○鈴木(馨)
委員 ありがとうございます。
まさに今おっしゃった点、これが
外務委員会で議論していくテーマ、
課題なのかなというふうに思うところでございます。
ただ、先ほど申し上げましたように、通常の
委員会ですと、やはりこれは、行
政府がやっていること、それを
国民の
立場からきちんとチェックをする、そして、おかしな点がないかどうか、そういった点をきちんと国権の最高
機関である国会の場で
国民を代表する国
会議員がチェックしていくというのがその姿勢なのかなというふうに思っています。
外務委員会においても、
条約の審査等において、そういったことは当然やっていかなくてはいけない、これは当然のことであります。
しかし、その上で、
外交というのは、その後、国際社会の中で
日本としてどのような
国益を守っていくのか、それが、さらに言えば、
国民の福祉、利益ということにもつながっていくわけでございまして、そういった観点もやはり忘れてはならないのであろうというふうに私は思っているところでございます。
そういった中で、よくこの
委員会の場でも、これは与野党問わずいろいろな質疑の中で、
外交上これはなかなか答弁できないんだ、あるいは仮定の
質問にはなかなか答えられない、そういった御答弁も、これはやむを得ない点もあるというふうに思います。
しかし、
外交上答えられないということについても、本当に答えるべきではないのか、あるいは答えた方がいいのか、そういったことはやはり、その場合その場合でいろいろな場合があるんだというふうに私は
考えているところでございまして、そういった点について議論をさせていただきたい、そういうふうに思います。
恐らく、交渉事において
我が国の利益というものを最大限実現するために何が望ましいのかということを
考えるときに、やはり私は、相手方が
日本という国が幅広い選択肢の中でどういう選択をするのかがわからないという
状況というもの、それが交渉の場においては一番の武器になるんだろうというふうに思っています。
簡単に言えば、例えば、これは完全に仮定のケースでございますが、ある国が核実験をするかもしれないというときに、それに対して
日本がどのような反応をしてくるのか、それが読めない、もしかしたら非常に強い反応が返ってくるかもしれないし、あるいはそうでないかもしれない、そういった
状況、しかも、
日本政府がそのあらゆる選択肢の中でどういう選択をするのかがわからないという
状況が、恐らく、その国が核実験をするしないという判断にも
関係してくるようなことというのも想定されるんじゃないか、そういうふうに思っているところです。
そういった中で、この
委員会の議論も、やはり私は、そうした
外交の選択肢を可能な限り議論していく、こういうこともできれば、こういうこともできる、もちろん、できない範囲ということは当然憲法の制約等でございますが、しかし、それを除けば、さまざまな選択肢というものを議論していく。ただ、そのうちのどれを選択するということについては、やはり私は、交渉の前ということで、交渉の前にそういった
意見表明をするというのは決して
国益にプラスになるとは思いませんから、そこについては
外交上の判断というのがあってしかるべきと思いますが、しかし、その選択肢を議論していく中では、私は、そこについては逆に、外へのメッセージということで
考えても、こうした議論の場、しかもオープンな議論の場というものはやはりきちんと活用していく、そういった
考え方も同時に必要なんじゃないかというふうに
考えているところでございます。
そういった点について、
外務大臣におかれましては、
外務委員会において、
外交上の理由で答弁すべきではないものというのは一体何なのかについてどのようにお
考えでいらっしゃるのか、お伺いをできればと思います。