○
古屋(範)
委員 ぜひとも、この与野党合意に沿った形で、迅速な準備、また万全の準備をお願いしたい、このように思っております。よろしくお願い申し上げます。
次に、
政府提出の
国民年金法改正案についてお尋ねをしてまいります。
今回
政府から
提出をされました
国民年金法改正案につきましては、
平成二十一
年度から
基礎年金国庫負担割合を二分の一に
引き上げるということ、また、
年金制度の長期的な安定性を
確保し、
国民からの
制度に対する
信頼をかち得るためにも、ぜひとも早期成立が望まれるところでございます。
しかしながら、持続可能な
年金制度の構築という点で、
年金財政を支える屋台骨を太く確かなものにしていくということ、つまり、今後、我が国経済が現在の世界的な
金融危機から脱出をして、力強い回復を続け、安定的な成長を図る、そこが最も大事な観点であります。加えまして、世代と世代の支え合いの仕組みである公的
年金制度においては、
年金財政を支える担い手を育てていくということも非常に重要なポイントであると考えます。
そこで、本日は、
年金制度との関係を含めて、次世代育成支援策についてお伺いをしてまいります。
我が国の
年金制度は、現役世代がその上の老後世代を支え、支える側にいた現役世代が年をとれば、またその下の世代に支えられて
年金を受け取る側に回る、こういう世代と世代を連綿とつなぐ長期的な
制度となっております。
こうした世代と世代の助け合いの仕組みは、
年金の専門用語では賦課方式と呼ばれておりますけれども、積立方式で運営されている民間
保険と比べて、インフレなどの経済変動に強いというメリットがあります。例えば、高度経済成長期のように年一〇%を超えるインフレが起こった場合、積立方式の
年金制度では、
積立金が物価の伸びに比べて目減りをするリスクがございます。
しかし、賦課方式では、現役世代の賃金の伸びによりカバーをすることができるわけです。また、昨年のアメリカの
金融危機に端を発する現下の世界的な不況に伴い、金融資産が瞬時に下落をする大きな
社会不安を呼び起こしたわけでありますが、賦課方式の
年金制度はこうしたリスクにも比較的強いと言われております。
その一方で、賦課方式の
年金制度を維持していくためには人口構成のバランスを保つことが大変重要になってまいります。この点で、我が国が世界でも類を見ない急速な少子高齢
社会を迎えているという状況にありますことは、
社会経済全体に与える
影響もさることながら、
年金制度にとっても大変憂慮すべき
事態と言わざるを得ません。
これに関しまして、今回の
法案審議において、現行の
年金制度が百年安心プランなのかどうかといった言葉の辞書的な意味に拘泥する
議論もございましたけれども、建設的な
議論をしなければならない、このように思います。
平成十六
年度改正によって、現行の
年金制度は、おおむね百年間、長期的な
給付と
負担の均衡を見通しながら運営を行う仕組みとなっていて、その時々に予想し得る経済
前提や出生率を用いて五年に一度の財政検証を行いつつ、
制度の安定性を確認し、必要に応じた見直しを行うことが
制度の本質であるということを
指摘しておきたいと思っております。
それはともかくといたしまして、私は、賦課方式による
年金制度の長期的な安定性を高めるという観点からも、
年金制度において次世代育成支援策をもっと拡充できないかという
問題提起をしたいと思っております。
例えば、ことし二月に
厚生労働省が行った財政検証におきまして、今後の合計特殊出生率を一・二六と見込んでおりますけれども、これを現在の出生率である一・三四に置きかえるとすると、所得代替率五〇%相当程度を上回るという試算もできます。
年金制度においても次世代育成支援策を講ずることにより、もちろん、子供を持つ持たないというのは個人の自由であります、しかし、子供を持ちたい、産みたいという方にその障壁を取り除く支援策を拡充して、結果として出生率が高まるということは非常に大事なことだと思っております。とりもなおさず、それが
年金制度を持続可能なものにしていくということになります。
さて、現行の
年金制度では、サラリーマンを対象とする厚生
年金において、
従業員が育児休業等を取得した場合に
年金保険料が免除をされまして、さらに
給付額の算定に当たっては、休業前の報酬をもとに算定されることになっております。この仕組みは
平成六年の
年金制度改正において、本人
負担分の
保険料免除
制度が導入されたと聞いておりますけれども、その後の改正により、
事業主分の
保険料免除にも拡充をされることになったと承知をしております。
そこで、まず、育児休業期間中の
保険料免除
制度の改正の経緯及びその考え方について確認をしたいと思います。