきました。主な御意見を御
紹介
いたしますと、
事業者
の質の確保のために
現行
の免許
基準
と同等以上の許可要件を設定し、厳格な事前
審査
を行うこと、
運賃
の
認可
制は堅持し、不当廉売を防止するための明確な下限を設定すること、
運賃
の上下限の幅は
現行
の一〇%を拡大しないことといったような内容の要望書を最終的にはちょうだいしているところでございます。
川内博史
54
○川内
委員
いや、最終的にちょうだいした要望書を読み上げてくれということを申し上げたわけではなく、ドライバーの
皆さん
が懸念していたとおりの
状況
に今なっていますね、そのことを国交省として確認しますか、認めますかということを聞いているんです。
本田勝
55
○
本田政府参考人
平成十二年の法
改正
、十四年の実施後の
規制緩和
の成果につきましては、再三申し上げておりますとおり……(川内
委員
「成果を聞いていないじゃない。質問に答えるように言ってくださいよ、
委員長
」と呼ぶ) その後の
状況
についての
認識
を申し上げたいと思いますが……(川内
委員
「その後の
状況
についての
認識
なんか聞いていないじゃない。ちょっと下がって。もう一回質問するから」と呼ぶ)
川内博史
56
○川内
委員
局長
、私が聞いているのは、ドライバーの
皆さん
が、
規制緩和
をしたら交通事故がふえますよ、
労働条件
が
悪化
するんですよということをおっしゃっていた。
局長
は、否定的な意見とか消極的な意見とおっしゃったが、それは否定的な意見でも消極的な意見でもないですよ。将来を予見した意見ですよ。将来を予見した意見。 いいですか。
規制緩和
をするときに
規制緩和
側が何と言っていたか。需給調整
規制
を廃止して
運賃
規制
を撤廃すれば、
労働条件
はよくなるのだと言ったんですよ。書類の中にちゃんと書いてありますよ。
労働条件
はよくなる、事業基盤も強化される、
タクシー
会社ももうかります、
消費者
も
運賃
が下がってよくなりますと書いてあるんですよ、
規制緩和
側は。 全然そうはなっていないね、需給調整
規制
を廃止したら大変なことになるよと言っていた人
たち
の言うとおりになりましたねということをまずお互いに
認識
し合わないと、問題点がどこにあるかというのがわからなければ、解決策なんか出てくるわけないじゃないですか。そのことを私は確認しているんですよ。ドライバーさん
たち
が言っていたとおりになりましたねということを確認しているんです。
本田勝
57
○
本田政府参考人
失礼いたしました。 その
意味
では、
地域
によっては、需要が長期的に低迷する中で、車両数が現実に増加して、その結果、
タクシー
運転者
の
労働条件
が
悪化
する、あるいは交通事故が増加するといった形で、
公共交通機関
としてのマイナス面が生じていることも事実でございます。
川内博史
58
○川内
委員
大臣
、これは、私ども政治の立場にいる者が、あるいは
政府
としてはもちろんのことだと思うんですが、一番現場に詳しい方
たち
、
事業者
、そしてまたドライバーさん
たち
がおっしゃっていたような懸念というものが顕在化したということについては、素直に、おっしゃるとおりであったということを認めなければいかぬというふうに思いますが、
大臣
、御所見を聞かせてください。
金子一義
59
○金子国務
大臣
これが十二年に法
改正
されて、十四年に施行された。それ以降起こってきた問題。特に、建前を改めて申し上げますけれども、
タクシー
の
公共交通機関
としての役割というものを欠くような
状況
というのも出ているのではないかということが、まさにそういう
意味
で、今回の
法案
のベースとなります
反省点
、問題点というものが、
タクシー事業
をめぐる今回の
答申
に、関係者の
皆様方
に集まっていただいて、ここでそれぞれの意見を開陳し合い、そして
答申
として今回出てきたわけですから、当然に、川内
委員
が言われた、特に当時だれが、
タクシー
の
運転手
さんの組合が言ったか、
事業者
が言ったかということ以上に、その両方を見て、公共性という観点からどういう
状況
が起こっているのか。 したがって、どういうことを対応していかなければいけないかということは、まさに今回、このベースとなります
答申
の中に、
皆さん
、言っていただいているんだと思います。これを読んでいただければ、
委員
が言いたいこともこの中にかなり入り込んでいますよね。そう思いますよ。
川内博史
60
○川内
委員
いや、
大臣
、そこがちょっと違うんですね。私も、当然これを見せていただきましたけれども、これの前身になる平成十八年の七月の
交通政策審議会
陸上交通
分科会自動車交通部会
タクシー
サービス
の将来ビジョン小
委員会
報告書というのがあるんですね。この中には、さまざまに起きている問題は市場の失敗だと書いてあるんですよ。
規制緩和
したこと自体は間違いではないんだけれども、市場の失敗であると総括しているんですね。そうじゃないでしょう、政策の失敗だろうということを素直に認めるところからスタートしなければいけないのではないかというふうに思うんですよ。 だから、
大臣
、この報告書に書いてある市場の失敗を今さら、平成十八年七月の文書ですから、政策の失敗というふうに書きかえろとか、そんなできもしないことは私は言いませんよ。だからこそ、この
委員会
でみんなが懸念していたことがそのとおりになりましたねという
認識
については、そうだね、そうなったねということは、
大臣
としてお認めをいただかなければならぬというふうに思うんですけれども、
大臣
、いかがでしょうか。
金子一義
61
○金子国務
大臣
認める、認めないという話ではなくて、よりよい、繰り返しますけれども、供給過剰の結果起こっている事項というものをきちんと
修正
していこう、それはもう
与野党
ともに、今度かなり、もう既に言われていますように、今回の
法案
の
修正協議
の中で共通
認識
として出てきているところでありますから、そういう
意味
では、まさに今回、こういう
規制緩和
で起こったことへの問題点の
反省
というものを我々はベースにして
議論
しているんだと思います。
川内博史
62
○川内
委員
いや、私は、無理やり認めろとか言っているわけではなくて、
事業者
の
皆さん
やドライバーの
皆さん
が
規制緩和
をする前におっしゃっていたことが現実のものになりましたねということを、
局長
に御
答弁
いただいた上で、
大臣
にも、そうなりましたねということを確認してくださいということを申し上げているわけですね。それを、いや、そんなことは問題じゃないんだと言われると、これは今後の
議論
が、流れがなくなるんですよ。 だって、
事業者
とドライバーが言っているとおりの、交通事故がふえますよ、そんなことをしたら交通事故がふえるんです、
労働条件
は
悪化
して大変なことになりますということをみんなが言っていたのに、そのことを、あえて、
労働条件
はよくなるんだ、交通事故も減るんだ、
経営
基盤は強化されるんだという
規制緩和
側の意見を取り入れて、需給調整を廃止して、
運賃
規制
も廃止したわけですよね。 そういう経過があるわけですから、そういう経過を
説明
した上で、でも、やはりきちんと認めるべきですねということを申し上げているわけですから、
大臣
、そこは、
事業者
側やドライバーさんがおっしゃっていたことが現実のものになったねということは、それはそのとおりだ、だから
改正
するんだと言わないと、いや、それは問題じゃない、でも
改正
するんだと言うんじゃ、
議論
にならないんですけれども。
本田勝
63
○
本田政府参考人
規制緩和
を実施させていただく際に、まさに
先生
が御指摘のとおりの懸念があったことは事実でありますし、
地域
によって
状況
の差はありますけれども、まさにそういった懸念どおりに、需要が低迷する中で車両が増加するといった事態で、その結果、懸念されておりました
労働条件
の
悪化
あるいは交通事故の増加といった現象が生じたのは事実であります。 なおかつ、先ほど
先生
が十八年の
答申
を市場の失敗ということで御
紹介
いただきましたとおり、単に市場に多少の手を加えるだけではこの問題の解決は済まない、まさに、今回の法的
措置
、そういった
規制
を見直すということも含めて今回
対策
を講じたいというのが、この
答申
に基づく我々の考え方でございます。
川内博史
64
○川内
委員
政策の失敗とは口が裂けても言いたくないと。そこが、やはり今日の政権の限界を如実に露呈しているなと私は感じるわけですよ。 なぜかならば、やはり問題があった、問題はここだ、それはなぜ生じたのかということを素直に認めることからしなければ、それは問題点の解決なんかとてもとてもできないですよ。市場の失敗だ、市場が失敗したから
規制
を強化するんですというのは、それはちょっと余りにも、それこそ我田引水が過ぎるというか……(発言する者あり)いやいや、そんなことはないですよ、言い過ぎじゃないですよ。(発言する者あり)いやいや、みんなと会話しながら
委員会
質疑
を、余り批判だけしていると、とげとげしくなりますから。和やかな雰囲気も大事ですから。 それでは、
局長
は、懸念されていた事実が現実のものとして起きたということは認めたわけですね。懸念されていたことが現実のものとして起きたということは認めた。それは、
国土交通大臣
、そのとおりであると確認してください。
大臣
が確認するだけですから、そのとおりだと。
金子一義
65
○金子国務
大臣
少し
論点
が、本来、
規制緩和
というのを何のためにやったかというのはありますよね、やはり
消費者
利便と。
