○阿部(知)
委員 ここの実態をつかむのに、もちろん
WHOのさまざまな方法というか方策は必要ですが、私はやはり、こうした
国境を越えて物事が一瞬に動くようになったとき、
日本もきちんとした
情報収集網を持つべきだし、また持てるんだと思うんですね。
ところが、現在、
メキシコには
日本のJICA関係の
皆さんが、シニアボランティア十三名、あるいは
海外協力隊二十人、そして
専門家がお二人、この
専門家の中には保健師さんがおられるそうですが、これらいずれの方も帰国されてしまう。もちろん、御自身も危険だから、このことはとやかくは言えませんが、しかし、それで本当に正しい
情報を得られるだろうか。
まずは、起きたことは恐らく、豚を飼っている人に人獣共通
感染が起こり、人から人に、ここには
医療レベルの問題もあり
拡大する。そして、そこで先ほどのPCR方法等々で
ウイルスを確定する作業も、実は、先ほどの御
答弁では、簡単に言うと、何だか
日本は
WHOに劣っているやに御
答弁でしたが、そうではないわけです。今は、今のはやっている
ウイルスの元株を持っているところが
アメリカ、そこからもらわねばならないから
日本の研究で確定するのがおくれるだけであって、技術的には
日本は十分、
日本の
医師たちは能力を持っているし、また、これまでも、
WHO関連のレファレンスラボラトリーというんですけれども、そういう材料が来たときに
日本は協力して率先して
ウイルスの型分類もしているわけです。私は、やはり
日本が、
WHOが何か大きな巨大なもので、その下に
日本があるんじゃなくて、むしろリーダーシップをとっていくというふうに考えるべき時代になっている。
ここで
舛添大臣にお願いがございます。
実は、文部科学省の中に、新興・再興
感染症研究拠点形成プログラムという長いプログラムを持った一つの、これは再興・新興
感染症のために
海外の、例えばインドネシアや中国や、
各国のリサーチセンターと協力して事を進めていくというのが、何と二〇〇四年の骨太方針で既に決まっておるわけです。
年間二十億円のお金がついて、先ほど私が申しましたように、
各国で
日本の科学者たちが、その地域ではやる
感染症等々についても
情報を得る。ちなみに、タイ、ベトナム、中国、ザンビア、フィリピン、インド、インドネシア、ガーナとか、各大学が協力して、そこの例えば診断技術を上げる。どんな
ウイルスがはやっているか等々も検索して、そして相手の技術を向上させていくという、本当にいい取り組みをしていると思うんです。
ぜひ、関係閣僚
会議におきましては、例えば、
メキシコからは今、マスクを送ってくれとかタミフルを送ってくれとか器具を送ってくれという要請は来ていても、
日本って本当にどこでも、そういう物と金しか要求されないんじゃなくて、人がすぐれているし、人が協力できる
体制を
外務省、文科省、
厚生労働省でおとりいただきたいんです。できるんです。ただ、そういう目を持たなければできないし、いつも受け身ではこうした時代は乗り越えられないと私は思います。
これはきょう初めて申しましたので、まず
大臣には、私は
舛添大臣ならできると本当に心からそう思いますので、ぜひ、そういう文科省の
各国の大学やリサーチセンターと共通した取り組みの中に
メキシコも上らせていただきたい。やはりここも重要な
情報源で、
日本の研究者が行った方がいいし、実は私は、SARSが発生したときの中国に行って、
外務省に
厚生労働省の方が一人しか派遣されていない、これでは厳しいなと思った経験があります。そこで
大臣に、きょう初めて申しますが、御
検討いただけまいか、お願いします。