○中谷
委員 かなり中国も怒っているということですが、事実だと思います。
中国に共産党の機関紙人民日報がありますが、その
国際専門紙であります環球時報というのがありまして、そこには、もはや中国と
北朝鮮は血で固めた友情は存在をしなくなった、
北朝鮮は再び危険な遊びをするな、恩知らずであって、
国際社会はいつまでもお遊びにつき合っている暇はないということと、また、一九九〇年から十年にわたったこの
北朝鮮の無益な対抗外交、その結果、国内経済も極めて困難な
状況に至って、軍の士気も低下しているということで、ミサイルや核兵器で
米国に対抗したけれども結局は無益だったということで、中国の国民に
北朝鮮の批判を呼びかけて、今後さらに圧力を加えようといたしております。
そこで、
外務大臣にかわりまして
官房長官に伺わせていただきます。
世界を見ましても、もう冷戦は終わっておりまして、ヨーロッパなどは経済統合、国家統合が進んでおりますが、東アジアは相変わらず冷戦構造が残っているということ、しかも
北朝鮮は、帝国主義の
米国、
日本に断固立ち向かうという姿勢でありまして、まさに
韓国も含めて敵対関係にあるわけであります。朝鮮戦争が終わっていないと言ってもいいんですが、
北朝鮮のこの先軍政治とか瀬戸際外交、権力者の世襲、まさに
国際社会がいろいろと努力しても全く成果がつかめない
状況でございます。
しかし、これでいいはずなくて、ヨーロッパに負けないような東アジアの経済圏というものは、
日本が主導してつくっていかなければならないと思うんですね。その前例が、東南アジアのルックイーストという経済高度成長をもたらした。中国も非常に政治安定のもとに経済開放をもたらした。これはやはり
日本の外交の勝利でありまして、
日本はこれだけのことをなし遂げる経済力と、
外務省を含め、外交パワー、構想力というのはあると思うんですね。ですから、この
日本の力をぜひ
北朝鮮に向けていただきたい。
二〇〇二年九月に小泉さんが平壌を訪問して平壌宣言を出して、大体のメニューと最終目標図というものを決めているはずでございます。これには、核、ミサイル、拉致、経済支援、そして日朝国交正常化というもとにやってきたわけでありますが、拉致問題で非常にこれがとまってしまって、もう七年経過をいたしました。
拉致なくして国交回復なしというのは原則としては理解いたしますが、ずっと制裁をしてきて全く前進してない。拉致問題も前へ進んでない。もうそろそろこのあり方も転換をして、結果的に拉致問題を解決するにはある程度の話し合いや
協力、支援をやりながら前進させていくというのが私は
日本の姿として必要ではないかなというふうに思っておりますが、そのためには、まず、首脳外交というか官邸主導の外交姿勢を示すことが必要でございます。
北朝鮮に対して、
日本の経済力、また
日本の技術力、こういうものをもって国交回復に向けて話し合いを続けて、同時に、最も必要な拉致、核、ミサイル、これの前進を図るべきだと考えますけれども、今の官邸、また
官房長官にその熱意と発想がおありであるのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。