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2008-12-24 第170回国会 参議院 環境委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十年十二月二十四日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十二月十日     辞任         補欠選任      轟木 利治君     藤原 正司君  十二月十一日     辞任         補欠選任      藤原 正司君     轟木 利治君  十二月十八日     辞任         補欠選任      加藤 修一君     山口那津男君  十二月十九日     辞任         補欠選任      山口那津男君     加藤 修一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         有村 治子君     理 事                 岡崎トミ子君             ツルネン マルテイ君                 神取  忍君                 松山 政司君     委 員                 小川 勝也君                 大石 尚子君                 大石 正光君                 大久保潔重君                 轟木 利治君                 広中和歌子君                 福山 哲郎君                 川口 順子君                 矢野 哲朗君                 若林 正俊君                 加藤 修一君                 浜四津敏子君                 市田 忠義君                 荒井 広幸君                 川田 龍平君    国務大臣        環境大臣     斉藤 鉄夫君    事務局側        常任委員会専門        員        加藤 堅一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○環境及び公害問題に関する調査  (第十回日中韓三カ国環境大臣会合気候変動  に関する国際連合枠組条約第十四回締約国会議  及び京都議定書第四回締約国会合に関する件) ○野鳥密猟野草盗掘根絶に関する請願(第一  七八号) ○アスベスト根絶に関する請願(第二二六号外一  〇件) ○すべてのアスベスト被害者を救済するための、  石綿による健康被害の救済に関する法律の改正  に関する請願(第六二〇号外九件) ○地球温暖化抑止のための国内対策抜本的転換  に関する請願(第六三〇号外一件) ○継続調査要求に関する件     ─────────────
  2. 有村治子

    委員長有村治子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  環境及び公害問題に関する調査議題といたします。  まず、先般本委員会が行いました視察につきまして、視察委員報告を聴取いたします。神取忍さん。
  3. 神取忍

    神取忍君 御報告いたします。  去る十一月二十日、有村委員長岡崎理事ツルネン理事松山理事大石尚子委員大久保委員轟木委員川口委員矢野委員若林委員加藤委員川田委員及び私、神取の十三名で、皇居外苑濠水浄化状況及び絶滅危惧植物保全活動取組状況等視察し、調査を行ってまいりました。  まず、環境省皇居外苑管理事務所において、国民公園皇居外苑濠水水環境及び生息生物状況並びに環境省水環境改善取組について説明を聴取いたしました。  お濠は、その美しい景観とともに、絶滅危惧種が確認されるなど、多種多様な側面から重要な役割を担っておりますが、一方で、水質の悪化やアオコ発生などの問題がこれまで指摘されております。これは、かつて余剰水を供給していた淀橋浄水場が昭和四十年に閉鎖され、濠水が停滞するようになったためで、雨水不足、落枝葉、ごみ下水道汚水などの流入が水質改善を困難にしているということです。特に、下水道については、生活排水雨水合流式であること、大雨の際には許容量を超えた汚物を含む下水を直接お濠に放水せざるを得ないなどの事情があるとのことです。  環境省では、これまで浄化施設を設置するなどの対応を行っておりますが、改善が見られないため新たな対策事業を行う予定でいるとのことです。  委員からは、各濠における水質状況等につき質疑が行われ、桜の美しい千鳥ケ淵に下水が流れ込んでいること、対策事業が速やかに行われていない点について疑問が呈せられました。また、委員各位から、我が国のシンボルであり観光地でもある皇居外苑環境保全に対し、早急に取り組む必要性が指摘されました。  その後訪れました東京大学大学院理学系研究科附属植物園通称小石川植物園においては、東アジアに分布する高等植物を中心に収集、栽培を行うとともに、環境省レッドリストに基づき絶滅危惧種保全活動を行っております。特に、小笠原諸島に生息する野生植物に関して、小笠原希少植物保護増殖事業を行っております。  小笠原諸島には百四十余種の固有植物が自生しておりますが、その半数以上が絶滅の危機に瀕しており、うち二十余種は個体数が少ないため自生地での自然繁殖が非常に困難な状況です。また、島嶼という自生環境はそれ自体脆弱な基盤であり、すべての固有種絶滅危惧種となり得る危険性を含んでいるとのことです。  現在、保存管理を行っている小笠原希少植物は百十種に上り、本事業により、二十五年間に自生地へ植え戻した十三種三千八百六株の中には、既に開花結実を見た植栽株も多数確認されているそうです。  委員からは、東アジアにおける小石川植物園の地位、保全活動において制約となっている要因等につき質疑が行われましたが、これらの事業を行っていく上では、築四十年を超える温室老朽化面積不足等の問題が生じており、また、技術職員の人数がピーク時の半数以下になるなど人的制約が重要な課題であるとのことでした。  最後に、今回の視察に際し、お世話になった関係者方々に厚く御礼を申し上げ、報告を終わります。
  4. 有村治子

