○藤末健三君 本日は、二階
大臣におかれましては、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
私は、今の景気の問題につきまして、短期的な観点、そして長期的な観点、二つの観点から
お話をさせていただきたいと思います。
まず、私が今感じますのは、先ほ
ども増子次の
経済産業大臣から
お話がございましたが、先週実は名古屋に行ってきましていろんな方にお会いしたんですが、もう本当に壊滅という
言葉がふさわしいような
状況でございまして、単純な計算だけで派遣の方々の削減、もう五社だけで一万人を超す。実際に、正社員の方もワークシェアリングで週休三日制という方がおられました、もう既に、仕事がないと。実際に、自動車業界の方に
お話をお聞きしますと、先月の自動車国内販売は約三割落ち、恐らくそれがもう完全に続くであろうということをおっしゃっていました、上がることはないだろうと。そういう
状況の中で、やはり
雇用も悪化していまして、私、インターネットカフェというところに伺いましたけれ
ども、そこには職業がなくて泊まるところもない方があふれていて、もう完全に喫茶店ではなくて宿泊施設になっている、そういう
状況でございます。
この中で私は、本当に
大臣にお願いしたいのは、長期的な視野からまず
考えていただきたいということをお願いしたいと思います。どういうことかと申しますと、今、百年に一度と言われているこの不景気、恐らく今までの
政策では僕は
対応はできないというふうに
考えています。実際に私は、
日本はアメリカの
経済を追いかけながら動いているなという感じがしていまして、例えばアメリカはもう完全に
経済システムが変わってしまったなと思うデータが幾つかありますが、一つに、例えば十二月五日に発表されましたアメリカの
雇用統計を見ますと、十一月の非
農業部門の
雇用は前月比で五十三万人減っていると。この三か月だけで全部合わせると百三十万人
雇用が失われているという
状況。そして、消費も、十月には二・八%減ということで消費が落ちていると、完全に。この
状況はどういうことかというと、前の一九七四年の石油ショックを超えているというんですね、完全に、データ的に。そして、住宅着工件数もずっとマイナスでございまして、七十九万戸になってしまったということ、これもまた最低、一九五九年以来最低という。
そして、もう一つ大事なことは、十月の消費者物価指数が一%減になったんですね、デフレに入っちゃったんですよ。ですから、本当に景気が悪くなる中でデフレが起きますと、スタグフレーションです、これは。それが本当にただのスタグフレーション不景気というふうに言っていいかどうかということが、やっぱり
考えなきゃいけないんではないかと思っています。
ここにバルチック海運指数というのがありまして、これは国際
金融市場でコンテナの輸送をするときに信用供給がどうなっているか、あれはコンテナ輸送するときに決済やりますんで、そのときに信用供給します。それがどうなっているかというデータを見ますと、何とゼロに近い。信用供給が止まり始めているという。ですから、例えば中国とか、インドはまだ景気はいいんだという話はありますけれ
ども、実際の話は、港にコンテナが積み重なっているという
状況になっているということでございます。
そういう中で、新しく私は今までのようにこの信用保証も必要であろうし様々なものが必要だと思うんですけれ
ども、根本的に違う発想で
政策を検討しなきゃいけないんではないかと思います。先ほど
埋蔵金という話がございましたが、私はもう
埋蔵金であろうと使うべきであろうし、そしてまた、これは大事な話なんですが、
日本銀行以外に貨幣を造る機能を持っている組織がありまして、
日本政府なんですよ。ですから、法的には日銀券だけじゃなくて
日本政府券はできます、今。今、コインは財務省が造り、そして紙幣は日銀が造るという役割分担をしているだけであって、法改正なくして
政府は紙幣を刷ることができる。ですから、
政府が本当に紙幣を刷って資金供給量を増やすという、一般的な
経済学の教科書でいうともう狂っているかもしれませんけれ
ども、そこまで
考えた検討をやる時期に来ているんではないかと思っています。
なぜならば、先ほど財政健全化を
維持するというふうに
大臣はおっしゃっていましたけれ
ども、はっきり言って今でも財政健全化は
維持されていません。小泉総理がやったこの五年ちょっとの期間に財政赤字は五百兆円から八百兆円に増えているんですね。そして、この財政赤字が増えたために何が起きたか。金利が上げれなくなったんですよ。金利を上げちゃいますと、
政府の利息支払が急激に増える。金利も上げれません。一方で、赤字があるから財政出動もできません。
金融政策である金利いじれなくなり、そして財政
政策いじれなくなりましたと。その中で我々が何をできるかという。ということを根本的に、前提として、もう百年に一度というのは本当だと思いますんで、少なくとも
経済学の教科書に載っていることじゃもう間に合わない、当然ながら今までの
政策じゃ間に合わないと思います。かつ、我々は両手両足縛られています。
金融政策はできません、低金利で。そして、財政赤字が大きくて財政出動もできません。じゃ何をするんですかということを私は是非とも
経済産業省に
考えていただきたい。
ちょうど
経済産業省には
経済産業研究所というのがございます。私が今調べてみますと、相当、十数億ぐらいの
予算をもってなされていますんで、もうつまらない研究は一切やめて、新しい
経済のテキストを書くぐらいの研究を僕はやっていただきたいと思いますが、
大臣、いかがでしょうか。もうやると一言だけ答えていただくとうれしいです。