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篠原委員 私の正直な
気持ちとしては、
余り東京ばかりに集中するのはよくないと思っているんです。
日本の
国策の間違いでして、何でも
東京に集中していると、ほっといたら、
経済の
合理性を考えたら、人も金も情報もこういう
交通網もみんな
東京中心になってしまう。国の
安全保障とかそういうことを考えても、
国土の均衡ある発展という
観点からも、分散していた方がいいと思うんです。だけれ
ども、先に来た国が全部
成田で、後から来た国が全部
関空や
中部国際空港だというのは、それはちょっとかわいそうだと思うんですね。だから、そこのところの兼ね合いなんです。
次の
質問ですけれ
ども、ちょっと済みませんが、資料を捜したんですけれ
ども見つからなかったんですが、私は、やはり大局的な
見地に立って
交通行政をやらなければいけないんじゃないかと思うんです。
私が役人になったばかりのころ、本を読みあさりました。
皆さんお忘れかもしれません、
小泉チルドレンのお若い方は余りご存じないかもしれません。
糸川英夫さんという大ベストセラーを書いておられた
評論家がおられました。私はあの人のとっぴな
発想の、こんなの本当かなと思っては、疑問を
感じながら読んでおりました。その中にあったんです、この
ハブ空港についての問題ですね。
ちょっと御
紹介させていただきますと、私がしゃべるよりいいので、あの本を全部読み直したんですが、あの本の中じゃなかったんです。「逆転の
発想」という、続、新、続々、新々とかいって五、六冊あるんですけれ
ども、その中にどういうくだりがあったかですよ。やはりすごいんですよ、天才なんですね、世の中を見渡せるんです。
まず、私の
出身母体のところの恥をさらすようなことになりますけれ
ども、
八郎潟の
干拓という問題があったんです。これに大反対されていたんです。
糸川英夫さんは、ロケットを
秋田で打ち上げていたんですね。そこから種子島に移ったんです。そのときに
糸川さんは、何でこんな
八郎潟のようないいところを埋め立てるんだと。
面積当たりの魚の
生産量は一番高いんです。汽水湖という、淡水と海水がまざり合って一番栄養分に富んでいるんです。だから、いろいろな魚が一番とれるんです。
もっと大事なのは、米が足りなかったんです。
皆さん、今、米が足りない
時代なんて
日本にあったのかと思っておられるかもしれませんけれ
ども、戦後しばらくは、米はビルマや
タイから輸入せざるを得なかったんです。
米つくり日本一というのを朝日新聞がバックアップしてやっていて、
増産増産でやってきて余るわけですけれ
ども、そのときは足りないときなんですけれ
ども、
糸川さんはどうおっしゃったかというと、本に書いておられます。食生活が洋風化していって、いずれ米は余るようになる、余るようになるような米をつくるためにわざわざこんなところを
干拓するなんて、とんでもない愚かなことであると。しかし、だれも耳を傾けませんでした。私も実は、何をこのおじさんは変なことを言っているんだ、農業もわかりもしないくせにと。私は
農林水産省にもう入省していましたので、よく覚えているんです。ですけれ
ども、すぐ、大潟村の
干拓が終わった
時点から米は余り始めて、さんざんもめるわけです。
もう
一つ、この
ハブ空港についても、こういうすばらしい提言をされているんです。そのときに、たしか
秋田県の
知事は
小畑知事です。そんなことを
糸川さんはおっしゃるけれ
ども、
秋田県はそれでは浮かばれない、どうやって
秋田県の
振興を図っていったらいいんでしょうかという
小畑知事の反論に対して、
糸川さんはどうおっしゃったかというと、自然を壊すのはよくない、
エコロジストなんです、しかし、余り使われていない丘がある、農地にもならない、森林地帯ではあるけれ
ども、そこを平らにして、
日本の大
玄関ハブ空港をつくったら、
ハブとは言っておられません、
空港をつくったらいいと。
なぜかというと、
糸川さんは海外にも行っておられましたけれ
ども、その当時、
羽田しかありませんでした。
羽田におり立つと、
タイかフィリピンか、こんなことを言っちゃ悪いんですけれ
ども、ごみごみした
景色で、そういうところにおり立ったのと同じ雰囲気であると。第一
印象というのは大事なんだ、
羽田が
玄関空港としては恥ずかしいと。
日本の
景色の
代表は、やはりペリーが来たときに、緑、緑、
緑なす島と言った、緑なんだ、
田園風景だと。
秋田に世界じゅうからおり立ってもらって、そこから、ここからまた大事なんです、新幹線もまだできていなかったころです、今に
秋田と
東京を一時間もかからずに結ぶ
高速鉄道ができる、それで
日本の原
風景である
田園風景をたっぷり見させて
東京に送り届ける、そして、
近代都市の
東京と、非常にきれいな原
風景の
日本の
農村、これが
日本の強みだということを
印象づければいいんだ、そういうことを書いておられたんですね。
私は、さすがだなと
思いました。米の本ので
印象に残っているんですけれ
ども、そっちの方もあったんです。それをちょっとコピーして
皆さんにお配りしようとしたんですが、間に合わなかったので、この次の次ぐらいに捜し出しておきますから。僕は感心したんです。そういう
長期的観点に立たなければいけないんですが、もうそこで間違ったわけです。
東京の近くじゃなくちゃいけないというので
成田になって、すったもんだして、いまだもって満足な
機能というのは果たせていないんです。
省庁再編、今、
厚生労働省を分割するとかまたいいかげんなことになっているわけですね。
国土交通省をつくるときに、大
国土省というのもあったわけです。
農林水産省の当時の
構造改善局と建設省の
河川局を一緒にしてとかあったんですが、やはり
交通体系としてきちんと一本化して、
日本の
交通体系をきちんとすべきだということで
国土交通省になったんです。ところが、どうも、海の
交通体系、陸、それから
鉄道、みんなばらばらなような気がするんですね。
私は、この際、十四兆円も使って
補正予算を組んでいる、
首都機能の移転というのをさんざん言われましたけれ
ども、これはしりすぼみになっています、これはでか過ぎますもの。しかし、こんながたがたしているんだったら、
思い切って
空港を
地方の、
糸川さんはもうおられませんけれ
ども、
糸川さんの遺志を継いで、今から
裏日本の
秋田県にそういう
ハブ空港をつくったっていいような気がするんですけれ
ども、
政治家としての御見解を
岡田政務官にお伺いしたいと
思います。