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2008-09-29 第170回国会 参議院 本会議 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十年九月二十九日(月曜日) 午前十一時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第二号
平成
二十年九月二十九日 午前十一時
開議
第一
常任委員長
の
選挙
第二
国務大臣
の
演説
に関する件
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
常任委員長辞任
の件 一、
日程
第一 一、
特別委員会設置
の件 一、
日程
第二 ─────・─────
江田五月
1
○
議長
(
江田五月
君) これより
会議
を開きます。 この際、
常任委員長
の
辞任
についてお諮りいたします。
内閣委員長岡田広
君、
文教科学委員長関口昌一
君、
国土交通委員長吉田博美
君、
環境委員長松山政司
君、
行政監視委員長加藤修一
君から、それぞれ
常任委員長
を
辞任
いたしたいとの申出がございました。 いずれも許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
江田五月
2
○
議長
(
江田五月
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、いずれも許可することに決しました。 ─────・─────
江田五月
3
○
議長
(
江田五月
君)
日程
第一
常任委員長
の
選挙
これより、ただいま
辞任
を許可されました
常任委員長
並びに欠員中の
予算委員長
及び
懲罰委員長
の
選挙
を行います。 つきましては、
常任委員長
の
選挙
は、その
手続
を省略し、いずれも
議長
において指名することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
江田五月
4
○
議長
(
江田五月
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、
議長
は、
内閣委員長
に
愛知治郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
文教科学委員長
に
中川雅治
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
国土交通委員長
に
田村耕太郎
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
環境委員長
に
有村治子
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
予算委員長
に
溝手顕正
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
行政監視委員長
に
山下栄一
君を指名いたします。 〔
拍手
〕
懲罰委員長
に
藤井孝男
君を指名いたします。 〔
拍手
〕 ─────・─────
江田五月
5
○
議長
(
江田五月
君) この際、
特別委員会
の
設置
についてお諮りいたします。
沖縄
及び北方問題に関する
対策樹立
に資するため、
委員
二十名から成る
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
を、
政治倫理
の
確立
及び
選挙制度
に関する調査のため、
委員
三十五名から成る
政治倫理
の
確立
及び
選挙制度
に関する
特別委員会
を、
北朝鮮
による
拉致等
に関する諸問題を調査し、その
対策樹立
に資するため、
委員
二十名から成る
北朝鮮
による
拉致問題等
に関する
特別委員会
を、 また、
政府開発援助
を始めとする
国際援助
・
協力
に関する諸問題を調査するため、
委員
三十名から成る
政府開発援助等
に関する
特別委員会
を、 それぞれ
設置