タクシー
の
事業者
、それから
運転者
、同時に
消費者
。これは決して平成十八年の
答申
だけでなくて、もう土光臨調からずっと
規制
改革あるいは
行政
改革の
議論
の中で行われてきたことでありますから、当然に、その懸念された事実が起こったということは、今、つまり、
運転手
の
賃金
の低下につながったということも事実だと思います。 ただ、それが全部、全国で起こったという、今回そういう
認識
ではなくて、やはり
地域
によって供給過剰が行われた。随分
地域
性があるじゃないですか。はっきりそれが出ていますよね。 ですから、そこは、
規制
改革の趣旨は何だったのか。あれはあくまでも、やはり
消費者
の利便性、
サービス
の多様化、企業の創造力の発揮というところも求めてきたのが今回の
規制緩和
であります。それから、繰り返しますけれども、需給調整に完全に、増車をすべて、一台一台の増車、減車も含めて、官僚の手に戻すなんということは全く考えていませんから、いわば
事業者
の創意工夫というものをやはり生かしていくんだということ、そういう観点から、今回、
規制緩和
全般が行われてきた。 ですから、繰り返しますけれども、いい
部分
もあった、ただ一方で、供給過剰という結果、あるいは
タクシー
という
業界
の持つ特性として歩合制といったようなものもありますから、その結果として、
事業者
の対応、そして、その結果、
運転手
の給料の低下ということを招いてしまった。事故の多発というのもそれが一因。 そこは素直に、こういう事実も起こっているということは
反省
しながら、したがって、今回のそういう供給過剰
地域
に対しては非常に厳しい
措置
。あるいは、悪質業者、最低
賃金
法すら守られない、十何%もあったというのは私も実は愕然として聞いていたんですけれども、そういうものに対しては、きちんとした対応、監査というものをきちっと強化していくということを今回の
法案
の中に盛り込んだ。 それから、もう
一つ
は、
運賃
の決定の仕組みについても、民主党の、野党の
皆様方
から御提案いただいた
部分
については、それなりの工夫を、今度の
法案修正
の中で今御相談をされているということ、そういう
認識
であります。 したがいまして、いいところ、悪いところ、
規制緩和
全体としてもたらしたものを、我々、もたらした結果、マイナス面というのは当然認め合いながら、さらに前に向けていこうと。
道路運送法
全体を
改正
していろいろな手直しをしていこう、歩合制についてもどうやっていこうかというのは、
タクシー
の
運転手
さんの給与のあり方についても
検討
してもらうわけでありますから、まだまだ見直すべき点は、さらにこの
国土交通委員会
でも、当然に引き続き行われていくべき事項だと思っております。
川内博史
66
○川内
委員
私は、
規制緩和
全体が悪いとか悪だと言うつもりは全然なくて、
規制緩和
にもいい
規制緩和
と悪い
規制緩和
があるでしょうと。
タクシー
の場合には、悪い
規制緩和
になってしまっているのではないかというふうに思うんです。 金子
大臣
が
消費者
利便の向上という言葉をお使いになられましたが、それでは、
消費者
、
利用者
の
皆さん
について、法
改正
後、この
タクシー
の現状について、
消費者
の
皆さん
がどう見ていらっしゃるのか、
利用者
の
皆さん
がどう見ていらっしゃるのかということを教えていただきたいと思います。 〔
委員長
退席、中山(泰)
委員長
代理着席〕
本田勝
67
○
本田政府参考人
お答えを申し上げます。 平成十七年九月に、
利用者
のアンケート調査をさせていただきました。その数字を御
紹介
したいと存じます。 問いかけとして、昔と現在、昔というのは三年より前ということで、当時の
規制緩和
の前に比べてというような質問の設定がされておりますけれども、それに対して、
タクシー
の待ち時間の問題について、昔と比べてよくなっていると思うと回答された方が二四・六%、一方で、昔と比べて悪くなっていると思うと回答された方の割合が二・九%でございました。 また、各種
運賃
の割引の多様化について、昔と比べてよくなっていると思うと回答された方が三八・五%、昔と比べて悪くなっていると思うと回答された方は三・〇%です。 他方で、
運転者
の道の詳しさといった要素につきましては、昔と比べてよくなっていると思うと答えられた方は七・〇%に対して、昔と比べて悪くなっていると思うと回答された方は二六・一%ということでございます。
川内博史
68
○川内
委員
社会
生産性本部に委託して、サンプル数が千八百ぐらいでお調べになられた調査の結果を今発表していただいたわけでございます。平成十七年の九月のものであるということでございまして、どういうサンプルをとったのか、どのようにとったのか、どういう聞き方をしたのかということの詳細が明らかではないので、どのくらいその調査に信をおくかは別にして、同じ調査で、
消費者
のニーズが最も強いものとして、「
運賃
が少しでも安いこと」ということにやはり
消費者
は最も敏感に反応するわけでございます。 では、法
改正
後、平成十四年施行後、
運賃
は安くなっているんでしょうか。
本田勝
69
○
本田政府参考人
お答えを申し上げます。 まず、
規制緩和
以降、
タクシー
運賃
については、一般的に多様化が進み、具体的にはさまざまな形態がございますけれども、以前に比べまして、いわゆる割引
運賃
が全国で導入されたという点を申し上げたいと思います。 もう一点、一方で、
基本
運賃
につきましては、平成七年以降、実質的に据え置かれてまいりましたけれども、
タクシー
運転者
の
労働条件
が
悪化
していくということを背景に、平成十八年六月以降、全国の多くの
運賃
ブロックで
タクシー
運転者
の
労働条件
の改善を主たる目的とした
運賃
改定の申請が出され、これを受けて、平成十九年四月以降、
運賃
改定が実施され、現在、全国九十三
運賃
ブロックのうち五十八ブロックでは
運賃
の値上げをせざるを得なかったという
状況
でございます。
川内博史
70
○川内
委員
現在の
状況
では、五十八ブロックで
運賃
値上げをせざるを得ない
状況
になっていると。
消費者
にとっては、
運賃
についても上がってしまったということなわけで、結局、
タクシー
に関しては、
事業者
の
皆さん
も、ドライバーの
方々
も、あるいは
利用者
、
消費者
の
皆さん
も、すべての当事者にとって、一体平成十二年の法
改正
は何だったんですか、一体何のための
規制緩和
だったんでしょうね、だれのためだったんでしょうねということになっているのではないかというふうに思います。 昨年十二月の
交通政策審議会
答申
にもあるように、道路混雑等の交通問題や環境問題、都市問題も含めて、デメリットの方が多かったのではないか、その
原因
は、法
改正
による供給過剰、要するに、需給調整
規制
を
原則
廃止して供給過剰になってしまったと。 この、市場の失敗ではなく政策の失敗であるということを素直にまず認めなきゃいかぬというふうに思いますが、まあ、金子
大臣
に聞いても絶対にそうだとは言わないと思いますので、指摘だけして、市場の失敗ではなく政策の失敗であると。 私は、今後、
タクシー
問題での
議論
を
審議会
などでされるときに、やはりそこを有識者の
先生方
にも、ごまかさずにしっかり、失敗と言うと言葉が強いので、政策が不十分であったとか、十分ではなかったとか、そういう言葉でもいいですから、そもそもみんなが指摘していたことがそのとおりになったわけですから、そのことは素直にお認めになられた方がよろしいかというふうに思います。 ところで、
タクシー
問題については、当事者がもう一人いるわけでございまして、実は、日本経団連のホームページに掲載されている資料でございますが、平成八年の十二月二十六日付の経団連の新産業・新事業
委員会
企画部会報告書、「日本型コーポレート・ベンチャーを目指して」という文書の中の経団連加盟企業の各社の
取り組み
事例として、オリックスさんが自社の新規事業の成功例を挙げております。 それによりますと、「成功例として、オリックス・オートリース、オリックス・レンテックが挙げられる。オリックス・オートリースは、車両十八万台を所有して、メンテナンスを中心にオートリースを行っている。全国
タクシー
合計が二十五万台であり、かなりのシェアを確保している。」「かなりのシェアを確保している。」というふうにこの経団連の報告書の中でオリックスさんが述べていらっしゃいます。 オリックスというのは、紛れもなく
タクシー
問題の当事者の一人。どういう
意味
の当事者の一人であったかというと、オリックスの最高
経営
責任者である宮内義彦氏が、
規制緩和
の旗振り役であり、また、
タクシー
の
規制緩和
についても、
行政
改革
委員会
規制緩和
小
委員会
の座長を務めていたということでございますが、まず、この事実を確認してください。
宮島守男
71
○
宮島
政府参考人
お答え申し上げます。
規制緩和
小
委員会
は平成七年四月に発足をしたわけでありますが、当初は椎名さんという方が座長をしておられましたが、平成八年四月から宮内座長となっております。
川内博史
72
○川内
委員
では、最初は椎名さんが座長で、次は宮内さんが座長になったよということを教えていただいたわけでございます。 そこで、ちょっと確認をさせていただきますが、
タクシー
の
規制緩和
に関する宮内さんの役割でございますけれども、当初、
行政
改革
委員会
が発足をし、第一次意見というものが椎名座長のもとで出された。その中には、
タクシー
の需給調整
規制
の廃止、あるいは
運賃
規制
