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辻元委員 今の御
発言の中で、文化に合ったという御
発言もございまして、それから
韓国やタイの事例ということで御紹介いただいたんですが、インドネシアもそうですね。
結局、私は、今回の
金融危機と、九〇年代、これぐらいから、
経済のグローバリゼーションが八〇年代後半から進んでいきます。
経済のグローバリゼーションというのは、やはり
アメリカが先導しましたと思います。
八九年にベルリンの壁が崩壊して、その後、東側諸国がなくなった中で、
アメリカ一極みたいな形にやはりどうしても世界がなりました。その中で、
アメリカが、
アメリカ型のとあえて申し上げれば、資本主義のやり方、
金融を自由化していくということを先導して、東側がなくなったものですから、言ったら、ほら、社会主義がなくなったやろう、
アメリカ型でいくでということで、
アメリカ型の
金融優先のいわゆる規制緩和と市場開放、市場の原理という一つの物差しで世界じゅうのあちこちにその構造改革を迫ったというのが、やはり私は九〇年代のアジア危機を、てこにしてと言ったら変なんですけれ
ども、識者によっては利用してという言葉を使う識者もいるわけですね、そういう一つのやり方、その中に
IMFも組み込まれて、
先ほどから
IMFなどの国際機関の人事も欧米型と言われておりますけれ
ども、その一つの
アメリカのスタンダードを、先兵としてと言ったらちょっと言い過ぎなので、あえて申し上げると、その思いも私はありますので、
IMFが先導していったんじゃないかというように私なんかは
考えるわけなんですね。そこの部分、今の
金融危機と切っても切れない、むしろ、
金融危機みたいなことが起こる世界の
経済システムをつくる一つの役割を果たしてしまったんじゃないか。
ですから、そこをどう
考えるかということを抜きに、幾ら
増資しても、それからこれから規制をするといっても、その根本のところの議論を、これは何も別に私は
アメリカを攻撃しているとかというわけではなくて、
アメリカの中の議論も起こっていると思うんですね。
当時を見ますと、
韓国の
経済学者のキム・デファンさんという、一九九八年にお書きになったものの中にも、私は、
経済学者として、
外国資本の誘致を同時に求める
IMFの
融資条件に疑問を持つ、さらにこの条件ではインフレになるんじゃないかとか、それから、
金融の過度な自由化を
アメリカ型のやり方で求めてきているとか。
それから、インドネシアについても、ある
経済学者が、「
IMFはアジア
経済の台風の目となっている。
IMFの
要求は、
経済危機を長引かせ、デフレ的な、かつインフレ的な影響を地域
経済に与えている。」ということで、その中で、
外国資本への過度な依存をもたらしているのではないか、それから、グローバル市場というものを急にアジアに押しつけてきているんじゃないかと。これによって、今起こっているような問題、労働者の格差が広がるとか貧困層がふえるというような指摘をもう既に、これは両方とも九八年です、していたんですね。
私は、やはり今の
経済危機というのは、このときの危機と切っても切れない。そして、このときの危機の対応の仕方がいわゆるそういう形での、
IMFなどを中心にしていた一つの方法に頼っていたために、さらに危うい構造のグローバル
経済というものができてしまったんじゃないかというように
考えているんですけれ
ども、竹下副
大臣、いかがでしょうかね、いろいろ現場でもお話しされていると思いますけれ
ども。ここは、これから
IMFをどうしていくか。私は否定しているんじゃないんですよ。ですから、きょうの
協定の
改正に賛成なんですね。少しでもよくなる。しかし、その根本を今私たちはしっかり
考えないといけない時期じゃないかなと思うんです。
今、アジアの国々と話し合っていて、やはり
アメリカのやり方というか、グローバルスタンダードという名でいきなりやってきたというようなやり方。それから、ワシントン・コンセンサスという言葉を御存じだと思うんですよ。結局、
IMFとか
世銀と
アメリカの
財務省が一緒になって一つの
経済戦略をつくっているんじゃないかと。これは九〇年代後半からずっと言われてきていたわけです。それで世界がうまくいったのならいいんですけれ
ども、かえって脆弱な
経済構造をつくってしまった、その中に
IMFもあったのではないかと私は思っているんですが、いかがでしょうか。