いたしたいと存じます。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
江田五月
6
○
議長
(
江田五月
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会外
三
特別委員会
を
設置
することに決しました。 本
院規則
第三十条の規定により、
議長
は、議席に配付いたしました
氏名表
のとおり
特別委員
を指名いたします。 ─────────────
議長
の指名した
委員
は左のとおり ○
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員
家西 悟君
大島九州男
君
金子
恵美君
喜納
昌吉君 小林 正夫君 主濱 了君 高嶋 良充君 藤原 正司君
横峯
良郎君 市川 一朗君
北川イッセイ
君
島尻安伊子
君 伊達 忠一君
中川
義雄君 水落 敏栄君
義家
弘介
君 草川 昭三君
木庭健太郎
君 紙 智子君 山内
徳信
君 ○
政治倫理
の
確立
及び
選挙制度
に関する
特別委員
足立 信也君 梅村 聡君
大河原雅子
君
亀井
郁夫君 行田 邦子君
佐藤
泰介君 鈴木 寛君 谷 博之君 千葉 景子君 辻 泰弘君 中村 哲治君 林 久美子君 福山 哲郎君 増子 輝彦君 松井 孝治君 柳田 稔君
山下
八
洲夫君
石井
準一君 礒崎
陽輔君
川口 順子君 河合 常則君 岸 宏一君
二之湯
智君 西島 英利君 古川 俊治君
牧野たか
お君 松村 龍二君 丸川 珠代君 丸山 和也君 荒木
清寛
君
弘友
和夫君
山口那津男
君 井上 哲士君 又市
征治
君 松下 新平君 ○
北朝鮮
による
拉致問題等
に関する
特別委員
加賀谷 健君
風間
直樹君 川合 孝典君 川上 義博君 下田 敦子君 徳永 久志君 白
眞勲
君 広田 一君 藤田 幸久君 水戸
将史
君 衛藤 晟一君
関口
昌一
君 田中 直紀君
中山
恭子君
松山
政司
君
山谷えり子
君
山本
一太君
魚住裕一郎
君
風間
昶君
山下
芳生君 ○
政府開発援助等
に関する
特別委員
犬塚 直史君 大石 正光君 大塚 耕平君
加藤
敏幸君
亀井亜紀子
君
島田智哉子君
武内 則男君 谷岡 郁子君 轟木 利治君
富岡由紀夫
君 長浜 博行君
姫井由美子
君
広中和歌子
君 藤末 健三君
牧山ひろえ
君 米長 晴信君
石井みどり
君 木村 仁君 小泉 昭男君
佐藤
昭郎君 椎名 一保君 谷川 秀善君 西田 昌司君
長谷川大紋
君 森 まさこ君
山本
順三君 谷合 正明君 浜田 昌良君 近藤 正道君 渡辺 秀央君 ─────────────
江田五月
7
○
議長
(
江田五月
君) これにて
休憩
いたします。 午前十一時五分
休憩
─────・───── 午後三時一分
開議
江田五月
8
○
議長
(
江田五月
君)
休憩
前に引き続き、
会議
を開きます。
日程
第二
国務大臣
の
演説
に関する件
内閣総理大臣
から
所信
に関し、
財務大臣
から
財政
に関し、それぞれ
発言
を求められております。これより順次
発言
を許します。
麻生内閣総理大臣
。 〔
内閣総理大臣麻生太郎
君
登壇
、
拍手
〕
麻生太郎
9
○
内閣総理大臣
(
麻生太郎
君)
演説
に先立ち申し上げます。 まず、
内閣
が突然交代することとなり、
国民
の
皆様
に御迷惑をお掛けしたことを深く
おわび
をいたします。また、
中山国土交通大臣
に替え、
金子国土交通大臣
を任命しました。
中山
前
大臣
の一連の
発言
は閣僚として誠に不適切であります。
関係者
の
方々
、
国民
の
皆様方
に深く
おわび
をいたします。 私、
麻生太郎
、この度、国権の
最高機関
による指名、かしこくも
御名御璽
をいただき、第九十二代
内閣総理大臣
に就任をいたしました。 私の前に五十八人の
総理
が列しておいでです。百十八年になんなんとする憲政の大河があります。新
総理
の任命を憲法上の
手続
にのっとって続けてきた統治の伝統があり、
日本人
の苦難と幸福、悲しみと喜び、あたかもあざなえる縄のごとき連綿たる集積があるのであります。その末端に連なる今このとき、私は担わんとする
責任
の重さにうたた厳粛たらざるを得ません。この言葉よ届けと念じます、ともすれば元気を失いがちなお年寄り、
