○下地
委員 きょうは、
外務大臣と
防衛大臣に、所信表明を受けての質問をさせていただきたいと思います。
衆議院の予算
委員会で
外務大臣に御質問させていただいたことがあるんですけれども、一九九三年から、
日本に対して対日要望書が来る、この対日要望書は、アメリカが、世界各国、
ロシアにも
中国にも、そしてアフリカにもイギリスにも出しているのかと言ったら、対日要望書というのは
日本にしか出していませんよという
外務大臣の御
答弁でありました。
日米関係が同格というようなことをやってまいりますと、そろそろ、この対日要望書をアメリカ側に拒否するというのが
一つのスタートになるのではないかというふうなことを私は申し上げさせていただいたわけであります。所信でも
大臣が、
安全保障にとって大事なのは外交だ、戦わずして勝つことにあります、これこそが
安全保障において外交が果たすべき役割でありますというようなことを申されているわけです。また次のページでは、
日米同盟の重要性についても
お話をしているわけですけれども、これから、この対日要望書をアメリカにも出させないで、きちっと
日本の役割、アメリカの役割というようなことを明確にしていくのが非常に大事なことであるということを私はまず一点申し上げておきたい。
そして今度、二月の十七日にクリントン国務長官が参りました。非常に戦略的な外交を感じましたね、この
大臣の。
日本に来られて、まず、すぐに明治神宮を参拝して、お神酒をいただいて、これがテレビで全部放映されて、非常に
日本の歴史、文化を大事にするというような雰囲気づくりをして、東大に行って、その学生と対話集会をして、
日本の隅々の声を聞くというふうな雰囲気をつくり、そして拉致家族の皆さんの声にもしっかりと耳を傾けて、これからどうするのかという方向性を示すようなことをおやりになって、これはヒラリー国務長官にしかできなかったことでありますけれども、皇后様にもお会いして会談をなされる。これは元大統領夫人だからできることだというふうに聞かせていただきましたけれども、こういうふうなことをやる。そして最終的には、グアム協定にサインして帰る。これはなかなか、このグアム協定がいいとか悪いとかという論議はおいておきまして、戦略的な外交があったのではないかなと思います。
そして、この後はインドネシアに行かれて、インドネシアでまた、イスラム教にも対話を持つよというようなことをやるし、
韓国に行ったら、今度は
韓国で、新しく
北朝鮮の担当者をかえるというふうなことをやって、
北朝鮮にも、今までとは違うやり方でやるというメッセージを送り、
中国に行ったら、
中国に行って、これまで選挙のときにあれだけ人権問題を言ってまいりましたけれども、人権問題にもそんなに言及しないで、経済とかこれからのあり方についてしっかりと頑張るというようなことをやられる。一連の動きを見ると、外交に戦略性が物すごくあるんですよ。
こういうのを見ていると、すごいなという感じをするわけです。それで、私も、
安全保障における外交においても経済政策における外交においても、そろそろ
日本の外交の瞬発力というか、外交の力みたいなものをつくっていかないとなかなか難しいんじゃないかと思うんです。
今、この外交の瞬発力をつくるというので、前から私の持論でありますけれども、アメリカ、
中国、
ロシア、イギリス、それに
韓国の五カ国の大使は政治家か実業家の代表であるとかというふうなことを、主要国に関しては、官僚の大使ではなくて、同等にその総理
大臣と意見を言える、そういうふうな方を大使にするというのが私はこれからの外交を強くする
意味では非常に大事じゃないかなというふうに思うんです。
実際、今、
日本は百三十一人外交官がいますけれども、民間は七人しかいませんね。主要なところにはいませんよ。しかし、アメリカを見てください、
大臣。今度もジョセフ・ナイさんが来るのではないかと言われるし、シーファー大使は実業家であるし、ハワード・ベーカー氏は政治家で上院議員でもあるし、フォーリー氏も下院議長もなされた政治家である。イギリスも、重要な駐
米国大使、歴代の大使も民間人、
中国においては、過去三代、民間の、軍人出身者、そういうふうな
状況になっている。
そういう
意味では、私たちも、外交力を強くする、それが
安全保障の平和の役割にも貢献するというふうになってくると、こういうふうに外交のあり方をもう一回変えてみる。構造的なものがよくならないと、私はなかなか、役人に任せるような外交だけでは無理じゃないかと思うんですけれども、
大臣のお
考えを少しお聞かせいただきたいと思います。