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内閣総理大臣(
麻生太郎君) これは、
浜田先生、いろいろな今二十か国の
方々が個別にいろいろ電話を掛けてこられますので、その内容、申込みの内容は国によってかなり違っております。先進国と新興国というのでも、同じ新興国の中でも同じ先進国の中でも違います。そこのところがなかなか難しいところだと思いますが。
いずれにしても、今回は、工学部の出身の人にしてみれば、金融工学なんてそれは何やという、冶金ならともかく、もう金融工学なんて聞いたことがないと多分思われる方が随分多いんだそうですけれども。私から見て、明らかに証券化商品なる金融派生商品が少なくとも
アメリカ発でこれは売り出されたものが、今言われたように、いろんな形で世界中に巻き散らかされた、その結果、何となく怪しげかなと思ったら、一緒にくっついている物が悪い、あっ、これならいいかなと思ったらとんでもなかったという話で、これちょっと正直、底が見えないような話になっておるのが
現実なんだと思います。
問題は、こういったようなことがまた起きないようにするための手当てが必要なんで、これは当然のこととして、これを大丈夫だと言った格付
機関なる、何となくみんなが、立派だと言っておられた方も学者なんか随分いたんですけれども、そんな立派なものかと言った人もおられて、
余り立派なものじゃなかった。今度ははっきりしました、そういった格付
機関というものの信頼性。しかしこれがないと、これは自由主義
経済とか資本主義
経済というのは、これがきちんとしないとうまく作動しませんのでこれをきちんとさせるとか、また、そういった商品をきちんと大丈夫かというものを一義的には国がやるんですけれども、商品自体は国際的に売られますので、国一国では監視、監督ができにくい。
したがって、これは世界中である程度バーチャルに組まないとやれないんじゃないかなどなど、これは言わなくちゃいかぬ話がいっぱいありますので、そういったことを含めまして、私どもとしては、この会計基準の
在り方も、時価会計をやれやれやれやれって、わんわんわんわん時価会計こそが正義のごとく言われましたし、本当かねと、元そちらの方に、経営者側におりました方から言うとそうかねという
感じがありましたけれども、当時は時価会計ということになったんですが。やってみたら、時価会計にはマーケットがないとできないんだ、そのマーケットが崩壊ということならおのずと時価会計自体が成り立たないなどなど、挙げていきゃもう幾らでも、この数か月間のグローバルなものこそが正義というお話の中で、これはグローバルでうまくいったところもありますけれども、うまくいかなかったところの
一つがこれ。
しかも、
余りにも派生したマイナス効果が大き過ぎますので、そのところはきちんと今後やっていかねばならぬのに、やっぱり何となくみんなが遠慮していても始まりませんので、やっぱり新興国の方が、今回は少なくともアジアの方が欧米に比べれば傷が浅い、そういった浅い側の方からもきちんと
発言をしていくというのが大切だと思いますので、今そういった
意味では、韓国、インドネシア、中国、インドなどなどいろんなところに人を回してこういったことをやる必要があるんだよと言わせております。
もう一点の一次産品の話がありました。御存じのように、もうガソリンがWTIで五十ドル台、かつては百四十ドル台ですから一挙に三分の一まで下がっております。こういったものは、何となくもう油の値段ばっかりしかこの永田町とか霞が関というところは言いませんけれども、一番の問題、例えばくず鉄なんというものは、もう御存じのようにこれは三か月前、七万幾らですよ、今一万四千円切ってませんか、今日。そういったぐらいに暴落しているわけです、こういったものなど。
そうすると、これはもう商売としてはむちゃくちゃなことになりますので、ちょっとそういった市場原理主義みたいなのだけではとてもというような形になっているのではないかと思いますので、そういったものは混乱をすると今度は、
経済が混乱すると、その金がないからおれは例えば環境なんかやってられないとか何とかもできないとかいろんなことを、そっちの方にずっと派生していきますので、きちんと、そういった一次産品の話というのは
余り話題になりませんが、石油ばっかりしか
話題になりませんけれども、このその他のものも穀物相場に至るまで大きな
影響が出ていることは確かだと思いますので。
そういったものを含めてみんなちょっと真剣に
考えてもらわぬと、今までのまんまでということでまた起きる可能性があるということ、かつ自由主義の
経済をこうというのは、それはもう物すごくそのバランスが難しいところだとは思いますけれども、きちんとした、
被害が出たことは確かですから、そういったことを起きないようにする、そういった努力を各国がやるという決意をした上でどうするという話なんだと思っております。