若者
、いや全
国民
の
皆様方
の元に。 申し上げます。
日本
は強くあらねばなりません。強い
日本
とは、難局に臨んで動じず、むしろこれを好機として一層の飛躍を成し遂げる国であります。 また、
日本
は明るくなければなりません。幕末、
我が国
を訪れた
外国人
が驚嘆とともに書き付けた
記録
の数々を通じて、私
ども日本人
とは、決して豊かでないにもかかわらず、実によく笑い、ほほ笑む
国民
だったことを知っています。この性質は今に脈々と受け継がれているはずであります。よみがえらせなくてはなりません。
日本国
と
日本国民
の行く末に平和と安全を、
人々
の
暮らし
に落ち着きと
希望
を、そして
子供
の未来に夢を。私は、これらをもたらし、盤石のものとすることに本務があると深く肝に銘じ、
内閣総理大臣
の職務に一身をなげうって邁進する所存であります。 私は悲観しません。私は、
日本
と
日本人
の
底力
に一点の疑問も抱いたことがありません。
時代
は、
内外
の
政治
と
経済
において、その
変化
に奔流の勢いを呈するがごとくであります。しかし、私は、
変化
を乗り切って大きく脱皮する
日本人
の力をどこまでも信じて疑いません。そして、私は決して逃げません。 私は、自由
民主党
と公明党の
連立政権
の基盤に立ち、
責任
と実行力ある
政治
を行うことを
国民
の
皆様
にお誓いいたします。 初めに、
国会運営
について申し上げます。
さき
の
国会
で、
民主党
は自らが勢力を握る参議院において
税制法案
をたなざらしにされました。その結果、二か月も
意思決定
がなされませんでした。政局を第一義として、
国民
の
生活
を
第二義
、第三義とする姿勢に終始したのであります。
与野党
の論戦と
政策
をめぐる攻防は、もとより
議会制民主主義
が前提とするところです。しかし、
合意
の
形成
をあらかじめ拒む
議会
はおよそその名に値しません。
政治
とは
国民
の
生活
を守るためにある、
民主党
の標語であります。
議会人たる者
、何人も異を唱えぬでありましょう。ならばこそ、今、まさしくその本旨を達するため、
合意形成
の
ルール
を打ち立てるべきであります。
民主党
にその用意はあるか。それとも、
国会
での
意思決定
を否定し、再び
国民
の
暮らし
を
第二義
とすることで自らの信条をすら裏切ろうとするのか。
国民
はひとみを凝らして見ているでありましょう。
本所信
において、私はあえて喫緊の
課題
についてのみ主張を述べます。その上で
民主党
との
議論
に臨もうとするものであります。 緊急な上にも緊急の
課題
は
日本経済
の立て直しであります。 これに三
段階
を踏んで臨みます。当面は
景気対策
、中期的には
財政再建
、中長期的には
改革
による
経済成長
。 第一
段階
は、
景気対策
です。
政府
・与党には
安心実現
のための
緊急総合対策
があります。その名のとおり、物価高、
景気後退
の直撃を受けた
人々
や
農林水産業
、
中小零細企業
、
雇用
や
医療
に不安を感じる
人々
に
安心
をもたらすとともに、
改革
を通じて
経済成長
を
実現
するものであります。 今年度内に
定額減税
を実施します。家計に対する
緊急支援
のためであります。
米国経済
と
国際金融市場
の行方から目を離さず、
実体経済
への
影響
を見定め、必要に応じ更なる
対応
も弾力的に行います。
民主党
に要請します。
緊急総合対策実施
の裏付けとなる
補正予算
、その成立こそはまさしく焦眉の急であります。
検討
の上、のめない点があるなら
論拠
とともに
代表質問
でお示しをいただきたい。独自の案を提示されるならもちろん結構。ただし、
財源
を明示していただきます。双方の案を突き合わせて
国民
の前で競いたいものであります。あわせて、
民主党
の
抵抗
によって一か月
分穴
が空きました
地方道路財源
を補てんする
関連法案
をできるだけ速やかに成立させる必要があります。この
法案
についての賛否もお伺いします。 第二
段階
は、
財政再建
です。
我が国
は巨額の借金を抱えており、
経済
や
社会保障
に悪い
影響
