○長島(昭)
委員 今の話は非常に受け身なんですよ。つまり、そういう環境の中に置かれた、そういう環境のもとでの部隊
運用は何とか注意を払いながら頑張ってやりますという話ですね。
そうじゃないんですよ。我々が考えているのは、そういう場所が外国資本に買われる
可能性もある、あるいは民間で安易に売買が行われる
可能性がある、それをなぜもっと抑止的に、プリエンプティブに、先んじて制するような
対応をおとりにならないのか。その点を伺っているんですが、いかがでしょう。
どうせすっきりしたお答えがいただけないと思うので、もう
一つ伺いたいと思っているんですが、市谷の
防衛省、これも
皆さんに地図をお配りすればよかったんですが、ちょうど市谷の北側ですか、国有地がずっと並んでいるんですね。もともと厚生省の書庫があったところが、国有地の売却の流れの中で民間のディベロッパーに売却をされ、今や何と三十八階建てのマンションが建っている。市谷のまさに
防衛省・
自衛隊の本丸を見おろすようなロケーションに三十八階建てのマンションが建っている。しかも、その周りには、財務省の総合研究所とか、国立印刷局とか、
内閣衛星情報センター、
外務省の職員の子弟育英寮とか、こういうものが並んでいる。
今、
政府資産を持ち過ぎだということで、これを民間に売却したらいいんじゃないかという流れがあるわけですけれ
ども、下手をすると、この辺をずらっと民間に買われてしまう
可能性があるわけですね。
防衛省の本丸ですら、周辺についてはこの程度の、ある
意味でいうと
安全保障上の配慮の低さなんですよ。そして、対馬なんですよ。
さらに私申し上げますと、横須賀。横須賀は、今、
皆さんに
写真をお配りさせていただきました。これは十一月の十九日に、夕刊フジという夕刊紙がありますけれ
ども、ここでこういう見出し、露中土地買い標的は横須賀基地、
ロシアと
中国ですね、対馬だけではない、こういう記事が躍っております。
どういうことかというと、横須賀は、
皆さん行かれたらわかると
思いますが、軍港を見おろすようにして後ろが高台になっています。その地形をぶち壊せというわけにはもちろんいきません。その地形の中で、その土地のところどころに、ちょうどこういうふうに軍港の状況、横須賀の基地の様子をまさに数百メートル先で手にとるように見おろせるような高台が幾つかある。それが民間の間で安易に売買されている。こういうことであります。
そこで、この記事はどういう記事だったかというと、ある会社の社長さん、経営者が、知人からこの土地、こういうふうに軍港を見おろせるような高台の土地を譲り受けた。購入をして、登記をした。これは、二年前の
平成十八年の七月三日に売買
契約をして、同十九日に名義変更の登記を完了した。完了した三日後に、
中国人が二人、
日本人の通訳一人がその会社を訪れて、売却してもらえないかと言った。さらに、一週間後の二十八日、今度は
ロシア人が二人でやってきて、売却をしないかと持ちかけてきた。
そこでこの会社の社長さんは、おかしいな、何でこういうところを外国人が買おうとしているのか、いぶかしいと思って、このことを当時の
防衛庁長官、実名を挙げますと、額賀長官とその後の久間長官あてに、こんなことが起こっているんですが大丈夫なんでしょうかというお手紙を送ったそうなんです。あわせて、これは横須賀港ですから
米軍基地もありますので、
アメリカ大使館のシーファー大使あてにも同様の手紙を送ったわけです。これが十月の二十六日付であります。
ところが、反応が
日米で大きく違っていました。
日本側からは何の反応もなかった。シーファー大使からは約二週間後に自筆のサインがしたためられた返書がこの会社社長あてに来て、そのすぐ後に米海軍犯罪捜査局のオフィサーがこの会社社長を訪れ、そして、この現場を一緒に訪れて、この記事によると、これは大変なことだ、こんなところが外国人の手に渡ったら
安全保障上極めて深刻だという感想を漏らしたと。こういう記事なんです。
しかも、この場所は、ことしの九月十二日に、過激派と思われる連中によって飛行弾が二発この高台から発射されている。こういうことなんです。防諜、諜報という
意味においても私は深刻な問題だと
思いますが、加えて、こういう二百メートル、三百メートル先ですから、本当に射程の短い飛行弾で十分攻撃することができる。
こういう状況の中で、
防衛省はこの会社社長さんの善意の手紙に対して何の反応もされなかったという記事なんですけれ
ども、事実関係はいかがでしょう。