の廃止というものは書かれていなかった。 その後、宮内さんが座長になられて、平成八年の七月、
規制緩和
小
委員会
が宮内座長のもとで「
規制緩和
に関する
論点
公開(第四次)」を公表し、その中で、
タクシー事業
の参入、価格
規制
の見直しが
論点
の項目の
一つ
に取り上げられた。 さらに、同年、平成八年十二月に
行政
改革
委員会
が
規制緩和
小
委員会
のもとでまとめた
規制緩和
の推進に関する意見、第二次意見の中で、
タクシー
について、需給調整
基準
を段階的に緩和、需給調整
規制
の廃止に宮内座長のもとで言及をしたということでよろしいですね。 〔中山(泰)
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
宮島守男
73
○
宮島
政府参考人
お答え申し上げます。
基本
的には御指摘のとおりでございますが、一点だけ補足をさせていただきますと、椎名座長のもとでありました第一次意見におきましても、
タクシー
についての需給調整、具体的な改革案の提言はございませんが、その中で、「平成七年度は、以下の四項目」ということで車検等の改革が取り上げられているわけですが、「以下の四項目を取り上げ意見具申を行うこととしたが、八年度以降、
タクシー
、航空等他の項目についても取り上げることとしている。」というふうになっているところでございます。
川内博史
74
○川内
委員
第一次意見の中では、平成八年度以降、以降に取り上げるということですから、まさしく平成八年に取り上げたのは宮内座長の御
判断
であったということになるわけでございますが、その宮内座長がこれを取り上げたということの根拠でございます。 平成七年四月十二日に
行政
改革
委員会
委員長
決定文書として、「
規制緩和
小
委員会
の設置及び参与の依頼について」という文書がございます。この中で、
規制緩和
小
委員会
の小
委員長
というのはまた別にいらっしゃるわけでございますけれども、この小
委員長
は宮崎さんという方でございますが、「小
委員長
を補佐し、小
委員会
の運営をつかさどる座長を置くこととし、小
委員会
の構成員のうちから
委員長
が指名する。」ということで宮内さんが座長になっていらっしゃる。運営をつかさどるということで、実質的には宮内さんが
規制緩和
小
委員会
を取り仕切ったということでよろしいですね。
宮島守男
75
○
宮島
政府参考人
取り仕切ったというか、小
委員長
、座長、それからメンバーの
委員
、全体として合議体としていろいろ御
議論
され、その結果をまとめられたというふうに理解しております。
川内博史
76
○川内
委員
私は、利害関係を持つ当事者が、利害関係というのはこの場合でいうと、宮内さんはオリックス・オートリースあるいはオリックス自動車を
経営
されていらっしゃって、自動車をリースしていますよという
意味
において、利害関係を持つ当事者が
審議会
の場などで意見を述べるのは、これは当然のことだと思いますよ。しかし、
審議会
の
委員
として意見を述べる場合には、非常勤の一般職の国家公務員として、公正中立な立場で議事進行あるいは取りまとめなどを行う座長でなければならないというふうに思います。 座長として、
論点
として取り上げて、そしてまた、
自分
の仕事に直接利害関係を及ぼすことについて取りまとめていく立場を宮内さんにお任せしたというのは、ちょっと不適切ではなかったのかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
宮島守男
77
○
宮島
政府参考人
あくまでも、当時、どういうふうに
委員
が選任されたかということでございますが、必ずしも過去のことを詳細に理解しているわけではございませんが、一般的に申し上げまして、もちろん合議体の中には、いわゆる利害調整、利害関係者、三者構成等のいわば調整の場とするような合議体もあるわけですが、このような政策課題を建議したり
答申
したりするという合議体にありましては、一般的には、まさに各界の有識者にお集まりいただいて、その中でいろいろな御意見の中から意見が取りまとめられていくというふうに理解をしております。 どこかの代表者ということで利害関係者として御発言いただくような、そういうことにはなっていないものだというふうに理解をしております。
川内博史
78
○川内
委員
だから、先ほども申し上げたように、
審議会
の
委員
として意見を言うこと自体は何ら問題ないと思います。それぞれの利害を代表していろいろな方が
審議会
に
参加
していらっしゃるわけですから、それはいいと思いますけれども、取りまとめ役になるというのはどうかということを問題提起しているわけです。 まず、ちょっと総務省に確認しますけれども、
審議会
のメンバー、あるいは、この場合でいうと、
行政
改革
委員会
規制緩和
小
委員会
のメンバーというのは、非常勤の一般職国家公務員である。
審議会
に
参加
するときは、
審議会
で意見を述べるときは、非常勤の一般職国家公務員として述べるということになりますね。よろしいでしょうか。
笹島誉行
79
○
笹島
政府参考人
お答え申し上げます。
先生
御指摘のとおりでございます。
川内博史
80
○川内
委員
そうしますと、国家公務員法の縛りが出てくるわけでございますが、総務省にお伺いします。 国家公務員法第九十六条、服務の根本
基準
、「すべて職員は、
国民
全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」という規定、同じく国家公務員法第九十九条、信用失墜行為の禁止の規定は、これら
審議会
の
委員
など非常勤一般職国家公務員の
皆さん
にも適用されるという理解でよろしいでしょうか。
笹島誉行
81
○
笹島
政府参考人
一般論で申し上げますと、国家公務員法は常勤、非常勤問わず適用されておりまして、
先生
御指摘の国家公務員法第九十六条第一項あるいは同法の第九十九条は、常勤、非常勤問わず適用されているところでございます。
川内博史
82
○川内
委員
特に国家公務員法第九十九条。九十六条は、憲法にも、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」みんなのために仕事をするんだよということを書いてあるわけですから、当然のことである。 さらに、国家公務員法九十九条、信用失墜行為の禁止の規定の趣旨は、「職員は、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを
認識
するとともに、日常の行動について常に公私の別を明らかにし、職務やその地位を私的な利益のために用いてはならない。」 信用失墜行為の禁止の規定の趣旨というのは、「職務やその地位を私的な利益のために用いてはならない。」という趣旨でよろしいでしょうか。
笹島誉行
83
○
笹島
政府参考人
お答え申し上げます。
先生
今御指摘のありましたことにつきましては、過去、平成八年の十二月十九日
事務
次官
会議
におきまして、「
行政
及び公務員に対する
国民
の信頼を回復するための新たな取組について」という申し合わせが行われまして、この申し合わせにおきまして、「職員は、」「職務やその地位を私的な利益のために用いてはならない。」というふうに規定されているところでございます。 国家公務員法の九十六条あるいは九十九条の規定というのは、こういった趣旨を含むものというふうに理解しております。
川内博史
84
○川内
委員
とすれば、オリックスさんの場合には、日本経団連にオリックスさんがみずから報告した報告書の中に、
タクシー
台数は二十五万台で、オリックス・オートリースはかなりのシェアを確保しているというふうに平成八年の段階でおっしゃっていらっしゃる。ちょうど、
規制緩和
小
委員会
で座長として
議論
を取りまとめていらっしゃる時期と同時期であります。 私は、
タクシー
の
規制緩和
を
論点
に持つ
委員会
の座長として、やはりどうだったんだろうかという疑念をぬぐい去ることができないんです。 一般論としてお伺いしますが、職務やその地位を私的な利益のために用いたことがもし明らかになったならば、宮内さんが座長として、
規制緩和
の、
タクシー
の需給調整
規制
を外すよ、外した方がいいですよという意見を取りまとめたというのは、国家公務員法九十六条、九十九条に違反するのではないかということになってしまうと思うんですけれども、いかがでしょうか。
笹島誉行
85
○
笹島
政府参考人
お答え申し上げます。 公共の利益のために勤務する国家公務員というものは、先ほど申し上げましたように、第九十六条の趣旨、あるいは九十九条の趣旨を踏まえて勤務するべきものでございまして、こういった規定を遵守するというのは当然のことでございます。ただ、具体的なケースがこれらの規定に抵触するか否かということになりますと、一義的には任命権者が御
判断
するということになっておるところでございます。
川内博史
86
○川内
委員
具体的なことは、個別具体の事例に照らして任命権者が
判断
することであるということでございます。 平成八年、九年、十年、十一年、十二年、そして十四年の施行の間、オリックスさんが
タクシー業界
に対するレンタルあるいはリースの車両台数をどのように営業していらっしゃったのかということが、経団連の資料からしかわからないので、私も確たることをここで申し上げることはできないわけでございますけれども、またこの件については引き続き
議論
を深めていきたい。 私は、
規制緩和
、特に
規制緩和
の
委員会
の
委員
