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竹谷政府参考人 お答え申し上げます。
麦、大豆につきましては、まず、
水田・畑作
経営所得安定対策におきまして、
担い手を中心に
生産規模を
拡大していただけるような体制
づくりというものを図っているところでございます。これとあわせまして、産地
づくり交付金も交付してそうした取り組みを推進しているところでございます。
さらにこれに加えまして、今
委員御
指摘のように幾つかの
生産面の課題が
基本計画の中に掲げられているわけでございますが、まず麦につきましては、民間流通を前提といたしまして、そうした中で、播種の前に実需者と産地が契約をするということで、計画的にちゃんと実需に結びつくような形での
生産に取り組んでいるということがございます。これは全量取り組んでいるところでございます。
それからもう一つ、麦の品種の問題でございますけれども、先ほど
大臣からも
日本の麦はなかなか加工適性にすぐれていないという事例も御紹介させていただきましたけれども、麦の品種、続々と新しいものが出てきております。近年、
平成十年代に入りまして、イワイノダイチでありますとか、あやひかりでありますとか、ふくさやかといったような品種が出てきておりまして、これらは
日本めん用のうどんに適する品種としてできてきております。かつてオーストラリアの小麦の方が
日本のうどんに適するという声もあったわけでございますが、これらの品種がそれに匹敵するような形で続々登場してきておりまして、その面積は、新品種でございますから徐々に進んできているわけですが、既に全国の麦の
作付の一割に達しているという
状況にございます。
他方、大豆についてでございますが、大豆は、先ほど
委員御
指摘のように、まず
水田で植える場合に湿害が非常に大きな課題であったわけでございます。これは、畝立てと播種を一体的に行って湿害を防ぐ、試験研究機関が開発したもので大豆300A技術という技術体系がございますが、これの普及を進めているわけでございます。これも大豆の
作付面積の約一割において普及をしてきているという
状況になっているわけでございます。また、機械化適性にすぐれた品種開発というものも進めてきておりますし、契約栽培も推進しているという
状況でございます。
そうしたことである程度
生産なりも進んできておりますけれども、小麦につきましては、先ほど
基本計画の基準年、
平成十五年でございますが、それの八十六万トンを上回る、現在、
平成十九年度で九十一万トンの
生産ということになっております。
大豆の方につきましては、一たん
平成十六年に十六万トンまで
生産が下がってしまいました。しかし、その後、先ほども申し上げたような幾つかのことをやってまいりまして、現在、
平成十九年で二十三万トンまで回復しておりますし、ことしも大分豊作のようでございますので、一層いい結果が出るのではないかなというふうに見ております。
ただ、まだ課題が多くございます。
委員御
指摘のように、さらに
生産をきちっと実需者に合った形で
対応していくということになりますと、やはり麦の方につきましては、パンに向いた品種というものあるいはラーメンなどに向いた品種というものをしっかり開発していかなきゃいけないと思っております。それぞれの
地域で今大体いい品種ができてきておりますけれども、もう少し検証しながらその普及を図っていきたいなというふうに思っているところでございます。
また、大豆につきましても、先ほどの300A技術をもっと普及していきたいというふうに
考えておるわけでございまして、そういった取り組みをすることによりまして、
生産が安定する、そして増産も図っていけるという形に持っていきたいと思っております。
そして、先ほど
大臣から申し上げました来年度に向けましての
水田の有効利用を進める新しい
対策という中におきまして、麦、大豆というものを戦略作物として位置づけまして、その
作付拡大というものをより積極的に推進していこうということも
考えておりまして、それらを総合的に進めていくことによって前進していきたいというふうに
考えている次第でございます。