○西島英利君
麻生総理の強い決意だというふうにお伺いをいたしました。是非、通常国会で速やかにこの審議を行って、早急にこの消費者庁設置法案を成立させていただきたい、そのための御尽力を是非お願い申し上げたいというふうに思います。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
これは
総理も非常に強い御関心をお持ちでございますけれども、社会保障費の自然増から毎年二千二百億円を抑制するというこの問題でございます。これが今医療の崩壊とか介護サービスがなかなか不足しているというようなところにも波及しているのではないかというふうに思いますが、この件について少し御質問させていただきたいと思いますけれども、
皆様方には
資料をお出しいたしております。(
資料提示)
社会保障費の給付費のこれは推移でございます。年がたつごとに大変な金額として伸びてきております。これは二〇〇六年でございますけれども、社会保障全体でいきますと八十九兆一千億、一人当たりが六十九万七千四百円という形になっております。これが二〇二五年になりますと実に百四十一兆円になるということでございます。
年金に関しましては、これは受給者が増えるわけでございますから、これを抑制することはできないですね。これは増える一方でございます。私も団塊の世代で今年還暦を迎えたばかりでございますが、あと十年前後で
年金をいただくような立場になるのかなというふうに思いますから、これはもう伸びていく一方でございます。
また、医療に関しましても、この高齢者社会の中で今七十五歳以上の方がたしか千二百万かちょっといらっしゃるわけでございますけれども、これが二〇二五年になりますと二千万人を超える方が七十五歳以上になられると。そうしますと、どうしても病気になりがちなわけですね。ですから、この医療費も抑制をするというのは非常に不可能な問題だろうというふうに思っております。ましてや、この下の福祉その他というところは、これは介護保険の問題でございまして、これもやはり高齢者が増えれば増えるほどその利用者は増えていく一方でございますので、当然この給付費というのはこれも伸びていく一方であろうと。
そこで、
麻生総理が十月の三十日に
消費税のことに触れられました。経済
状況が良くなれば、三年後辺りに
消費税の引上げを是非お願いをしたいと。その目的は、やはりこの社会保障を持続可能なものにするために
消費税の引上げが必要だという恐らく決断だろうというふうに思っているわけでございますが。
もう少しこの辺りの話を進めていきますと、これだけ医療費が伸びるんだから、介護費が伸びるんだから、だから抑制をしなければいけないというところから二千二百億が始まったんだろうというふうに思いますけれども、
平成十四年に医療費が千八百三十億円の抑制が掛けられております。
平成十六年に七百十七億円、
平成十八年に二百三十九億円ですか、二十年が六百六十億円の抑制が実は掛けられているんですね。介護保険に関しましては、
平成十五年に三百億円、
平成十七年は介護保険の
制度が改正になりまして、ここで四百二十億円の抑制が掛けられております。また、
平成十八年は九十二億円という形でございますが。
ところが、こういう
資料がございます。実は、医療と介護というのは労働集約型産業、つまり人が人にサービスをするという産業でございます。そうしますと、一番大きいのは、これは人件費です。医療に関しての人件費を見ますと、医療全体で見ますと、
収入の五五・一%が実は人件費なんですね。大体四九%を過ぎると、もうこれは経営として成り立たないと言われているんですが、五五・一%。医療法人といいますか、民間が若干少なくて五三・一%。なぜかといいますと、民間は
赤字を出したらこれは倒産でございますから、当然人件費を一生懸命抑制をするわけですね。ところが一方、公的病院は五九・ちょっと行っているわけです。ですから、大変な
赤字を抱えながら公立病院が経営をしていると、それが今や大きな問題になっているんだろうというふうに思います。
二年前の看護師の給与を医療経済実態調査で見ますと、民間病院は四百万円台です、年俸で。公立病院は七百万円台です。それほどの違いがあるんですね。民間はもう人件費を抑えざるを得ない、そういう
状況の中で、なかなかいい人材も確保できませんし、ですから人材不足の中で今医療の崩壊も起きようとしているんだろうと思います。
また、介護を見てみますと、介護に関しましては、これは特別養護老人ホームといいますか、今は介護老人福祉施設というふうに言いますけれども、ここの人件費率は六〇・八%ぐらいでございます。ホームヘルパーの事業所に関しましては八一・五%、それから訪問看護ですね、訪問看護にしましても七九・四%、これが人件費率でございます。
そうしますと、もうこれは経営として成り立たない
状況の中で、いかに抑えながら実は経営をやっているかと。今何が起きているかといいますと、介護福祉士の学校の受験生が激減しております。たしか
麻生総理の
会社も介護福祉士の学校をされていると思うんですが、ここの受験生が激減している。もう学校として成り立たないような状態になっている。また、老人福祉施設に働いている男性の職員なんか、とてもとても結婚できないと、こういう給料では結婚
生活が送れないし子供も育てられないというような、今そういう
状況が起きているわけでございます。
そこで、
麻生総理が、十月の三十日には、このままではもう抑制は無理だと、だから
消費税の引上げをしなきゃいけないと。それから二千二百億、来年の
予算に関しましても、新しい
財源を確保した上でこれは何とかしなければいけないということをおっしゃいました。そして、
記者会見の、ぶら下がりでも同様のことを言っておられまして、自民党の税調にそういう形の指示がなされたわけでございますけれども、そういう
財源の中で一番の候補としてはたばこ税だったと。これは
総理は、私はたばこ税指示したことないと言われるんですが、
財源の中で一番議論されたのは実はたばこ税だったわけでございます。
残念ながらこのたばこ税が断念せざるを得ないような
状況になったんですけれども、その中での議論は、社会保障の
財源として増収になるのかどうかというのも
一つの議論でございました。ところが、我々は、このたばこ税の増税に関しましてはもう
一つの実は理由がございました。それは健康被害をいかに少なくするか、今日の午前中の
お話でも
生活習慣病の
お話をなさいましたけれども、いかにやはり健康被害を少なくするかと。
これは、健康被害というのは例えば肺がんとの関係とかいろいろ言われているわけでございますけれども、それが一番の大きな我々が主張したところでございますが、実はこれは意外と
皆さん方御存じないんですけれども、最近妊産婦のたらい回し、俗に言うたらい回しということが大きな問題になっているんですが、どうして病院が受けないのかと。今朝の
足立議員の
資料にも低出生体重児が増えているということがございました。あれは未熟児のことなんですね。そして、どうして受けないのかというのは、実は未熟児が生まれた場合にやっぱりどうしても保育器が必要になると、だからそういう準備がないまま受けるということはなかなか厳しいというようなこと等々も実は理由の
一つとしてあるわけでございます。
そこで、実はたばことの関係なんですが、たばこを喫煙する女性、特に十五本以上も喫煙する女性の未熟児を出生する確率というのが非常に高いということは、これは医学的にも実は証明されています。それから、流産もこの喫煙との関係が実は証明をされております。これはどうしてかといいますと、たばこを吸いますと血管が収縮しますので、血管が収縮するということは血流が悪くなりますから、当然胎児に対しても栄養が行かない、また子宮も実は収縮するんですね。そういうことは実はもうこれは証明されているわけでございます。
そういうようなことで、この問題も含めた形の中でたばこ税が議論されたわけですが、残念ながらそれができなかったということで、さあ、じゃ来年をどうするのかという問題が大きくのしかかっているわけでございますけれども、マスコミ情報によりますと、
総理が自民党の保利政調会長に新しい
財源の確保を指示をされたということをお聞きをいたしました。まずは来年の
財源について、社会保障費のこの二千二百億の抑制に関しての
財源をどうお考えになっているのか、
総理にお伺いしたいと思います。