を与えないため、
財政再建
は当然の
課題
です。国、
地方
の
基礎的財政収支
を黒字にする、二〇一一年度までに成し遂げると目標を立てました。これを達成すべく努力します。 しかし、
目的
と
手段
を混同してはなりません。
財政再建
は
手段
、
目的
は
日本
の
繁栄
です。
経済成長
なくして
財政再建
はない、あり得ません。
麻生内閣
の
目的
は
日本経済
の持続的で安定した
繁栄
にこそある。我が
内閣
は、これを
基本線
として踏み外さず、
財政再建
に取り組みます。 第三
段階
として、
改革
による
成長
を追い求めます。
改革
による
成長
とは何でありましょうか。それは
日本経済
の王道を行くことです。すなわち、新たな産業や
技術
を生み出すこと、それによって新規の
需要
と
雇用
を生み出すことにほかなりません。新
経済成長戦略
を強力に推し進めます。 阻むものは何か、
改革
すべきものは何か。それは規制にあり、
税制
にあります。廃すべきを廃し、改めるべきは改めます。
強み
は何か。勤勉な
国民
であり、優れた
科学
と
技術
の力です。
底力
を解き放ちます。
日本経済
は、幾度となく厳しい試練に対して果敢に応じ、その都度強くなってきました。再びそのときが来たのであります。 以上、三
段階
について申し上げました。めどを付けるのに大体三年、
日本経済
は全治三年と申し上げます。三年で
日本
は脱皮できる、せねばならぬと信じるものであります。
暮らし
の
安心
について申し上げます。 不満とは
行動
のばねになる。不安とは人をしてうつむかせ、立ちすくませる。実に忌むべきは不安であります。
国民
の
暮らし
から不安を取り除き、強く明るい
日本
を再び我が物としなくてはなりません。 消えた
年金
や消された
年金
という不安があります。個人の
記録
、したがって
年金給付
の確実さが信用できなくなっております。ひたすら手間と暇を惜しまず、確かめ続けていくしか方法はありません。また、不祥事を行った職員に対しては厳正なる処分を行います。私はここにこうべを垂れ、
国民
の御理解、御
協力
をこいねがうものであります。あわせて、
年金等
の
社会保障
の
財源
をどう安定させるか、その道筋を明確化すべくその
検討
を急ぎます。
医療
に信をおけない場合、不安もまた募ることは言うまでもありません。私はまず、
長寿医療制度
が
説明不足
もあり
国民
をいたずらに混乱させた事実を虚心に認め、強く反省するものであります。しかし、この
制度
をなくせば解決するというものでもありません。
高齢者
に納得していただけるよう一年を目途に必要な
見直し
を
検討
します。
救急医療
の
たらい回し
、産科や小児科の
医師不足
、妊娠や
出産費用
の不安、
介護
の
人手不足
、
保育所
の
不足
、いつ自分を襲うやもしれぬ問題であります。日々不安を感じながら暮らさなくてはならないとすれば、こんな憂うつなことはありません。私はこれらの不安を我が事として一日も早く解消するよう努めます。 次代の
日本
を担う
若者
に
希望
を持ってもらわなくては国の土台が揺らぎます。困っている
若者
に自立を促し、手を差し伸べます。そのための、
若者
を
支援
する新法も
検討
します。
最低賃金
の引上げと
労働者派遣制度
の
見直し
も進めます。あわせて、
中小零細企業
の底上げを図ります。
学校
への
信頼
が揺らいでいます。
教育
に不安が生じています。
子供
を通わせる
学校
を
信頼
できるようにしなければなりません。
保護者
が納得するに足る質の高い
教育
を
実現
します。
子供
の痛ましい事件が続いています。治安への
信頼
を取り戻します。 ここで、いわゆる
事故米
について述べます。
事故米
と知りつつ流通させた
企業
の
責任
は断固処断されるべきとして、これを見逃した
行政
に対する
国民
の深い憤りは当然至極と言わなければなりません。私は
行政
の長として幾重にも反省を誓います。再発を絶対許さないため全力を挙げます。 すべからく、
消費者
の
立場
に立ち、その利益を守る
行政
が必要なゆえんであります。既存の
行政組織
には
事業者
を育てる仕組みがあり、そのため訓練された