    委員長有村治子君) 本日、斉藤大臣御臨席の下に皇居外苑濠水及び絶滅危惧植物保全活動等に関する本委員会視察報告ができたことを有り難く存じます。  私たち環境委員会視察に基づく国政調査活動が今後の環境省政策にしっかりと生かされ、今ほど神取委員より御提示いただきました皇居外苑濠水等の問題が速やかに解決されるべく、斉藤大臣の力強い御尽力を、私、委員長からも謹んでお願い申し上げます。よろしくお願いします。  次に、第十回日中韓三カ国環境大臣会合気候変動に関する国際連合枠組条約第十四回締約国会議及び京都議定書第四回締約国会合に関する件について斉藤環境大臣から報告を聴取いたします。斉藤環境大臣
  5. 斉藤鉄夫

    国務大臣斉藤鉄夫君) このような機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。  十二月一日から二日まで韓国済州島で開催された第十回日中韓三か国環境大臣会合出席し、また、十二月十一日から十二日までポーランド・ポズナンで開催されたCOP14、気候変動枠組条約第十四回締約国会議及び京都議定書第四回締約国会合出席いたしました。この二つ会議について報告をいたします。  地球温暖化対策についての二〇一三年以降の国際枠組みに関しては、来年末のCOP15で合意することとされております。今回のCOP14は、この合意に向けて政治的モーメンタムを維持するための重要な会合でした。今回の会合成果二つの点から振り返りたいと思います。  まず第一に、私は閣僚級セッションにおいて日本政府代表として演説しましたが、その中で、G8議長国として、G8の合意である二〇五〇年までに世界全体で温室効果ガス排出量を少なくとも半減する長期目標について、国連の枠組みの下で共有すべきこと、また、すべての主要経済国参加する実効性のある次期枠組みをつくるべきことを強く訴えました。  また、地球温暖化対策は未来への投資であることを主張しました。現在、世界各国においても、グリーンジョブやグリーンニューディールということで、地球環境保全を新たな経済起爆剤とすることが言われています。世界中の国々が、環境経済が共に向上、発展する低炭素社会を目指して、そこに必要な資金を投入するという考え方を取るべきだと思います。  昨今の金融不安の中においても、いや、それだからこそ地球温暖化対策に取り組むべきだという強いメッセージが、私も含め多くの閣僚級方々から出されたことは、今後の国際交渉を加速化する点で有効であったと考えています。  第二に、中国の解振華国家発展改革委員会副主任、欧州委員会ディマス委員など計八か国・地域の閣僚級方々と個別に会談を行い、日本主張を明確に伝え、理解を深めることができたことです。また、相手方が何を考え、日本に何を期待しているかも肌で感じました。さらに、米国民主党ケリー上院外交委員長とも会談を行いました。地球温暖化問題に日米が一致して協力していくこと、経済成長のために積極的に環境政策を進めるべきこと、科学に基づく行動原理を持つべきことで見解が一致したのは重要な成果でした。  次期枠組みの構築に向けて、米国中国をいかに責任ある形で巻き込んでいくかは今後の大きな焦点ですが、各国閣僚などとじかに意見交換できたことは、今後の国際交渉戦略を考える上で大きな収穫があったものと思っております。  今回の会合の主要な論点は、次期枠組みに関する論点整理、二〇〇九年の作業計画先進国全体での削減幅などでした。  我が国を含む多くの先進国は二〇五〇年に世界全体で排出量を少なくとも半減する長期目標について共有することを訴えましたが、途上国からはまず先進国が野心的な中期削減目標を設定すべきとの主張がありました。結論文書においては、先進国中期目標の設定に当たってはIPCC科学的知見に基づくべきとの認識などが確認されました。  また、途上国支援については、途上国適応対策を促進するための適応基金の基本的な業務規則や今後の運営方針に関して合意されました。