○長妻
委員 これは私は本当にびっくりするんですね。つまり、
財政検証の
前提数字はいろいろあるけれども、今までは、おかしいんじゃないかと言うと、いや、それは、専門家の
経済前提専門
委員会ですべて
前提の
数字はチェックをいただいて、御
議論をしていただいていますという話だったんですが、そうすると、
国民年金保険料の納付率はそこで審議をしていない。審議したら、多分通らないでしょうから。
これは、
国民の皆様方も私どもも、中立的というか、本当に確率の高い
前提に基づいて計算をするというのが
年金の良心的な、
国民の皆様に提示する、巨額な税金をかけてこれは計算するわけでありますので、今の政府の姿勢は、今の政府の願望というか政策
目標が全部一〇〇%達成したとすれば、あるいはバラ色の
社会になったとすればこうなるという
数字を出されておられるので、私はそれは税金の無駄遣いだと思いますよ、そういう形で巨額の税金を使って
年金の計算をして、非常にげたを履いた
数字を示すというのは。
これは、厳しくても本当の
数字を、固めの
数字を使ってお見せすることで
国民の
皆さんも、これじゃもたないんじゃないか、これじゃ
制度を変えなきゃいけないんじゃないかという
議論がまじめに起こる、そういう機運が高まる、こういうことで進むんだと私は思います。
その中で、特に申し上げたいのは、今の
国民年金のままで本当に大丈夫なのかということなのでございますが、私、興味深い
議論を、この資料にも十ページにつけさせていただきました。
平成十八年の三月に、
予算委員会の
分科会で、当時の川崎二郎
厚生労働大臣と
質疑をいたしました。そのときに、私は、
年金というのは本当に最低限の生活を保障できるんでしょうか、そういうものなんでしょうかと聞いたときに、川崎
大臣が、「
国民年金については、若い時代から、いやまた先祖様からもあるかもしれません、ストックというものと
年金というものを組み合わせて生活を送っていく、」こういう発言をされておられる。
つまり、
国民年金は自営業の方が多いので、先祖から引き継いだ店舗とか土地とか何とか、ストックがあるから、それと合わせて
国民年金は使うから、
国民年金は少ないということを言外に言われていると思うんです。
これもちょっと時代が、これは
平成十七年が最新ということなのでこの資料を使わせていただくんですが、(パネルを示す)今
国民年金に入っている被
保険者の方の状態を見ると、自営業の方は、家族従事者も含めると三割を切っているんですよ。アルバイト、パートの方とか常用雇用の方がもう四割近くになっている。無職の方は
日本では
国民年金なんです。そうすると三割が無職の方ということで、決して自営業の方が中心の
年金ではなくなっている。
そしてもう
一つは、
麻生総理も、ここにつけましたけれども、中央公論という月刊誌で、
総理になられる前にこういうことを言われているんですよね。「「
国民皆
年金」という謳い文句は、もはや死語だ。学生や失業者にも一律定額の
保険料の
負担を求めるのは、酷であり、未納問題の解消は難しいと言わざるをえない。」私はこのとおりだと思うんです。
つまり、
一定額というのは
国民年金のことでございますけれども、ちょっと試算をしてみますと、先ほど
舛添大臣が言われたように、今、
国民年金の月額、定額
保険料は一万四千六百六十円です。例えば厚生
年金の
保険料は、労使合わせて一五・三五%。そうすると、従業員だけでいうとお給料の七・六七五%。そうするとどういうことが言えるかというと、厚生
年金でいえば、仮に年収が二百三十万円の従業員は
国民年金と同じ
年金の
負担になるわけです。ところが、年収が二百三十万円を切ると厚生
年金よりも
負担が高くなるんです、定額ですから、年収が低ければその
比率が上がるので。ですから、若い人が払いにくくなるというか、払えなくなっちゃう。
先ほど、世界の
年金改革の流れを三つ申し上げましたが、そのうちの一番目が、若い人も無理なく払える
年金制度というのがイの一番に来るわけでありまして、我が党が言うように、その部分も報酬比例にして
保険料を集めるということが必要である。
そして、もう
一つ国民年金の問題で申し上げますと、八ページでございますが、こういう資料を
厚生労働省につくっていただきましたけれども、一番上が、東京に住んでいる老齢
基礎年金、これは
国民年金のみの方の、今現在、
平成十九年度末現在の受給額の平均です。四万八千七百七十六円。そこから、例えば長寿
医療制度の
保険料月額、これは全国平均なので東京平均ではありませんけれども、五千円ぐらい。
介護保険の
保険料月額、四千円ぐらい。一万円ぐらいがここから引かれる。つまり四万円ぐらいが、大体、東京の
国民年金だけの手取り
年金だと思います。
では、一方で、生活保護の基準額、これも東京を調べていただきましたけれども、住宅扶助の上限額だとすると、一カ月十三万四千五百二十円。生活保護は、
医療保険、
介護保険は本人
負担がありませんので、手取り
年金と比べると三倍ぐらいに格差が広がってしまうんです、三倍。
こういう現状があると、やはりどうしても
国民年金を払う意欲というのが減退をして、それは結果的に国の
財政を圧迫すると私は思うんです。生活保護というのは全額税金なんですよ。できれば
自助努力で
保険料を払っていただいて、払いやすい形にして、そしてそこで生活していただくというのが、これは
国民の幸せにとっても
財政にとっても一番いいことなんですけれども、こういう問題がある
国民年金を一元化しないでそのまま百年いくというのは、どう考えても私は
理解できないんですが、いかがでしょうか。