○高木(美)
分科員 公明党の
高木美智代でございます。
金子大臣には、初めて質問をさせていただきます。
本日、私は、精神障害者の方へのさまざまなサービスの実現、そしてまたノンステップバス、福祉タクシー等の移動の支援のための質問をさせていただきたいと思っております。
実は先般、
高速道路料金が引き下げになりまして、それによりまして、土日、皆様が大変長距離まで行かれる。高速道路もしばらく込んでおりましたが、最近はやっと少し落ちついたようでございます。このときに、精神の障害者の方たちから、また、これはほかにも何件かございましたが、障害者の方の割引とどのような兼ね合いになるのかというお問い合わせを数件いただきました。また、それを機に、精神障害者の方には、知的また身体障害者に比べまして受けられる割引制度などの恩典が少ない、こういう御
指摘を改めていただいたわけでございます。
これは、既に大臣御承知かと思いますが、
平成十六年、精神障害者の
地域生活支援の在り方に関する検討会、ここでも、精神障害者の
活動の舞台を広げるためには、手帳に基づくサービスの充実を図るべきであり、信頼性向上のために写真を貼付するとの報告がなされました。また同年、総務省が、
行政苦情救済
会議の結果を踏まえたあっせんをされまして、本人が乗車していることの確認が困難であるということも課題の一つであるという
事業者の話を踏まえまして、精神障害者の
団体の方たちみずから、写真貼付を検討してもらいたい、こういう要望がございました。
平成十八年の十月、手帳に写真貼付を求めることとなりまして、スタートをいたしました。当然、このときに精神の方たちは、身体、知的障害の方と同様のサービスを受けるための準備である、このように理解をされたわけでございます。
ちょうど同じときに、障害者自立支援法が本格施行になりまして、三障害一元化と言われ、どこに住んでも同様なサービスが受けられるということから、精神障害者の方も、こうした移動に関する支援、サービスの拡充を大きく期待したわけですが、これが一向に進まないという今の
状況もございます。例えば、身体、知的の方は、JRそれから地下鉄、また航空機、有料道路等、それぞれ減免
措置がございます。しかし、精神の方にはこのいずれもないという今の
状況があります。
平成十八年、厚労省も
国交省に再度サービスの拡充を要請いたしまして、それに対して
国交省もこたえてくださり、
事業者に要請をされたと伺っております。しかしながら、今なかなか進まない現状。
当然、厚労省の世界では、自立支援医療を受ける際の医療費の
助成がこの手帳を提示することによって可能となるということがスタートをいたしました。そして、昨年の十月ですが、NHK放送受信料の減免
基準、これも変更となりましてスタートしたわけですが、いかんせん、精神障害者の方については、施設入所者のみというまだ限定された
状況があります。これも、厚労省また総務省が力を合わせて変えていただかなければいけないと思っております。また、
自治体によりましては、さまざま優遇制度を設けておりまして、
公営住宅の優先入居、また公営施設の利用料の減免、大型ごみ排出時のサービスとか入れている大変取り組みの厚い
自治体もあれば、その中でたった一つしかメニューがないというおくれた
自治体もございます。そういう中での今回の
高速道路料金の話でございました。
この「有料道路における障害者割引制度の御案内について」という
説明書には、ETCを利用する、しないにかかわらず、市町村福祉事務所等で受け付けできる障害者は、身体障害者また知的障害者に限られております。またサービスの恩恵がない、こういう
指摘になってしまったわけであります。
当然、こうしたことは
事業者の努力でありまして、どこまで配慮ができるかという、こういう理由は私は十分に承知をしてはおりますけれども、当事者の思いを考えますと、じくじたるその思いも十分理解できると思っております。
精神障害者へのサービスが不十分である、このように考えているわけでございますが、厚生労働省また
国土交通省におかれまして、現状認識、そしてまたこれまでのお取り組み、また今後どのように対応をするおつもりなのか、両省にお願いをいたします。