のあり方については前々から疑問を持っていたので、一度、ちょっと厳密にみんなで考えた方がいいかなというふうに思っておりますので、引き続きの
議論
をさせていただくことをお約束申し上げて、ちょっとまだ質問が余ってしまったんですが、あしたもあるみたいなので、ここで終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
望月義夫
87
○
望月委員長
次に、
穀田
恵二
君。
穀田恵二
88
○
穀田
委員
私は、まず最初に、新型インフルエンザの観光への影響についてただしたいと思います。
政府
並びに観光庁としてどのような調査をこの問題について行っているか、そして、観光庁として、新型インフルエンザによる神戸や京都における観光への影響をどのように
認識
、掌握しているのか、お答えいただきたいと思います。
本保芳明
89
○
本保
政府参考人
お答え申し上げます。 まず、影響の調査でございますが、御案内のとおり、インフルエンザの発生以降、修学旅行を初め旅行のキャンセルが数多く発生しております。このことから、宿泊業関係の団体などからも、業況が
悪化
したということで国からの
支援
が求められておりますので、その
状況
を把握するということで、日本旅行業協会を通じまして修学旅行のキャンセル
状況
の調査を行いますとともに、地方運輸局を通じまして宿泊施設への影響を調査しているところでございます。 また、五月二十二日には、
政府
の
基本
的対処方針が定められまして、外出については自粛
要請
を行わない、それから、集会、スポーツ大会等につきましては一律に自粛
要請
を行わない、こういうふうに方針が決定されましたので、こうした
状況
を踏まえた対応が自治体等できちっとなされているかどうか、こういう観点から、各都道府県に対しまして、新型インフルエンザ発生に起因する観光産業への影響の実態や、二十二日の対処方針の決定を受けた出張あるいは行事などの対応
状況
の変化について調査を行っているところでございます。
穀田恵二
90
○
穀田
委員
神戸と京都はどうやと聞いているんだけれども、出ていなかったので、まあ、いずれにしても、大変だということなんですよね。 それで、今、自治体への協力をお願いしていると言いましたけれども、私がつかんでいる範囲内では、今、修学旅行のキャンセルという話がありました。これは、京都市の調査は旅行代理店の調査報告をそのまま使っているにすぎないんですね。こういう程度のものなんですわ。 観光客が来るか来ないか、それから、宿泊が来ないかというのは、実は、輸送に関係しているから言っているんですよね。その前ぶれとつかんでいただければありがたい。 ところで、インフルエンザの影響はいろいろなところに及んでいます。今ありましたように、宿泊の問題、キャンセルとありましたけれども、例えば煎茶道大会の様相はつかんでいますか。それから、本
委員会
では
タクシー業界
の供給過剰と
規制
強化をめぐって今、
議論
をしています。
タクシー業界
は、
規制緩和
、それから昨年来の
経済
危機、そして三つ目に今回のインフルエンザ、三重苦と表現しているほどであります。このような
議論
をしている最中に、この
タクシー業界
への影響はどの程度あったと掌握しているのか、お答えいただきたい。二つ。
本保芳明
91
○
本保
政府参考人
観光関係につきましてお答え申し上げますが、行事やイベントの中止
状況
、これは、一般的には把握しておりますけれども、今お尋ねのございました全国煎茶道大会といった形で、
個々
の行事、イベントが開催中止になったか、延期になったかというところまでは把握しておりません。
本田勝
92
○
本田政府参考人
タクシー
の
状況
について御
説明
を申し上げます。 京都の
状況
で御報告したいと思います。 ちょっと、全体の数量的な情報は把握しておりませんけれども、一部大手の企業に対する聞き取り調査などでは、京都の場合、修学旅行生が利用されます観光
タクシー
というものがありまして、その予約
状況
でまいりますと、六月予約分について、既にその半数を超えるキャンセルが出ているといったような影響を受けている企業もございます。 こうした事態を受けて、京都の
タクシー業界
では、やはり、今回の新型インフルエンザの影響で修学旅行が中止になり、観光地の人影が途絶えておる、あるいは、昨年秋からの景気の落ち込みといったことも含めて
タクシー
需要が低迷している中で、観光地ではまさに二重の影響を受けている、こういった
認識
を持っておられ、この
認識
に立って、
タクシー業界
として、地元の公共団体を初め、我々の地方運輸局に対しても
支援
策の要望をされているという
状況
でございます。
穀田恵二
93
○
穀田
委員
私、きのう言ったんですよ、これはちゃんとつかんでくれと。電話番号もちゃんと教えたんやけれども、そこまで丁寧にやってもこの程度やから、本当に、どういうふうな実態があるのかということについて、そんなこともあるのかということぐらいつかみなさいよと私は思うんですね。 私がつかんでいるので言うと、五月二十三、二十四日に第五十四回全国煎茶道大会が、全国の茶道の三十流派が黄檗山萬福寺に集まっているんですよね。それで、お茶席があって、例えば使用予定の生菓子三千四百個、これはキャンセルなんです。お菓子というのは、あんがあったものを使うわけにはいかへんわけやね。全部捨てなくちゃならぬ。一軒のお菓子屋さんだけで七十万円近くのロスがある。こういうふうに影響が起きているということを、先ほど、一般的には把握していないと。把握してくれなきゃ困るというんですよ、そういうものを。 それから、
本田
局長
は、全体を把握していないが、こうくるわね。こんなもの、今
タクシー
の話をしているんやから、京都だって、
タクシー
全体がもうまとまっているわけやから、そこに聞けばわかるわけで、そういうものが非常に、
議論
している最中にこういう話をすると、全体を把握していない、こうくる。この情けなさというの、わかりますか。私は、本当にだらしがないというか、もう情けないなというふうに思うわけです。 例えば、半数以上と言いますけれども、京都の中堅
タクシー
会社でいえば、七十六校キャンセルを受けて、七千万円の損失。京都市などは、秋口に必ずそれが返ってくると言うわけですよ。修学旅行で九割返ってくる、こう言うわけですよね。 しかし、九割返ってくると言うけれども、それでは、四月、五月に来なかった
部分
が、そのままぼんと加算されるのか。そんなことはあれへんわけやね。そやから、キャンセル料ももらえない。だから、どうするか困っている。だから、何が困っているか、何が起こっているかということをしっかりつかまなあかんと私は思うんです。 そこで、この問題について、
大臣
に最後に一言言いたいんですけれども、これは観光
地域
自身が疲弊をしている。だから、単に
個々
の
事業者
を助けろという
意味
じゃなくて、
地域
に対してやはり緊急休業補償
制度
を含めた
支援
を
検討
すべきではないか。 観光庁というのをつくった際に、どう言ったか。それぞれの各省をまたいで、きちんと観光問題についてやるんだと大見え切ったわけでしょう。大見え切ったにふさわしく、
国土交通
省として、これらの問題について、キャンセル料の問題やさらには行事の中止、そういった問題について、観光全般に対してきちんとした
支援
をするためのイニシアチブを発揮すべきではないか、この見解を
大臣
に問いたいと思います。
金子一義
94
○金子国務
大臣
京都で、一週間前でありますけれども、一週間前までに出たキャンセル料は二十六億円という報告を京都市長が受けております。 それから、観光庁も、全部ではありませんが、今の煎茶道のキャンセルというようなのは、もとより長官もつかまえております。観光だけじゃなくて、
タクシー
も航空会社も全国で、決して関西だけではないんですけれども関西が中心になりました、一番影響が出てきているということを私も
認識
しております。 したがいまして、一刻も早く安全宣言を出して、観光客に来てもらう、物が動くようになってもらえるようにしていきたいというポジティブな
対策
、我々としてもできる範囲でのポジティブな対応というのが一番大事だと思っておりますけれども、これは医学的な見地、いろいろなのがあるようですから、今
検討
してもらっております。 今の御質問の関係でいえば、資金繰り的にいろいろな面で回っていかないというのに対して、政策金融公庫等、相談窓口を全国で九百二十七カ所つくって、相談をしてもらう。先般、特別保証枠が十兆円、二十から三十兆円にふやしてもらいました。補正で通りました。これに対して、こういうインフルエンザで影響を受けたところが話を持っていったときに、あなたのところはこれまでこれだけ借りているからだめですよみたいなことのようだったんですけれども、今度は新型インフルエンザ
対策
ということで上乗せで対応してもらえるような、前向きな話を今進めてもらっております。 それから、さっきの、修学旅行のキャンセル料をどうすんやねんという話がありましたけれども、これは
地域
活性化
・
経済
危機
対策
臨時交付金というのが、これも地方自治体に渡ったお金でありますが、これをキャンセル料に、自治体が必要とあれば対応してもらうということができるように今しております。 もっと大事なことは、観光客をやはり早くふやしていくことだと思いますので、関西にキャンペーンを、特に
穀田
先生
の京都だけじゃありませんけれども、滋賀県も入っていますけれども、関西への観光キャンペーンを総力を挙げてやるということを今進めております。そういう
意味
で、前向きに話をしていけるようにしていきたい。 全国の被害を補償かという話になりますと、決して観光だけじゃない、飛行機もある、
