○岩國
委員 日々の行政に取り組んでいただくことは、もちろん大切なことでありますし、大いに期待しております。と同時に、あす、あさってを目指した、あるいは世界の中で日本の
環境行政というのは哲学を持っているねと言われるような世界をリードするもの、それが
環境サミットをことし日本で開いた最大の意義ではありませんか、目的ではありませんか。そして、そういう思想と哲学と長い歴史の伝統を持っている日本だからこそ、こういう世界をリードする目標を出してくれるんだ。それがこの四文字に込められた……。
私は、
斉藤大臣の一番大切な仕事は、
環境サミットを終わって最初の
環境大臣になられたという使命感をしっかりと持って、この言葉の扱いについても、決して私は言葉で揚げ足をとるようなことにこだわっているわけではないんです、それはよくおわかりいただけたと思います。そういう、何を目指すかという思想、国民にどういうものを理解させようかと。それがなければ、ただ
予算をとって、お金を使って何か
環境行政らしいものを、よその国でもやっていることを日本でもやっているねと、それだけでは、
大臣、つまらぬと思います。そのことをお願いします。
福岡委員が
長崎県、
佐賀県の
漂着物について、私の育った出雲市でもそれはたくさんあります。出雲というところは、昔から朝鮮半島、
中国からたくさんの文化をいただいた窓口でした。今、何がやってくるか。ハングル語の
漂着物ですよ。昔は文化、今は
廃棄物。この落差の大きさ。ここに私たちが取り組むべき行政の宿題があると思います。
ついでに
環境省にお願いしておきますけれども、各
自治体にそういう
漂着物の
対策費がどういう形で出ているか、その資料をこの
委員会に提出していただきたいと思います。昔は文化、今は
漂着物に悩んでおる
自治体にどれだけの
対策費が国から出されているかということをぜひ資料提供をしていただきたいと思います。
次に、
環境サミットが行われまして、国際的な協力というものが打ち出され、大変私は結構なことだと思います。その国際協力という中で、私は、最近
委員の皆さんと一緒に沖縄の、日本の中の自然がどのように変化し、あるいは破壊されつつあるかということも勉強してまいりました。同じような時期ですけれども、私は、
中国の方へ旅をしまして、山西省というところも勉強してまいりました。
中国の歴史というと、北京と西安、せいぜいそれぐらいの歴史を結び合わせて、これが
中国の歴史と思っておったことを私は非常に恥じております。山西省というところがどれだけ豊かな自然と豊かな力、そして毛沢東によるあの革命のとき、どれだけの力をあそこは持っておったか、すべての
中国のあの大きな歴史の動きの中に山西省のこういう力があったんだということを改めて私は勉強させられました。
しかし、
環境委員会の
委員の一人として、非常に悲しい出来事にも私は出会ったんです。
世界的な
環境問題の
調査機関が世界の
環境のランキングをつけております。その中で必ず登場してくるのが
中国の地域。そして、必ず登場してくるのが
中国の山西省。世界で
環境ワーストワンと言われるところにまでなってきたんです。
御承知のように、山西省は
中国のエネルギーの三分の二を石炭に、そして日本の電力会社も積極的にそれを利用しております。掘れば掘るほど、CO2、いろいろな公害問題が高まってきたんです。お金にはなるけれども公害にもなる。金と公害が手と手をつないで山西省で育っている。
農業は山西省に学べと言った毛沢東、工業は大慶に学べ、
農業は大寨に学べ。その山西省の
農業は、ついに地下水が枯渇することによってどんどん衰退していったんです。一番大切な食料、
農業が廃れる。公害ではナンバーワンというか、ワーストワン。こういう
環境を目の当たりにしました。
そして、ある小さな女の子の手紙が披露されました。この
委員会でも御披露したかもしれません。学校で夜になると月や星が見えることを私は習ったけれども、夜になって一遍もお月さん、お星さんを見たことがない、お星さんやお月さんが見えるところに引っ越してくださいとお母さんにお願いしています、この胸のつぶれるような、小さな小学生の手紙を私たちは知って、これは何とかしなければならぬ。こういう山西省の
環境の悪化というものが広がっていけば、これから二十一世紀、経済的な成長が一番期待されているこの地域はひどいことになる。それは日本にも及んでくる。
大臣、もう既に問題意識は持っていらっしゃると思います。
中国と提携して、どういうふうな
環境対策、
地球温暖化対策を展開しようとしておられるか、総論だけではなくてもう既に具体的な検討をしておられるかどうか、それについて教えていただけませんでしょうか。