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篠原委員 そういうところはあっていいんだろうと思います、そういうところは。しかし、なぜ
外務省だけがそうじゃないかということですね。私は、
経済一般の研究所なんて、はっきり言ってどうでもいいと思います。そこらじゅうに
経済学者がごろごろしているわけです。いろいろなことを言っているわけです。国が責任を持ってやらなくたっていいんです。
一番下を見てください、防衛研究所。人数も百三十四名で、研究職の人も八十一名。なぜでしょうか。防衛問題を
民間で研究したりしているところはないです。それから、国際政治学とかあるいは政治学一般になったら、軍事問題、安全保障問題が中心なんですよ。ところが、
日本は特殊な国でして、軍事とか安全保障とかいうことを大学で教えるのもはばかる。ですから、猪木正道さんとか高坂正堯さんとか、ほんのわずかしか安全保障問題をやってこなかったんですよ。そういう経緯があるんです。では、
外交問題はどこでみんなやっているかというと、国立大学法学部の中に政治学科があったりして中途半端なんです。
私は、こういう人たちとつき合いました。過去のことを言ったってしようがないんですが、
内閣総合安全保障
関係閣僚
会議担当室という長ったらしい名前のところに一九八〇年出向させられました。だから、官邸のこの辺をうろちょろしていたんです。安全保障なんてだれもやる人がいなかったんです。
では、一体どれだけ
外交をきちんとやっている人がいるか。
外交の中で、安全保障問題、北朝鮮問題とかいってプロがどれだけいるか。私は、防衛研究所と同じように国がちゃんと研究所、
民間のはあっていいですよ、あっていいんですけれども、国がちゃんとやらなくちゃならない
分野の
一つだと思います。
なぜかというと、もう
一つ、農林水産
政策研究所というのを見てください。ここは結構でかいんですよね。そして古くからあるんですよ。なぜかというと、一般の
経済をやる人はごろごろしていますけれども、農業
経済はマイナーですからやる人がいないし、国がやらなくちゃいけなかったんです。だから、東畑精一さんという立派な方が初代の所長で、そしていろいろ
政策提言されました。だけれども、国の機関だからといってべったりじゃなくて、ちゃんと独立していたんです。東畑精一さんは吉田茂さんのときに農林水産
大臣になってくれとか言われたりもしたんですよ。国だからといってべったりとかにならないわけです。
それで、
外務省には、なぜこれを申し上げるかというと、もったいない
人材が幾らでもいるんです。今シーズンのこの
委員会でも、私は、村田良平さん、それから孫崎さんと二人に、小倉和夫さんとか
岡崎さんとかいっぱい、
外交官をやりながら論文を書かれて、そして注目されて、そして非常にいいことを言っておられてという人がいるわけですよ。そういう人たちをほったらかしにしておくのは私はもったいないと思うんです。そういう人たちを一本化して、
外務省の中にちゃんとした研究所を設けてもいいと思うんです。
なぜかというと、袴田茂樹さんというロシアの研究者がおられます。私も安全保障をかじったことがあるので、それから西原さんと、ちょうど合宿みたいな形で一週間おつき合いしたことがあります、安全保障問題。それで嘆いておられました。ほかの国は、どこどこの国の専門家とかちゃんといるけれども、これは袴田さんがおっしゃっていたので私は事実かどうかわかりません、皆さんの方がわかっておられると思いますけれども、ロシアの研究者は先細りで、ほとんどいなくなってしまう、それをバックアップしたりする、支える体制がない、学者に自主的にやってくれみたいな感じで、この大学はここの
地域の、国の担当だ、この大学はここだ、東アジアだ、
アメリカだというふうになんかなっていないと嘆いておられました。
私はそれは、
外務省がその
地域別の研究者を育成すべくちゃんとやるべきだと思います。
日本国際問題研究所、二〇〇八年に立派な研究所だというふうに言われたというのは、それは知りませんでしたけれども、しかし、研究職十五名で、外にも発注しておられるのでしょうけれども、やはりだめですね。ぜひそういうことを考えていただきたいと思います。
例えばロシア研究者、十分にいるんですか。第一人者の袴田さんは嘆いておられましたけれども、このままだとロシアのことを、危うい国のロシアをちゃんと研究する人がいなくなってしまうと言っておられるんですけれども、その点どうですか。