タクシー
もある、あんこ屋さんもあるということで、なかなかその実態の把握というのが難しいのはもとより、
基準
をつくるというのも難しい。これはSARSのときもできなかったんです。しかし、先ほど申し上げたような金融面での
対策
で、やはり何とかこれでもっておかしくならないようにしていきたいというのが、今のところ講じている
対策
であります。
穀田恵二
95
○
穀田
委員
これは何度も言うんですけれども、金融というのは返さなくちゃならぬわけですよね。では、先ほど言ったところが七千万戻ってくるのかと。戻ってくる間のつなぎだったら、それは可能性があるんですよ。戻ってこないから、今、休業補償なんかも含めたものを
検討
しないとあかんというときに来ていると私は思うんですね。これは単に、京都や神戸の例を出しましたけれども、奈良も、それから和歌山、そして滋賀、当然大阪も大変なわけですから、それらはきちんとやっていただきたいと思うんです。 次に、
タクシー
法案
との関係で
規制緩和
の問題について、これは私はもっと端的に問いたいと思うんです。
大臣
に、先ほど来ずっと
議論
がありましたけれども、私は、
規制緩和
で
タクシー業界
はよくなったかということを端的に問いたい。当時の運輸
大臣
はどう言ったか。新しい
タクシー
の需要も起こってくる、労働者に対しても条件をさらによくしていく
方向
になっていくと述べたわけです。つまり、
規制緩和
の未来がバラ色であるとしたわけです。 改めて質問します。
タクシー
の需要はふえたのか、労働者の
労働条件
はよくなったのか、この二つだけ、端的にお答えください。
金子一義
96
○金子国務
大臣
全国のベースでいえば、残念ながら、
タクシー
の需要は減ってきた。これは今回の
規制緩和
だけじゃなくて、
経済
が悪くなっている、
悪化
する
経済
という背景ももとより複合的にありますから、
規制緩和
だけではありませんけれども、需要が減ってきている。
タクシー
の
運転手
さんの給料も下がってきているという現状であります。
穀田恵二
97
○
穀田
委員
経済
の
悪化
のことを言わはりますけれども、私は思うんです。去年からの話は別ですよ。だけれども、この数年間というもの、
政府
は、イザナギ景気超えと言って、景気がよくなっている、よくなっていると言ったじゃないですか。こういうときだけ悪くなったというふうな話を使うというペテン的やり方はあかんということを言っておきたい。要するに、明確に悪くなったということなんです。 それで、二〇〇〇年当時の
質疑
で、私どもは、需給調整廃止によって供給過剰状態を一層深刻化させると指摘をしたわけであります。単に労働組合や
業界
団体がそういう意見も述べたというだけじゃない、うちは共産党としてそういうことになるということを指摘した。 そして、さらに、「
規制緩和
により
タクシー
の台数がさらにふえ、一台当たりの水揚げが減れば、それをカバーするために一層の長時間労働を余儀なくされ、安全を脅かすことになる」と結論づけて、
法案
には反対の態度をとりました。そして、あわせて、
政府
の緊急調整
措置
は台数
規制
の歯どめにはならないと反対討論でも明らかにしたところであります。 私は、去る六月二日の
参考人質疑
で主張しました。何か、こう言うとすぐ、ええところもあったとか、デメリット、メリットと言うんですよ。まずその前に、政策の誤りがどれほど多くの
方々
に被害と苦しみをもたらしたか、そのことに思いをいたすということが政治の
基本
だと。そういう人に対して、結果として安全が損なわれて人の命が失われることが生まれた、労働者が路頭に迷う事態が生まれる、給料が減っている、そういう事実に対して、
タクシー
の労働者が塗炭の苦しみをなめているということに対して、市場の失敗という言葉では済まされないと私は思っています。 したがって、当時の見通しは、先ほどの
議論
じゃないですけれども、ちょっと違うというふうな話をしましたけれども、私はそう思っていない、大きく違うと。だから、大きく間違っていたというその
反省
はあるかということを端的にお答えいただきたい。
本田勝
98
○
本田政府参考人
タクシー事業
の
規制緩和
の当初の趣旨は、まさに
事業者
間の健全な
競争
、
事業者
の創意工夫、多様な
サービス
の提供、そういったことにございました。そういった
意味
で、一面、
サービス
の多様化、待ち時間の短縮といった形で、
利用者
にとって一定の効果もあらわれているものと
認識
しております。 ただ、
タクシー事業
をめぐる
状況
は、
地域
によっては、
規制緩和
後の
経済
状況
の
悪化等
の影響により、結果として輸送需要の低下に歯どめがかからず、それに伴って
運転者
の
労働条件
の
悪化
などのマイナス面が生じていることも事実であります。 そうした事態について、
規制緩和
当時の見通しどおりに事態が推移しなかった面があると認めざるを得ません。いずれにしても、この問題に対しましては、現に生じている諸問題に対して適切な
対策
を講じてまいりたいと考えております。
穀田恵二
99
○
穀田
委員
適切な
対策
というのは、出した政策がどうだったかという検証の上にあるわけですね。よかった話があったなんという話じゃなくて、根本の中心は何だったか。あなた方は、我々の
議論
の際に、我が党の、当時、寺前
議員
、平賀
議員
が言ったのは、悪くなると。あなた方はよくなると言ったんですよ。よくなっていないんですよ。その結論をはっきりせな、何かちまちました話で、
サービス
がどうやったらこうやったらという話を何回したってあかんて、それは。やはりそういう
認識
では、
タクシー
労働者の血の叫びが私は理解できないと思うんです。 大体、いつも例に出す福祉
タクシー
だとかそういう
サービス
などというのは、
規制緩和
しなければできないことだったのか。だって、これは複数
運賃
でいうならば、一九九四年からMK
タクシー
が低
運賃
で参入している。それから、あなた方がよく言う福祉
タクシー
でも、むしろ今は採算がとれずにふえない事態に、膠着
状況
になっている、こうなっているわけですね。 すぐ市場原理が働かなかったとか失敗だったとか言っているんだけれども、やはり市場任せにしたことが
国民
の
サービス
向上につながらなかったということを、まず根本を
反省
する必要があると私は思っているということを改めて主張しておきたいと思います。これは歴史が検証したということですよ。 次に、
法案
の内容について少し聞いておきたいと思うんです。 まず、
地域
協議会についてです。
内閣提出
法案
では、
特定地域
における
タクシー事業
の
適正化
、
活性化
を推進するための
地域
計画の作成や、必要な協議を行うための協議会を組織することができると規定されています。
タクシー事業
の
適正化
、
活性化
を推進するために、この協議会が積極的な役割を果たすことが求められていると思いますが、こうした役割はどのように保障されるのか、そして、協議会には当然
利用者
も
事業者
も労働者も
参加
して、例えば
公共交通機関
としてどのような
サービス
が求められているか、また、そうした
サービス
をどう実現するのか、さらに、安全を確保するためにはどのような
取り組み
が必要かなど、積極的に
議論
し、
取り組み
に反映されることが肝心だと思うんですが、その点の見解をお聞きしたい。
本田勝
100
○
本田政府参考人
御指摘のとおり、今回の
法案
におきまして、やはり、
特定地域
の
タクシー事業
の
適正化
、
活性化
を推進していく上では、その
地域
の幅広い関係者の方が参画した協議会、この協議会の
取り組み
の実効性を高めることは極めて重要な要素であるというふうに思っております。 このために、まず、
法案
自体におきまして、協議会について、具体的なメンバーの構成、さらには、協議会で作成されます
地域
計画の成立要件、あるいは、
地域
計画で定められた場合、その事業の実施に係る協議会構成員の責務、さらには、協議会による事業実施主体以外の者に対する協力
要請
といった事項について事細かく法定させていただいております。 さらに、協議会の具体的な運営方法等につきましては、本
法案
に基づき国が定める
基本
方針等に規定することを予定しておりますし、
地域
計画での作成事項についても、ただいまお話のありました、その
地域
をよくするために
タクシー
の
適正化
、
活性化
、その具体的な施策、どういった事項を盛り込むかといった
基本
的な事項も、国が定める
基本
方針の中で明らかにするといった
対策
を講じてまいりたいと考えております。
穀田恵二
101
○
穀田
委員
私は、この問題をなぜ聞いているかということを少し述べたいと思うんですね。 二〇〇〇年の法
改正
の際には附帯決議がありまして、簡単に言えば、そこで
タクシー事業
適正化
協議会というのをつくりなさいといって、できたわけですよね。その後、二〇〇七年のいわゆる
タクシー
特別
措置
法を受けて登録諮問
委員会
などを
地域
で設置してきたわけですよね。 ところが、例えば京都で調べますと、そういう後者の登録諮問
委員会
などというのは、なかなか開催されない。理由がまた振るっていて、学識経験者は夜でないとあかん、ところが、
タクシー事業
者は夜は仕事で忙しいと。ほんまかいなと思うけれども、それでなかなか開催されない。前の
タクシー事業
適正化
協議会は、これは学識経験者がいない。それで、これは三つ目なんですね。三つ併用するのかどうか、それはいろいろやり方があるんでしょうけれども、私は、
地域
協議会を本当に実効あるものにするためには、今、
本田
