○篠原
委員 誠実な御
答弁、ありがとうございますが、こんなのは当たり前なんですね。港を、これは海軍の
施設だ、これは
海兵隊の
施設だと、二つ港なんてつくる必要はないですよね。一緒に使うんです。当たり前です。空軍の
施設だって、空港だって同じですよ。当たり前なんですけれ
ども、これを見ていると、先ほどの
近藤委員の指摘じゃないですけれ
ども、何だと。九千人の
家族が移る、九千人もいないじゃないか、八千人の実員もいないじゃないかと。結局それは、
海兵隊員じゃなくて空軍や海軍の
皆さんのものに使われるというふうになってしまうんじゃないかと。
僕は、ある
程度、行く行くは、いろいろなこと、ごちゃごちゃがあって、十年後、二十年後もそれはそれでいいと思います。
海兵隊用につくったんだから、
海兵隊以外の
皆さんはそれを使っちゃいけないなんて、そんなことを言っていたら有効活用できませんからね。ですけれ
ども、最初ぐらいはぴしっと
国民にわかるようにして、大新聞の一面にこんなふうに書かれないように、きちんと
説明しておいた方がいいと思いますよ。誤解を受けます。慎重にも慎重の上で、きちんと
説明してやっていっていただきたいと思います。使途はきちんとしなければなりません。
それから、次に四ページ、また新聞記事で恐縮ですけれ
ども、見ていただきたいんです。
大臣、よく見ていただきたいんですが、全然違う文脈で同じ日に東京新聞と毎日新聞に、キルギス
基地の再開への支援云々と書いてあるんですね。
一つは、ケント・カルダーさんですが、
日本通の、
アメリカのライシャワー東アジア研究所長のカルダーさんが何を言っているかというと、「
日米関係どう変わる」かということで、「キルギス
基地再開へ支援を」とか言っている。何でこんなことを言ってくるのかなと、よく読んでいきましたら、
オバマ政権がアフガンを大事にしていると。それで、キルギスの
基地を閉鎖せんとしている、キルギスは財政的に困っている、経済援助を
日本にしてほしい、
日本は金持ちでしょう、だからやってくださいというふうに言ってきているんです。それで、その下に東京新聞で、「キルギス
米軍基地 一転、存続の可能性」とかと書いてあるんです。
次の五ページを見てください。ちょうどこれに合わせて小野寺さんもおいでいただいたようでございますけれ
ども、三年半前に
外務委員会の
委員派遣で、私はキルギスに行かせていただいたんです。
国会議員になって初めての外国出張でございました。役に立った出張だと思います。
見てください。マナス
基地を見てきたんです。それで、
アメリカ大使館前で、
アメリカの大使、女性です、真ん中にでんと構えておられますけれ
ども、
アメリカ人にしては小柄な方ですが、元気がよかったです。左側は、大使と、当時の
原田外務委員長と中谷さんと、顔に手を当てているのが私で、考えているふりをしているんですけれ
ども、休んでいるだけです。
私は、このときの議論が非常に印象に残っているんです。この大使がどうおっしゃったかというと、キルギスはとんでもない国だと。この下のところを見ていただきたい、ちょっと字が違っているところがあるんですが、今、
基地使用料として千七百四十万ドル払っている、ところが、
基地の使用料を十倍に上げるといって、要求されて困っているんだと言いました。その十倍というのは、隣の一億五千万ドルの経済効果と書いてありますけれ
ども、経済協力
支出です、経済援助。それで、大使は言っていました、
アメリカ議会は
承認しそうだと。小野寺さんも覚えておられると思いますけれ
ども、
承認してくれるんだと。ただ、問題は、幾らやっても、
本当にキルギス
国民のために使われるんだったらいいけれ
ども、汚職で、どこか途中の変な人たちがみんな懐に入れてしまって使われない、このことだけがちゃんとしたら、我々は幾らでも出すつもりがあるんだと。
私はそのときびっくら仰天しました。
沖縄と比べたんですね。片や、何でもかんでも
思いやり予算とか、私は悪女の深情け
予算とかいって去年申し上げましたけれ
ども、物すごくいっぱい出してやっている。そうすると、キルギスは、お金がない弱小国だとはいえ、
基地の使用料を取っている。
それから、下です。急転直下です。それからごちゃごちゃやっていたんですね。実は、あの話はまとまっていなかったんです。びっくりしました。一たんまとまりかけたんだそうです、一億五千万ドル払うと。ところが、三番目のところを見てください、ことし二月三日、ロシアと
アメリカの綱引きが始まったんですね。バギーエフ大統領が突然、
駐留期限の終了を決定したといって、声明を出すんです。
理由は二つ。この二つの理由をよく見てください。キルギス
政府の提示する金額で交渉がまとまらずと。
アメリカが一億五千万ドル払うのを拒否したんです。これは、
日本とは正反対の対応です。
二番目。弱小国でも
日本国でも同じです。これは残念ながら、
日本の新聞や何かに報じられておりません。
外務省に聞きましたけれ
ども、
外務省からはこの情報は参りませんでした。ですが、二番目が大事なんです。よく読んでください。
米軍人による犯罪や事故に関する司法権が
アメリカ側にあるため、殺人事件や交通事故を起こした
米軍人が処罰されずに本国に送還されたことによって、キルギス
国民の世論が反
米軍基地化したと。
似ていますよね。
日本も同じなんです。地位
協定問題ですよ。よく思い出してください。この返還とかいうのも、何から生じたんですか。一九九五年、
米軍の少女暴行事件をきっかけにこの問題が噴出して、出ていけというのになったんです。全く同じなんですよ。
世界じゅうで同じことが起きているんです。ただ、対応の仕方が違うんです。
ですから、私は、このカルダーさんの記事の要望、取ってつけたような要望ですけれ
ども、ちょうどいいです、
日本はキルギスに経済援助してやったらいいんです。ほんのわずかです。我々、視察した
皆さんも、感謝されるんだろうと思います、そういうようなことを言ってきましたからね。そのかわり、対米交渉の仕方も、
基地の
あり方についても、ちゃんと教わってくるべきだと思います。
その下を見てください。したたかですよ、バギーエフ大統領。(写真を示す)これをちょっと入れるのを忘れていたので、ちょっと済みません、
理事会の了解はとっておりませんけれ
ども、にっこり笑って、私たちも握手してきております。バギーエフ大統領、この方が頑張っているわけです。なかなかしぶとそうな顔をしていますよ、体もきちんとしていますし。この方が、
アメリカとロシアの間でもって適当に動き回っているんですね。
五のところを見てください。バギーエフ大統領は、ロシアのメドベージェフ大統領と会って、二十億ドルの融資、キルギスの年間
予算だそうです、そして、
アメリカに言っているのと同じ一億五千万ドルの無償支援。つまり、これはフランスもロシアも共同で利用しているんですよ。我々の飛行機や何かもここにおりたんです。ロシアと
アメリカをてんびんにかけて、そして自分の国づくりをしようとされているんです。なかなか大変な国だと思います。
それは、
日本は
世界第二の経済大国だというのはあるかと思いますけれ
ども、何でこんなに対応に違いがあるのか。
日本の、
税金も投入して、出ていってくれるのにお金を払う。片や、使わせているのに金を払え、金を十倍払えと言って、嫌だと言ったら出ていけと言っている。この大きな違いは一体どこから出てくるんでしょうかね。
外務大臣はいかがお考えでしょうか。