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山井委員 だから、現場の
方々そしてお年寄りが何よりも怒っているのは、やってみなければわからないということを一方的に導入することなんですよ。
以前の
介護保険の予防のときもそうなんです。私の家の近所でも、実際、
介護予防になってサービスがカットされて、そのおじいさん、戦争で苦労した自分が今までずっと
介護保険料を払ってきて、何で急にサービスが減るんだと非常に怒っておられましたよ。もちろんそれだけが理由ではないですけれども、サービスがカットされた後に非常に状態が悪化して、しばらくしてお亡くなりになられたというケースも残念ながらあります。
ひとり暮らしのお年寄りも含めて、今まで、デイサービスに行って一週間のリズムを保っていた、あるいは週に六回ホームヘルプを受けていて、それで在宅で
介護できていたという人もいるわけですよ。その
人たちが三回に減ったら、それは
生活のリズムが崩れて、それで、半年たって検証して間違っていましたといっても、もうそのお年寄りは体調が悪化して入院している可能性もありますよ。
私は、
舛添大臣が
介護の専門家とおっしゃっているから言っているんです。御高齢の八十、九十の
方々が、こういうサービスを何の理由もわからずにカットされてどれだけ困るかということです。それで、配付資料に入れてありますが、現場からは非難がごうごうと出ております。
今も私言いましたように、モデル事業では二割の方が認定が軽くなると言われていますが、
舛添大臣、最近出たこの
介護認定のテキストを見てください。一センチのこの分厚いもの。ここでかなり判断基準の変更があるんです、座位が十分だったのが一分になったりして。
こういう変更によって正確なところ何割の人が軽くなるかというのは、今
大臣がおっしゃったように、やってみないとわからないんです、二割より多いか低いか。だから、ここの三ページにもありますように、市民の会の
方々は、とにかく当面この見直しは延期してくれ、そして、一回、今回配られたこのテキストでどれぐらい軽くなるのか、重くなるのか、変わらないのか、まずモデル事業をやってくださいと。当たり前じゃないですか、相手は生身の人間なんですから。
それで
後期高齢者医療制度のときにも問題になったんです。結局、後期
高齢者という、ああいう非常に失礼な、お年寄りの尊厳を汚す名前が何で入ったのかというと、検討会に当事者が一人も入っていないんです。今回のこの認定の検討会も、この資料の中にはきょうはお配りしていませんが、十三人の中、学者と専門家ばかりです。
介護保険を利用している当事者が入っていないじゃないですか。
大臣、この種の問題は、やってみて失敗していたらもとに戻すではもたないんですよ。
そして、次のページにも行かせていただきますが、
介護保険を持続・発展させる一千万人の輪という、
介護保険をよりよくしたいと思っておられる最大の団体です。ここからも、六ページにありますように、多くの要
介護高齢者がサービス
給付から外れるという危惧がある、一たん凍結してくれということを言っているわけです。
それはそうでしょう。繰り返しになりますが、こういう判断基準を変えて、モデル事業を一切やらずに、ぶっつけ本番で生身の
高齢者にやってみる、やってみて問題が起こったら見直します、それが
厚生労働省のやることですか。おまけに、サービスをカットされたり非該当になるお年寄りも、
介護保険の保険料は年金から天引きされているんですよ。
ぜひとも、これは一たん凍結をすべきだというふうに思いますが、
大臣、いかがですか。