公務員
がありました。全く逆の
発想
をし、
消費者
、
生活者
の味方をさせるためにつくるのが
消費者庁
であります。
国民
が泣き寝入りしなくて済むよう、身近な
相談窓口
を一元化するとともに、何か商品に重大な
事故
が起きた場合、その販売を禁止する
権限
も持たせます。
悪質業者
は
市場
から駆逐され、まじめな
業者
も救われます。
行政
の
発想そのもの
をめぐる
改革
であればあるだけ、甲論乙駁はもっともであります。しかし、
国民
の不安と怒りを思えば、悠長な
議論
はしておられません。
消費者庁創設
に御賛同いただけるのか否か、
民主党
に問うものです。否とおっしゃるなら、成案を早く得るよう話合いに応じていただけるのか、問いを投げかけるものでもあります。
行政改革
を進め、無駄を省き、
政府規模
を縮小することは当然です。しかし、ここでも
目的
と
手段
を履き違えてはなりません。
政府
の
効率化
は、
国民
の期待にこたえる
政府
とするためであります。簡素にして
国民
に温かい
政府
を私はつくりたいと存じます。
地方自治体
にもそれを求めます。 私は、その
実現
のため、現場も含め、
公務員諸君
に粉骨砕身働いてもらいます。
国家国民
のために働くことを喜びとしてほしい。官僚とは、私と私の
内閣
にとって敵ではありません。しかし、信賞必罰で臨みます。私が
先頭
に立って彼らを率います。彼らは
国民
に奉仕する
政府
の
経営資源
であります。その活用をできぬ者は、およそ
政府経営
の任に堪えぬものであります。 目を
地域
に転じます。 ここで目指すべきは、
地域
の
活力
を呼び覚ますことです。それぞれの
地域
が誇りと
活力
を持つことが必要です。しかし、その処方せんは
地域
によって一つずつ違うのが当たり前。中央で考えた一律の策は、むしろ有害ですらあります。だからこそ、知事や
市町村長
には真の意味で
地域
の
経営者
となってもらわなければなりません。そのため、
権限
と
責任
を持てるようにします。それが
地方分権
の意味するところです。 進めるに際しては、霞が関の
抵抗
があるかもしれません。私が決断します。国の
出先機関
の多くには二重
行政
の無駄があります。
国民
の目も届きません。これを
地方自治体
に移します。最終的には
地域主権型道
州制を目指すと申し上げておきます。
農林水産業
については、
食料自給
の重要さを改めて見直すことが第一の
課題
となります。五〇%の
自給率
を目指します。
農業
を直ちに
保護
の対象ととらえる
発想
は、この過程で捨てていかねばなりません。攻めの
農業
へ農政を転換するのです。 十月一日に発足の運びとなる
観光庁
の任務に
観光
を通じた
地域
の再生があることを申し添えておきます。
沖縄
の声に耳を傾け、
沖縄
の振興に引き続き取り組みます。 昨今は、
集中豪雨
や地震など、
自然災害
が相次いでおります。被災された
方々
に心よりお見舞いを申し上げます。同時に、復旧・復興には、無論、万全を期してまいります。
環境
問題、とりわけ地球
温暖化
問題の解決は今を生きる我々の
責任
でもあります。自然と共生できる
循環型社会
を次の世代へ引き継ぐことが求められます。
資源高時代
に
対応
した
経済構造転換
も求められます。 なすべきは、第一に、
成長
と両立する低
炭素社会
を
世界
に先駆けて
実現
するということ。第二に、
我が国
が
強み
を持つ
環境
・
エネルギー技術
には新たな
需要
と
雇用
を生む力があることを踏まえ、これを育てていくこと。そして第三に、
世界
で
先頭
を行く
環境
・
省エネ国家
として国際的な
ルール作り
を主導していくということです。 次に、
外交
について私が原則とするところを申し上げます。
日米同盟
の
強化
、これが常に第一であります。 以下、順序を付けにくいのをお断りした上で、隣国である中国、韓国やロシアを始め
アジア太平洋諸国
とともに
地域
の安定と
繁栄
を築き、共に伸びていく、これが第二です。 人類が直面する
地球規模
の
課題
、
テロ
、
温暖化
、貧困、水問題などに取り組む、これが第三です。
我が国
が信奉するかけがえのない価値が若い
