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新藤委員 おはようございます。
新藤義孝でございます。
きょうは、
総理、御
出席いただきましてありがとうございました。また、各
大臣、連日お疲れさまでございます。
この
海賊対処法案は、
特別委員会におきまして非常に熱心な、しかも濃密な
議論が行われてきた、このように思っております。そして、いろいろな問題が浮き彫りになりましたけれども、
議論もいよいよ尽くされてきたかな、論点が絞られてきたと私は思っております。
そして、きょうは、いよいよこの
審議の後に
採決をさせていただくということになりました。ですから、きょうは
総理にもお出ましをいただいて、今回、この
海賊対処法案によって何をしようとしているのか、そこを、テレビの中継も入っておりますから、
国民の皆さんと一緒に整理をしたい、このように思っております。
何よりも、私
たちの国における
海上輸送の
重要性、これは全
国民が知らなければいけないというふうに思います。
日本貿易のうちの
海上輸送に占められる割合は、量で九九・七%、それから金額においては六八・五%が
海上輸送だということです。ですから、
海上輸送の安全の
確保、これを図ることが、また、円滑に、
約束どおりに物が運ばれる、そして入ってくる、これは私
たちの国にとって死活的重要な事態なわけでございます。
この海運の安全を脅かしているのが、今
ソマリア沖で多発しております
海賊行為だと。ですから、これにしっかりと国として
対処しようじゃないかということは当然のことだというふうに思うのでございます。
そして、このことはもう既に
世論調査においても、これは賛成が圧倒多数を占めているという
状態でございますし、過日、
参考人質疑を行いました。これは、
船主協会、
船主さんですね、それから
船長協会、
船長さん方、そして
海員組合さん、こういう各団体の方がおいでをいただきましたが、すべての海にかかわる団体の方が賛成をして、早くこの
法案を通してほしい、こういう御意見をいただいているということなのでございます。
そして、この
海賊対策の強化については、先ほど
中谷議員からも触れられましたが、昨年の十月の十七日、私も
質問させていただいたんです。
総理にも御
質問させていただきました。そして、この
海賊行為というものを、あのときはインド洋上のテロの補給の延長について
審議したんですが、その隣の
海域で
海賊が頻発していて、これに
対処しなければいけないんじゃないでしょうかということを申し上げました。
そして、去年の十月時点で、
日本の国は何の
対策も打っていなかったんです。これをこの半年間で、まずは
海上警備行動で
自衛隊を出し、そして今度は
新法をつくってこれにさらに
対処するようになった。わずか半年なんですね。それは
麻生総理の強烈なリーダーシップがあったと私は
認識しております。
与党の中において、
総理からの御指示があってプロジェクトもできましたし、
法案もこうやってつくってきたわけでございまして、このことはぜひ指摘というか、これは
総理がしっかりやってくれた、我々も頑張ったということを明らかにしなきゃいけないと思うんです。
その思いをお聞かせいただこうと思いましたが、先ほどもう言っていただきましたから、
総理の並々ならぬ決意と、
我が国の死活的重要問題だということを、改めてこれは確認したいというふうに思います。
そこで、この
新法が制定されますとどんなことが起きるか。
新法の制定の意義とそれから
効果、これについて少し確認をしたいと思うんです。
それで、現場に
海上警備行動で
自衛隊が行っているんですが、やはり今の
状態だとまだ不十分だ、それから不安な点があるということが、この
委員会の
審議を通じても明らかになってきました。
まず第一に、そもそも
海賊行為、それから、その
海賊行為が行われたときはこういう
処罰をしますよという
法律がなかったということなんですね、この国には。ですから、まず第一に、
海賊対処の明確な基準を法制化したということが非常に大きな意義だったと思います。
それから次に、他国の船も守れるようになった。
現状では
日本の船とそして
日本人船員、
日本関係の船しか守れない、こういうことになっているんです。そこで、これもちょっと御紹介します。こういうことが起きているということです。
船長協会の会長さんが、参考人の意見陳述の中で御報告いただきました。初めて自衛艦のエスコートを受けて航行したが、
自国艦船の
護衛を本当に誇らしく思った。部下の、
船長さんは
日本人ですが、部下はフィリピンの人なんですね、フィリピンの人
たちもとても明るい顔で、
日本をさらに尊敬する、リスペクトするよ、こういうふうに言ってくれたと。
しかし、この
船長の報告は続きがございまして、ある船、
日本以外の船から、この
自衛隊がエスコートしている、守られている船の船団にほかの国の船が入れてほしいという要請があったそうです。それに対して自衛艦側は、あなたの船の
船舶所有者、オーナーに連絡して救助の可否を検討します、こういう連絡をして、何かとても歯切れの悪いような印象があったということなんです。
その
船長さんは、海上においては、遭難した、また困った船の救援に駆けつけることは、
国連海洋法条約それから船員法において規定をされていて、これは国籍に関係なく、どんな船も困った船がいれば他の船は救助するのが、これがいわば海の男の仁義なんだ、こういうふうにおっしゃいました。そして、その海の男の仁義が歯切れよくできないことに残念だという気持ちを
船長も持ったというし、逆に言えば、自衛艦の海の男
たちもどんな思いでそういう問い合わせを交信していたのか。そして、その交信は周りじゅうの船や関係の国に聞かれているわけでございますから、今、
日本の置かれている
状態はこういうことだというのは、我々、
認識しなければいけないというふうに思うんです。
ちなみに、約二十カ国がこの
ソマリア沖で
海賊対処行動をやっておりますが、
保護対象は自分の国とそれにかかわるものだけですよという制約を加えている国というのは、
日本以外にあとどこの国があるのか教えていただきたい、このように思います。
それから、今回は、必要最低限の武器使用権限を与えるということも
新法において加わりました。乗り込まれて占拠されてから
対応しても遅いわけでございまして、これはどうしても接近をやめない
海賊船に対してその停止のための武器使用を行うことはまことに妥当だと思いますが、こういう
新法制定の意義とそして
効果について、
海洋担当
大臣また担当
大臣、お答えいただきたいと思います。