この途上国支援について、我が国はクールアース・パートナーシップを推進していますが、環境省は、この枠組みの中で関係省との協力の下、途上国温暖化対策の実現に尽力したいと考えております。  今会合の結果、来年末のCOP15での合意に向けた作業計画が決まり、来年三月に各国主張を基に論点を整理した条約作業部会議長ペーパーが議論され、また、先進各国中期目標検討状況について報告することになりました。さらに、六月には次期枠組みの内容を盛り込んだ交渉テキストが議論されることになるなど、今後は本格的な交渉に突入することになります。次期枠組みはすべての主要経済国参加する実効性のあるものとする必要がありますが、途上国の責任ある参加を促すためには、先進国がリードする必要があります。我が国も、IPCC科学的知見に基づいて、野心的かつ実現可能な中期目標を来年のしかるべき時期に策定することが重要だと思います。私としては、来年の国際交渉において十分にリーダーシップを発揮し、COP15での合意を目指してまいります。  また、COP14に先立ちまして、十二月一日から二日まで、韓国済州島で開催された第十回日中韓三か国環境大臣会合出席いたしました。今回の会合は、中国担当省庁環境保護部日本でいう省に昇格してからの初めての会合となりました。  会議では、地球温暖化対策について、中国韓国次期枠組みへの責任ある参加を要請しました。また、越境大気汚染や漂流・漂着ごみの問題について、両国対策強化を要請し、今後の協力について合意しました。さらに、環境教育に係る新たな取組として、三か国の学生団体の交流の機会を設けることについて提案を行い、両国から前向きな反応が得られました。  また、私が強く印象を受けたのは、韓国大臣グリーン成長という言葉を何度も紹介し、李明博大統領基本的政策として高いプライオリティーが置かれているということでした。グリーン成長とは、地球温暖化対策環境制約ではなく次の経済発展への一つのチャンスととらえる考え方で、成長と両立する低炭素社会を実現するという麻生総理のお考えと同じものであると感じました。  今回の会議の結果を受け、今後とも環境分野での三か国の協力を促進させてまいりたいと思います。  今回の二つ国際会議への出席を通じて、環境問題に関する国際的な連携の必要性を改めて感じました。環境大臣として、国際的な議論に積極的に貢献すべく努力してまいりますので、引き続き御支援をお願い申し上げます。
  6. 有村治子

    委員長有村治子君) 以上で斉藤環境大臣からの報告の聴取は終了いたしました。  引き続き、国際社会における斉藤大臣リーダーシップを御期待申し上げます。     ─────────────
  7. 有村治子

    委員長有村治子君) これより請願の審査を行います。  第一七八号野鳥密猟野草盗掘根絶に関する請願外二十三件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の資料のとおりでございます。  これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 有村治子

    委員長有村治子君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ─────────────
  9. 有村治子

    委員長有村治子君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  環境及び公害問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 有村治子

    委員長有村治子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任賜りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 有村治子

    委員長有村治子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時十三分散会