民主主義諸国
に根付いていくよう助力を惜しまない、これが第四です。 そして第五に、
北朝鮮
への
対応
です。朝鮮半島の
安定化
を心掛けながら、
拉致
、核、ミサイル問題を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、
日朝国交正常化
を図るべく
北朝鮮側
の
行動
を求めてまいります。すべての
拉致被害者
の一刻も早い帰国の
実現
を図ります。 以上を踏まえて、
民主党
に伺います。 今後の
日本
の
外交
は
日米同盟
から
国連
に
軸足
を移すといった
発言
が
民主党
の
幹部諸氏
から聞こえてまいります。私は、
日本国
と
日本国民
の安寧にとって
日米同盟
は今日いささかもその
重要性
を失わないと考えます。事が
国家
、
世界
の
安全保障
にかかわる場合、現在の
国連
は、
少数国
の方針で左右され得るなど、国運をそのままゆだね得る状況ではありません。
日米同盟
と
国連
と、両者をどう優先劣後させようとしているのか。
民主党
には
日本国民
と
世界
に対し明確にする
責任
があると存じます。
論拠
とともに伺いたいと存じます。 第二に伺います。
海上自衛隊
によるインド洋での
補給支援活動
を、私は、
我が国
が
我が国
の国益を懸け
我が国自身
のためにしてきたものと考えてきました。
テロ
との闘いはまだ到底出口が見えてまいりません。尊い犠牲を出しながら、幾多の国々はアフガニスタンへのかかわりをむしろ増やそうとしております。このときに当たって、
国際社会
の一員たる
日本
が
活動
から手を引く選択はあり得ません。
民主党
はそれでもいいと考えておられるのでしょうか。見解を問うものであります。 私が本院に求めるのは
与野党
の
政策
をめぐる協議です。
内外多事多難
、時間を徒費することは、すなわち
国民
に対する
責任
の不履行を意味します。 今、
景気後退
の上に、
米国発
の金融不安が起きております。私
ども
が提案している
緊急総合対策
を裏付ける
補正予算
、
地方道路財源
を補てんする
関連法案
を速やかに成立させることが
国民
に対する
政治
の
責任
ではないでしょうか。 再び
民主党
を始め野党の
諸君
に
国会運営
への
協力
を強く要請します。当面の論点を以上に御提示いたしました。お考えをお聞かせ願いたく、私の
所信表明
を終えさせていただきます。(
拍手
) ─────────────
江田五月
10
○
議長
(
江田五月
君)
中川財務大臣
。 〔
国務大臣中川昭一
君
登壇
、
拍手
〕
中川昭一
11
○
国務大臣
(
中川昭一
君) 今般、
さき
に決定されました
安心実現
のための
緊急総合対策
を受けまして、
平成
二十年度
補正予算
を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、
補正予算
の大要につきまして御説明申し上げます。 まず、最近の
経済情勢
と
安心実現
のための
緊急総合対策
について申し述べます。
我が国経済
は、
バブル経済崩壊
後の長い低迷から脱却し、持続的な
景気回復
を続けてまいりましたが、このところ弱含みを見せております。 また、
我が国経済
を取り巻く
情勢
を概観いたしますと、
米国
を始め、欧州、
新興国
など
世界経済
全体において
成長
が鈍化してきております。
国際金融市場
が動揺するとともに、
資源
・
食料価格
も歴史的に見て高い水準にあるなど、
世界経済
の先行きは
不透明感
を増しております。 こうした
経済情勢
の下、
資源
・
食料価格
の動向により、
価格
の転嫁が困難な
立場
にある
中小企業
や
賃金
が十分に上がらない
雇用者
の
皆様
などは大きな
影響
を受けておられると承知しております。 新たな
価格体系
への
移行期
におきまして、
国民
の
皆様
が感じておられる痛みや不安に対処するとともに、将来にわたり
日本経済
をより強固なものとするため、
政府
は、八月二十九日、
安心実現
のための
緊急総合対策
を決定いたしました。 本
対策
においては、第一に、
生活者
の不安の解消を目指すこととしております。そのため、非
