○篠原
委員 これは単純なんですよ。彼は、活躍していろいろなためになってくれているんですね。それから、上の遠藤保雄というのも、これは国際部長をしています。北原悦男というのも、インターナショナル、留学して、
外交関係の
仕事をしていたんです。
こういうことを言うと悪いかもしれませんけれども、退職して団体に行くとか企業に行くというときに、農林水産省は残念ながらインターナショナライズしていませんので、国内の団体はこんな人要らないと言っちゃうんですよ。行き場所がないんです。それで国際機関しかないと。窮すれば通ずで、有能な人材だし、ちょうどいいから国際機関に出そうということになっているんです。やる気になればできるんですよ。農林水産省のような国際的におくれている役所ですら、ちゃんと送り込もうと思ったらできるんです。
それで、
大臣、さすがですね、先読みされてお気づきいただいたと思いますけれども、田中伸男さんというのは国際エネルギー機関の事務局長なんです。これは線を引っ張りましたけれども、見てください。
外務省の皆さんもよく見てください。こうやって、留学して、アメリカ
大使館へ行って、OECDに行って。OECDの一つの組織なんです、IEAは。IEAの局長になるべく、結果としてそうなっただけじゃなくて、途中からそういう感じの人事配置をしているんです。
野村一郎もそうです。彼はもう典型的な、水産庁でもインターナショナルに、捕鯨から何から何でもやっている。彼はなぜFAOの水産局長になれたかというと、これを見たらわかると思います、もう世界の水産界の顔になっているわけです。野村ならいいと。全部がいいわけじゃないですよ。彼の能力が卓抜していたから、皆さんもすぐ受け入れる。
書いていないんですけれども、途中でOECDの水産
委員会の議長とかもやっているんです。それはなぜしたかというと、このときに藤井さんという大使がおられたんですけれども、だれもOECDの
委員会の中で議長はいないと嘆かれました。なぜかというと、これはもう皆さんわかっておられますが、
日本の役人は二年か三年ごとにかわるから、同じ
委員会に五年、六年行っていないから、議長もとれないんです。ところが、野村さんはその前に世界の水産界でちゃんとわかっているので、行ったばかりでも議長になってもいいというので、根回しして、私が参事官のときにして、そのときにもう既に私は野村さんにも言っていたんです、手前みそになりますけれども。あなたの最終、行き着く先はFAOの水産局長だと。そのとおりになっているんです。
こうやったらできるんです。官房長、よく聞いていてください。官房長だったら十人も二十人もこういう人をつくれるんですから。
それで、
外務省もちゃんとやっていまして、いわゆるグッドニュースだと思いますが、七ページを見ていただきたいんです。まだわかりませんけれども、天野之弥さんがそういう感じで、まだわからないんですけれども、IAEAの事務局長の選挙が行われて、ここに立候補されている。見てください、この華麗なる略歴。ここに収れんするような形で、先ほどの田中さんと同じように、軍縮、科学に特化しているんですね。わかりますか。これは非常に見事な人事だと思います。
外務省のこういう人事をされた幹部が偉かったんですね。
それで、天野さんは、偶然いろいろな新聞を取り寄せて見ていたら、八ページを見てください、二年半前に国際公務員で
日本人採用増を
支援してと言って、自分が
支援される立場になっているわけです。いいことをする、慕われているといいことが起こるのじゃないかと思います。こういう目的を持ってやっていただきたいというのが私の願いでございます。
次に、九ページを見てください。幹部の次に、全体のですけれども、これは、一番最近の国連の資料の中にあったので、それをそのまま訳して
日本語の表にしたんですが、国連職員が望ましい職員数を大きく下回る
加盟国の概要というので、
日本が一番ひどいんですよ。この四カ国がひどい国なんだそうですけれども。
それで、次のページ、十ページと十一ページを比べて見ていただきたいんですが、十ページは二〇〇二年の。これは順番がどういうのかというと、職員数が多い順なんです。そして、望ましいのが真ん中にあって、右側の下回り数というのを見てください。二〇〇二年は百四十五。
日本に追随する国はないんです。ないというのはどういうことかというと、
日本だけが三けたなんです。二けたの対下回り数の国はないんです。ほとんど、みんなその拠出金に応じた人数を出しているんです。中国との比較なんていうものの比じゃないんです。
それで、二〇〇八年、ちょっとはましになりましたけれども、相変わらず百三十六人になっているというのですね。
これはやはり何か
努力が足りないんじゃないかと思います。
在外公館の
設置とか領事館の
廃止、新しいところに持っていくとかいうのも大事なんですけれども、私は、それよりももっと大事なのは、多面的、多元的
外交をするために国連の場あるいは国際機関の場に
日本人職員をどんどん送り込むことだと思いますけれども、そういう
努力は今までされてきておるんでしょうか。どのような
努力をされてきておるんでしょうか。