さんがおっしゃったように、権限と性格をきちんとしなくちゃならぬ、今まであるものをどうするのかということも含めて。 そうすると、やはり協議会というのは、日常的、継続的に開催することが求められるというのはどうか。あわせて、この協議会が実効あらしめるというのは、本当の
意味
で
地域
を代表するということになりますと、
運賃
やそれから労働者の
賃金
が適正かどうかということも
議論
しないと、肝心なことが抜けちゃう。そうすると、必要な資料を要求すれば
提出
されるといったようなルールが必要ではないかと思うんですが、その辺、二つ、お答えいただけますか。
本田勝
102
○
本田政府参考人
本
法案
に基づく
特定地域
というのは、既に、現実に、供給過剰等により多くの問題が発生している
地域
でありますから、その問題を具体的に解決していくことが重要だ、その
意味
で、その中核的な役割を担うのが協議会、そしてその成果である
地域
計画だと存じます。 順番に申し上げますと、まず、こうした協議会の権限や性格につきましては、先ほども触れさせていただきましたが、本
法案
八条、九条、十条といった規定において、できる限り具体的に規定させていただいたところでございます。それから、協議会の運営に関し必要な事項自体は、協議会が設置されるそれぞれの
地域
によって事情が異なりますので各協議会が定めるということにいたしておりますが、やはり協議会に託された責務、これが遂行できるように十分な配慮をしてまいりたいと存じます。 さらに、
地域
計画の内容に関しては、今御指摘をいただきました、その
地域
の
運転者
の
労働条件
の改善、このための
対策
あるいは過度な
運賃競争
への
対策
につきましては、
地域
計画の必要記載事項とすることとし、これを国が定めます
基本
方針等に明記したいと考えております。 また、協議に必要な資料の
提出
等に関しては、特に国につきましては、本
法案
第六条の規定により、国の責務として、こうした
取り組み
に必要となる情報の収集、整理、分析あるいは提供、助言その他の
支援
を行う、これを国の責務として規定させていただいておるところでございます。
穀田恵二
103
○
穀田
委員
したがって、
提出
は当然だということでいいわけですね。 関連して、それでは
利用者
負担の軽減について聞きます。 高齢者が増加し、
障害者
も含めて、移動が困難な
方々
がふえています。こうした
方々
の移動の権利を保障し、通院や
社会
参加
の活動を可能にするため、
タクシー
輸送が果たすべき役割は今後一層拡大すると思われます。あわせて、だれもが必要なときに
タクシー
を利用できるよう、負担軽減
措置
が求められています。国には
利用者
の助成
制度
はありませんが、自治体によっては、これまでも独自に
タクシー
利用者
への助成
制度
を設けています。 今後、協議会で
タクシー
の
活性化
を
議論
し、こうした、特に
政府
や国交省が言う例の
利用者
ニーズにこたえた
タクシー
の運行ということや、
利用者
補助についての
取り組み
を具体化した場合、国として、こうした
運賃
の助成を行う自治体に対する補助
制度
は考えているのでありましょうか。
本田勝
104
○
本田政府参考人
御指摘のとおり、
地域
の協議会では、高齢者の方あるいは
障害者
の
皆さん
の移動の確保という観点から、
タクシー
の活用をどうしていくか、そういった
取り組み
も当然話し合われることと思います。 この点に関しまして、昨年十二月の
交通政策審議会
答申
におきましては、「今後講ずべき
対策
」の中で「福祉輸送分野をはじめとして、当該
地域
社会
において住民等から強く望まれている取組みに対しては、積極的な
支援
を行うことが望ましい。」という指摘がされております。 これを受けまして、
個々
具体によって事情が違うと思いますので個別に
判断
をさせていただきたいと存じますが、
地域
の協議会においてそうした具体的な
取り組み
が決められました場合には、できる限りの積極的な
支援
を行うべく
検討
させていただきたいと存じます。
穀田恵二
105
○
穀田
委員
今行われている福祉
タクシー
というものに対して、車両購入補助などはあります。 ただ、そういう
意味
でいいますと、
地域
計画でこういうことをやられた場合、これはいつも大切なのはランニングコストなんですよね。なかなか地方自治体でもそういうことの日常的金まで出せない、財政まで出せないという問題がありますから、そういう
運賃
の補助が必要だと私は思うんです。したがって、改めてこれは
検討
を求めておきたいと思います。 次に、
特定地域
の
指定
について聞きます。
内閣提出
法案
では、三条で、
特定地域
について、条件は四つばかりありますけれども、供給過剰の
状況
などを
基準
に、期間を定めて
指定
されるとしています。現在、通達に基づいて、
特定特別監視地域
、いわゆる供給の拡大によって
運転者
の
労働条件
の
悪化
を招く懸念が特に大きな
地域
として、〇八年度には全国六百四十四営業区域のうち百九
地域
が
指定
され、新規参入
基準
の引き上げや増車抑制
措置
が行われています。
特定地域
は、この
特定特別監視地域
を参考にするということだと伺っています。京都はこの
特定特別監視地域
に
指定
されていませんが、
タクシー
の実態といいますのは、人口百五十七人に一台の世界一
タクシー
過剰
地域
なんですね、人口当たりでいいますと。それぐらい台数があるんですよ。そう言うと大体、観光
地域
だから、こうくるんですけれども、別に観光といっても、波もあるので、そんなもの、いつもそういう人
たち
が来ているわけじゃないわけですから、問題は、基礎的な数字がこれだということであって、先ほど、私は三重苦という話をしました。
規制緩和
、そして
経済
危機、それからインフルエンザ、こういう被害、影響が起きている、そういう三重苦で、ますます深刻であります。
特定地域
の具体的な
指定基準
は今後
検討
するということでありますが、供給過剰となっている
地域
がきちんと対象となるよう運用すべきだと思いますが、いかがですか。 〔
委員長
退席、奥野
委員長
代理着席〕
本田勝
106
○
本田政府参考人
本
法案
に基づきます
特定地域
でございますけれども、これは、供給過剰が進行し、
労働条件
、とりわけ、そこで働かれる
運転者
の
方々
の
労働条件
が
悪化
している、そういったことを食いとめて、
タクシー
が
地域
公共交通
としての機能を十分に発揮できるようにするのが、この
制度
の本来の趣旨でございます。 そして、
特定地域
の
指定基準
については、現在
検討
中でありますので、特定の固有の
地域
について
指定
の有無についてはお答えできませんけれども、あくまでも、現在運用として実施しております
特定特別監視地域
の
指定制度
を参考としながら、この
法案
の
審議
内容等も踏まえながら、具体的な
指定基準
を
検討
してまいりたいと存じます。 ちなみに、昨年七月十一日の段階で、
特定特別監視地域
制度
の拡充を図りました際の京都の
状況
でございます。 これは、
地域
指定
の要件として、日車実車キロ、一日にお客さんを運んだキロ数、または日車営収、一日当たりの水揚げでございます。これが
規制緩和
前の平成十三年度と比較して、当時は直近のデータが平成十九年度でしたので、平成十九年度のデータが減少している、そういった
地域
で人口十万人以上の都市を含む営業区域、そういった要件を課させていただいたわけです。 京都の交通圏について具体的な数字を申し上げますと、日車実車キロは、平成十三年度で八十七・七キロのところ、平成十九年度が九十キロ。それから日車営収が、平成十三年度が二万六千八百五十三円が二万七千九十九円。そういったデータでございましたので
指定
に及ばなかった、こういうことでございます。
穀田恵二
107
○
穀田
委員
その後、七月十一日以後ですから、大きく下がっているという現実があるから、当然これは
指定
されるべきものであるということだけは言っておきます。 次に、今言った趣旨、つまり、
悪化
を食いとめるということが、こういう問題について大きな柱となっているわけですね。そこで今度は、労働者の犠牲を前提にした増車や低
賃金
の問題について、少し論を進めたいと思います。
交通政策審議会
答申
は、
タクシー事業
の構造的要因として、
利用者
の選択可能性の低さ、歩合制主体の
賃金
体系を指摘しています。その上で、構造的要因への対応として、この要因が、需要が減少しているにもかかわらず増車が行われるなど、過剰な輸送力の増加や過度な
運賃競争
を引き起こす根源的な要素ともなっているということで、適切な対応の必要性を説いています。 昨年暮れ、京都に本社を置くMK
タクシー
が、以下、MKと言いますけれども、一万人を雇用すると言って話題になりました。この話をすると、
個々
の企業がそういうことをするんですからというふうに国交省はすぐ、私のところに来て、聞きますとそう答えましたが、私はそれでは済まぬと。雇用の拡大と聞こえはいいけれども、MKが一万人雇用するということは、一万台増車するということなんですよ。もちろん、一車二人制ということにすれば、それは五千台ということになりますけれども。 それにしても、結局、こういうことがなぜできるのか。つまり、一万人雇用をふやすんだ、五千台でも一万台でもいいですけれども増車するということを、なぜ彼らが言えるし、できるのかというところのなぞを少し
議論
し、MKの
賃金
システムの問題を取り上げてみたいと思います。
皆さん