正規雇用対策等
の推進などによる
生活
、
雇用
の
支援
を行うとともに、
高齢者医療
の
円滑運営対策
の充実や
医療体制
の確保などの
医療
、
年金
、
介護
の
強化
を図ります。また、新
待機児童
ゼロ作戦の
集中
・
重点実施
など、子育て、
教育
の
支援
を実施することとしております。 第二に、
持続可能社会
への変革を加速するため、
省エネ
・新
エネ設備等
の
導入加速
などにより低
炭素社会
の
実現
に向けた取組を進めるとともに、
学校等耐震化
などの住まい・
防災対策
を推進いたします。また、
省エネ
・省
資源
型への
構造転換
を促進すること等により強い
農林水産業
を創出いたします。 第三に、新
価格体系
への
移行
と
成長力強化
のため、
原材料価格高騰対応等緊急保証
の
導入
と
政府系金融機関
が行う
セーフティーネット貸付
けの拡充による総額九兆円規模の事業を実施し、
中小零細企業
の資金繰りに万全の
対策
を講じます。あわせて、下請
事業者
対策
の
強化
等を通じて
中小零細企業
の
活力
向上を目指します。
税制
改正にかかわる施策につきましては、特別減税の実施を含め、本年の
税制
全般にわたる抜本的
改革
の
検討
と併せて結論を得ることとしております。 なお、
地方
公共団体がこの
緊急総合対策
に取り組み、
地域
の活性化を
実現
させるために必要な経費を措置するとともに、道路特定
財源
に関する
地方
の減収分についても適切に
財源
措置することとしております。 次に、今般提出いたしました
平成
二十年度
補正予算
の大要について御説明いたします。 今回の
補正予算
は、
財政
健全化路線の下、真に必要な
対策
に
財源
を
集中
し、旧来型の
経済
対策
とは一線を画するとの
緊急総合対策
の基本的な考え方を踏まえ、
財政
規律を維持し、特例公債は発行しないことを基本方針とし、既存の歳出を見直す中で最大限の経費の節減を行った上で編成いたしました。 まず、歳出面におきましては、
緊急総合対策
関連として、
生活者
の不安の解消について三千五百十八億円、住まいと
防災対策
について七千二百九十六億円、低
炭素社会
の
実現
と強い
農林水産業
創出について一千八百八十一億円、
中小企業
等の
活力
向上について四千四百六十九億円及び
地方
公共団体に対する配慮について九百十六億円の合計一兆八千八十一億円を計上しております。あわせて、国債整理基金特別会計への繰入れを計上する一方、既定経費の節減等を行っております。 他方、歳入面におきましては、前年度の決算上の剰余金六千三百十九億円を計上し、さらに、税外収入の増加を三百七十二億円見込んでおります。 以上によりましてなお
不足
する歳入につきましては、やむを得ざる措置として三千九百五十億円の公債の追加発行を行うこととしております。その際、建設公債に限って追加発行を行うこととしております。今回の措置により
平成
二十年度の公債発行額は二十五兆七千四百三十億円となり、公債依存度は三〇・六%となります。 これらの結果、
平成
二十年度一般会計補正後予算の総額は、当初予算に対し歳入歳出とも一兆六百四十一億円増加し、八十四兆一千二百五十五億円となります。 以上の一般会計補正等に関連しまして、特別会計予算及び
政府
関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。 また、
財政
投融資計画については、
緊急総合対策
を実施するため、この
補正予算
において一千七百七十八億円を追加することとしております。 以上、
平成
二十年度
補正予算
の大要について御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。(
拍手
)
江田五月
12
○
議長
(
江田五月
君) ただいまの
演説
に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
江田五月
13
○
議長
(
江田五月
君) 御
異議
ないと認めます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十一分散会