には資料をお配りしていますが、なかなか見にくいのでわからないわけですけれども、まず厚労省に聞きます。 累進歩合制は通達で禁止されているはずですが、その簡単な理由と、それから、ハイヤー、
タクシー事業
の累進歩合
制度
に限った
指導
件数の推移はどうなっているか、お答えいただきたい。
渡延忠
108
○
渡延
政府参考人
お答えいたします。
タクシー
運転者
に係る累進歩合
制度
については、水揚げ高等に応じて歩合給が定められている場合に、その歩合給の額が非連続的に増減する、いわゆる累進歩合給、水揚げ高等の最も高い者またはごく一部の労働者しか達成し得ない高い水揚げ高等を達成した場合にのみ支給する、いわゆるトップ賞、水揚げ高等を数段階に区分し、その水揚げ高の区分の額に達するごとに一定額の加算を行う、いわゆる奨励加給が該当する、これを総称して累進歩合
制度
と呼んでおります。
賃金
制度
につきましては、本来、労使が自主的に決定すべきものでございますが、このような累進歩合
制度
については、労働者の長時間労働やスピード違反を極端に誘発するおそれがあることから望ましくないものとして、平成元年の労働
基準
局長
通達に基づき廃止するよう
指導
を行ってきているところでございます。 ハイヤー、
タクシー事業
場に対して実施した監督
指導
、平成十七年から十九年度までの累進歩合
制度
に係る
指導
の
状況
について申し上げますが、平成十七年には、監督
指導
を実施した九百十一件のうち八十七件、九・五%について、同じく十八年には九百三十二件のうち百十八件、一二・七%について、平成十九年には同じく七百十二件のうち八十件、一一・二%についてこれが認められたところでございまして、廃止するよう
指導
してきたところでございます。
穀田恵二
109
○
穀田
委員
私は、極めて問題だと思うんです。つまり、累進歩合給を禁止しているのに、なくなっていないということなんですね。そして、
指導
監督の率からいいますと、今ありましたように、九・五%から一二・七、一一・二ですか、一〇%台でずっと推移して高どまりしているということがあるわけで、しかもこれは、
指導
件数というのは氷山の一角でしかないことは、だれもが知っているわけなんです。 千葉日報は、次のように述べています。 「
タクシー業界
累進歩合給の廃止進まず 労基署
指導
に「偽装」も」ということまで書いて、これは見出しですけれども。「長時間労働を招く「累進歩合給」の廃止が進まず、県内の
タクシー
運転手
から、改善を求める訴えが続いている。累進歩合給は、一定の売り上げに達すると
運転手
の取り分が増える
賃金
体系。」中略します。 「給料確保のため、
運転手
は必然的に過重労働を強いられる。労基署は累進歩合給を廃止するよう
指導
しているが、給与体系の偽装やその場しのぎの対応をとる業者も」いる。「労基署は、国の告示を守るよう
指導
しているが、船橋労基署の
担当者
によると、是正勧告で一旦は累進歩合給を廃止しても、数年後には元に戻す会社や、労基署に報告する書類と内部規定が別で、実際には保障給がなく、累進歩合給を取っている会社もあるという。」 こういう実態があるわけですね。広くこれがあるということは、やはりメディアも
認識
しているわけであります。 私は、累進歩合給の
指導
対象が、廃止すべきと言っている対象が、なぜ非連続的に増減する、これは非連続というんですね、なぜそれだけなのか。今
答弁
があったように、累進歩合給の問題は、売り上げに応じて
賃金
が大きく変動する場合、長時間労働やスピード違反を極端に誘発する危険性が高いから廃止を通達しているわけですよね。 私は、非連続であろうが連続であろうが、問題は刺激性が高いかどうか、そして、結果として、収入を上げるために長時間労働が行われているかどうかにポイントを見定めて
指導
すべきではないのかということについて、少し伺いたい。
渡延忠
110
○
渡延
政府参考人
お答えいたします。 本来、労使により、事業場の実情に応じ自主的に決定され、また、実態も多様である
賃金
制度
について、労働
基準
関係法令の施行を任務とする労働
基準
監督官が全国斉一的に
指導
を行うに当たりましては、労働能率への刺激効果を初め、
個々
の
賃金
制度
の内実に立ち入って評価、
判断
することは、元来非常な困難を伴うものであることをまず御理解いただきたいと存じます。 こうした制約を前提としつつも、
タクシー
運転者
の長時間労働や交通労働災害につながりかねないスピード違反を防ぐ
意味
から、
賃金
制度
についても
指導
の対象とし、かつ、全国斉一性を確保しつつこれを行うためには、ある程度明確な着眼点が示されることが必要であります。 そうした着眼点として、ただいま御
説明
いたしました、例えば、水揚げ高と歩合給の額が非連続的に増減する、非連続点を有することなどの特徴を持った
賃金
制度
を累進歩合
制度
として、
指導
対象として示しているものでありますことを重ねて御理解賜りたいと存じます。
穀田恵二
111
○
穀田
委員
いや、労働者は理解できないと言っています。私も理解できない。大体、
タクシー
労働者の年間総実労働時間の推移を見ましても、やはり先ほども
議論
がありましたように、全産業労働者平均の労働時間と比べても、二百四十時間も多いわけですよ。そこに
象徴
的にあらわれているということを見なくちゃなりませんよ。 MKの資料を配付しましたが、一番下の
賃金
支給額試算表という欄をごらんください。MKの
賃金
は、売り上げが高くなれば高くなるほど、賃率、すなわち、売り上げに対する
賃金
の割合が上昇する仕組みになっています。これを見ても、売り上げ五十万であれば
賃金
が二十三万一千四百二十八円、四六・三%、八十万なら五十一万四千九百二十八円、六四・四%であります。 普通、違法とされる累進歩合制は、最高賃率と最低賃率の差が二〇%程度だと言われています。MKのそれは三四%。最低限は、例えば四十万のラインを見てください、賃率は三四・三%。一番高いところでいいますと、先ほど言いました八十万の場合でいうと六四・四%。三〇ポイント近く開きがある。これは非連続ではないかもしれないけれども、売り上げを上げれば上げるほど、賃率自体が急カーブで上昇する。 厚労省は、非連続というと、こう階段状に言うわけですよ。これが上がったところ、階段のところを上がる場合、ここを問題にしているわけですね。そのカーブは、今お話ししたように、平均でいえば大体この二〇%ポイントに近いものだ。ところが、今お話ししたように、MKの場合には、非連続でないかもしれないけれども、急カーブを描いてぐっと上がる。こういうことになれば、まさに究極の累進歩合給ではないか。 刺激性の高いMKの累進歩合制が、ないしは類似行為がなぜ禁止されないのかということを私は言いたいわけです。多くの人
たち
がこれは理解に苦しむわけですよ。誘発する極端な長時間労働ということを言うのであれば、そこに着目すれば、MKが京都の中でも極めて長時間の労働を強いている実態や、急速なカーブを描いているということは、だれもが知っているわけですね。それをなぜ禁止できへんのかということを、一言、言ってください。
渡延忠
112
○
渡延
政府参考人
個別の事案についてのコメントはこの場では差し控えさせていただきますが、ただいま御提起がありました問題につきまして、重ねてのお答えで恐縮でございますが、個別の労働
基準
監督官の立場で
指導
するに当たりましては、労働能率の増進と水揚げ高と
賃金
の関係といったものについて、ある程度外形的、客観的に
判断
できる着目要素がどうしても必要でございます。 そうしたものを全国的に斉一的に
指導
を展開するために必要な制約があるということを、ぜひ御理解賜りたいと存じます。
穀田恵二
113
○
穀田
委員
何回も言うように、それは理解できぬ。そういう現実があるということを見逃しているから、みんな、ほんまに助けてくれへんと思っているわけですやんか。何の労基局だと多くの
方々
が言っているということについては、私は一言言っておきたいと思うんです。 そこで、もう
一つ
。このMKというのは、今言った累進歩合給で一方やると同時に、もう
一つ
、別なやり方をしているんですね。名義貸しという問題について少し触れたいと思うんです。 名義貸しの根本というのは、
タクシー
経営者
とは、
タクシー事業
に係る損益の帰属主体として、みずからの危険負担のもと、事業遂行に伴うさまざまな責務を適切に全うすべき主体を指すという規定なんですね。 これは、聞いているとなかなかわからないので、簡単に言えば、平たく言えば、事業をする上で損失等のリスクは
事業者
が負うべきである、労働者にそのリスクを背負わせることがあってはならないとしているわけですね、簡単に言うとそういうことですわな。これは名義貸しの行為の
判断
の
基準
であって、労働者性の担保にかかわる問題であります。 そこで、MKのシステム支給
基準
を見ていただきたい。真ん中ですね。それは、
運転手
が負担する固定経費の中には、車両費や
社会
保険の事業主負担分、公課費という名目で事業主負担分が明記されています。車両保険費が含まれている。さらに、下の変動経費の欄には、燃料費、修理部品費、制服費、メーター費、シートカバー費まで含まれています。 要するに、
タクシー事業
に必要な経費はすべて
運転手
が負担するという仕組みで、MK側はリース制と言ってはばかりません。このようなやり方が
経営者
として、先ほど述べた、みずからの危険負担をせずに、事業遂行に伴うさまざまな責務を適切に全うしていないということは明らかではないのか。どうですか。
本田勝
114
○
本田政府参考人
まず、
道路運送法
で禁じております名義貸し行為あるいはその
基準
について、少し御
説明
を申し上げたいと存じます。
道路運送法
は、
タクシー事業
の
経営
に関して許可制をしかせていただいておりまして、輸送
サービス
の円滑かつ確実な提供、あるいはその安全の確保、さらには
利用者
の利益の保護、利便の向上、そういったことを目的として、
事業者
みずからが適切な事業計画と能力を有する、これを確保する、これがまず法の
基本
であります。 このために、具体的には、許可を受けた
事業者
に対しては、運行管理の適切な遂行あるいは事業資産の適切な管理、事故時の賠償責任、そういった責務をみずから負うことを求めておるわけであります。 これに対し、
道路運送法
第三十三条で禁止をされておりますいわゆる名義貸し行為、これは、今申し上げました、許可を受けた
事業者
がみずから負うこととしております責務を、許可
事業者
の名義を用いながら、許可を受けていない第三者に実質的に負わせる、そういう行為でありますので、
道路運送法
のそもそもの事業許可
制度
の趣旨を没却するということで、これを禁止しておるわけでございます。 この点に関して、私ども、具体的にどういう場合に名義貸し行為に当たるかどうかの
判断
基準
、いわゆる
ガイドライン
を昨年六月六日に策定し、全国の運輸局に指示をしたわけでありますが、その中におきましては、まずは五つの要素、
一つ
は雇用関係、それから経理処理、今
先生
がおっしゃいました
経営
のリスクといったようなことも含めた経理処理、それから運行の管理、車両の管理、あるいは事故の処理、これを許可
事業者
がみずからの責任で行っているのかどうか、それを総合的に
判断
する必要がある、これが
判断
基準
ということでございます。 今
先生
からお話のありました特定の企業の
賃金
制度
について申し上げますと、そこでリース制と言われる形態は、
タクシー
の運送収入のうち、その一定額を控除した金額を
運転者
の収入とする、そうした
賃金
体系を指すものと
認識
しております。 そうした
賃金
体系自体、労使の間でどう締結され、かつ、労働法規に照らしどう
判断
するかというのは、今私どもがお答えする立場ではありませんが、これを名義貸し行為の
判断
基準
として見ますと、経理処理等を許可
事業者
がみずから行っているかどうかがやはり重要な
判断
要素となりますので、運送収入が一たん全額その会社の事業収入として計上されている場合には、それを直ちに名義貸し行為に該当する、そういった
判断
をするというのは実態としては難しいと思います。 ただ、例えばその他の要素で、先ほど申しました
事業者
の雇用関係で、
運転者
の固定給あるいは保障給等一定の保障された給与の支払いがないとか、本来
事業者
が支払うべき
社会
保険料あるいは雇用保険料控除、源泉徴収が行われていないといった他の要素、これを含めてやはり総合的に
判断
せざるを得ないと考えております。 〔奥野
委員長
代理退席、
福井委員
長代理着席〕
穀田恵二
115
○
穀田
委員
今言った
判断
基準
の五点、それは承知しています。そこにありますが、ただ、私が言っているのは、労働者性というところに着目をすれば、確かに、料金収入の全額が
事業者
収入に計上されていないということがあればというふうなことをいつも言うんですね。 最後のところで今、
本田
局長
がおっしゃった、結局、では、どんな形で金を渡しているのか、何を負担させているのかということを見た場合に、先ほど言ったように、公課費として厚生年金だとか雇用保険だとかという、本来
事業者
が払うべきものまでそんなことをやっている。ということになると、これはまさにすれすれのことをやっているというふうに言わざるを得ない。その辺はうまいんですよ。 今言った五点のところは、確かにクリアしかかっている。例えば
一つ
、今言った五つのうち
一つ
だけクリアしていないでここの会社がまずいというんじゃないんです。五つともクリアしているんだけれども、法すれすればかりやっていて、全部足すと今までになくひどい。これがMKのやり方というのは、みんな知っているんですね。 MKは、今私が述べましたように、賃率急上昇の累進歩合制ということを
一つ
の柱に、もう
一つ
は、必要経費は全部
運転手
持ちのリース制という二本柱で来ているんですよ。まさに、先ほど言いましたように、脱法、違法すれすれの行為をやって、告発されるとすぐ訂正して、そこをうまく切りかえていくというやり方をしているんですね、ここは。 そこで、車だけ貸してその経費を受け取る、損をするのは労働者だけで、会社は損しない、こういう仕掛けなんです。だから、増車すればするほどもうかって、
運賃
を仮に安くしても、会社の収益には関係ない。ここに、増車と低
賃金
を可能ならしめる構図があるわけですね。 MKのように労働者を犠牲にして低
運賃
を売り物にすることが公正な
競争
と言えるのだろうか。ひいては、
利用者
、
国民
の安全、安心を守れるのか。そして、
地域
社会
経済
に
活性化
だとかいうことで貢献できるのかということは疑問だと私は思うんですね。 したがって、国交省として、先ほどの五項目もいいんだけれども、実際に起こっている現場の労働の実態、確かにこれは厚労省の関係です。でも、接近の角度はいろいろあるんですが、本当にこの増車と低
賃金
という二つの問題が今日一番の問題だということに着目した場合は、まさに国交省として
経営
実態に踏み込んだ
指導
監督、そのためにも厳格な法
規制
をすべきじゃないのかということについて、
大臣
、いかがですか。
金子一義
116
○金子国務
大臣
実態は私はわかりませんが、今
委員
のお話を伺っている限り、かなりぎりぎりというんでしょうか、五つの指標については一応クリアしているというお話もありましたけれども、総体として見ると相当ひどいと。これもちょっと私、
委員
がおっしゃったことが、逆によく理解できなかったんです、五つの項目が全部クリアされて、全部を足し合わせるとひどいというのは。だから、それは別としまして、やはりそういう実態もいろいろ御指摘いただく
部分
もあるんだろうと。 そういう
意味
で、この
法案
が施行されたときに、そういういわば
公共交通機関
としての役割、あるいは
運転手
さんへの名義貸しというお話も大分出ましたけれども、禁止されているもの、最低
賃金
制、それから累進歩合というあり方、これについて、今、これまでは厚労省がチェックしていて、ある
意味
情報共有しながらもそこで終わっていたようなところもあるかもしれませんが、今度この
法案
を運営していく上で、ある
意味
、そういう厚労省の労働
基準
局の調査というのもきちんと共有してもらって、そういうものを踏まえて
経営
監査に国交省として当たってもらうということは当然やっていきたいと思っています。
本田勝
117
○
本田政府参考人
補足をさせていただきますと、
タクシー事業
の場合に、やはりさまざまな問題の要因に歩合制
賃金
があるという
認識
から、
交通政策審議会
答申
におきましても、「歩合制
賃金
については、その実態を所与の前提とするのではなく、営業形態や運行管理の実態等を踏まえ、合理的な範囲内で、例えば固定給のあり方など、
タクシー
運転者
の
賃金
システムの改善の可能性等につき、関係者で
検討
を深めていくべきである。」という指摘をいただきました。 この指摘を踏まえ、本年三月三十日に、厚生労働省にも御
参加
いただく形で、関係者で構成されます
タクシー事業
における
賃金
システム等に関する懇談会を設置し、
運転者
負担
制度
、こういったことも含めた
賃金
システムのあり方について
検討
を行っていくこととしております。その
検討
を踏まえ、所要の改善を図ってまいりたいと考えております。
穀田恵二
118
○
穀田
委員
その
検討
の際の
基本
は、労働者の実態であり現実だということを私は言っておきたいと思うんです。
タクシー
の需要が増大しないにもかかわらず、なぜ増車が続くのか、この根本
原因
は、歩合給、とりわけ累進歩合給の事実上の蔓延があるからなんですよ。また、低
運賃競争
がなぜ可能なのか、それは、事実上のリース制によって、収益が減るリスクは
運転者
に負わせ、
経営者
が損をしない仕組みとなっているからなんですよ。
経営者
は、
運賃
値下げもしくは増車によって一台当たりの営業収入が減っても、台数をふやすことによって売り上げを維持ないしは増加させることができるわけであります。 つまり、歩合制、累進歩合制と事実上のいわゆるリース制をとっていること自体が、必然的に増車、値下げ
競争
が激化する産業構造なんです。ここがポイントなんですよ。だから、ここにメスを入れることが今後の
タクシー業界
の発展にかかわると私は考えています。 だから、私はいつも言っているんです。一番最初に言ったように、最後の質問のときに言ったように、労働者の労働実態、生活実態を改善することに視点を置けば、必ずここがきいてくると思っています。 最後に、
大臣
に一言。今、
政府
提出
の
タクシー
法案
と野党
提出
の二
法案
が
修正協議
が行われています。これが実った場合、やはり国交省としてきちんとした、実行するかどうかについてだけ、
決意
をお聞きしておきたいと思います。
金子一義
119
○金子国務
大臣
与野党
共同
修正
というお話を、おまとめになりそうだという話も伺っております。
法律
をつくっても運用ができないようではしようがありませんから、きちっと体制を整えて運用させていただきたいと思います。
穀田恵二
120
○
穀田
委員
終わります。
福井照
121
○
福井委員
長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四分散会